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山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:5 パーセンタイル:87.42(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
上羽 智之; 根本 潤一*; 伊藤 昌弘*; 石谷 行生*; 堂田 哲広; 田中 正暁; 大塚 智史
Nuclear Technology, 207(8), p.1280 - 1289, 2021/08
被引用回数:3 パーセンタイル:34.82(Nuclear Science & Technology)高速炉燃料集合体の冷却材熱流動、燃料ピンの照射挙動、燃料ピン束の照射変形を連成して解析する統合計算コードシステムを開発した。このシステムは複数の計算コードから構成され、各コードが計算に必要とする情報を他のコードの計算結果から得るようになっている。これにより、照射下の燃料集合体における熱,機械,化学的挙動を関連させて解析することができる。本システムの機能確認のテスト解析として、高速炉で照射した混合酸化物燃料ピン束集合体の照射挙動解析を実施した。解析結果は集合体の横断面図、集合体や燃料ピンの3次元イメージモデル上に描画した。更に、解析で得られた燃料ピンの様々な照射挙動について、照射条件の影響を評価した。
上羽 智之; 横山 佳祐; 根本 潤一*; 石谷 行生*; 伊藤 昌弘*; Pelletier, M.*
Nuclear Engineering and Design, 359, p.110448_1 - 110448_7, 2020/04
被引用回数:1 パーセンタイル:11.8(Nuclear Science & Technology)高速炉で高燃焼度を達成した軸非均質MOX燃料ピンの照射挙動を、連成した計算コードを持ちいて解析した。照射後試験では、軸非均質燃料ピンのMOX燃料カラムと上下・内部ブランケットカラムの境界部近傍において、Cs濃度とピン外径の局所的な増加が確認されている。解析の結果、Cs濃度増加はMOX部からブランケット部へのCsの軸方向移動によるものであると評価された。また、Cs-U-O化合物の形成によるブランケットペレットのスエリングは、PCMIを引き起こすほど顕著には生じていないと評価された。ピン外径増加に及ぼすPCMIの寄与は小さく、外径増加の主な要因は、被覆管スエリングとピン内ガス圧による照射クリープであると評価された。
上羽 智之; 根本 潤一*; 石谷 行生*; 伊藤 昌弘*
Nuclear Engineering and Design, 331, p.186 - 193, 2018/05
被引用回数:4 パーセンタイル:38.11(Nuclear Science & Technology)高速炉MOX燃料ピンの照射挙動を計算するコードと燃料ピン内のCsの挙動に特化して計算するコードを連成することにより、Cs挙動が燃料ピンの熱・機械的挙動に及ぼす影響を解析できるようにした。連成した計算コードを高燃焼度MOX燃料ピンの照射挙動解析に適用し、Csの燃料ピン内軸方向分布やCs化合物による燃料ペレットと被覆管の機械的相互作用などを評価した。
伊能 康平*; Hernsdorf, A. W.*; 今野 祐多*; 幸塚 麻里子*; 柳川 克則*; 加藤 信吾*; 砂村 道成*; 広田 秋成*; 東郷 洋子*; 伊藤 一誠*; et al.
ISME Journal, 12(1), p.31 - 47, 2018/01
被引用回数:49 パーセンタイル:91.37(Ecology)岐阜県瑞浪市の超深地層研究所において、深度300メートルの地下水を地下坑道から採取し、地下微生物の生態系を調査した。その結果、花崗岩深部でマグマ由来のメタンに依存した微生物生態系が存在することを明らかにした。
伊藤 崇; 森下 卓俊; 田村 潤; 南茂 今朝雄*; 杉村 高志*
Proceedings of 8th International Particle Accelerator Conference (IPAC '17) (Internet), p.4184 - 4186, 2017/06
東日本大震災以降、数台のSDTLで発生するマルチパクター問題が発生していた。具体的には、SDTLの運転電力がマルチパクター発生領域の中にあるため、SDTLを設計値よりも高い電力で運転しなければならない状況となっていた。SDTL空洞の内部観察とシミュレーションの結果から、マルチパクターは空洞内壁表面で発生していることが明らかになったため、このマルチパクターの原因の一つが空洞内壁の汚れであると考え、アセトンを使用した空洞内壁の洗浄を実施した。洗浄はとても効果的で、マルチパクター領域は減少あるいは消失した。洗浄後の空洞ではその後マルチパクター問題は発生していない。
伊能 康平*; 今野 祐多*; 幸塚 麻里子*; 廣田 明成*; 東郷 洋子*; 福田 朱里*; 小松 大介*; 角皆 潤*; 田辺 章文*; 山本 智*; et al.
Environmental Microbiology Reports (Internet), 8(2), p.285 - 294, 2016/04
被引用回数:26 パーセンタイル:68.23(Environmental Sciences)瑞浪超深地層研究所の深度300mの花崗岩中の地下水を対象として、ボーリング孔を利用した微生物特性の調査を行った。ボーリング孔から得られた地下水は、当初、好気性の水素酸化に関わるHydrogenophaga spp.が優勢種であったが、3年後にはNitrospirae門の微生物が優勢種となった。後者の微生物種は系統学的に深部地下水や陸域の温泉水において観察される種であり、この地域の土着の微生物種と考えられた。
根本 康雄; 田村 潤; 伊藤 崇; 森下 卓俊; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小栗 英知; 杉村 高志*; 南茂 今朝雄*; 青 寛幸*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1101 - 1104, 2015/09
J-PARCリニアックでは、環結合型空洞を用いたビーム運転を開始して約1.5年が経過した。長期運転によるコンディショニング効果によって、空洞内の真空圧力はビーム運転で要求されるより十分低い110Pa程度まで下がり、RFトリップ回数についても順調に減少している。現在この環結合型空洞は、J-PARC加速器の稼働率に大きな影響を与えることなく安定に運転している。運転を開始してからこれまでの間に、このビームラインで使用しているアルミ製チェーンクランプの破損によって、突発的な真空リークが5回発生した。そこで同様のトラブルを未然に防ぐため、全てのアルミ製クランプをステンレス製のものに交換した。また、この環結合型空洞部では空洞間に設置しているビームモニタのボア径が周辺のビームダクトと比べて小さいため、この場所の残留放射線量が非常に高く問題となっている。今後のリニアックビーム電流増強に備え、ビーム調整に使用していないモニタについてはチタン製のダクトと交換し、特に高線量部についてはこのチタン製ダクトのボア径を拡大する等の検討を行っている。
上羽 智之; 水野 朋保; 根本 潤一*; 石谷 行生*; 伊藤 昌弘*
Nuclear Engineering and Design, 280, p.27 - 36, 2014/12
被引用回数:11 パーセンタイル:64.35(Nuclear Science & Technology)「CEDAR」はFBR用MOX燃料ピンの照射挙動を解析することを目的として開発した解析コードである。本コードは被覆管と燃料内のそれぞれ応力-歪み状態や燃料ペレットと被覆管との機械的相互作用(PCMI)を適切に解析するため、機械計算部にFEMを適用した。更に、燃料ピンの照射挙動を機構論的に解析するため多くの主要な照射挙動モデルを統合した形で導入し、これにより実際の燃料ピン照射挙動を忠実に表現できる。コードの解析機能は、燃料ペレット温度, FPガス放出率, ピン外径変化の解析結果が実測データを適切に再現できることを確認することで検証した。燃料ピンの照射挙動として、Amの再分布、PCMI, JOG形成等の機構について、照射試験燃料ピンの挙動解析を通して解釈した。
鈴木 庸平*; 今野 祐多*; 福田 朱里*; 小松 大介*; 廣田 明成*; 渡邊 勝明*; 東郷 洋子*; 森川 徳敏*; 萩原 大樹; 青才 大介*; et al.
PLOS ONE (Internet), 9(12), p.e113063_1 - e113063_20, 2014/12
被引用回数:12 パーセンタイル:36.57(Multidisciplinary Sciences)土岐花崗岩が対象として掘削された深層ボーリング孔において、深部地下水中の微生物特性の調査を行った。その結果、低硫酸濃度環境下において、微生物的硫酸還元に伴う硫黄同位体分別が認められた。また、硫黄同位体分別の大きな同位体比および炭素同位体比は、メタン生成菌の活性が低いことを示唆した。これらの特徴は、低栄養環境である深部火成岩中の微生物生態系の特徴と考えられた。
小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。
上羽 智之; 伊藤 昌弘*; 根本 潤一*; 市川 正一; 勝山 幸三
Journal of Nuclear Materials, 452(1-3), p.552 - 556, 2014/09
被引用回数:1 パーセンタイル:8.82(Materials Science, Multidisciplinary)バンドル-ダクト相互作用(BDI)解析コードBAMBOOを、太径ピンの炉外バンドル圧縮試験の結果を用いて検証した。太径ピンの外径は8.5mmと10.4mmであり、原型炉の高度化炉心とFaCTで検討している実証炉や実証炉のピン径に相当する。バンドル圧縮試験では、X線-CT技術により圧縮中のバンドルの横断面CT画像を取得した。このCT画像を解析し、ピン-ダクト間距離やピン-ピン間距離を評価した。検証ではBAMBOOコードの炉外バンドル圧縮試験解析結果とCT画像解析による評価結果とを比較した。比較の結果、BAMBOOコードは、ピン湾曲と被覆管の変形をBDI条件下での主要な変形機構と仮定することにより、太径ピンのBDI挙動を適切に予測できることが分かった。
三浦 昭彦; 宮尾 智章*; 伊藤 崇; 平野 耕一郎; 南茂 今朝雄*; 丸田 朋史; 田村 潤; 池上 雅紀*; 内藤 富士雄*
Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.653 - 655, 2013/08
2011年3月の東北地方太平洋沖地震により、J-PARCでは大きな被害が発生した。震災前の運転に比べ、アライメントが異なることなどから、ビームロスの発生状況の変化が見られると同時に、部分的に非常に大きなビームロスが発生し、運転後のサーベイにおいて、ドリフトチューブリニアック(DTL)空洞の表面に、残留放射線が認められる箇所が見つかった。このため、シンチレーションビームロスモニタを追加し、DTL部でのビームロス挙動の観測を開始した。ビーム軌道をパラメータとした測定の結果、ビームロスイベントが軌道に伴って変化する様子が観測された。
山口 彰*; 辰巳 栄作*; 高田 孝*; 伊藤 啓; 大島 宏之; 上出 英樹; 榊原 潤*
Nuclear Engineering and Design, 241(5), p.1627 - 1635, 2011/05
被引用回数:6 パーセンタイル:44.16(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉の1次系統内には、気泡もしくは溶存ガスの形態でガスが混入している。本研究では、自由液面からのガス巻込みの許容量について検討する。その際、炉心入口におけるボイド率を基準として、許容量を評価する。また、1次系統内の気泡・溶存ガス挙動を評価するために、フローネットワーク型の解析コード開発を行う。解析により、炉心入口ボイド率は、ガス巻込み発生を仮定した場合でも十分低いレベルに保つことができるという結果を得た。
山口 彰*; 高田 孝*; 辰巳 栄作*; 伊藤 啓; 大島 宏之; 上出 英樹; 榊原 潤*
Proceedings of 7th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-7) (CD-ROM), 16 Pages, 2008/10
ナトリウム冷却高速炉の一次冷却系統内には、カバーガスの巻込み及び溶存と制御棒からのヘリウムガス放出によるガスが、溶存ガスもしくは気泡の形態で混入している。ガスは炉心反応度の擾乱や沸騰核の生成等を誘起する可能性があるため、安全の観点からガスを抑制する設計とすることが重要であり、ガス巻込みや気泡濃度に関する許容量を定める必要がある。本研究では、高速炉におけるガス巻込み許容量の検討と合理化として、ガス巻込みの影響を炉心入口ボイド率によって評価し、バックグラウンドのガス量を考慮することで受容できるガス巻込み量とガス濃度の提案を行う。そのために、プラント動特性解析コードVIBULの開発を行っており、本コードを用いて高速炉システム内の溶存ガスや気泡の濃度分布を評価する。コードを用いて気泡挙動を評価することでバックグラウンド気泡量が得られ、総気泡量がバックグラウンド量の105%以内に収まるという条件下において、設計における予備的なガス巻込み許容量が巻込み率と巻込み気泡径に関するマップとして導かれる。さらに、ガス抜き機構による気泡除去の成立性について調査を行った。
川畑 貴裕*; 石川 貴嗣*; 伊藤 正俊*; 中村 正信*; 坂口 治隆*; 竹田 浩之*; 瀧 伴子*; 内田 誠*; 安田 裕介*; 與曽井 優*; et al.
Physical Review C, 65(6), p.064316_1 - 064316_12, 2002/06
被引用回数:20 パーセンタイル:70.04(Physics, Nuclear)392MeVでのO()反応における反応断面積と偏極観測量が散乱角0°から14°までの角度で測定された。O原子核の離散準位と共鳴準位へのスピン反転,スピン非反転強度がモデルに依存しない形で得られた。励起エネルギー19~27MeVの領域の巨大共鳴が主に角運動量移行L=1で励起されていることがわかった。S=1,L=1をもつスピン双極子遷移の励起強度が求められた。その強度は理論計算と比較された。実験結果は原子核の殻模型から計算された波動関数を用いたDWIA核反応計算で説明されることがわかった。
内山 軍蔵; 渡部 和男; 宮内 正勝; 冨樫 喜博; 中原 嘉則; 深谷 洋行; 伊奈川 潤; 鈴木 大輔; 薗田 暁; 河野 信昭; et al.
Journal of Radiation Research, 42(Suppl.), p.S11 - S16, 2001/10
JCO臨界事故後の沈殿槽及び残されたビーカー内のウラン溶液の分析を行い、ウラン溶液中の核分裂生成物濃度の分析結果及び投入ウラン推定量をもとに総核分裂数を(2.50.1)10個と評価した。
川畑 貴裕*; 秋宗 秀俊*; 藤村 寿子*; 藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; 原 圭吾*; 畑中 吉治*; 細野 和彦*; 石川 貴嗣*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 459(1-2), p.171 - 176, 2001/02
被引用回数:17 パーセンタイル:74.75(Instruments & Instrumentation)「まど」なとの氷ターゲットの作成法を記述している。29.7mg/cmの氷ターゲットが液体チッソ温度にまで冷まされて磁気スペクトロメータで使用された。O (p,p')反応が陽子エネルギー392MeVでこのターゲットを用いて測定された。
伊藤 潤*; 細谷 宜也*
PNC TJ9164 98-001, 97 Pages, 1998/04
実験炉「常陽」では、MK-III炉心への移行に伴い、原子炉熱出力が100MWから140MWに増加するが、これにより冷却系のヒートバランスを変更する計画となっている。その為、異常な過渡変化時や事故時には、冷却系機器への熱応力が増大することが予想されるので、この熱応力緩和を目的に原子炉制御系の信号をトリガーとして冷却系機器の停止が行えるよう、計測・制御系の改造も計画されている。本検討では、上記を目的として改造が計画されている、安全保護系のロジック盤、原子炉制御補助継電器盤、並びに中央制御盤である原子炉制御盤の改造内容の具体化を行い、実際の図面レベルでの変更案を作成するとともに、それに基づく改造の概略工程を立案した。なお、本検討結果に基づき、設工認変更申請が行われる予定であり、受理後、速やかに改造に着手できるレベルでの検討を行なった。
伊藤 潤*; 細谷 宣也*
PNC TJ9164 98-010, 81 Pages, 1998/03
1997年3月に発生した動燃東海事業所でのアスファルト固化処理施設における爆発事故を受けて、高速実験炉「常陽」でも、火災・爆発事故を始めとする事故時に中央制御室から運転員が待避せざるを得ない事態が発生した場合の制御室外からの原子炉停止手段の必要性の有無について検討を実施することになった。制御室外からの原子炉停止手段は、通常の発電用軽水型原子力発電所においては、米国連邦規格であるNRC TITLE10 CFR(Code of Federal Regurations)Part50 Appendixesに規定されており、国内ではこれをベースに「発電用軽水型原子炉施設に関する安全審査指針」(平成2年8月30日 原子力安全委員会決定)にて設置の義務を規定している。高速増殖炉プラントにあっては、原型炉「もんじゅ」においても、これら指針内容を尊重し、制御室外からの原子炉停止を目的に中央制御室外原子炉停止盤を設置している。一方、「常陽」においては、建設当時、このような規定はなく、発電プラントでもないため、中央制御室外原子炉停止盤は設置されていないが、本検討作業では、東海事業所での爆発事故に鑑み、これら規格・基準類を参考に、「常陽」においても中央制御室外原子炉停止盤が必要か否かの検討を施すとともに、必要性の有無に関わらず、設置するとした場合の中央制御室外原子炉停止盤に必要な機能、設置場所等について、「常陽」の特質を踏まえた上で検討した。「常陽」の場合、万一、その炉心冷却系である1次・2次冷却系、補助冷却系の機能が喪失しても自然循環にて炉心冷却可能であることが自然循環試験でも確認されており、その意味で必ずしも必要ではないといえるが、仮に中央制御室外原子炉停止盤を設置する場合においては、炉心冷却機能遂行上、必要な最低限の操作・監視機能を中央制御室外原子炉停止盤に搭載する必要があり、これらについて、摘出、整理し、上記規格・基準類との整合性を確認しながら、設置するとした場合の中央制御室外原子炉停止盤の概念を構築した。