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藤田 博喜; 橋本 哲夫*
Radiation Measurements, 42(2), p.156 - 162, 2007/02
被引用回数:5 パーセンタイル:37.06(Nuclear Science & Technology)水素ラジカルがすべてアルミニウムセンターを消す因子として働いているのではないということをチタンセンターの観測から見いだすことができた。Siを置換しているTiは、電気陰性度(Mulliken)が大きいために、照射によって生成した電子を捕らえて準安定な状態になる。電気的中性を保つために、はじめには持っていなかった1価の陽イオン(H, Li, Na)を伴う。チタンセンターは伴っている陽イオンによって、信号を区別することができる。このことから、水素ラジカルをトラップしているチタンセンターに注目し挙動を観測したところ、生成する水素ラジカルが多いほど、チタンセンターにトラップされる量も多いことがわかった。以上の結果から、液体窒素温度での線照射により生成する水素ラジカルは、チタンセンターにトラップされることが示唆された。RTLについては、熱処理温度の増加とともにそのグローカーブの形状と強度は特徴的な変化を示した。RTLグローカーブの形状については、320C付近のピークが熱処理温度の上昇にしたがって幅広くなっていた。このことから、電子トラップセンターが熱処理の影響を受けていることがわかった。つまり、熱処理の温度が高くなったときに、非常に多くのエネルギーレベルのトラップが作られたのか、電子の分布が幅広くなったものと考えられる。次に、RTL強度については600Cから800Cまでは直線的な増加を示し、800C以上の熱処理温度で急激に減少した。熱処理温度が800Cから900Cの間で、その発光強度の増減傾向が明らかに変わっていた。これは、-石英/トリジマイトの層転移(867C)が関係しているものと考えられる。別の原因としては、非常に高い温度で熱処理することにより石英中に一部ガラス化した部分が生成したのではないかということが考えられる。
藤田 博喜; 橋本 哲夫*
Radiation Protection Dosimetry, 123(2), p.143 - 147, 2007/02
被引用回数:6 パーセンタイル:42.32(Environmental Sciences)これまでに余り注目されていなかった紫色TL(VTL)による緊急時積算線量測定法の開発を行った。東海村周辺の表土から抽出した石製粒子の天然蓄積のバックグラウンド線量値は、OSL及びRTL線量測定法において数百mGy程度であることを観測した。ルミネッセンス源が残留している温度領域のルミネッセンス測定では、バックグラウンド値が高いため、高線量の緊急時被ばく線量にしか適用できない。そこで、石英粒子からのVTLに注目し、基礎研究を行った。まず、天然蓄積の上記試料のVTLを測定した結果、低温領域のVTLピークではバックグラウンドがないか無視できる程度であることを見いだした。これら低温領域のVTLの電子トラップセンターの平均寿命を熱力学的に求めた結果、数年程度であることがわかり、緊急時の被ばく線量評価としては十分に長い寿命を持っていることもわかった。このVTLのピークの線量応答性から、検出下限値は数十mGy程度であり、従来法としてのESR法等による線量評価における検出下限値よりも十分低いものであった。以上のことから、緊急時被ばく線量評価手法として、石英からの低温領域のVTLピーク利用の可能性を見いだした。
眞田 幸尚; 小林 博英; 古田 定昭; 根本 和彦*; 川井 啓一*; 橋本 哲夫*
Radioisotopes, 55(12), p.727 - 734, 2006/12
時間間隔解析法を利用したウラン系列子孫核種によるバックグラウンドを低減しアルファ線を測定する方法を開発した。まず、時間間隔解析法の理論を用いてRnの子孫核種で半減期の短いPo(164microsecond)とその上位核種であるBiの相関事象ペアを測定する方法について検討を行った。検討結果から、測定に必要な装置の設計・開発を行った。測定システムには、検出器にSi半導体検出器を用い、システム全体として不感時間ができ得る限り短くなるような設計とした。製作したシステムについて、Th電着線源を使用し相関事象を測定できることを確認するとともに、測定効率である相関事象率の測定を行った。また、実際に作業環境中で空気粉塵を採取し、相関事象の測定を行った。今回の研究から以下の事項が確認された。(1)時間間隔解析法によるPoの測定理論が示された。(2)Poを測定できる装置を開発した。(3)相関事象測定の確認方法として、Th電着線源を使用する方法を示した。今後、トリウム系列の子孫核種の測定方法等を検討し、実際の放射線管理に反映する予定である。
眞田 幸尚; 小林 博英; 橋本 哲夫*
Proceedings of 2nd Asian and Oceanic Congress Radiological Protection (AOCRP-2) (CD-ROM), p.313 - 317, 2006/10
プルトニウム等のアルファ線を放出する放射性核種の迅速な測定を目的とし、時間間隔解析法の理論を応用することによって天然放射性核種のバックグラウンドを補償できるダストモニタを開発した。空気粉塵試料のアルファ線を測定するうえで妨害となるマイクロセコンド単位の半減期を持つPoを、時間間隔解析法により選択的に測定することによってバックグラウンドを補償する。ダストモニタは、原子力施設で一般的に用いられているろ紙(HE-40T)上に集めた空気粉塵をSi半導体検出器によって直接ベータ線とアルファ線を測定し、パルス間の時間間隔とパルス波高をデータリストとして保存する構成とした。本ダストモニタを、実際に再処理施設の作業場に設置し測定を行った。Poを選択的に測定することによってバックグラウンドを差し引くことができるため、全アルファ線の計数は0cps付近を示した。また、アルファ線放出核種の混入を模擬し、小型のAm線源を導入して測定を行ったところ、バックグラウンドを補償しない場合より測定は迅速かつ正確となることが示唆された。
藤田 博喜; 橋本 哲夫*
Radioisotopes, 55(3), p.117 - 123, 2006/03
さまざまな起源の石英粒子からの光励起ルミネッセンス(OSL)感度が異なる原因について、照射中の発光であるラジオルミネッセンス(RL)の影響に注目した。RL波長分光測定の結果から、すべての石英粒子からのRL発光は、400nm(V-RL)及び630nm(R-RL)に幅広いピークを有する2種であることがわかった。さまざまな線量率で一定線量(20Gy)を照射したOSLの感度は、V-RLの全発光強度(20Gy)に影響されることがわかった。さらに、OSLの励起光である470nmよりも短い波長領域からのRLのブリーチング効果が、石英薄片粒子と光学フィルターを組合せた実験から確かめられた。これらの結果から、OSL/SAR法により求めた積算線量には、V-RL発光の影響があることがわかった。
眞田 幸尚; 野原 尚史*; 安達 康敬*; 根本 和彦*; 川井 啓一*; 小林 博英; 橋本 哲夫*
JAEA-Technology 2005-009, 33 Pages, 2006/01
時間間隔解析法を利用したウラン系列子孫核種によるバックグラウンドを低減し線を測定する方法を開発した。まず、時間間隔解析法の理論を用いてRuの子孫核種で半減期の短いPo(164s)とその上位核種であるBiの相関事象ペアを測定する方法について検討を行った。検討結果から、測定に必要な装置の設計・開発を行った。測定システムには、検出器にSi半導体検出器を用い、システム全体として不感時間ができ得る限り短くなるような設計とした。製作したシステムについて、Th電着線源を使用し相関事象を測定できることを確認するとともに、測定効率である相関事象率の測定を行った。また、実際に作業環境中で空気粉塵を採取し、相関事象の測定を行った。今回の研究から以下の事項が確認された。(1)時間間隔解析法によるPoの測定理論が示された。(2)Poを測定できる装置を開発した。(3)相関事象測定の確認方法として、Th電着線源を使用する方法を示した。(4)空気粉塵試料中のPoを測定し、検出効率を評価した。(5)Thの添加試験により、ランダム事象混入時の相関事象の測定方法を示した。今後、トリウム系列の子孫核種の減算方法等を検討し、実際の放射線管理に反映する予定である。
藤田 博喜; 橋本 哲夫*
11th International Conference on Luminescence and Electron Spin Resonance Dating (LED 2005), P. 68, 2005/07
絶縁性白色鉱物と電離放射線との相互作用によって、様々なルミネッセンス現象が観測される。放射線照射中には、ラジオルミネッセンス(RL)が観測される。このRLには400nmと630nm付近にピークのある2つの発光波長があることをこれまでに明らかにした。このうち、400nmの波長領域のRLはOSLの励起光よりも波長が短いため、OSLによる積算線量測定に影響を及ぼすことが考えられる。そこで、RLとOSLとの関連性について研究を行った。RL挙動を調べたところ、(1)線量率に応じて発光強度が増加 (2)前もって照射された放射線量からの影響があった。既知線量を照射した複数の石英粒子について、照射線量率を変化させてOSL測定を行ったところ、得られた線量値が石英の起源毎に異なっていた。この積算線量の分散は、400nmの波長領域のRLと関係があることが示唆された。TLでは影響がほとんどなかった。これらのことからRL発光はOSLに大きく関与していることが考えられた。
植頭 康裕; 橋本 哲夫*
サイクル機構技報, (24), p.39 - 45, 2004/00
ラドンの壊変生成物のような天然に存在する短半減期核種とプルトニウムのような人工長半減期核種を化学分析を実施せずに迅速且つ正確に定量する方法のひとつとして時間間隔解析法がある。この時間間隔解析法は、短半減期核種と長半減期核種において、一定時間内の連続パルスの存在確率がことなっていることを利用したものである。これまで、時間間隔解析法の原理、測定システム、適用例について報告してきたが、今回は上記に加え、確率論を加えた検出下限値の考え方について考察した。
植頭 康裕; 小嵐 淳; 眞田 幸尚; 橋本 哲夫
International Symposium on Transfer of Radionuclides in Biosphere, 0 Pages, 2002/00
大気浮遊塵中のプルトニウム等長半減期線放出核種を迅速に定量するために、パルス入射時間間隔解析を行い、ラドン・トロンの壊変生成物由来の短寿命核種のような連続パルス対とランダムパルス対を弁別し、波高弁別情報から減算するシステム及び実証試験の結果を示す。
植頭 康裕; 橋本 哲夫*
Radioisotopes, 51(6), 229- Pages, 2002/00
検出器への放射線入射パルス時間間隔とそのエネルギーをリンクすることによる短寿命放射性核種の定量法を開発した。本システムは、ADCからのパルスを100ns程度の時間分解能でマルチチャンネルアナライザ(MCA)とタイマーへ同調させて送信し、パルス整形を行う。測定終了後に、ハードディスク上にメモリーされたエネルギーデータ及び入射時間のタイムデータを取り出して、非隣接事象も考慮したソーティングを行い、目的とする時間間隔(短半減期核種の半減期)に入射したパルスの組み合わせをエネルギー情報に合成し定量する。なお、本システムは、全体から微少時間間隔内に入射した短半減期核種を減算する機能も有している。このシステムにより、環境試料中のラドンやトロンの壊変生成物の定量はもとより、プルトニウムのような人工放射性核種を定量する際にバックグラウンドとなるラドンやトロンの壊変生成物を除去することが可能となった。
植頭 康裕; 橋本 哲夫*
サイクル機構技報, (17), 109- Pages, 2002/00
大気浮遊塵中のプルトニウム等長半減期線放出核種を迅速に定量するために、パルス入射時間間隔解析を行い、ラドン・トロンの壊変生成物由来の短寿命核種のような連続パルス対と長半減期核種からのランダムパルス対を弁別し、波高弁別情報から減算するシステムについてシミュレーション結果とともに報告する。
荒 弘重*; 福光 健二*; 飯塚 友之助*; 石井 卓*; 泉谷 泰志*; 今津 雅紀*; 櫨田 吉造*; 長谷川 誠*; 前田 政也*; 矢部 幸男*; et al.
PNC TJ199 84-04VOL1, 20 Pages, 1984/03
地層処分場の処分ピットの間隔は小さいことが経済性や施設規模の面から望ましいが,固化体は発熱体なので許容上限岩盤温度に見合う間隔を設けなければならない。冷却貯蔵期間・埋設密度・岩盤熱物性が異なる場合について軸対象熱伝導解析と3次元熱伝導解析を行なって,許容上限岩盤温度を100とした場合の処分ピット間隔を次のように得た。・固化後30年貯蔵した後に埋設する場合:ピット間隔84m・固化後100年以上貯蔵した後に埋設する場合:ピット間隔2mさらに,施設のスケールファクター(1万本,2万本,4万本),岩盤の種類(硬岩,軟岩),冷却貯蔵期間(30年,100年,500年)を変えた中から6案の処分しせつ設計し,コストを概算した結果,固体化1本当りの処分コストは3600万本/本(貯蔵期間100年以上,硬岩の場合)から8000万円/本(貯蔵期間30年以上,軟岩の場合)と推定された。また,岩盤内空洞の地震時の被災例,観測例および安定性に対する解析的研究例について文献調査した結果,良好な岩盤に堀削した空洞の耐震性の高さが明らかとなった。なお,昭和55年58年度の研究開発成果について総括し,報告書は2分冊に分けて作成した。
眞田 幸尚; 小林 博英; 橋本 哲夫*
no journal, ,
時間間隔解析法を利用したラドン子孫核種のバックグラウンドを補償し人工放射性核種を迅速に検知するダストモニタを開発した。遅延同時測定法の一種である時間間隔解析法をマイクロセコンド単位の半減期を持つ核種に適用した(Po:164マイクロセコンド)。ダストモニターは、検出器にSi半導体検出器を採用し、データの処理には高精度のタイマーとパソコンを組合せた構成とした。近接したパルスの時間間隔データを時間間隔解析法の一種であるSTA法により解析した。本装置を用いて、再処理施設の作業場で採取した空気粉塵試料の測定を行った。その結果、Bi-Po起源のパルス間時間間隔は0-1msの範囲に有意に検出された。このことから、本装置はBi-Poを選択的に測定できることを示している。本装置利用して、バックグラウンドを補償した人工放射性核種のオンラインによる迅速な監視が可能になると考えられる。
橋本 哲夫*; 竹内 友之*; 藤田 博喜
no journal, ,
赤色/青色熱ルミネッセンス(TL)及び光励起ルミネッセンス(OSL)を測定するための、可搬型測定装置を開発した。本装置は、以下のような装置で構成した。(1)放射線照射のためのX線発生装置(Oxford製, Eclipse II),(2)ルミネッセンス光を検出するための小型光電子増倍管(浜松フォトニクス社製,H7421-40),(3)回転サンプル台(許容サンプル数:8個),(4)加熱用ヒータ,(5)光照射用LED,(6)暗箱部。サンプルの置き換えについては、ふたを取り外すことで、簡単に行えるようにした。ただし、(1)サンプル設置時には完全に周辺からの光を遮光する必要があること,(2)装置内にガスを封入できる必要があるため、密閉性を高めた構造とした。今回開発した装置は、フィールド実験でも使えるように、検出部を空気冷却方式とした。そのため、バックラウンド計数の上昇は見られたが、高検出効率で赤色TLを測定することに成功した。しかし、照射用X線のエネルギーがこれまでに開発した装置よりも低いため、線量応答性に石英粒子サイズ依存性が見られた。これらについては、さらに研究を進めていく予定である。
眞田 幸尚; 小林 博英; 根本 和彦*; 川井 啓一*; 橋本 哲夫*
no journal, ,
時間間隔解析法を用いたバックグラウンド補償型ダストモニタを用いて空気中放射性物質濃度の測定を行った。本ダストモニタは、Si半導体検出器を用いて線及び線を同時に測定し、測定したパルス間の時間間隔情報からバックグラウンドとなるRn-222の子孫核種を減算することができる。本ダストモニタを利用することによって従来より、プルトニウム等の人工放射性核種を迅速かつ確実に検知することが可能となる。
眞田 幸尚; 橋本 哲夫*
no journal, ,
時間間隔解析法を用いたバックグラウンド補償型ダストモニタを用いて空気中放射性物質濃度の測定を行った。本ダストモニタは、Si半導体検出器を用いて線及び線を同時に測定し、測定したパルス間の時間間隔情報からバックグラウンドとなるRn-222の子孫核種を減算することができる。本ダストモニタを利用することによって従来より、プルトニウム等の人工放射性核種を迅速かつ確実に検知することが可能となる。
藤田 博喜; 橋本 哲夫*
no journal, ,
線量計未設置の場所での放射線漏洩事故の際に、その周辺における線量の測定方法は必ずしも確立されていない。このような状況を鑑みて、原子力機構では石英等の天然鉱物からの放射線誘起ルミネッセンス観測による線量測定方法の開発を行っている。そこで、紫色熱ルミネッセンス(VTL)による緊急時線量測定法を開発した。本研究において、天然石英粒子からのVTLは、(1)天然でのバックグラウンド線量がない,(2)線量影響の記録保持時間が数年程度である、等の特徴を有していることを明らかにした。検出下限値は数十mGy程度であり、ほかの緊急時線量測定方法と比較して同等もしくは低いものであった。これらのことから、本手法が緊急時線量測定法として有効であることを見いだした。
外間 智規; 藤田 博喜; 橋本 哲夫*
no journal, ,
/サーベイメータと時間間隔解析装置を組み合わせ、迅速かつ簡便にPuのみを検出できるモニタリングシステムを開発し、環境モニタリングに資することを目的とする。