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論文

福島県木造家屋内外の空間線量率の分布調査; 線量低減係数の実態

Kim, M.; Malins, A.*; 町田 昌彦; 吉村 和也; 斎藤 公明; 吉田 浩子*

日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 22(4), p.156 - 169, 2023/11

福島県木造家屋内外の空間線量率分布の特徴を明らかにすることを目的に、空間線量率の連続測定が可能な$$gamma$$プロッター等を用いて実測調査を行った。その結果、舗装面と非舗装面で空間線量率が明確に異なりまた、家屋近辺は家屋から離れた場所に対して低い空間線量率を示すことが分かった。また、家屋内の空間線量率は屋外に比べて空間線量率のバラツキが小さいことが分かった。

論文

Crystal configuration dependence of CsI(Tl) scintillation detectors on environmental dose rate measurement

津田 修一; 斎藤 公明

Radiation Protection Dosimetry, 198(17), p.1283 - 1291, 2022/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)

環境中の線量率測定では、土壌または空気中に存在する放射性同位元素から放出されるガンマ線を検出するため、方向特性のよい球形または円筒形の測定器が通常使用される。われわれは、環境中において種々の測定器を用いた線量率相互比較実験を行い、方向特性に起因した線量率指示値のばらつきの程度を評価するとともに、ある直方体形状のCsI(Tl)結晶を有するシンチレーション検出器の線量率が、円筒形形状の測定器とほぼ同等になるデータに着目した。PHITSコードを用いて、様々な結晶形状のCsI(Tl)シンチレーション検出器のシミュレーションを実施した結果、方向依存性の小さいアスペクト比があることを明らかにした。この結果は、製作コスト面で有利な直方体形状のCsI(Tl)結晶を有するシンチレーション検出器を環境中の線量率測定に活用する可能性を示している。

報告書

KURAMA-IIを用いた広域走行サーベイによる2012年から2019年までの空間線量率測定結果

安藤 真樹; 斎藤 公明

JAEA-Technology 2021-032, 66 Pages, 2022/03

JAEA-Technology-2021-032.pdf:3.84MB

日本原子力研究開発機構では、東京電力福島第一原子力発電所事故の発生後、モニタリング装置KURAMA-IIを用い、東日本の1都12県の広い範囲にわたり走行サーベイを実施してきた。本報告では、広域走行サーベイの概要をまとめるとともに、各県及び地域での経時変化の特徴を明らかにするため、主に2012年から2019年までに得られた空間線量率測定データを用い、(1)2014年から2019年の6年間の各県単位での平均値及び最大値、(2)2012年から2019年にかけての各県での平均値、(3)2012年から2019年にかけての福島県内の避難指示区域区分・地域区分・相双地域北部市町村ごとの平均値、(4)2012年から2018年までの測定結果のうち4回(ほぼ2年間隔)の各都県の区市町村単位での平均値及び最大値について調べた。

論文

可搬型ゲルマニウム半導体検出器を用いた${it in situ}$測定による福島第一原子力発電所から80km圏内の土壌中天然放射性核種の空気カーマ率評価

三上 智; 田中 博幸*; 奥田 直敏*; 坂本 隆一*; 越智 康太郎; 宇野 騎一郎*; 松田 規宏; 斎藤 公明

日本原子力学会和文論文誌, 20(4), p.159 - 178, 2021/12

2011年の福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の影響のある地域で地殻ガンマ線によるバックグラウンド線量率のレベルを調査した。可搬型ゲルマニウム半導体検出器を用いて福島第一原子力発電所から80km圏内の370地点で、2013年から2019年にかけて地殻ガンマ線を測定した。ICRUレポート53に示される方法によってウラン238($$^{238}$$U),トリウム232($$^{232}$$Th)及びカリウム40($$^{40}$$K)の土壌中放射能濃度とこれらによる地上1m高さにおける空気カーマ率を測定評価した。$$^{238}$$U, $$^{232}$$Th及び$$^{40}$$Kの370地点の平均濃度はそれぞれ18.8, 22.7, 428Bq/kgであった。また、空気カーマ率の対象エリアの平均値は0.0402$$mu$$Gy/hであった。得られた空気カーマ率を文献に報告されている値と比較した。その結果、本研究による測定結果は文献に報告されている値と互いに相関があり、数値は不確かさの範囲内で一致していた。これは地殻ガンマ線による空気カーマ率は地質に依存するためである。地質時代が中生代、地質が花崗岩や流紋岩に分類される地点の空気カーマ率はその他の時代や岩石種に分類される地点の空気カーマ率に比べて統計学的に有意に高いことが確認できた。これは、既報の知見と整合する結果であった。

論文

環境中での空間線量率3次元分布計算システム(3D-ADRES)の研究開発の現状と今後の展望; 福島復興に向けた市街地・森林等の環境中空間線量率分布の推定

Kim, M.; Malins, A.; 町田 昌彦; 吉村 和也; 斎藤 公明; 吉田 浩子*; 柳 秀明*; 吉田 亨*; 長谷川 幸弘*

RIST News, (67), p.3 - 15, 2021/09

福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された放射性セシウムの一部は陸域に降下した。放射性セシウムは、土壌表層に留まる性質を有するため、土壌表面は主たる放射線源となった他、道路、家屋の壁・屋根、森林内の樹木樹皮等にも一部残存し、市街地や森林等環境中の放射線量は複雑な分布を示すことが知られている。その上、それらの放射線源から発する放射線は複雑な環境構造物に吸収・散乱されるため、放射線量の詳細な分布を知ることは容易ではない。しかし、その環境中にて生活する住民にとって、大半の時間を過ごす家屋及び其の近縁、職場等の生活空間における空間線量率の分布は重要な関心事である。本報告では、この環境中での複雑な放射線量の3次元的分布を可能な限り高精度に推定するため、研究開発を行ってきた3D-ADRESの現状を報告すると同時に、3D-ADRESを活用することで得られる成果の一端を示し今後の展望についても記す。

論文

Correction to Transport and redistribution of radiocesium in Fukushima fallout through rivers

谷口 圭輔*; 恩田 裕一*; Smith, H. G.*; Blake, W.*; 吉村 和也; 山敷 庸亮*; 倉元 隆之*; 斎藤 公明

Environmental Science & Technology, 55(13), P. 9394, 2021/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.24(Engineering, Environmental)

下記、投稿論文の修正 "Transport and redistribution of radiocesium in Fukushima fallout through rivers, 2019. Environmental Science and Technology, 53, 12339-12347"

論文

C12137-01型CsI(Tl)検出器を搭載したKURAMA-IIによるバックグラウンド測定のための評価式の決定

安藤 真樹; 松田 規宏; 斎藤 公明

日本原子力学会和文論文誌, 20(1), p.34 - 39, 2021/03

福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質の影響のない11地点において、高感度型CsI(Tl)検出器であるC12137-01型を搭載したKURAMA-IIによるバックグラウンド評価式を求めた。高感度型KURAMA-IIでは計数率はC12137型CsI(Tl)検出器を搭載した標準型KURAMA-IIを用いた場合の10倍以上となり、標準型KURAMA-IIより測定時間が短くとも精度よいバックグラウンド評価が可能であることが示された。1400-2000keVの計数率と空間線量率のフィッティング式を補正して得られたバックグラウンド評価式は、y($$mu$$Sv/h)=0.062x(cps)であった。走行サーベイ測定データを用い、71区市町の平均値としてバックグラウンド空間線量率を示すとともに、これまでの標準型KURAMA-IIでの測定結果と比較した。高感度型と標準型のKURAMA-IIによるバックグラウンドはほぼ一致しており、高感度型KURAMA-IIでのバックグラウンド測定に適用可能なバックグラウンド評価式を求めることができた。

論文

Analyses of $$H$$*(10) dose rates measured in environment contaminated by radioactive caesium; Correction of directional dependence of scintillation detectors

津田 修一; 谷垣 実*; 吉田 忠義; 奥村 良*; 斎藤 公明

Radiation Protection Dosimetry, 193(3-4), p.228 - 236, 2021/03

AA2020-0760.pdf:0.87MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:32.89(Environmental Sciences)

東京電力福島第一発電所事故後、環境中の線量率測定には、様々な形状の結晶形状を有する測定器が用いられている。土壌に残留するセシウムからの光子は様々な方向から測定器に入射するが、使用される測定器は必ずしも方向特性に優れているとは限らず、その結果、同一の場所で測定したとしても、使用する測定器によって線量率指示値が異なる場合がある。そこで、線量率指示値に対する結晶形状の影響を調べるために、種々の測定器を用いて、環境中における周辺線量当量率の相互比較を行った。各測定器で波高分布データを測定し、スペクトル-線量変換演算子(G(E)関数)を掛け合わせて線量率を算出した結果、線量率は約$$pm$$25%の範囲でばらつくことがわかった。各測定器の方向依存性を低減するために、環境中の光子入射方向に近い回転照射条件におけるG(E)関数を用いて再評価した結果、線量率は不確かさの範囲内で一致したが、極度に扁平な形状をした測定器については例外で、その強い方向依存性を十分補正できなかった。この結果から、回転照射条件で算出したG(E)関数を用いる手法はあらゆる形状の測定器に対して適用できるわけではなく、環境中の線量率測定には、方向特性の優れた測定器を用いる必要があることが実験的に示された。

論文

80km圏内の空間線量率及び土壌沈着量の経時変化

斎藤 公明

Isotope News, (773), p.3 - 6, 2021/02

福島第一原子力発電所事故から10年が経過するのを契機として企画された特集記事の一環として、陸域における環境影響に関する解説記事を執筆した。この中で、事故後に実施された大規模環境モニタリングの概要、空間線量率の減少傾向とその原因、空間線量率の減少を加速させる要因、土壌沈着量と深度分布の経時変化の特徴、大規模モニタリング結果の応用解析例、今後の課題について簡潔に紹介した。

論文

Evaluation of decreasing trend in air dose rate and ecological half-life within an 80 km range from Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant, using car-borne survey data measured by KURAMA systems up to 2018

安藤 真樹; 佐々木 美雪; 斎藤 公明

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(12), p.1319 - 1330, 2020/12

 被引用回数:4 パーセンタイル:46.37(Nuclear Science & Technology)

KURAMAシステムを用いた福島第一原子力発電所から80km圏内における2011年から2018年までの走行サーベイ測定の解析から得られた空間線量率の経時変化傾向について評価するとともに指数関数フィッティングによる環境半減期を評価した。7年間に物理半減期から予測される減少(0.3)に対して走行サーベイによる空間線量率測定結果(80km圏内全域)は0.08にまで減少した。避難指示区域内での環境半減期の速い成分は、2-3年となり、0.4-0.5年の避難指示区域外に比較し非常に減少が遅いことを示した。避難指示区域内において観測された空間線量率の減少加速をモデル化するため、従来の2成分モデルを改良した2グループモデルを導入した。本モデルにより、空間線量率の減少加速により2013年以降の環境半減期の速い成分は0.5-1年と評価され、2013年までの2-3年に比べて半減期が非常に短いことを明らかにした。

論文

Dose coefficients for external exposures to environmental sources

Petoussi-Henss, N.*; 佐藤 大樹; 遠藤 章; Eckerman, K. F.*; Bolch, W. E.*; Hunt, J.*; Jansen, J. T. M.*; Kim, C. H.*; Lee, C.*; 斎藤 公明; et al.

Annals of the ICRP, 49(2), p.11 - 145, 2020/10

環境に分布する放射性核種からの外部被ばくに対する公衆の線量評価では、公衆を構成する各年齢における代表人の臓器線量および実効線量への換算に利用可能な線量係数の整備が重要となる。この目的のため、原子力機構では大気、土壌、水に分布する光子および電子放出線源による環境放射線場を汎用粒子輸送計算コードPHITSにより解析する手法を開発し、ICRPから提供された新生児、1歳、5歳、10歳、15歳および成人男女の人体数値模型を用いて臓器線量係数を評価した。さらに、Hanyang大学より提供された皮膚線量データおよびICRPの核種崩壊データを用いて、放射性核種毎の実効線量係数を評価した。整備した線量係数は、福島第一原子力発電所事故後の長期に渡った線量評価をはじめ、放射性核種の環境への流出による外部被ばく線量評価に利用可能である。

論文

Evaluation of effective dose for exposures in the environment

斎藤 公明

Annals of the ICRP, 49(2), p.7 - 9, 2020/10

環境中に分布したガンマ線源による外部被ばくに対する線量係数を集約した国際放射線防護委員会(ICRP)Publication 144のGuest Editorialを執筆した。この中で、実効線量の起源とその歴史、執筆者と実効線量との関わり、環境ガンマ線に対する実効線量の特徴、Publication 144の概要についてまとめた。

論文

Estimation of air dose rate using measurement results of monitoring posts in Fukushima Prefecture

関 暁之; 真弓 明恵; Wainwright-Murakami, Haruko*; 斎藤 公明; 武宮 博; 井戸村 泰宏

Proceedings of Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications + Monte Carlo 2020 (SNA + MC 2020), p.158 - 164, 2020/10

空間線量率の時間変化を近くのモニタリングポストの測定結果を使って推定する手法を開発した。この手法は、対象地点のわずかな測定値と近くのモニタリングポストの高頻度な測定値から観測モデルを設定し、階層ベイズモデルによって推定するものである。この手法の妥当性を福島県内のモニタリングポストを対象に調査したところ、ほぼ全ての対象地点において誤差が10%以内で推定することができた。

論文

Optimizing long-term monitoring of radiation air-dose rates after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant

Sun, D.*; Wainwright-Murakami, Haruko*; Oroza, C. A.*; 関 暁之; 三上 智; 武宮 博; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 220-221, p.106281_1 - 106281_8, 2020/09

 被引用回数:9 パーセンタイル:44.38(Environmental Sciences)

空間線量率をモニタリングする地点を最適化するための方法論を開発した。この方法では、ガウス混合モデルを使用して、標高や土地被覆のタイプなどの環境を表す複数の値をもとに代表的な場所を特定した。次に、ガウスプロセスモデルを使用して、対象領域全体の空間線量率の不均一性を推定した。この方法により、空間線量率の不均一性を最小限の数のモニタリング地点で把握することができることを示した。

論文

地表沈着量,空間放射線量率の地理的分布と線量率の推移

斎藤 公明

東京電力福島第一原子力発電所事故による環境汚染の研究調査の進展と課題(インターネット), p.8 - 10, 2020/07

福島第一原子力発電所事故3ヶ月後に開始され長期にわたって継続された大規模環境モニタリングの結果に基づき、地表面沈着量と空間線量率の地理的分布の特徴、検出された放射性核種と線量への寄与割合、放射性セシウムの総沈着量と土地利用別の沈着量比率等の情報をまとめた。さらに、2016年における生活圏での空間線量率は物理減衰により予想される線量率に比べファクター2$$sim$$3小さいこと、この原因として、放射性セシウムの地中への浸透、水平方向への移行,除染が考えられること、また各原因の平均的な寄与割合について記載した。

論文

Optimizing long-term monitoring of radiation air dose rates

Wainwright, Haruko*; Oroza, C.*; Sun, D.*; 関 暁之; 三上 智; 斎藤 公明

45th Annual Waste Management Conference (WM 2019); Encouraging Young Men & Women to Achieve Their Goals in Radwaste Management, Vol.7, p.4346 - 4356, 2020/01

本研究では、空間線量率のモニタリングの測定場所を最適化するための方法を開発した。この手法は、(1)学校や規制された場所などの重要な場所に優先順位を付ける、(2)汚染物質の移動と分布に影響を与えることが知られている主要な環境条件にあわせて場所を変化させる、(3)領域全体の空間線量率の不均一性をとらえる、という手順をとる。この手法により、測定場所の数を増やすと、線量率の不均一性をよりよく捉えることができるが、一定数の測定場所を超えると、推定誤差は減少しないことがわかった。また、既存の測定場所または道路沿いの測定場所などの制限がある場合、同じ数の測定場所でも推定が不十分になることがわかった。

論文

Guidance for ${it in situ}$ gamma spectrometry intercomparison based on the information obtained through five intercomparisons during the Fukushima mapping project

三上 智; 石川 大輔*; 松田 秀夫*; 星出 好史*; 奥田 直敏*; 坂本 隆一*; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 210, p.105938_1 - 105938_7, 2019/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:8.59(Environmental Sciences)

2011年12月から2015年8月の間に、6$$sim$$7チームが参加したin situ$$gamma$$スペクトロメトリ(土壌沈着量評価)の相互比較を福島第一原子力発電所からの放射性物質に汚染された3つのサイトで計5回実施した。放射性セシウム($$^{134}$$Cs and $$^{137}$$Cs)の土壌沈着量 と$$^{40}$$Kの土壌中濃度の各チームによる評価値は、最良でそれぞれ変動係数で5-6%と4-5%以内で一致した。また、$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs比は変動係数で1-2%以内で一致した。これらの比較結果はこれまでのマップ事業における沈着量測定精度を保証するものである。また、放射性セシウムがほぼ均一に分布しているある一つのサイトにおいて2つの相互比較方法を実施した。1つは全く同じ地点上で各チームが交替で測定を行うシーケンシャル法、もう一つは半径3m程度以内の狭い範囲に全ての検出器を配置し同時に測定を行う同時測定法である。この両法の相互比較結果を比較したところ、参加チームによる評価値の一致の程度は両法で同程度であった。このような知見を踏まえ、2つの相互比較法の標準手法を提案した。${it in situ}$$$gamma$$スペクトロメトリの信頼性確認のために効果的に活用されることを期待する。

論文

External dose evaluation based on detailed air dose rate measurements in living environments

佐藤 哲朗*; 安藤 真樹; 佐藤 正子*; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 210, p.105973_1 - 105973_7, 2019/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:37.04(Environmental Sciences)

避難指示が解除された後に住民が帰還した場合の現実的な外部被ばく線量を推定する方法について考案し、考案した方法に基づき調査を行った。6つの町村に帰還を検討している211人の住民を対象に、2014年度, 2015年度及び2016年度の3年間にわたり調査を実施した。帰還後に想定される生活行動パターンについて対象者へのヒアリングを実施した後、ヒアリング結果に基づき詳細な空間線量率の測定を行った。自宅内の線量率測定ができなかった15名の対象者を除いて、外部被ばく線量の最大値と平均値はそれぞれ4.9mSv/y, 0.86mSv/yとなった。被ばく線量の平均値とばらつきの大きさは避難指示区域の区分により異なるが、全対象者の93.3%において、推定される外部被ばく線量は2mSv/y以下であった。本研究での調査対象者全員の生活行動パターンの解析において、年間の生活時間のうち平均で87%の時間を屋内で過ごすという結果が得られた。さらに、自宅での被ばく線量が年間の被ばく線量の66.8%を占めるという結果が得られた。このことから、被ばく線量を現実的に評価するには自宅内の空間線量率を測定することが重要であるといえる。

論文

Summary of temporal changes in air dose rates and radionuclide deposition densities in the 80 km zone over five years after the Fukushima Nuclear Power Plant accident

斎藤 公明; 三上 智; 安藤 真樹; 松田 規宏; 木名瀬 栄; 津田 修一; 吉田 忠義; 佐藤 哲朗*; 関 暁之; 山本 英明*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 210, p.105878_1 - 105878_12, 2019/12

 被引用回数:30 パーセンタイル:81.17(Environmental Sciences)

We summarized temporal changes in air dose rates and radionuclide deposition densities over five years in the 80 km zone based on large-scale environmental monitoring data obtained continuously after the Fukushima Nuclear Power Plant (NPP) accident. The air dose rates in environments associated with human lives decreased at a considerably faster rate than expected for radioactive decay. The average air dose rate originating from the radiocesium deposited in the 80 km zone was lower than that predicted from radioactive decay by a factor of 2-3 at five years after the accident. The causes of this rapid reduction were discussed quantitatively considering the characteristics of radiocesium migration in the environment.

論文

The Deposition densities of radiocesium and the air dose rates in undisturbed fields around the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant; Their temporal changes for five years after the accident

三上 智; 田中 博幸*; 松田 秀夫*; 佐藤 昭二*; 星出 好史*; 奥田 直敏*; 鈴木 健夫*; 坂本 隆一*; 安藤 正樹; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 210, p.105941_1 - 105941_12, 2019/12

AA2019-0019.pdf:2.65MB

 被引用回数:20 パーセンタイル:67.75(Environmental Sciences)

2011年から2016年にかけて福島第一原子力発電所から80km圏内の撹乱のない多数の測定点で放射性セシウムの沈着量と空間線量率を繰り返し測定し、それらの経時変化の特徴を明らかにした。この地域のバックグラウンド放射線量を除いた平均空間線量率は、2011年6月から2016年8月までの期間中に初期の約20%に減少した。これは主に$$^{134}$$Cs(半減期2.06y)の壊変の結果である。空間線量率の減少は放射性セシウムの壊変から予想されるものよりも約2倍早く、この減少の大部分は放射性セシウムの土壌への浸透によるものである。除染されていない土壌における$$^{134}$$Csと$$^{137}$$Csの平均沈着量は、ほぼ放射性壊変から予想されるペースで減少していた。すなわち水平方向の放射性セシウムの移動が比較的小さいことを示した。空間線量率と沈着量の測定結果では除染の効果が明らかに観察された。測定点の平均空間線量率は、その詳細な定量分析は今後の課題だが、除染やその他の人間の活動によって約20%減少した。

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