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本多 友貴; 齋藤 賢司; 栃尾 大輔; 青野 哲也; 平戸 洋次; 小澤 太教; 中川 繁昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(11-12), p.1387 - 1397, 2014/11
被引用回数:1 パーセンタイル:8.75(Nuclear Science & Technology)HTTRの制御系の性能は2002年に行われた制御系応答試験で明らかにされ、各制御系に外乱を与えても安定に制御できることを確認した。また、今後高温ガス炉が商用炉として稼働するにあたり、高温ガス炉が長期に渡り安定に高温の熱を供給できる事を実証する必要がある。本論文では、2010年に行われた長期高温連続運転試験で得られた結果を基にHTTRの長期連続運転時の制御特性の評価を行った。さらに現在、原子力機構では商用高温ガス炉として高温ガス炉水素製造システムの設計を行っており、水素製造システムで熱負荷変動が生じた場合にも原子炉が安定することが求められている。そこで、高温ガス炉水素製造システムに起因する熱負荷変動時の原子炉システムの安定性の実証と共に、高温ガス炉水素製造システムの詳細設計に必要なデータ、熱負荷変動に対する原子炉システムの応答挙動解析コードの高度化に必要なデータ収集のため、HTTRを用いた熱負荷変動試験を計画している。予備検討の結果から、実際の運転を想定し制御系を作動させた場合の挙動を示し、試験の実施条件を検討した。
本間 史隆; 平戸 洋次; 齋藤 賢司
JAEA-Technology 2014-010, 64 Pages, 2014/05
東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に制定された新安全規制基準への適合性確認を目的に、HTTRの運転を中長期的に停止することとなった。運転員に係る技術的能力の維持が不可欠となるが、HTTRは世界で唯一の高温ガス炉型の試験研究炉であることから、軽水炉用の運転訓練シミュレータを用いた運転訓練は実効的ではない。ゆえに、既に所有しているHTTR制御性試験装置を運転訓練シミュレータとして有効に活用することが喫緊の課題である。本報告書は、HTTR制御性試験装置の仕様並びにシミュレーション結果等について取り纏めたものである。
齋藤 賢司; 清水 厚志; 平戸 洋次; 近藤 誠; 川俣 貴則; 根本 真澄; 茂木 利広
JAEA-Technology 2009-015, 52 Pages, 2009/05
HTTRの高温プレナム部温度計装は、原子炉運転中の炉心状態を監視するため、高温プレナムブロック内にN型熱電対を挿入して、高温プレナムブロックごとに1次冷却材温度を測定している。N型熱電対はHTTR原子炉圧力容器内で使用されるため、約1000Cの高温環境下において長期間安定に動作することが要求される。このため、HTTRの運転・保守データから、これらの熱電対の特性変化を調査した。その結果、N型熱電対はHTTR原子炉圧力容器内で12000時間を越える使用実績があるが、N型熱電対の特性に有意な変化がないことを確認した。本報は、HTTRの高温プレナム部温度計装用熱電対の供用期間中の特性変化について、調査した結果を示す。
茂木 利広; 飯垣 和彦; 齋藤 賢司; 澤畑 洋明; 平戸 洋次; 近藤 誠; 澁谷 英樹; 小川 悟; 篠崎 正幸; 水島 俊彦; et al.
JAEA-Technology 2006-029, 67 Pages, 2006/06
HTTRの制御系のうち、中間熱交換器ヘリウム流量制御系,1次加圧水冷却器ヘリウム流量制御系,2次ヘリウム流量制御系,原子炉入口温度制御系,原子炉出力制御系及び原子炉出口温度制御系については、系統別総合機能試験及び出力上昇試験でその性能が明らかにされてきた。これらの試験では、各制御系に外乱を与えても安定に制御できることを確認した。また、原子炉出力30%100%までの自動運転においても、原子炉出力,温度,流量を安定に制御できることを確認した。本報告書は、これらの制御系の概要と試験結果について報告する。
齋藤 賢司; 中川 繁昭; 平戸 洋次; 近藤 誠; 澤畑 洋明; 土山 賢*; 安任 敏雄*; 茂木 利広; 水島 俊彦; 中澤 利雄
JAERI-Tech 2004-042, 26 Pages, 2004/04
HTTRの原子炉制御系は、原子炉出力制御系,原子炉入口温度制御系及び1次冷却材流量制御系等から成り立っており、1次冷却材流量一定条件の下に、原子炉出力30MW,原子炉出入口冷却材温度850C/395Cを達成している。本報告書は、原子炉制御系のうち、原子炉入口温度制御系について、HTTRの出力上昇試験において実施した制御特性試験の結果を示すものである。試験の結果、外乱に対して原子炉入口冷却材温度を安定に制御できる制御パラメータを選定することができた。また、選定した制御パラメータにより、原子炉入口温度制御系が定められた制御変動幅内での安定した温度一定運転ができること、及び原子炉運転中の外乱に対して、原子炉入口冷却材温度を発散させることなく、安定に追従できることを確認した。
平戸 洋次; 齋藤 賢司; 近藤 誠; 澤畑 洋明; 茂木 利広; 土山 賢*; 安任 敏雄*; 水島 俊彦; 中澤 利雄
JAERI-Tech 2004-037, 33 Pages, 2004/04
HTTR(高温工学試験研究炉)は、並列運転モードでの運転経験の蓄積と安全性実証試験の実施を目的として、平成15年5月6日から平成15年6月18日までの予定で、原子炉の運転を行っていた。5月21日、原子炉出力約60%(約18MW)で原子炉の運転を行っていたところ、「1次加圧水冷却器ヘリウム流量低」スクラム信号により原子炉が自動停止した。原子炉自動停止の原因は、1次ヘリウム循環機Aが自動停止したことにより、1次加圧水冷却器のヘリウム流量が低下したためであった。調査の結果、1次ヘリウム循環機Aが自動停止した原因は、1次ヘリウム循環機Aの動力電源ラインにある遮断器の制御電源を監視している補助リレーが、常時励磁され発熱している他の電気部品と接近して設置され、使用温度の上限に近い温度条件下で使用されてきたために性能が劣化し、誤動作したためであることが明らかになった。
平戸 洋次; 小澤 太教; 齋藤 賢司
no journal, ,
HTTR(高温工学試験研究炉)の安全保護シーケンス盤は、HTTR原子炉施設の事故時において工学的安全施設を作動させるための制御盤であり、原子炉施設の安全確保上、重要な役割を担っている。原子炉運転中における当該盤の健全性確認試験で制御回路の異常が発見された場合は、速やかにその原因を排除し通常運転状態へ復旧することが求められる。当該盤は、多数の制御基板を使用した複雑な制御回路で構成されており、当該試験で異常が発見された場合の原因調査には、盤を熟知した者が膨大な量の図面を参照しながら、多数の制御回路を確認していく必要があり、通常運転状態への復旧に時間を要していた。そこで、当該試験において異常が発見された場合に、迅速に通常運転状態への復旧を実現するために、たとえ当該盤を熟知した者でなくても瞬時に原因を特定できる瞬時異常箇所特定システム(APAS: Abnormal Parts Assignment System)を開発した。本システムの開発により、当該盤を熟知した者でなくても異常原因を瞬時に特定できるようになり、迅速な初期対応や早期復旧に極めて有効で、HTTR原子炉施設の安全確保に大きく貢献するものである。また、本システムを活用した異常診断技術は、他の試験研究炉や一般産業界で使用されている当該盤と同等の設備に対しても広く活用できるものである。
本多 友貴; 栃尾 大輔; 青野 哲也; 平戸 洋次; 小澤 太教; 齋藤 賢司
no journal, ,
現在、原子力機構では商用高温ガス炉として高温ガス炉水素製造システムの設計を行っており、高温ガス炉水素製造システムに起因する熱負荷変動時の原子炉システムの安定性の実証と共に、高温ガス炉水素製造システムの詳細設計に必要なデータ、熱負荷変動に対する原子炉システムの応答挙動解析コードの高度化に必要なデータ収集のため、HTTRを用いた熱負荷変動試験を計画している。予備検討の結果から、実際の運転を想定し制御系を作動させた場合の挙動を示し、試験の実施条件を検討した。
小澤 太教; 平戸 洋次; 本間 史隆
no journal, ,
広領域中性子検出器は、HTTR特有の高温環境下において熱中性子束を適切に計測できるように開発された設計品であるが、これまでの原子炉の運転において熱サイクルに起因した検出器内部接合部の断線に係る経験を有している。既に得られている断線箇所及び断線メカニズムの知見を踏まえ、耐熱性能を向上させるための構造変更案の立案、変更案の決定、模擬試験体を用いたモックアップ試験により実証をしたことで、耐熱性能を向上させた広領域中性子検出器を開発した。さらに、規格品である既存の検出器の基本仕様を変更せず構造変更を完遂できたことは、検証に要するコスト及び時間の観点から合理性を確保した成果を得ることができた。
近藤 誠; 本間 史隆; 澤畑 洋明; 平戸 洋次; 川本 大樹; 鈴木 尚; 小野 正人
no journal, ,
HTTRは、熱出力30MWの黒鉛減速ヘリウムガス冷却型原子炉で、我が国初の高温ガス炉であり、950Cの原子炉出口冷却材温度を利用し、発電のみならず、水素製造、地域暖房、海水淡水化等の幅広い熱利用の可能性を有する原子炉である。平成23年の東北地方太平洋沖地震以降は、原子炉を長期間停止しているものの、施設の健全性に関する総合評価、コールド状態による確認試験を行い、設備起動時及び定常運転時のプラントデータの確認等により、地震による施設等への影響がないことを確認している。一方、国においては原炉等規制法が改正され、原子力規制委員会が発足した。平成25年12月18日には、核燃料物質使用施設等の新安全基準が制定され、SBOに係る要求が明確に規定された。このため、SBO時のHTTRの挙動・影響評価を行い、新安全基準の要求事項に則したSBO対策をHTTRの特徴を踏まえて検討、実行してきた。SBO対策の実現可能性については総合防災訓練という実践的な場を通してその妥当性を確認することができた。