Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
佐藤 有司; 宮本 勇太; 粟谷 悠人; 山本 耕輔; 畠山 巧
JAEA-Review 2023-002, 59 Pages, 2023/08
新型転換炉原型炉ふげん(以下「ふげん」という。)は、廃止措置に係わる技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県における研究開発の拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、日本原子力研究開発機構内外の有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を設置している。本稿は、令和3年度に開催した第39回ふげん廃止措置技術専門委員会において「ふげん」から報告した「廃止措置の状況」、「原子炉構造材の試料採取及び分析に係わる実績と考察」、「液体シンチレータ廃液の処理について」及び「クリアランスに係る除染合理化の成果と課題及び搬出サーベイに係わる考察」について資料集としてまとめたものである。
大楽 正幸; 渡邊 和弘; 戸張 博之; 柏木 美恵子; 井上 多加志; 坂本 慶司; 花田 磨砂也; 秋野 昇; 池田 佳隆; 山本 巧*
JAEA-Technology 2008-091, 23 Pages, 2009/03
核融合実験炉の中性粒子入射装置(NBI)用イオン源の大電力長パルス化に向けた技術開発の一環として、NBI用大電力イオン源プラズマ生成部の設計,製作を実施した。イオン加速部と組合せた最終的なNBI用イオン源としての出力性能目標は、120keV, 65A, 200秒以上の重水素正イオンビームの生成である。この大電流イオンビームを引出すため、本プラズマ生成部は約100kWの大パワーアーク放電で生成したプラズマを長時間安定に維持可能で、かつ、大面積ビーム引出し領域(最大1246cm)に対応できる構造とした。本プラズマ生成部の設計にあたっては、高密度で一様なプラズマ生成のために特に重要な磁場配位と電子軌道についてシミュレーションを行い、磁石配置とフィラメント陰極構造を決定した。また、高真空保持や長パルス運転に向けた十分な冷却性能の確保など、高性能プラズマ生成と整合を取ることに留意し、大容積プラズマ源(内寸: 幅25cm長さ59cm高さ31cm)の製作を完了した。
松川 誠; 菊池 満; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 林 孝夫; 東島 智; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井手 俊介; 石田 真一; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.795 - 803, 2008/12
被引用回数:17 パーセンタイル:72.99(Nuclear Science & Technology)JT-60SAは、日欧の幅広いアプローチの下で建設する完全超伝導トカマク装置で、ITERや原型炉への貢献を目指している。2007年の両極の国会批准後、実質的には既に建設段階に移行している。JT-60SAは、既存の建屋,電源,プラズマ加熱装置,計測装置などの、JT-60U設備の最大限の有効利用が前提であり、完全に新作する主たる機器は本体装置のみである。最大プラズマは電流5.5MAで、プラズマ主半径3.06m,アスペクト比2.65,非円形度1.76,三確度0.36である。最大プラズマ加熱入力41MW,プラズマ電流のフラットトップ時間は100秒間である。本論文では、トカマク装置本体だけでなく、プラズマ加熱装置や遠隔保守装置の設計などについても言及するとともに、EUとの技術的な議論を踏まえて行った超伝導導体に関する最近の設計変更案などを紹介し、装置の全体像を明らかにする。
Bae, Y. S.*; Na, Y. S.*; Oh, Y. K.*; Kwon, M.*; Bak, J. S.*; Lee, G. S.*; Jeong, J. H.*; Park, S. I.*; Cho, M. H.*; Namkung, W.*; et al.
Fusion Science and Technology, 52(2), p.321 - 333, 2007/08
被引用回数:23 パーセンタイル:81.85(Nuclear Science & Technology)84GHz, KSTAR電子サイクロトロン波加熱システムにおいてジャイロトロンの実験を開始し、これまでに20secのパルス発振に成功した。また、入射アンテナ(ランチャー)を設計製作し、KSTAR装置に取り付けプラズマ実験が行える状況にある。また、ITERを想定したNTM制御あるいは内部輸送障壁生成を目的とした170GHz電子サイクロトロン波加熱システム開発を行っているが、原子力機構がITER用に開発した170GHz, 1MWジャイロトロンを設置する予定となっている。本論文では、KSTARにおける84GHz及び170GHzジャイロトロンシステム開発を述べるとともに、それらを利用した電流駆動やXモード入射についても議論する。
二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
池田 佳隆; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; et al.
Nuclear Fusion, 46(6), p.S211 - S219, 2006/06
被引用回数:58 パーセンタイル:87.29(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負イオンNBI装置では、準定常状態のプラズマ研究を行うため、パルス幅を10秒から30秒に拡張する試みに着手した。そのための最も重要な課題は、イオン源電極の熱負荷軽減であり、2つの改良を提案した。1つは、ビーム同士の相互作用によるビームの拡がりの抑制であり、そのために薄板を引出電極に取付け、局所的な電界を修正した。その厚みは、ビームの偏向を最適に制御するよう決めた。もう1つは、負イオンから電子が剥ぎ取られ、その電子がイオン源内で加速,電極に衝突するストリッピング損失の低減化である。このために加速部の真空排気速度を改善するようイオン源を改造した。これらの改造を行い、現在まで17秒,1.6MWあるいは25秒,約1MWの入射に成功した。
星野 克道; 山本 巧; 玉井 広史; 大麻 和美; 川島 寿人; 三浦 幸俊; 小川 俊英; 荘司 昭朗*; 柴田 孝俊; 菊池 一夫; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.139 - 167, 2006/02
被引用回数:2 パーセンタイル:17.2(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mで開発されたさまざまな加熱電流駆動装置や外部コイルやダイバーターバイアス装置により得られた成果を先進能動的トカマクプラズマ制御の観点からレビューする。各装置の設計などについても特徴を述べる。この分野でのJFT-2Mの貢献についてまとめる。
梅田 尚孝; 山本 巧; 花田 磨砂也; Grisham, L. R.*; 河合 視己人; 大賀 徳道; 秋野 昇; 井上 多加志; 椛澤 稔; 菊池 勝美*; et al.
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.385 - 390, 2005/11
被引用回数:9 パーセンタイル:53.26(Nuclear Science & Technology)JT-60U用負イオン中性粒子入射装置において、パルス幅を設計の10秒から30秒に伸ばす改造が行われた。パルス幅の延伸を妨げていたのは、イオン源接地電極とビームラインリミタへの過大な熱負荷であった。熱負荷を下げるために、イオン源のビーム引出領域を長パルス化に最適化するとともに、ビームリミタを熱容量が約2倍のものに変更した。これらにより、接地電極を冷却している水温上昇を定常運転に必要な40C以下に抑えることができ、リミタの温度上昇も60%に抑えた。これにより、パルス幅を伸ばすことができ、これまでエネルギー336keV,パワー1.6MWで17秒間のビームをプラズマに入射することができており、今後30秒まで入射パルスを伸ばす予定である。
鈴木 隆博; 諫山 明彦; 坂本 宜照; 井手 俊介; 藤田 隆明; 竹永 秀信; Luce, T. C.*; Wade, M. R.*; 及川 聡洋; 内藤 磨; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
JT-60Uは2003年に制御系の長放電時間化改造を行い、高プラズマの定常化を達成した。規格化圧力2.5のプラズマを不安定性の発生なしで、電流分布が定常に達する15.5秒間(電流拡散時間の9.5倍)維持した。また、不安定性の発生し易い位置と不安定性を引き起こす圧力勾配の大きな位置をずらすような電流分布を実現することで、さらに高い規格化圧力3を準定常(電流拡散時間の3.3倍)維持することに成功した。適切な電流分布を実現することが高性能プラズマにとって重要であるので、電流分布の実時間制御システムを開発し、安全係数分布を目標値まで制御することに成功した。
玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; 林 伸彦; 浦田 一宏*; 三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 工藤 祐介; et al.
Plasma Science and Technology, 6(1), p.2141 - 2150, 2004/02
被引用回数:2 パーセンタイル:6.52(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60定常高ベータ化計画(JT-60改修計画)の最重要課題は高ベータ,臨界クラスのパラメータを持つ高性能プラズマの100秒程度以上の維持を実証することである。このため、高ベータプラズマを達成するためのプラズマパラメータや運転シナリオ,制御手法の検討を行うとともに、超伝導磁場コイルの要素技術の開発を始め、放射線遮蔽や真空容器等の設計検討及び試験開発を行い、その成立性を確認した。本発表は、以上の物理・工学設計と試験開発の進捗状況を詳述する。
山本 巧; 大賀 徳道; 河合 視己人; 秋野 昇; 椛澤 稔; 梅田 尚孝
平成16年電気学会全国大会講演論文集, 219 Pages, 2004/00
原研では、1996年に臨界プラズマ試験装置(JT-60)の高密度プラズマ領域における加熱・電流駆動の開発研究を目的として、10MW, 10秒の500keV負イオン源中性粒子ビーム入射(N-NBI)装置を建設し、JT-60プラズマへのビーム入射実験の運転をしつつ、装置性能改善を行ってきた。現在までに最大418keV、入射パワー6.2MWの水素ビームの入射を達成し、入射パルス幅については、一台のイオン源で2.6MWで10秒の入射に成功している。しかし、未だに設計上の性能値に達していないため、さらなる改良試験を行っている。性能を制限している主な原因は、イオン源加速部の耐電圧と電極の熱負荷である。現在、イオン源の電極構造を改良して、耐電圧の向上と電極熱負荷の低減を図った。その結果、性能の拡大が得られている。
井上 多加志; 花田 磨砂也; 伊賀 尚*; 今井 剛; 柏木 美恵子; 河合 視己人; 森下 卓俊; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; et al.
Fusion Engineering and Design, 66-68, p.597 - 602, 2003/09
被引用回数:21 パーセンタイル:78.6(Nuclear Science & Technology)中性粒子ビーム(NB)入射は、トカマク型核融合装置において、最も有力なプラズマ加熱・電流駆動手段の一つである。原研ではJT-60UとITER用NB入射装置のために、大電流静電加速器の開発を進めてきた。この開発において最近、以下の進展があったので報告する; (1)JT-60U負イオンNB入射装置において、加速器内の電界の歪みによりビームの一部が偏向され、NB入射ポートにあるリミタに熱負荷を与えていた。不整電界の原因である電極下面の段差を埋めたところ熱負荷は従来の半分以下となって、2.6MWのH ビームを355 keVで10秒間連続入射することに成功した。(2)加速器耐電圧性能の向上を目指して、3重点(FRP製絶縁管,金属フランジ,真空の接点)の電界を緩和する電界緩和リングを設計し、JT-60U負イオン源加速器とITER用R&Dで使用している1MeV加速器に取り付けた。ビーム加速無しでの耐電圧試験において、良好な耐電圧性能を確認した。
山本 巧; JT-60チーム
Fusion Engineering and Design, 66-68, p.39 - 48, 2003/09
被引用回数:3 パーセンタイル:25.81(Nuclear Science & Technology)JT-60Uにおける技術開発の成果とそれによるプラズマ性能の進展を発表する。JT-60Uの主目的は、ITERや定常核融合炉における物理及び技術基盤の確立に寄与するプラズマや装置機器性能を実証することである。そのため、JT-60Uでは、プラズマ加熱・電流駆動装置として、500keVの負イオン源中性粒子ビーム入射装置と110GHzの電子サイクロトロン加熱装置を新たに開発した。さらに、効果的な燃料補給装置としての遠心型ペレット入射装置を開発・整備した。これらの装置を使用して、プラズマ実験研究を進め、プラズマ性能の向上を達成した。
河合 視己人; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 井上 多加志; 椛澤 稔; 菊池 勝美*; 栗山 正明; et al.
Fusion Science and Technology, 44(2), p.508 - 512, 2003/09
被引用回数:4 パーセンタイル:36.82(Nuclear Science & Technology)JT-60U N-NBI用負イオン源は、500keV,22A,10秒間のビーム加速性能を持つ。このような大型負イオン源の運転実績はこれまでになく、1996年より本格的な特性試験を開始したが、この間、多くの改良に努力が費やされた。(1)ソースプラズマの不均一性による加速部電極の熱負荷過大の対策として、上下端部からの発散性ビームをカットするマスク板を設置した。不均一性の改良のために、アーク限流抵抗やグループ毎フィラメントパワーの最適化を行った。(2)その他改良として、ビーム引出し時のフィラメントパワー低減制御の導入やビーム発散抑制のための引出電極形状の最適化を行った。これら改良の積み重ねの結果、現在までに最大入射パワー6.2MW,最長パルス幅10秒を達成することができた。
金子 修*; 山本 巧; 秋場 真人; 花田 磨砂也; 池田 勝則*; 井上 多加志; 永岡 賢一*; 岡 良秀*; 長壁 正樹*; 竹入 康彦*; et al.
Fusion Science and Technology, 44(2), p.503 - 507, 2003/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)負イオンNBI装置は、ITER 等の核融合プラズマを加熱・電流駆動するための効果的かつ信頼性ある装置として期待されている。負イオン生成やビーム発生の技術開発は、1980年代に世界的に開始され、現在までに、著しく進展してきた。特に、日本では、二つの大型核融合開発プロジェクトで核融合プラズマの実験研究のために負イオンNBI装置を実際に用いた計画を進めている。一つは、日本原子力研究所におけるJT-60Uトカマク計画であり、他の一つは核融合科学研究所のLHDヘリオトロン計画である。これらの計画は、負イオンNBI装置の開発を更に促進し、両研究所で順調に開発成果を上げてきた。JT-60Uでは、1996年に最初のビーム入射実験を行い、その後、1998年には、LHDでビーム入射実験が行われた。これらは、トカマク及びヘリオトロンでの最初の負イオンNBI装置を用いた加熱・電流駆動実験であり、将来有望な成果が得られた。
梅田 尚孝; Grisham, L. R.*; 山本 巧; 栗山 正明; 河合 視己人; 大賀 徳道; 藻垣 和彦; 秋野 昇; 山崎 晴幸*; 薄井 勝富; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.522 - 526, 2003/07
被引用回数:39 パーセンタイル:74.34(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60用負イオンNBIはプラズマ加熱と電流駆動を目的として設計され1996年より運転を行っている。目標性能はビームエネルギー500keV,入射パワー10MW,パルス幅10秒の中性粒子ビームをプラズマに入射することである。今まで、パルス幅はポートリミタの過大な熱負荷のために5.3秒に制限されていた。3.5mの位置での負イオンビームの分布を計測することによって、電極セグメント端部のビームが外側へ偏向していることが明らかになった。引出部下流における凹みによる電界の不整が原因であった。これを改善することによって、端部のビームの偏向を14mradから4mradまで減少させた。この結果、定格の10秒入射をビームエネルギー355keV,入射パワー2.6MWで達成した。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Chujo, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
原型炉の経済性と環境適合性のさらなる向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉と同様に強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御を持ち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。JT-60の既存設備を最大限活用し、新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現を目指し、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という重要課題に取り組むことができるよう設計を行った。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Cho, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
被引用回数:33 パーセンタイル:69.18(Physics, Fluids & Plasmas)原型炉の実現に向けて経済性と環境適合性の向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉で想定されているように、強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御をもち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。既存のJT-60設備を最大限に生かし、原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現に向けて、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という克服すべき課題に取り組むための設計を行った。
牛草 健吉; 井手 俊介; 及川 聡洋; 鈴木 隆博; 鎌田 裕; 藤田 隆明; 池田 佳隆; 内藤 磨; 松岡 守*; 近藤 貴; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.255 - 277, 2002/09
被引用回数:8 パーセンタイル:12.12(Nuclear Science & Technology)JT-60における非誘導電流駆動及び高性能定常運転に関する研究成果をまとめた。低域混成波電流駆動(LHCD)により3.5MAの大電流駆動,3.61019m-2A/Wの高効率電流駆動,自在な電流分布制御性を実証した。近接条件,高速電子挙動等の基礎研究によりLHCD物理の解明に貢献した。負イオン源中性粒子ビーム電流駆動(N-NBCD)実験により、中性粒子ビーム電流駆動に関する研究を著しく進展させた。駆動効率1.51019m-2A/Wを達成し、1MAの電流駆動に成功した。弱磁場励起Oモード電子サイクロトロン波による局所電流駆動を実証し、駆動効率0.51019m-2A/W,0.2MAの電流駆動を達成するとともに、新古典テアリング不安定性の抑制に成功した。これらの成果に基づき、高pHモード及び負磁気シアプラズマという2つの高性能定常運転方式を開発した。これらの運転方式は、高い閉じ込め性能を有するほぼ定常状態の電流分布を完全電流駆動の状態で持続できるものである。高い規格化密度や高い核融合積を有する完全電流駆動高性能定常運転方式で達成した。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 藻垣 和彦; 大賀 徳道; 大原 比呂志; 梅田 尚孝; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.424 - 434, 2002/09
被引用回数:15 パーセンタイル:67.96(Nuclear Science & Technology)JT-60用正イオンNBI装置は、水素ビームを使って1986年にプラズマ加熱のための運転を開始し、入射パワーとして75keV,27MWを達成した。1991年、JT-60の大電流化改造に対応するために重水素ビームを入射出来るようにした。重水素ビームでの開発研究を進め、1996年に世界最高のビーム入射パワーである95keV,40MWの重水素中性ビームをJT-60プラズマに入射した。このような大出力中性粒子ビームを安定にプラズマに入射することにより、JT-60における世界最高性能プラズマの達成に大きく寄与した。