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田中 万也; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; 富田 純平; 小澤 麻由美*; 山崎 信哉*; 徳永 紘平; 福山 賢仁*; 小原 義之*; Maamoun, I.*; et al.
Chemosphere, 355, p.141837_1 - 141837_11, 2024/05
本研究では生物性マンガン酸化物を用いて人形峠坑水からのラジウム除去実験を行った。その結果、7.6mgの生物性マンガン酸化物を用いて3L坑水中から98%以上のRaを除去することが出来た。これは固液分配係数に換算すると10 mL/gという非常に高い値となり、生物性マンガン酸化物が実際の坑水処理に有効であることを示している。
春間 俊克*; 山路 恵子*; 小川 和義*; 升屋 勇人*; 関根 由莉奈; 香西 直文
PLOS ONE (Internet), 14(2), p.e0212644_1 - e0212644_16, 2019/02
被引用回数:23 パーセンタイル:78.84(Multidisciplinary Sciences)すすきは鉱山跡地に生える先駆植物である。すすきは、植物性シデロフォアを生産することによって、鉱山跡地の有害元素であるAlを無毒化する。すすきの根に内生する微生物であるC. cupreumは、シデロフォアを生産することによってすすきのAl耐性を向上させる。われわれは、C. cupreumが生産するシデロフォアがoosporeinであると同定した。oosporeinがAlを無毒化することを明らかにした。C. cupreumを無菌状態のすすきに接種すると、芽の生長が促進され、Al耐性が向上した。
春間 俊克*; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; 関根 由莉奈; 香西 直文
no journal, ,
Miscanthus sinensisの根から内生菌であるChaetomium cupreumを単離した。C. cupreumが生産するシデロフォアを回収・精製し、シデロフォアの作用を調べた。そのシデロフォアはoosporeinであった。C. cupreumは、菌糸内にAlを集めAlを無毒化することによって、あるいはAlを局在化させることによってM. sinensisのアルミニウム耐性を高めることがわかった。
山路 恵子*; 小原 義之; 福山 賢仁; 長安 孝明; 春間 俊克; 田中 万也; 升屋 勇人*; 羽部 浩*
no journal, ,
人形峠環境技術センターでは、坑水中のFe, Mn, As, Raの除去が可能で、薬品使用量, 二次産生物の発生及びメンテナンス負荷が少ないなどの利点がある水処理方法に着目し、実証試験を行ってきた。しかし、本方式では、Mn除去のメカニズムが化学的には不明であり、生物的作用が機能すると推察された。そこで本研究では、本処理法におけるMn酸化菌の関与を明らかにすることを目的とした。センター内で採取した坑水からHay mediumでMn酸化菌を分離した結果、Coprinopsis urticicola及びMicrodontium sp.が確認された。また、これらの菌種は本浄化装置のカラム内の砂粒に定着していることも確認された。C. urticicolaについて培養特性を精査した結果、(1)浄化装置の水温の変動範囲(10-15C)においては生長及びMn酸化能が確認され、また、(2)CN源添加によりMn酸化能は消失したことから浄化装置内ではMn酸化能が維持されると示唆された。以上の結果より、本浄化装置には坑水由来のMn酸化菌が定着しMn除去に関与すると考えられた。
田中 万也; 香西 直文; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; Grambow, B.
no journal, ,
人形峠環境技術センターの鉱山廃水中のラジウム226濃度は当センターの排出基準を超過している。そこで本研究では、ラジウム除去を念頭においた生物性マンガン酸化物へのバリウム及びストロンチウム吸着実験を行った。バリウム、ストロンチウムの吸着量はともに水溶液のNaCl濃度に依存するが、全体の傾向としてバリウムの方が分配係数Kd値が一桁高かった。人形峠の鉱山廃水と同程度の塩濃度である10mM NaCl水溶液でのバリウムのKd値は10を超えていた。バリウムとラジウムはイオン半径が類似しており、生物性マンガン酸化物はラジウムに対しても同様の高いKdが期待され鉱山廃水の処理において効果的であると考えられる。
田中 万也; 香西 直文; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; Grambow, B.
no journal, ,
人形峠環境技術センターでは、ウラン坑道から流出する坑水中のラジウム226濃度がセンター外への排出基準を超過している。そのため、センター外に排出する前に坑水中に含まれるラジウムを除去する必要がある。本研究では、このようなラジウム除去の予備実験として、坑水中から単離したマンガン酸化菌により形成するマンガン酸化物へのバリウム及びストロンチウムの吸着実験を行った。ストロンチウムとバリウムの吸着量はともにNaCl濃度依存性を示したがその程度はバリウムの方がやや小さかった。すべてのNaCl濃度条件においてバリウムの方がストロンチウムに比べて分配係数Kd(固液濃度比)が一桁程度大きかった。0.01M NaCl溶液でのバリウムのKdは2.010 mL/gと高い値を示した。ラジウムとバリウムのイオン半径は類似していることから、ラジウムに対しても同様に高いKd値が期待される。このことから微生物が形成するマンガン酸化物はラジウムを効果的に除去できるものと期待される。
田中 万也; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; 富田 純平; 小澤 麻由美; 福山 賢仁*; 小原 義之*; 香西 直文
no journal, ,
本研究では、ラジウム(Ra)を含む坑水を用いて微生物が形成するMn(IV)酸化物へのRa吸着実験を行った。Raに対する固液分配係数Kdを求めた結果、2.810mL/gという非常に高い値が得られた。このことは、生物性Mn(IV)酸化物がRaを非常に強く吸着し、坑水からのRa除去に対して有効であることを示している。それと同時に、環境動態の観点からはRaのホスト相となり得ることを示している。同様に、Baに対するKdは2.410mL/gとRaほどではないがかなり高い値であった。Baはイオン半径の類似性からRaのアナログ元素としてしばしば用いられてきたが、このように両者のKdには一桁程度の違いがあることが明らかとなった。一方、Srに対するKdは1.410mL/gという値が見積もられ、Baよりもさらに二桁低い値となった。