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Savage, D.*; Wilson, J.*; Benbow, S.*; 笹本 広; 小田 治恵; Walker, C.*; 川間 大介*; 舘 幸男
Applied Clay Science, 195, p.105741_1 - 105741_11, 2020/09
被引用回数:3 パーセンタイル:13.11(Chemistry, Physical)高レベル放射性廃棄物の地層処分において、粘土を主体とする緩衝材の長期的な安全機能は、モンモリロナイトが存在することによる高膨潤性と低透水性が維持されるかどうかに影響される。多くの場合、安全評価ではモンモリロナイトのイライト化(非膨潤性鉱物)への変質が懸念され、半経験的な速度論モデルによる評価が行われている。一方、近年、化学反応だけでなく、反応と輸送の2つの現象をカップリングしたモデルでの評価もなされている。本研究では、反応-輸送モデルでの評価を行い、既往の半経験的な速度論モデルによる評価と比較した。その結果、反応-輸送モデルでは、半経験的な速度論モデルに比べて、保守側の評価にはなるものの、天然の事例を再現するという観点では課題があることが示唆された。このため、地層処分におけるニファフィールドの長期変遷評価において、反応-輸送モデルを用いた評価を行う場合は、解析結果の解釈にあたり注意を要することが必要である。
Savage, D.*; Wilson, J.*; Benbow, S.*; 笹本 広; 小田 治恵; Walker, C.*; 川間 大介*; 舘 幸男
Applied Clay Science, 179, p.105146_1 - 105146_10, 2019/10
被引用回数:12 パーセンタイル:52.48(Chemistry, Physical)本研究では、モンモリロナイトの安定性における温度及び溶液中のシリカ活量の影響に係る天然事例について評価を試みた。異なる熱力学データベースを用いた熱力学的モデルにより、モンモリロナイトの安定領域は、0140Cの温度領域であると推測された。一方、溶液中のシリカ活量が低い場合、モンモリロナイトの安定領域の一部は、イライトが安定な領域に変わることも示唆された。また、日本の沖合におけるODPサイトで得られた堆積物中の間隙水や鉱物組成に係るデータでは、60C程度の温度までは、モンモリロナイトと非晶質シリカが安定であるが、より高温の条件では、イライトと石英の組み合わせが安定であることも示唆された。一方、百万年を越えるような長期においても、80Cよりも低温の条件では、スメクタイトの一種であるモンモリロナイトは、イライトに変換されないことも示唆された。
Savage, D.*; Soler, J. M.*; 山口 耕平; Walker, C.; 本田 明; 稲垣 学; Watson, C.*; Wilson, J.*; Benbow, S.*; Gaus, I.*; et al.
Applied Geochemistry, 26(7), p.1138 - 1152, 2011/07
被引用回数:19 パーセンタイル:47.15(Geochemistry & Geophysics)放射性廃棄物の地層処分施設で亀裂のグラウトやトンネルのシール材などとしてセメント系材料を使う場合には、化学的反応性に関する潜在的な問題が生起する。処分の長期安全性評価という点からは、セメントと岩盤などとの反応やその変化について定量的にモデル化することが求められる。LCS(Long-term Cement Studies)プロジェクトとして、NDA(UK), Posiva(Finland), 原子力機構のモデリングチーム間で、セメント水和反応及びセメント-岩反応についての室内実験に対するモデリング比較研究を行った。この結果、どちらの実験についても、詳細なパラメータ化の点で顕著な違いはあるものの、主要な反応経路についてはとてもよく理解できており、チーム間でも矛盾しないことが示された。今後、長期スケールにおける鉱物-水反応の評価に役立つような適切なナチュラルアナログやインダストリアルアナログなどの事例に着目したモデリング研究を行うことが望まれる。
Savage, D.*; Benbow, S.*; Watson, C.*; 高瀬 博康*; 小野 香理*; 小田 治恵; 本田 明
Applied Clay Science, 47(1-2), p.72 - 81, 2010/01
被引用回数:38 パーセンタイル:70.43(Chemistry, Physical)サールズレーク(カリフォルニア州の湖)では、300万年の期間、アルカリ性の条件(pH9からpH10)でスメクタイトを含む泥岩が変質を被ってきた。300万年間に渡る堆積に伴う湖底面の上昇を取り入れながら、この自然事象のシミュレーションを実施した。さらに、シミュレーションでは、過去300万年間の水質の変化,高塩濃度に対応するためのPitzerモデル,堆積後の泥岩の圧密をモデル化して取り込んだ。スメクタイトの溶解速度式としては、スメクタイトの平衡からの離れ具合を反映した2種類の溶解速度式、地下水中のSiの濃度に依存した溶解速度式1種類の合計3種類の溶解速度式を適用した。その結果、サールズレークの現在のスメクタイトの残存量は"Cama-TST"モデルによって最もよく再現された。
Wilson, J.*; Savage, D.*; Cuadros, J.*; 柴田 雅博; Ragnarsdottir, K. V.*
Geochimica et Cosmochimica Acta, 70(2), p.306 - 322, 2006/01
被引用回数:92 パーセンタイル:57.83(Geochemistry & Geophysics)高レベル放射性廃棄物の地層処分システムでは、鉄とベントナイトが接触するが、ベントナイトの構成粘土鉱物であるモンモリロナイトと、鉄の腐食生成物とが反応することにより、非膨張性のFe-層状ケイ酸やFe-スメクタイトが生成されることが示唆されている。モンモリロナイトが非膨張性の鉱物に変化すると、ベントナイトに期待されている膨潤特性が低減し期待される性能が低下することが懸念されている。この論文では、熱力学モデルを用いて、鉄とベントナイトの接触境界における、Fe-層状ケイ酸塩の安定性を論じる。このために、AlO-FeO-FeO-MgO-NaO-SiO-HOの系からなる活量図を用い、単純化した組成の鉄に富む粘土鉱物の熱力学的特性の推定を行った。その結果foがマグネタイト-ヘマタイト平衡よりも十分小さく、溶液がマグネタイトに対して過飽和状態の条件では、Feサポナイトが安定な変質生成物となる。Feサポナイトは膨張性を有することから、モンモリロナイトの変質は処分システムに悪影響は及ぼさない可能性がある。一方、foがマグネタイト-ヘマタイト平衡よりも大きく、溶液がマグネタイトに飽和であると仮定すると、非膨張性のバーチェリンが安定となる。この場合には、処分システムの性能に影響を及ぼす可能性がある。
Wilson, J.*; Cressey, G.*; Cressey, B.*; Cuadros, J.*; Ragnarsdottir, K. V.*; Savage, D.*; 柴田 雅博
Geochimica et Cosmochimica Acta, 70(2), p.323 - 336, 2006/01
被引用回数:92 パーセンタイル:85.67(Geochemistry & Geophysics)鉄製容器とモンモリロナイトが接触する地層処分システムにおけるモンモリロナイトの安定性を調べるために、水熱条件下でモンモリロナイトを金属鉄やマグネタイトと共存させた2種類の試験を実施した。1)NaCl溶液にNaモンモリロナイトと鉄を混合し(マグネタイトand/or方解石を混合するケースも実施)、250Cで約100日間反応させた。2)FeCl溶液に、Naモンモリロナイトと金属鉄を混合し、温度を80250Cとして、約90日間反応させた。1)の試験では、金属鉄を十分量添加した条件でのみ、モンモリロナイトはFeスメクタイトに変化した。Fe(II)スメクタイトが生成し、大気に晒らされることで、Fe(III)に酸化した。反応生成物のエチレングリコール処理による膨張性は、出発物質に比べて劣る。TEM像では、部分的に4面体層が失われ、7の繰り返し構造の生成物となっていた。膨張性の低下は、この構造変化によるものと考えられる。溶液の活量は、Fe(II)サポナイトの安定領域であった。2)の試験では、スメクタイトの顕著な変質は250Cでのみ認められ、反応生成物は7の繰り返し構造を持つ。溶液の活量はバーチェリンの安定領域であった。これらの試験から、鉄とベントナイトの接触境界では、モンモリロナイトの変質により、ある程度の膨張性の低下は想定されるものの、それでもなおベントナイトが緩衝材/埋め戻し材として好ましいことを示している。
小田 治恵; 佐々木 良一; 本田 明; Savage, D.*; Arthur, R. C,*
JNC TN8400 2005-020, 39 Pages, 2005/09
物質移動・化学反応解析によってセメント反応水の影響を受けた緩衝材の鉱物学的変化と特性変化の幅を評価するために、既往の知見に基づき、生起し得る複数の変遷経路を緩衝材の鉱物学的長期変遷シナリオとして抽出した。変遷の過程で生じる可能性のある二次鉱物について、人工バリアの化学的条件が長期にわたって大きく変化することに伴い鉱物の熱力学的安定性が変化すること(熱力学的平衡点が変化する)から、多様な系の特徴に応じて生成頻度が高いと判断された鉱物を抽出した。また変遷の過程では、熱力学的な影響だけではなく反応速度の影響を受けるため、速度論的なバランスにより出現する可能性のある準安定相についても考慮する必要があると考えた。この結果として、C-S-Hゲルや非晶質物質など短期間で生成可能な固相の生成、熱力学的に準安定な沸石の生成、安定な沸石、カリ長石、イライトの生成という複数の変遷経路を抽出した。そして、準安定な相が長時間にわたって存在する場合、準安定相から安定相へと変化する場合、並びに比較的短い時間で局所的な熱力学的平衡が達せられ安定相が生成する場合を想定し、それぞれにこれら変遷経路を対応させた緩衝材の鉱物学的長期変遷シナリオを作成した。
小田 治恵; 佐々木 良一; 高瀬 博康*; Savage, D.*; 本田 明
Proceedings of International Workshop on Waste Management in Sapporo, p.163 - 165, 2005/08
None
小田 治恵; 本田 明; 佐々木 良一; Savage, D.*
Extended Abstractof International Workshop on Bentonite-Cement Interaction in Repository Environments, 7 Pages, 2004/04
None
Metcalfe, R.*; Savage, D.*; Bath, A. H.*; Walker, C.*
JNC TJ7400 2004-013, 148 Pages, 2004/03
調査や分析等を通じて既往データが持つ不確実性,地下水の地球化学特性の3次元的不均一性,性能・安全評価の時間スケールで地下水の地球化学特性が有する不確実性に関して,これらが放射性核種の溶解度および核種移行に与える影響について評価し,地球化学特性の調査における要求品質について検討した。
Arthur, R. C,*; Savage, D.*; 笹本 広; 柴田 雅博; 油井 三和
JNC TN8400 2000-005, 61 Pages, 2000/01
本報告書では、長石、層状珪酸塩、沸石、酸化物、輝石、角閃石に対する34種類の水和反応を対象に速度定数、反応次数、活性化エネルギーを含む速度論データを収集・整理した。また、同様に方解石と黄鉄鉱に対する速度論データも収集・整理した。これらのデータは、地球化学コードであるEQ3/6やGWBで用いられている表面反応支配・遷移状態理論に則した速度則に適合する。上述した水和反応の速度論データは、厳密には、平衡状態からかけ離れた非平衡状態における遷移状態速度則に適合するものである。これらのデータは、平衡状態からかけ離れた非平衡状態および平衡状態に近い状態における速度則にも概念的には適合するものであるが、その妥当性は、元文献の実験結果の解析を通じて可能な限り確認されるべきである。鉱物-水反応に関する速度論データの適用性の限界を考慮し、地下水水質形成の地球化学モデルの評価を単純化する上で、可能な場合、部分平衡を仮定することは有効な方法である。部分平衡の仮定が妥当であるかどうか評価するため、部分平衡の空間的、時間的スケールを評価するために用いられる水理および水-岩石反応を結合したモデル化手法について記述した。この様なモデル化手法は、釜石原位置試験場における割れ目中での地下水流れを含む条件に対して適用され、また、酸化性の地表水が結晶質岩における高レベル放射性廃棄物の処分深度にまで達するのに要する時間を評価するためにも用いられた。部分平衡が妥当な仮定であるかどうかといった疑問に対しては、適切なモデル化手法をもとに検討されるべきである。上述したモデル化手法を用いて、釜石サイトでの条件に適用するためには、割れ目充填部は多孔質媒体に近似でき、地下水の流れは単なる移流のみであり、母岩マトリクス方向への拡散は生じないことになる。さらに、平衡状態に達するまでの距離と同じか、それよりも長い距離に渡って、割れ目の鉱物学的特性や物理学的特性が均一でなければならない。もしこの様な条件下において、以下の状態であるならば、釜石サイトにおける地下水水質形成モデルにおいて部分平衡を仮定することが妥当であると推測される。・方解石、濁沸石(その溶解・沈殿挙動が輝沸石に類似すると仮定)、濁沸石、葡萄石、(石英は含まない)・ダルシー流速は比較的小さい(たとえば、約0.1myr-1)・平衡状態に関する不確実性として、飽和指数で+-0.4を誤差 ...
Savage, D.*; Lemke, K.*; 笹本 広; 柴田 雅博; Arthur, R. C,*; 油井 三和
JNC TN8400 2000-004, 30 Pages, 2000/01
本報告書では、セメント-水反応に係わるモデルのレビューおよび収集したセメント系鉱物の熱力学データについて報告する。本報告書でまとめた熱力学データには、鉱物およびセメントを構成する化合物の標準モル熱力学特性、関連する水和反応の平衡定数を含む。また、高アルカリ性環境下で安定な鉱物(例えば、沸石など)についても同様にデータ整備を行った。これらの鉱物は、放射性廃棄物処分場におけるセメント系材料から流出する高アルカリ性溶液と処分場周辺の岩盤との反応の結果生成すると考えられる。標準モル特性(すなわち、生成標準モルギブス自由エネルギー、生成標準モルエンタルピー、標準モルエントロピー)、関連する水和反応の平衡定数については、以下の文献による。・セメント鉱物および関係する混合物(Reardon,1992;Glasserほか、1999)・カルシウム-珪酸水和鉱物(Sarkarほか、1982)・沸石(熱量測定の値、様々なデータからの推定値)これらの全データは、個々の値としてとらえるべきものであり、データ全体としての内部整合性はとれていないかもしれない点に注意すべきである。また、本報告の中では、これら個々のデータの精度については評価していない点も留意する必要がある。近年、セメント-水系における幾つかの適切なモデルが提案されている。これらのモデルの多くは、CSHゲル-水系の室内実験データへの経験的な適合を示すものであり、熱力学的に正当化されているものではない。一方、近年、CSHゲルに適した固溶体挙動の熱力学的理論に基づいたモデル化手法が提案されている。この手法については、本報告書の中でレビューすると共に、JNCが行ったセメント-水反応に係わる実験結果と比較することにより検証した。固溶体モデルは、CSHゲルをポルトランダイトとカルシウム-珪酸塩を端成分組成とした非理想固溶体として表現する熱力学的・構造的に妥当なモデルである。2つの端成分の混和性の違いや溶解度は、固溶体の溶解挙動を調べるためのコンピュータコードである「MBSSAS」を求めた。MBSSASを用いて作られたLippmann相図は、ゲルの固溶体と平衡にある溶液組成を計算するPHREEQCへのデータを入力するために用いられた。ゲルの固溶体モデルで計算された溶液組成とCSHゲル-水系に係わる文献の実験データはよく一致している。
Savage, D.*; Arthur, R. C,*; 笹本 広; 柴田 雅博; 油井 三和
JNC TN8400 2000-003, 56 Pages, 2000/01
欧州(ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、スペイン、スウェーデン、スイスおよびイギリス)や北米(カナダおよびアメリカ)における高レベル廃棄物処分のプログラムでは、処分場のサイト選定において、社会的・経済的な観点だけでなく、地質工学的な観点も重視されている。本報告書では、これら諸外国で進められている廃棄物処分のプログラムをもとに、特に地球化学的な観点で、サイト選定における技術的要件をまとめた。その結果、サイト選定における地球化学的な観点での技術的要件は、諸外国のサイト選定プログラムにおいては、地質工学的な観点での技術的要件に付随する程度のものであった。また、サイト選定において、地球化学的な観点で技術的要件を考慮している国々では、定性的な記述に留められているものの、人工バリアの安定性や核種移行に影響を与える要因に焦点をおいていることが判った。しかしながら、地球化学的条件の長期的安定性や核種移行挙動を支配する地球化学的特性については、明確には記述されていなかった。この様な定性的評価のアプローチは、サイト候補地のスクリーニングには適しているかもしれない。一方、(安全評価の)シナリオで考慮する時間スケールを超える様な長期的な地球化学的変化を支配する最も重要なサイト特性についての理解を深めれば、サイトの適性という観点からサイト候補地をランク付けすることができるかもしれない。
笹本 広; 油井 三和; Savage, D.*; Bille, B.*
JNC TN8400 99-025, 32 Pages, 1999/06
地下水水質形式のモデル化の対象となるサイトや処分場の変遷過程を評価するために地下水データを用いる場合、データを用いる前に、データの品質や目的にあったデータであるかどうかについての評価を行う必要がある。本報告書では、データの品質保証に係わる事項・内容について整理した。その結果、地下水地球化学に関するモデル化を行う上では、以下の点に留意することが必要であると考えた。・どの様にして地下水試料がサンプリングされたか(試錐孔掘削中にサンプリングされた地下水か、水理試験の間にサンプリングされた地下水か、原位置での測定値か、試錐孔からポンプで汲み上げられた地下水か、原位置での圧力状態を保ったままサンプリングされた地下水か)。・掘削水の影響等を受けていない地下水試料をどの様にしてサンプリングしたのか。また、その手法に伴う地下水試料への影響(誤差)は、どの程度なのか。・地下水サンプリングの間に脱ガスの影響を受けていないか。もし脱ガスの影響を受けているならば、もとの状態の(正確な)地下水組成を推定するため、地球化学モデルによる補正がなされているか。・地下水の酸化還元状態の非平衡の度合いを把握するため、キーとなるサンプルに対して、異なる手法(例えば、電極によるEhの測定や酸化還元反応に鋭敏な化学種濃度の測定等)による酸化還元状態の調査が行われているか。・地下水試料の濾過方法はどの様にして行われたか。また、室内での水質分析のために、地下水試料をどの様に保存していたか。・低濃度である溶存アルミニウム(通常、0.2mg/L未満)の測定にあたり、精度良く、再現性のあるデータを得るため、地下水試料の濾過(0.1m)や化学分析について、十分信頼できる方法が採用されているか。・地下水試料の化学分析における誤差や検出限界はどの程度なのか。また、測定値に誤りが無いかどうかを確かめるため、電荷バランスのチェックや全溶解成分に関する測定値と計算値の比較等を行っているか。・キーとなる地下水試料が採取された場所での岩石試料に対して、詳細な鉱物学的分析が行われているか。
小田 治恵; 山口 耕平; Savage, D.*; Benbow, S.*; Watson, C.*; 高瀬 博康*
no journal, ,
緩衝材のアルカリ変質のナチュラルアナログ研究として、カリフォルニア州Searles Lakeにおける湖沼堆積物の変質現象を対象に、地球化学・物質移動連成モデル解析を行い、既存のボーリングコアデータと比較した。本検討から、粘土鉱物のアルカリ変質において、速度論的地球化学反応と地下水の化学的条件の影響が大きいことが示された。
小田 治恵; Savage, D.*; Benbow, S.*; Watson, C.*; 高瀬 博康*
no journal, ,
カリフォルニア州Searles Lakeにおける湖沼堆積物の変質現象を対象として、地球化学・物質移動連成モデル解析と、コアデータとの比較を行った。天然事例から、粘土鉱物のアルカリ変質における速度論的地球化学反応と物質移動の連成プロセスに対して、地下水組成と移流が重要因子であることを示すことができた。
Gallardo, A.*; Savage, D.*; Benbow, S.*; 高瀬 博康*; 小田 治恵
no journal, ,
アルカリ条件での地球化学的変遷に関する地層処分NA研究の一環として、アルカリ塩湖であるカリフォルニア州Searles Lakeの地下水流動及び塩濃度分布に関する周辺広域領域の地下水流動解析及びパーティクルトラッキング解析を行った。その結果、Lake中央では、垂直下向きの流れが支配的であること、また、湖沼堆積物上層部で溶解した塩分は垂直方向に再分配されるが、20万年後でも高濃度部分は領域6km4km, 200m以浅に留まること示唆された。本結果は、地球化学的変遷モデルの前提条件を検討するうえで有用な情報を与える。
小田 治恵; 佐々木 良一; Arthur, R. C,*; Savage, D.*; 本田 明
no journal, ,
TRU廃棄物処分では大量にセメント系材料を用いることから、緩衝材とセメント反応水との反応により緩衝材の化学的・鉱物学的変化が生じ、その結果として緩衝材の物質移動特性が変化する可能性がある。このような緩衝材の化学的・鉱物学的変遷過程には不確実性があり、変遷経路を一つに定めて化学的・鉱物学的変化や特性変化を議論することは難しい。しかしながら、生起し得る複数の変遷経路を緩衝材の鉱物学的長期変遷シナリオとして抽出し、この複数のシナリオに基づいた物質移動・化学反応解析を実施することによって、緩衝材の鉱物学的変化と特性変化の幅を評価することが可能である。そこで、既往の知見に基づき、セメント反応水の影響を受けた緩衝材の鉱物学的長期変遷シナリオを作成した。
Wilson, J.*; Watson, C.*; Benbow, S.*; Savage, D.*; 笹本 広
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリアとして、鉄製のオーバーパックの周囲に緩衝材としてベントナイト設置される計画である。鉄-ベントナイトの相互作用に伴い、ベントナイトの主成分である膨潤性を有するスメクタイトが非膨潤性の鉱物に変化する可能性が危惧されている。本発表では、反応輸送モデリングにより、鉄-ベントナイト境界付近で生じる現象の予測評価を行った。評価にあたっては、どのような反応やプロセスが鉄-ベントナイト境界で生じる現象への影響が大きいかを解析的に検討した。
Savage, D.*; Wilson, J.*; Benbow, S.*; 笹本 広; 小田 治恵; Walker, C.*; 川間 大介*; 舘 幸男
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、緩衝材の主成分であるモンモリロナイトが長期にわたり変化(変質)しなければ、性能評価で緩衝材に期待される機能は長期にわたり維持されうる。モンモリロナイトの非膨潤鉱物への変化については、これまでに半経験的速度論モデルによる評価がなされている。一方、このような評価方法は、ニアフィールドで生じる化学反応と物質移行の連成現象をモデルにより評価する方法とはアプローチが異なる。本研究では、モンモリロナイトのイライト化への変化を例に、海洋掘削プログラム(ODP Site1174)で得られた岩石コアを対象とし、上述した2つのモデルによる評価の比較を試みた。既往の研究により、半経験的速度論モデルでは、深度の増加に伴い、徐々にイライト化が進行する傾向がモデル化されており、岩石コアで認められた天然のデータ(イライト化率)とも整合的であった。一方、化学反応と物質移行の連成モデルによる評価では、より速くイライト化が進展するような結果が得られ、この要因として、緩衝材中にモンモリロナイトと共存する非晶質シリカが石英に変化することで間隙水中のシリカ濃度が低下し、イライト化を加速させる可能性が示唆された。今後は、イライト化への変化(変質)機構に関わるモデルの見直しを図ると共に、これら2つのモデルによる評価の違いの要因について、さらに考察を深める予定である。