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徳永 陽; 西 剛史; 中田 正美; 伊藤 昭憲*; 酒井 宏典; 神戸 振作; 本間 佳哉*; 本多 史憲*; 青木 大*; Walstedt, R. E.*
Physical Review B, 89(21), p.214416_1 - 214416_8, 2014/06
被引用回数:7 パーセンタイル:31.93(Materials Science, Multidisciplinary)AmOの低温の磁気相転移の起源をO NMR法により調べた。この相転移については帯磁率では8.5K付近で明確な異常が観測されるが、中性子やメスバウアー分光測定では磁気双極子の秩序は観測されていない。このためNpOと同じ高次多極子の秩序の可能性も指摘されていた。今回我々は新たにO核を置換したAmO試料を準備し、それをできる限り短時間でNMR実験サイトへと運び測定を行った。これにより自己照射効果がほぼ存在しない場合の電子状態を確認することができた。さらに同試料を極低温状態に一ヶ月保管することで、自己損傷効果が急激に進み、それによって短時間で試料内の電子状態に変化していく様子を観測することができた。さらにNMRスペクトルの温度依存性と核磁気緩和時間の測定から、AmOの磁気相転移がスピン-グラス的な特徴を持つことも明らかになった。
徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; 中堂 博之; 逢坂 正彦; 三輪 周平; 西 剛史; 中田 正美; 伊藤 昭憲; 本間 佳哉*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1444, p.149 - 158, 2012/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.11(Materials Science, Multidisciplinary)二酸化アクチノイドは原子力燃料としての応用がよく知られているが、アクチノイド化合物の基礎的な電子物性を系統的に理解するうえでも非常に重要な化合物群である。特に低温では電子特有の強いスピン-軌道相互作用を起源とした多彩な磁気状態が実現することが知られている。われわれはこれまでO酸素核のNMR測定を通じて微視的観点から系統的な研究を行ってきた。最近ではアメリシウム化合物では初めてとなるNMR測定をAmOにおいて成功している。本講演ではこれまでの二酸化アクチノイドのNMR研究結果についての総括的に議論する予定である。
西 剛史; 伊藤 昭憲*; 市瀬 健一; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Materials, 414(2), p.109 - 113, 2011/07
被引用回数:17 パーセンタイル:77.43(Materials Science, Multidisciplinary)AmO及びAmOの熱拡散率はレーザフラッシュ法で、比熱は投下型熱量法で測定し、実測した熱拡散率,比熱及び密度を用いてAmO及びAmOの熱伝導率を算出した。その結果、AmOの比熱はAmOの比熱よりも大きく、UO及びNpOの比熱と同程度であること、AmO及びAmOの熱伝導率は測定した温度領域において温度の上昇に伴い減少することなどが明らかとなった。また、473から773KまでのAmOの熱伝導率はUO及びPuOの熱伝導率よりも若干小さく、NpOの熱伝導率にほぼ近い値を示すこと、希土類A型構造を持つAmOの熱伝導率は蛍石型構造を持つAmOの熱伝導率よりも小さく、非化学量論組成のAmOの熱伝導率よりも大きな値を示すことも明らかとなった。
西 剛史; 中田 正美; 鈴木 知史; 柴田 裕樹; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 平田 勝
Journal of Nuclear Materials, 401(1-3), p.138 - 142, 2010/06
被引用回数:28 パーセンタイル:86.66(Materials Science, Multidisciplinary)希土類A型構造を持つアメリシウム三二酸化物(AmO)と蛍石型構造を持つ二酸化アメリシウム(AmO)のX線吸収微細構造に関する研究を行った。AmO及びAmOのAm-L吸収端のEXAFSの結果はX線回折から得られる結晶データと良い一致を示した。また、電子構造の観点からX線吸収端構造を評価するために、AmO及びAmOの理論的解析をFP-LAPW法を用いて行った。この解析結果から、理論的解析により求められたXANESスペクトルは実験で得られたスペクトルと良い一致を示し、XANESスペクトルのホワイトラインはAm-dとO-p成分の相互作用から、セカンドピークとホワイトラインのテールピークはAm-dとO-d成分の相互作用から形成されることが明らかとなった。
西 剛史; 高野 公秀; 伊藤 昭憲; 宮田 精一; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 9, p.012017_1 - 012017_8, 2010/05
被引用回数:2 パーセンタイル:70.97(Chemistry, Inorganic & Nuclear)(Np,Am)N及び(Pu,Am)N固溶体の熱拡散率及び比熱をレーザフラッシュ法及び投下型熱量法により測定し、熱拡散率,比熱,試料密度の実測値から(Np,Am)N及び(Pu,Am)Nの熱伝導率を求めた。その結果、(Np,Am)N及び(Pu,Am)Nの熱伝導率は温度とともに増加することが明らかとなった。この熱伝導率の増加は電子的寄与の増加によるものと考えられる。また、(Np,Am)N及び(Pu,Am)Nの熱伝導率はAmの濃度増加とともに減少することが明らかとなった。このような熱伝導率の組成依存性を示すのは熱伝導の電子的寄与の低下によるものと考えられる。
徳永 陽; 西 剛史; 神戸 振作; 中田 正美; 伊藤 昭憲; 本間 佳哉*; 酒井 宏典; 中堂 博之
Journal of the Physical Society of Japan, 79(5), p.053705_1 - 053705_4, 2010/05
被引用回数:15 パーセンタイル:64.85(Physics, Multidisciplinary)アメリシウム酸化物AmOにおける8.5Kでの相転移の存在は1975年に帯磁率測定から初めて報告された。一方、同時期に行われた中性子散乱,メスバウアー分光測定では双極子秩序を示す結果は得られていなかった。この状況は一時期のNpOによく似ているが、結晶場基底が二重項と思われていたため、多極子秩序の可能性は考えられてこなかった。しかし最近、理論的に電子系の特性として基底も取りうることが示され、多極子秩序の可能性が議論されるようになった。本研究でわれわれはAmOにおいても世界初となるNMRによる微視的研究を行い、8.5K以下で信号強度の急激な減少とそれに続くスペクトル線幅の急激な増大とを観測した。この結果はこれまで帯磁率以外では確認されていなかった相転移の存在を微視的観点から初めて明らかにしたものである。これにより相転移が不純物相などではなくAmOそのものに由来することが確認された。また今回の実験ではAmの崩壊に伴う自己照射損傷が、その電子状態に強い影響を与えていることもわかった。
西 剛史; 高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
Proceedings of 10th OECD/NEA Information Exchange Meeting on Actinide and Fission Product Partitioning and Transmutation (CD-ROM), 8 Pages, 2010/00
窒化物はマイナーアクチノイド(MAs)核変換のための燃料物質として幾つかの長所を持ち合わせている。しかし、窒化物燃料(特にMA窒化物)の熱的性質のデータベースに関しては十分な整備がなされていないのが現状である。そこで、本研究では、原料二酸化物から窒化ネプツニウム(NpN)と窒化アメリシウム(AmN)を炭素熱還元法により調製し、レーザフラッシュ法により熱拡散率を、投下型熱量法により比熱を測定した。NpNの熱拡散率は473から1473Kまでの温度範囲において温度依存性はほとんどなく、AmNの熱拡散率は同温度領域において温度の増加とともにわずかではあるが減少する傾向を示した。また、NpNの比熱はUNとPuNの比熱と同程度の大きさであるが、AmNの比熱はUN, NpN, PuNの比熱よりもわずかではあるが小さい値を示した。NpNとAmNの熱拡散率,比熱,試料の密度から熱伝導率を算出した結果、NpN及びAmNの熱伝導率は温度の増加とともにわずかではあるが増加する傾向があることが明らかとなった。
西 剛史; 伊藤 昭憲; 高野 公秀; 沼田 正美; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials, 377(3), p.467 - 469, 2008/07
被引用回数:12 パーセンタイル:61.74(Materials Science, Multidisciplinary)投下型熱量法により窒化ネプツニウムと窒化アメリシウムの比熱容量を測定した。窒化ネプツニウムと窒化アメリシウムの試料は炭素熱還元法により調製した。得られた窒化ネプツニウムの比熱容量は334から1067Kまでの温度範囲において報告値と良い一致を示し、窒化ウランや窒化プルトニウムの比熱容量の値と近い値を示した。窒化アメリシウムの比熱容量は354から1071Kまでの温度範囲において窒化ウラン,窒化ネプツニウム及び窒化プルトニウムの比熱容量の値よりわずかに小さい値を示した。
西 剛史; 伊藤 昭憲; 高野 公秀; 沼田 正美; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials, 376(1), p.78 - 82, 2008/05
被引用回数:33 パーセンタイル:88.13(Materials Science, Multidisciplinary)二酸化ネプツニウム(NpO)の熱伝導率を測定した熱拡散率,比熱及び密度を用いて評価した。NpOの熱拡散率をレーザフラッシュ法により473から1473Kまでの温度範囲で、NpOの比熱を投下型熱量法により334から1071Kまでの温度範囲で測定した。NpOの熱拡散率は温度の上昇とともに減少し、NpOの比熱はUOの比熱よりもわずかに大きく、PuOの比熱よりも約7%小さいことが明らかとなった。また、NpOの熱伝導率は873から1473Kの温度領域ではUO及びPuOの熱伝導率の間に位置することが明らかとなった。
西 剛史; 伊藤 昭憲; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
Proceedings of 3rd International ATALANTE Conference (ATALANTE 2008) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/05
酸化アメリシウム(AmO)と二酸化ネプツニウム(NpO)の熱拡散率をレーザフラッシュ法により測定した。AmO及びNpOの熱拡散率は温度の上昇とともに減少した。また、AmOの熱拡散率は、真空中での熱拡散率測定で生じるO/Am比の減少により、わずかな減少を示すことが明らかとなった。AmO及びNpOの熱伝導率は、測定した熱拡散率,比熱及び密度を用いて評価した。AmOの熱伝導率は、UOとPuOの熱伝導率の文献値よりも小さい値であること、873から1473Kまでの温度領域におけるNpOの熱伝導率はUO及びPuOの熱伝導率の間に位置することが明らかとなった。また、AmO及びNpOの熱伝導率は熱拡散率同様、温度の上昇とともに減少する傾向を示し、ほかの酸化物燃料と同じ傾向を示すことが明らかとなった。これらのマイナーアクチノイド酸化物の熱伝導率は新型燃料の熱特性・挙動を把握するうえで重要な物性値である。
西 剛史; 中田 正美; 伊藤 昭憲; 鈴木 知史; 平田 勝; 赤堀 光雄
Journal of Nuclear Materials, 374(3), p.339 - 343, 2008/03
被引用回数:20 パーセンタイル:77.66(Materials Science, Multidisciplinary)蛍石型構造を持つ二酸化アメリシウムのEXAFS及びXANES解析を行った。二酸化アメリシウムのアメリシウムL吸収端に対するEXAFSの結果はX線回折測定で得られた構造データと良い一致を示した。二酸化アメリシウムのXANESを用いた電子構造の理論計算は相対論DV-X分子軌道法により行った。計算で得られたXANESスペクトルは実験で得られたスペクトルと良い一致を示した。XANESスペクトルの計算に基づく電子状態の評価は今後の核燃料サイクルにおけるマイナーアクチノイド(MA)含有MOX燃料の開発に非常に有用である。
西 剛史; 高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生; 沼田 正美
Journal of Nuclear Materials, 373(1-3), p.295 - 298, 2008/02
被引用回数:16 パーセンタイル:70.82(Materials Science, Multidisciplinary)酸化アメリシウム(AmO)の熱拡散率をレーザフラッシュ法により299から1473Kまでの範囲で測定した。AmOの熱拡散率は、温度の上昇とともに減少した。また、AmOの熱伝導率に関しては、測定した熱拡散率,比熱及び密度を用いて評価した。AmOの熱伝導率は299から1473Kまでの温度領域において、温度とともに減少する傾向を示すことが明らかとなった。また、真空中での熱拡散率測定で生じるO/Am比の減少により、AmOの熱伝導率のわずかな減少を示すことも明らかとなった。
西 剛史; 高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 湊 和生; 木崎 實
Journal of Nuclear Materials, 355(1-3), p.114 - 118, 2006/09
被引用回数:20 パーセンタイル:78.83(Materials Science, Multidisciplinary)窒化アメリシウム(AmN)の熱拡散率をレーザフラッシュ法により373から1473Kの範囲で測定した。アメリシウム二酸化物(AmO)から炭素熱還元によりAmNを調整し、これを粉砕した後、円板状に400MPaで加圧成形し、窒素・4%水素気流中1823Kで、10時間加熱してAmN焼結体を得た。AmNの熱拡散率は、温度の上昇とともに3.4102.810m/sの範囲内で緩やかに減少した。測定した熱拡散率,密度から熱伝導率を評価するに際し、AmNの比熱容量の文献値が存在しないため、PuNの比熱容量の文献値を用いて熱伝導率を試験的に評価した。AmNの熱伝導率は、温度の上昇とともにわずかに増加する傾向を示した。また、理論密度のAmNの熱伝導率はUN, NpN及びPuNの値よりも小さいのに対し、UO及び(UPu)Oよりも大きいことが明らかとなった。
湊 和生; 高野 公秀; 西 剛史; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄
Recent Advances in Actinide Science, p.317 - 322, 2006/06
高レベル廃棄物の放射性毒性を低減し、地層処分場を有効に使用するために、将来の燃料サイクルの選択肢として、プルトニウムばかりでなくマイナーアクチノイド(MA)もリサイクルすることが考えられている。MA含有燃料の研究開発のために、新しい不活性雰囲気の実験設備を整備し、MA窒化物,MA酸化物の熱物性を測定した。MA窒化物は炭素熱還元法によりMA酸化物から調製した。格子定数及びその熱膨張を高温X線回折により測定し、熱拡散率をレーザフラッシュ法により測定した。
西 剛史; 高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 湊 和生; 木崎 實
JAERI-Tech 2005-051, 13 Pages, 2005/09
マイナーアクチノイド(MA)化合物の熱拡散率を測定するための装置を整備した。不活性雰囲気のグローブボックス内に、レーザフラッシュ法熱拡散率測定装置を設置することにより、崩壊核種のMA化合物の熱拡散率測定を可能にした。また、試料の形状に最適化した試料ホルダーを用いることにより、40mg程度の微小試料の測定を可能にした。さらに、この装置の性能を確認するため、タンタル,ニッケル及びセリウム酸化物の測定を行った。その結果、本装置で得た熱拡散率の値は、文献値及び汎用の熱拡散率測定装置により測定した値とほぼ一致し、微小なMA化合物の熱拡散率測定に本装置が有用であることを確認した。
武山 昭憲; 山本 春也; 伊藤 洋; 吉川 正人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 232(1-4), p.333 - 337, 2005/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Instruments & Instrumentation)イオン注入と熱処理によって、Si(100)基板上に銅化合物微粒子を生成させた。熱処理時間を長くすると、銅化合物微粒子の形状は長方形から細長いピラミッド状に変化した。この形状変化は、銅化合物微粒子が基板との界面エネルギーを最小化するため、基板上にエピタキシャル成長した結果生じたと考えられる。一方、熱処理時間が長くなるほど(1時間)銅化合物微粒子の生成密度は増加するが、逆にその大きさは減少することがわかった。以上の結果から、銅化合物微粒子の形状,大きさ及び生成密度が熱処理時間の長短によって制御可能であることがわかった。したがって、銅化物微粒子の大きさを上述の方法でナノメートルサイズに制御することにより、ナノメートルサイズの柱状酸化亜鉛(酸化亜鉛ナノロッド)の形成が可能である見通しを得た。
武山 昭憲; 山本 春也; 吉川 正人; 伊藤 洋
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 44(1B), p.750 - 753, 2005/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Applied)銅イオン注入と熱処理によりピラミッド形状をした銅化合物微粒子を生成させたSi(100)基板上へ、化学気相蒸着法(CVT)によりナノメートルサイズの柱状酸化亜鉛(酸化亜鉛ナノロッド)を成長させた。その結果、直径が約200nmのナノロッドを基板に対してほぼ垂直に成長させることに成功した。さらに単位面積あたりに成長した酸化亜鉛ナノロッドの数は、単位面積あたりに生成した銅化合物微粒子数に比例して増加することから、銅化合物微粒子は酸化亜鉛ナノロッドが成長する際に触媒として機能していると考えられた。
湊 和生; 赤堀 光雄; 高野 公秀; 荒井 康夫; 中島 邦久; 伊藤 昭憲; 小川 徹
Journal of Nuclear Materials, 320(1-2), p.18 - 24, 2003/09
被引用回数:53 パーセンタイル:94.59(Materials Science, Multidisciplinary)原研では、地層処分の負担軽減,環境負荷低減を目的に、長寿命核種であるマイナーアクチノイドのNp,Am,Cmを窒化物燃料として加速器駆動核変換炉により短寿命核種に核変換する概念を提案している。これまでに、NpN,(Np,Pu)N,AmN,(Am,Y)N,(Am,Zr)N,(Cm,Pu)Nなどの窒化物を炭素熱還元法により酸化物から調製することに成功している。調製した窒化物については、X線回折法による相の同定及び格子定数測定,不純物酸素及び炭素の分析などを実施している。また、ウランを含まない(Pu,Zr)N及びPuN+TiNの燃料ペレットを製造し、材料試験炉JMTRにおいて照射試験を開始した。
高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 湊 和生; 沼田 正美
Proceedings of GLOBAL2003 Atoms for Prosperity; Updating Eisenhower's Global Vision for Nuclear Energy (CD-ROM), p.2285 - 2291, 2003/00
マイナーアクチノイドの核変換用窒化物燃料に関して、その成分となるAmN及び不活性母材との固溶体(Am,Zr)Nの安定性を室温での加水分解挙動と高温での蒸発挙動について実験的に調べた。空気中に放置したAmNは水分と急速に反応して水酸化物Am(OH)と思われる化合物になったが、(AmZr)Nでは、1000時間の観察中に加水分解による重量増加は認められなかった。Dyモル分率をパラメータにした(Dy,Zr)Nによる実験では、固溶体の水分に対する安定性はDyのモル分率に大きく依存することがわかった。(Dy,Zr)Nの乾燥空気中での熱重量分析による高温酸化に関する実験では、700K以上で急激な酸化が起こり、Dyモル分率への依存性はほとんど見られなかった。高温でのHe中における蒸発挙動では、1623から1733Kの範囲でAmNの蒸発速度定数を得た。(AmZr)N中のAmNの蒸発速度定数はAmNのそれに比べて小さかったが、AmNの選択的な蒸発が起こり固溶体の組成が変化することがわかった。窒素雰囲気中におけるAmNの蒸発との比較から、焼結などの高温加熱を行う場合には蒸発による損失を抑えるために、窒素雰囲気を用いる必要があることがわかった。
岡本 芳浩; 赤堀 光雄; 伊藤 昭憲; 小川 徹
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.638 - 641, 2002/11
LiCl-KCl共晶塩中の、UCl融体の局所構造について、U原子L吸収端XAFS測定によって調べた。XAFS測定は、高エネルギー加速器研究機構の放射光実験施設BL27Bで実施した。ウラン水素化物の塩化によって調製した、UClを亜鉛粉末で還元してUClを得た。カーブフィッティング解析の結果、最近接U-Cl相関に関する構造情報を得た。MD計算とXAFSシミュレーションコードFEFF8の併用から、最近接U-Cl相関の相互作用について評価した。また、いくつかのウランハロゲン化物のXANES測定を行い、そのシフトから原子価について評価した。