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論文

Contrast variation by dynamic nuclear polarization and time-of-flight small-angle neutron scattering, 1; Application to industrial multi-component nanocomposites

能田 洋平*; 小泉 智*; 増井 友美*; 間下 亮*; 岸本 浩通*; 山口 大輔; 熊田 高之; 高田 慎一; 大石 一城*; 鈴木 淳市*

Journal of Applied Crystallography, 49(6), p.2036 - 2045, 2016/12

 被引用回数:19 パーセンタイル:78.58(Chemistry, Multidisciplinary)

We have reported the first attempt with dynamic nuclear polarization (DNP) and contrast variation small-angle neutron scattering (SANS) experiments on model mixtures for industrial tyres conducted at the MLF of J-PARC. We performed time-of-flight SANS (TOF-SANS) experiments, employing neutrons with a wide range, which causes imperfect neutron polarization and variations in the coherent and incoherent scattering lengths. By carefully eliminating the effect of imperfect neutron polarization, separation of the partial scattering functions was successfully demonstrated for the ternary system styrene-butadiene-rubber/silica/carbon.

口頭

Observation of nanodomains in model biomembranes using small angle neutron scattering techniques

増井 友美; 今井 正幸*; 浦上 直人*

no journal, , 

生体膜における側方相分離である脂質ラフトは機能性タンパク質を集積し、生化学的に重要な反応に関与している。しかし、顕微鏡法による直接的な観測ではその存在は確認されておらず、顕微鏡分解能以下の約数十ナノメートル程度の動的なドメインであることが知られている。一方、脂質ラフトの組成に着目し、コレステロール,飽和脂質,不飽和脂質から成るモデル生体膜では脂質ラフトに類似したドメインが観測される。モデル生体膜上のドメインはマイクロメートルサイズであり安定なため顕微鏡によって直接的に観察される。このように、脂質ラフトとモデル生体膜上のドメインの間には約1000倍のサイズの差が存在する。顕微鏡手法では、分解能の限界からナノメートルサイズのドメインの観察はできない。そこで、本研究ではナノメートルスケールの空間分解能を持つ小角中性子散乱法を用いてモデル生体膜上でのドメイン形成を追跡した。その結果、モデル生体膜上でナノメートルサイズのドメインが存在することを明らかにし、その安定構造がモノドメイン構造であることを明らかにした。さらに、散乱強度と示差走査熱量測定による解析から脂質分子のゲル・液晶転移がドメイン形成を誘起することを明らかにした。

口頭

中性子超小角散乱法によるアクチンコンプレックス形成過程の追跡

増井 友美; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 角五 彰*; Gong, J.*

no journal, , 

アクチン分子は生体内に最も豊富に存在する球状タンパク質であり、生体内のアクチン結合タンパク質とともにコンプレックスを形成することで高次構造を形成し、細胞運動を担うことが知られている。このため、細胞運動を理解するためにアクチン分子が形成するコンプレックスの構造の研究は精力的に進められ、蛍光標識したアクチン分子を用いて蛍光顕微鏡観測を中心に研究が進められている。生体内のアクチン濃度は高いが、蛍光顕微鏡観測では高アクチン濃度では背景光が蛍光ノイズとなるため高濃度での振る舞いに関しては不明な点が多いのが現状である。本研究では、中性子超小角散乱法を利用することで、顕微鏡実験より高濃度での実験を実現し、アクチンコンプレックスの構造を追跡した。その結果、顕微鏡実験の濃度ではコンプレックスを形成しない条件下でも、アクチン濃度を高くすることによりコンプレックスを形成することを明らかにした。

口頭

フィラメントアクチン・ポリカチオン複合体の構造形成

増井 友美; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 角五 彰*; Gong, J.*

no journal, , 

アクチン分子は生体内に最も豊富に存在する球状タンパク質であり、生体内のアクチン結合タンパク質と結合することで高次構造を形成し細胞運動を担う。このため、細胞運動のメカニズムを明らかにするために、アクチン分子が形成するコンプレックスの構造の研究は精力的に進められてきた。従来のアクチンの研究は蛍光顕微鏡手法により行われ、低濃度でのアクチンの構造形成が明らかになってきた。しかしながら、高濃度のアクチンの観測は、蛍光による背景光がノイズとなるためその振る舞いはほとんど調べられていない。一方、生体内のアクチン濃度は高く、高濃度領域のアクチンの構造形成を調べることは、細胞運動のメカニズムを明らかにするうえで大変重要となる。そこで、本研究では中性子超小角散乱法を利用し、蛍光標識なしかつ高濃度といったより生体内に近い実験条件下でのアクチンコンプレックスの構造を追跡した。その結果、顕微鏡実験の濃度ではコンプレックスを形成しない条件でも、高濃度のアクチンではコンプレックスを形成すること、また、低濃度のアクチンのコンプレックス形成とは異なる経路で構造を形成していくことを明らかにした。

口頭

中性子超小角散乱法によるフィラメントアクチン・ポリカチオン複合体の高次構造観察

増井 友美; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 角五 彰*; Gong, J.*

no journal, , 

フィラメントアクチンは、球状タンパク質であるアクチン分子が直線上に会合した細長い棒状分子集合体である。アクチンは非筋肉細胞中に存在し、その運動をバンドル構造やネットワーク構造などの高次構造の形成と解体によって制御している。この制御機構については、生化学的な研究では、生体内のアクチン結合タンパク質の多様性に起因するとされていたため、塩濃度による構造制御についてはほとんど検討がなされてこなかった。本研究では、アクチン結合タンパク質の代わりにポリカチオンを用い、フィラメントアクチンとポリカチオンの複合体に及ぼす塩濃度の効果を中性子小角散乱法により検討した。中性子超小角散乱法では、生体内に近い高濃度かつ溶液条件での実験が可能であり、本研究では、塩濃度変化による複合体構造の変化をナノメートルスケールからサブマイクロスケールにわたる空間領域で観察を行った。その結果、生体内の塩濃度に近い領域で、塩濃度をわずかに変化させることによってバンドル構造を解体することを明らかにした。

口頭

In situ observation on hierarchical actin bundle network

増井 友美; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 角五 彰*; Gong, J.*

no journal, , 

アメーバ運動は、生体内の細胞骨格タンパク質であるアクチンがアクチン結合タンパク質を介して形成するバンドル,二次元ネットワーク,三次元ゲル構造の構築と消滅の制御によって生み出されている。本研究では、アクチン結合タンパク質のモデルとしてポリカチオンを用い、フィラメントアクチンとポリカチオンが形成する複合体構造を中性子超小角散乱法を用いて観察した。その結果、ポリカチオン濃度の増大によるバンドル内のフィラメント密度の増大、及び、塩濃度の増加によるバンドル構造の消滅を明らかにした。

口頭

アクチン構造形成の観察

増井 友美; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 角五 彰*; Gong, J.*

no journal, , 

アメーバ運動は、生体内の細胞骨格タンパク質であるアクチンがアクチン結合タンパク質を介して形成するバンドル,二次元ネットワーク,三次元ゲル構造の構築と消滅の制御によって生み出されている。本研究では、アクチン結合タンパク質のモデルとしてカチオン性鎖状高分子を用い、フィラメントアクチンとカチオン性鎖状高分子が形成する複合体構造を中性子超小角散乱法を用いて観察した。その結果、塩濃度の増大によってネットワーク様構造からバンドル構造へと構造変化すること、さらに塩濃度が増大するとバンドル構造が消滅することを明らかにした。本研究の結果は、細胞運動における塩濃度の局所分布の重要性を示唆する。

口頭

In situ observation on hierarchical actin bundle networks; Salt concentration effects

増井 友美; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 角五 彰*; Gong, J.*

no journal, , 

アメーバ運動は、生体内の細胞骨格タンパク質であるアクチンがアクチン結合タンパク質を介して形成するバンドル,二次元ネットワーク,三次元ゲル構造の構築と消滅の制御によって生み出されている。この構造の制御機構については、これまでアクチン結合タンパク質の多様性によって理解されてきた。一方、この系を物質科学的な性質に着目すると、アクチンは負電荷,アクチン結合タンパク質は正電荷を有する。また、生体内では塩濃度の不均一性が存在する。このため、塩濃度変化が構造形成に及ぼす効果を調べることは大変重要となる。そこで、本研究では、アクチン結合タンパク質のモデルとしてポリカチオンを用い、フィラメントアクチンとポリカチオンが形成する複合体構造に及ぼす塩濃度の効果を中性子超小角散乱法を用いて観察した。その結果、低塩濃度ではネットワーク様構造を形成し、塩濃度の増大によってバンドル構造が発達し、さらに塩濃度が上昇するとバンドル構造が消滅することを明らかにした。

口頭

アクチンとポリカチオン複合体の構造組み替え機構

増井 友美; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 角五 彰*; Gong, J.*

no journal, , 

アメーバ運動は、生体内の細胞骨格タンパク質であるアクチンがアクチン結合タンパク質を介して形成するバンドル,二次元ネットワーク,三次元ゲル構造の構築と消滅の制御によって生み出されている。この構造の制御機構については、これまでアクチン結合タンパク質の多様性によって理解されてきた。一方、この系を物質科学的な性質に着目すると、アクチンは負電荷、アクチン結合タンパク質は正電荷を有する。また、生体内では塩濃度の不均一性が存在する。このため、塩濃度変化が構造形成に及ぼす効果を調べることは大変重要となる。そこで、本研究では、アクチン結合タンパク質のモデルとしてポリカチオンを用い、フィラメントアクチンとポリカチオンが形成する複合体構造に及ぼす塩濃度の効果を中性子超小角散乱法を用いて観察した。その結果、低塩濃度ではネットワーク様構造を形成し、塩濃度の増大によってバンドル構造が発達し、さらに塩濃度が上昇するとバンドル構造が消滅することを明らかにした。この構造変化が単価イオンによる静電遮蔽によって説明できることを明らかにした。

口頭

モデル細胞骨格の組み替え機構

増井 友美; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 角五 彰*; Gong, J.*

no journal, , 

細胞運動は、細胞骨格タンパク質であるアクチンがアクチン調節タンパク質を介して形成するバンドル,二次元ネットワーク,三次元ゲル構造の構築と消滅の制御によって生み出されている。これまでに、アクチンの負電荷,アクチン調節タンパク質の正電荷に着目し、アクチンとポリカチオンからなるモデル細胞骨格を構築すると、塩濃度変化によって構造変化が生じることが明らかにされてきた。しかしながら、顕微鏡分解能以下のナノメートルスケールの構造情報を得ることは困難であった。そこで、本研究では、蛍光顕微鏡と中性子小角散乱法を併用することで、溶液条件下でナノスケールからマクロメートルスケールに渡る階層構造の変化を明らかにすることを目的とし、4桁に渡る空間スケールの構造情報を定量的に得ることに成功した。得られた構造パラメータから、塩による遮蔽距離がアクチン間距離も大きい場合には、残存するアクチン間の斥力からコイル構造を形成すること、塩濃度の増大によってアクチン間の斥力が塩によって遮蔽されるとバンドルが成長し、さらなる塩濃度の増大は、アクチンとポリカチオン間の引力作用をも遮蔽することによって単一アクチンへと転移することを定性的に説明することができた。

口頭

アクチン・ポリカチオン複合体における階層構造の塩濃度依存性; 蛍光顕微鏡と中性子小角散乱によるその場観察

増井 友美; 敷中 一洋*; 小泉 智; 橋本 竹治; 角五 彰*; Gong, J.*; Kwon, H.*

no journal, , 

アクチンとポリカチオン混合溶液により、in vitroのモデル細胞骨格を構築した。モデル細胞骨格のナノメートルスケールからマイクロメートルスケールでの構造情報を中性子小角散乱と蛍光顕微鏡を併用することにより定量的に調べた。本研究では、細胞内部で塩濃度の揺らぎが存在し、アクチン濃度が高い点を踏まえ、高アクチン濃度条件で塩濃度変化による階層構造の変化を詳細に追跡した。顕微鏡観察から、塩濃度が低い場合には、コイル構造、塩濃度が高くなるとバンドル構造へとその形態を変化させるが、その際に、バンドル内のアクチン間距離やパッキング状態などのナノオーダーの微細構造を変えながら、バンドルの太さを変化させていることを明らかにした。得られた定量的なパラメータから、構造形成要因について詳細に検討した。

口頭

超小角散乱による粉体試料の亀裂パターン形成メカニズムの解明

山口 大輔; 中原 明生*; 松尾 洋介*; 小泉 智; 増井 友美; 橋本 竹治

no journal, , 

炭酸カルシウム等の粉体を濃厚なコロイド懸濁液から乾燥させてゆく過程において、水の蒸発とともに粉体が収縮し粉体の表面にユニークな模様の亀裂が現れる現象が知られている。この亀裂パターンを有する炭酸カルシウム(CaCO$$_{3}$$)と炭酸水酸化マグネシウム(MgO)の2種類の粉体を中性子超小角散乱法により観察した。CaCO$$_{3}$$の粉体は直径が数$$mu$$m程度の球状粒子である一方、MgOの粉体は直径が0.5$$mu$$m、厚さが50nm程度の板状粒子が構成基本単位となっている。これまでの研究結果により、CaCO$$_{3}$$とMgOの粉体の間には発現する亀裂パターンに関して異なる特徴が現れることがわかっている。粉体が濃厚なコロイド懸濁液(ペースト)の状態下において、振動による外力を与えた場合、CaCO$$_{3}$$では常に振動と直交する方向に亀裂パターンが優先的に発生する一方、MgOでは振動の強度等条件に依存して振動と平行又は垂直に亀裂パターンが優先的に発生する2通りの状況が生じる。今回中性子散乱法を用いてこれらの粉体の構造を階層横断的に解析することにより、マクロに現れる亀裂パターンと構成粒子の形状の差異をはじめとする系のミクロな構造との相関に関して多くの新たな知見が得られたので発表する。

口頭

アクチン・ポリカチオン複合体の塩濃度による階層構造変化

増井 友美; 敷中 一洋*; 小泉 智; 角五 彰*; 橋本 竹治; Gong, J.*

no journal, , 

アクチンは細胞運動に重要な役割を果たしているタンパク質であり、アクチン結合タンパク質ともに形成する細胞骨格が細胞運動を担う。本研究では、アクチンとアクチン結合タンパク質間の静電相互作用に着目し、アクチン結合タンパク質の代わりにポリカチオンを用い、塩濃度変化によるアクチン・ポリカチオン複合体の階層構造を、中性子小角散乱法と蛍光顕微鏡法により得た。その結果、アクチン・ポリカチオン複合体は、一定サイズのプロトバンドル,プロトバンドルからなるスーパーバンドルと階層的に凝縮していることを明らかにした。溶液中の塩濃度上昇に伴って、プロトバンドル内のアクチンの配列秩序の向上,プロトバンドルの太さ成長が観測され、同時に、蛍光顕微鏡で観測される高次構造は、グロビュール状からバンドルへと変化した。さらに塩濃度を上げると、複合体は単一アクチンへと溶解した。塩濃度の増大は、アクチン間斥力を緩和し、プロトバンドルの太さ成長を引き起こす。その結果、曲げ弾性エネルギーが増大し、グロビュール状からバンドルへと形態変化する。このようなダイナミックな構造変化は、細胞運動における塩濃度変化の重要性を示唆する。

口頭

マイクロビアルセルロースゲル(ペクリル)における高含水率のからくり; 中性子超小角散乱観察による階層構造からのアプローチ

小泉 智; 富田 陽子*; Zhao, Y.; 岩瀬 裕希*; 山口 大輔; 近藤 哲男*; 橋本 竹治; 増井 友美

no journal, , 

酢酸菌が生成するマイクロビアルセルロース(MC)は培地中でペクリルと呼ばれるゲルフィルムとして存在する。このフィルムは水で膨潤し含水率が99%に達する驚異の超分子系である。このカラクリを明らかにするために、中性子超小角散乱観察により、ナノメートルからマイクロメートルの空間スケールでMCの階層構造を解析し、非結晶内部にさまざまな次元のマスフラクラルに従って階層的に分布することを確認した。これらの実験結果を元にMCのからくりを菌体構造,生息と関連させて議論する。併せて高含水率の人工高分子ゲルの代表であるポリアクリルアミドゲルと対比しながら、含水のカラクリの違いを論じる。

口頭

Advanced technique of ultra-small-angle neutron scattering explores a new scientific field of neutron cell biology, covering from a single molecule to cell

小泉 智; 増井 友美; 山口 大輔; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希*

no journal, , 

中性子超小角散乱法は生体関連物質を生きた状態で構造解析できる手段である。本研究では2結晶法と集光法という2種類の光学技術を利用した散乱法を駆使して細胞及び細胞質のモデル溶液の研究を行ったので報告する。細胞骨格のモデル溶液では、アクチンタンパク質とカチオン性高分子は静電相互作用によって凝縮してバンドル構造を形成する。このバンドルは数十マイクロメートルの有限サイズで安定化することが蛍光顕微鏡観察の結果、明らかになった。中性子超小角散乱法を用いてこのバンドル構造の内部に形成される階層構造を定量的に解析すると、バンドル内部は一様ではなく、アクチンフィラメント(数ナノメートル),プロトバンドル(数十$$sim$$数百ナノメートル)という構造単位が階層的に出現していることが明らかになった。またプロトバンドルのサイズは塩濃度に強く依存することが明らかになった。本研究は塩添加に伴う静電相互作用の変化と、これを反映した高分子凝集構造形成と位置付けることができる。また実細胞として赤血球や酢酸菌の中性子超小角散乱を測定したので併せて報告する。

口頭

Effects of sugars on the structures and dynamics of lipid membranes

増井 友美; 藤原 悟; 中川 洋; 片岡 幹雄

no journal, , 

一般に生物は水を失うと死に至るが、ある種の生物は乾燥条件下でも生命機能を保持し水に戻すことで蘇生する。この生物における耐乾燥性には、糖の一種であるトレハロースが重要だと考えられている。本研究では、細胞の内外を分け隔て物質の選択的透過に重要な役割を果たしている生体膜に着目し、トレハロースが生体膜に対してどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とした。そして、水が大過剰に存在する溶液条件下でトレハロースが脂質膜の静的及び動的構造へ及ぼす影響を小・広角X線散乱実験と中性子スピンエコー法によって調べた。その結果、トレハロースの添加が膜の積層構造を乱し、膜のやわらかさを増すことを明らかにしたのでその結果を報告する。

口頭

脂質膜の動的及び静的構造へ及ぼすトレハロースの影響

増井 友美; 藤原 悟; 中川 洋; 片岡 幹雄

no journal, , 

トレハロースは生物乾燥耐性に重要な役割を果たしている。その重要な役割の一つに脂質を液晶相に保つことがある。従来研究は熱分析法を手法とし、トレハロースが乾燥状態での脂質のゲル・液晶相転移温度を下げることを明らかにし、トレハロースによる脂質膜の保護作用を明らかにしてきた。しかしながら熱分析法では試料調製法により脂質のゲル・液晶相転移温度が異なることが報告され、トレハロースがいかに脂質のゲル・液晶相転移温度を下げるのかは明らかにされていない。そこで、本研究では乾燥前の水が過剰に存在する溶液条件下で、小・広角X線散乱法を用いることによりトレハロースが脂質膜の構造に及ぼす影響を調べるとともに、中性子スピンエコー法を用いることでトレハロースが脂質膜のダイナミクスに及ぼす影響について調べることを目的とした。中性子スピンエコー法の結果、水溶液中でゲル相にある脂質膜はトレハロースの添加によって膜の曲げ弾性率が小さくなり、トレハロースの添加が温度上昇による効果と同一であることを明らかにした。

口頭

生体保護物質トレハロースが脂質膜の構造と揺らぎに与える影響

増井 友美; 藤原 悟; 遠藤 仁; 中川 洋; 片岡 幹雄

no journal, , 

水は生命機能に不可欠であり生物は乾燥状態になると死に至る。一方、乾燥耐性生物は乾燥条件下で生命機能を保持し水に戻すことで蘇生する。乾燥耐性生物は乾燥条件で体内に多量のトレハロースを蓄積することが特徴としトレハロースと乾燥耐性との関係を示唆する。本研究では、トレハロースが生体膜に及ぼす影響を調べるために生体膜の主要構成成分であるジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPPC)を用い、トレハロースが脂質膜の構造と揺らぎに与える影響を広角X線散乱法と中性子スピンエコー法を用いて調べた。広角X線散乱測定を行った結果、脂質膜内のDPPC分子のアルキル鎖間の距離を反映する回折ピークは、トレハロース濃度の増大によっても変化しないことがわかった。これは、脂質二分子膜内での脂質分子の配列秩序に変化がないことを意味する。一方、中性子スピンエコー法を用いて脂質膜の曲げ弾性率の変化を調べた結果、トレハロース添加によって膜の曲げ弾性率は低下し、膜の柔軟性を向上することが明らかとなった。糖を添加した脂質膜では脂質のゲル・液晶相転移温度が低下することから、転移温度の低下と膜の柔軟性の向上がお互いに関係すると考えられる。

口頭

水素核スピン偏極コントラスト変調SANSの高度化とJ-PARCへの展開

能田 洋平; 山口 大輔; 社本 真一; 橋本 竹治; 熊田 高之; 高田 慎一; 小泉 智; 大石 一城*; 鈴木 淳市*; 増井 友美*; et al.

no journal, , 

水素核スピンの向きを一方向に揃えること(水素核スピン偏極)でも、中性子散乱長を制御できるという中性子の特徴を活かし、中性子小角散乱(SANS)におけるコントラスト変調法を実現し、多成分から構成されるナノ構造の解析を展開してきた。今回の発表では、より広幅なコントラスト変調を実現するため行ってきた、水素核スピン偏極効率の向上のための各種の取り組みについて報告する。さらには、先日行った、J-PARC大観での水素核スピン偏極コントラスト変調実験の成果についても報告する。

口頭

The First experiment of spin contrast variation SANS at J-PARC BL15 TAIKAN

能田 洋平; 山口 大輔; 社本 真一; 橋本 竹治; 熊田 高之; 高田 慎一; 小泉 智*; 大石 一城*; 鈴木 淳市*; 増井 友美*; et al.

no journal, , 

水素核スピンの向きを一方向に揃えることによって散乱長が変化するという中性子の特徴を活かし、中性子小角散乱(SANS)におけるコントラスト変調法を実現し、多成分から構成されるナノ構造の解析を展開してきた。先日、実験に成功した、J-PARC大観での水素核スピン偏極コントラスト変調実験の成果について報告する。

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