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西村 克彦*; 松田 健二*; Lee, S.*; 布村 紀男*; 島野 寛基*; Bendo, A.*; 渡邊 克己*; 土屋 大樹*; 並木 孝洋*; 戸田 裕之*; et al.
Journal of Alloys and Compounds, 774, p.405 - 409, 2019/02
被引用回数:3 パーセンタイル:17.62(Chemistry, Physical)Temperature and time dependences of magnetization of Al-1.0%Zn-4.2%Mg, Al-2.6%Zn-3.2%Mg, Al-4.1%Zn-1.1%Mg, and Al-5%Zn (at.%) alloys were measured in the range between 10 and 310 K after various periods of natural aging and peak-aged heat treatments. Enhanced diamagnetic contributions on the magnetization were observed for the as-quenched Al-Zn-Mg alloys for the first time. The enhanced diamagnetism observed in Al-2.6%Zn-3.2%Mg and Al-4.1%Zn-1.1%Mg were found to largely alter in natural aging, while that of Al-1.0%Zn-4.2%Mg little changed. After peak-aged heat treatments, the diamagnetism of Al-Zn-Mg was largely reduced. The binary Al-5%Zn showed neither enhanced diamagnetism nor natural aging effect on the magnetization. Isothermal time variations of magnetization of Al-Zn-Mg alloys at 300 K were found to be related with solute-vacancy clustering.
川瀬 啓一; 北野 光昭; 渡邊 雅範; 吉村 修一; 菊池 四郎; 西野 克己*
JAEA-Review 2017-006, 173 Pages, 2017/03
環境省からの依頼により内閣府除染モデル実証事業を行った地区の空間線量率の推移調査として、環境省の了解が得られた地区(9市町村15地区)を対象とした空間線量率の推移に関する調査(モニタリング)を平成24年10月から11回(平成27年10月現在)実施してきた。本調査における空間線量率の測定は、NaIシンチレーション式サーベイメータ等を用いた定点測定とガンマプロッタHを用いた測定の2方法で行った。
花田 磨砂也; 小島 有志; 田中 豊; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.835 - 838, 2011/10
被引用回数:13 パーセンタイル:69.55(Nuclear Science & Technology)JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射装置(NBI)と1基の負イオンNBIを用いて、合計30MWの重水素原子を100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIにおいては、1基あたり1.7MW, 85keVの重水素原子の入射に向けて、既存の正イオンNBIの電源の一部や磁気シールドを改造する設計を進めている。電源に関しては設計をほぼ完了し、改造機器の仕様を決定した。磁気シールドに関しては工学設計をほぼ完了し、今後、製作設計を開始する予定である。500keV, 10MW入射が要求されている負イオンNBIにおいては、同装置の心臓部である負イオン源の開発を強力に進めている。負イオン源内の真空絶縁を改善することによって、負イオン源の耐電圧を従来の400kVから設計電圧である500kVに大幅に改善した。加えて、イオン引き出し面積の約20%を用いたビーム生成実験において、2.8A, 500keVの水素負イオンビーム生成に成功した。本結果は1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。開発に加えて、設計・調達においても、500kV加速電源の改造設計を完了し、2010年度から調達を開始する。
花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 椛澤 稔; et al.
AIP Conference Proceedings 1390, p.536 - 544, 2011/09
被引用回数:7 パーセンタイル:84.66(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射(NBI)装置と1基の負イオンNBI装置を用いて、合計30-34MWの重水素中性粒子ビームを100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIに関しては、JT-60SAの設計値である1基あたり2MW, 85keVの重水素中性粒子ビームの入射を達成している。その際、イオン源やイオンダンプ等のビームライン機器は、100秒入射が要求されるJT-60SAで既存の装置を改造することなく再使用できる見通しを得ている。また、10MW, 500keV入射が要求されているJT-60SAの負イオンNBI装置のための開発においては、500keV, 2.8Aの水素負イオンビーム生成に成功している。これは、1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。今後、実験装置を整備し、負イオンの100秒間生成のための開発研究を実施する予定である。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Nuclear Fusion, 51(8), p.083049_1 - 083049_8, 2011/08
被引用回数:51 パーセンタイル:88.28(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60NNBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されていることが大きな問題であった。そこで、負イオン源内の真空絶縁距離を調整し、単段の要求性能を超える各段200kVを保持することに成功した。この結果を踏まえて負イオン源を改良し、従来よりも短いコンディショニング時間で500kVの印加に成功し、設計値である490kVを加速電源の限界である40秒間絶縁破壊することなく保持することにも成功した。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施し、従来410keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。また、486keVのビームでの負イオン電流値は18m離れたカロリーメーターで2.8A(84A/m)が得られた。通常、過度のギャップ長延長はビーム光学の劣化を引き起こすが、今回のギャップ長ではビーム光学の大きな劣化がないことを計算及び実験で確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
JT-60N-NBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されているのが問題であった。そこで、加速電極の間隔を拡げて、負イオン源内の最短の真空絶縁距離である支持枠角部の電界集中を低減した結果、単段の要求性能を超える200kVを保持することに成功し、設計指標となっていた大型の負イオン源では小型電極よりも6から7倍程度長い真空絶縁距離が必要であることが明らかになった。その理由として電極の面積が100倍異なることだけでなく、1080個もある電極孔や支持枠等の局所電界の電界分布が影響していることが小型電極の実験結果から予測される。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施した結果、従来420keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。ギャップ長を増加させたことによりビーム光学が劣化して電極熱負荷が増大することが懸念されたが、今回のギャップ長の範囲ではビーム光学の劣化がないことを確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
花田 磨砂也; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; 小又 将夫; 小島 有志; 藻垣 和彦; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.208 - 213, 2010/08
原子力機構では、JT-60SAに向けた負イオンNBI装置の開発及び設計を進めている。特に、開発に関しては、500keV, 22Aの重水素負イオンビームの生成に向けて、既存のJT-60負イオン源を改良し、JT-60負イオンNBI装置に取り付けて、試験を行っている。現在、開発の最優先課題である負イオン源の高エネルギー化を精力的に進めている。負イオン源内の電極間のギャップ長を従来よりも伸張することによって、イオン源に印加可能な加速電圧を従来の400kVから要求性能である500kVまで改善した。加えて、イオン引き出し領域の1/5を用いて、世界に先駆けて、500keV, 3Aの高エネルギー水素負イオンビームの生成に成功した。負イオン源の高エネルギー化と並行して、JT-60SAにおける100秒入射に向けて、既設のJT-60負イオンNBI装置の長パルス化を図った。負イオン源内の電極熱負荷を従来より20%低減し、同装置の限界である30秒入射を実現した。その結果、入射時間とパワーの積である入射エネルギーは世界最大値80MJに到達し、プラズマの高性能化に大きく貢献した。
田中 豊; 花田 磨砂也; 小島 有志; 秋野 昇; 清水 達夫; 大島 克己; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; et al.
Review of Scientific Instruments, 81(2), p.02A719_1 - 02A719_3, 2010/02
被引用回数:4 パーセンタイル:22.78(Instruments & Instrumentation)JT60負イオン源は、JT-60SAへ向けて、1台あたり22A, 500keVのDビームを生成することが要求されている。これまで、負イオン源は、真空絶縁破壊のために、設計性能を満足していなかった。真空絶縁破壊の原因を調べるために、実機JT-60負イオン源の耐電圧試験やイオン源内部の電界計算を行ったところ、電極支持枠の端部において、加速電極間の平等電界(3kV/mm)よりも高い電界(5.25.5kV/mm)領域において絶縁破壊が生じている可能性が高いことが判明した。そこで、局所電界強度の緩和のための改造を行い、その後耐電圧試験を実施した。3秒パルスで高電圧を印加し、負イオン源のコンディショニングを進め、15時間後、定格500kVを達成するとともに、同電圧を、絶縁破壊することなく、電源の制限パルス幅である40秒間安定に維持した。
池田 佳隆; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 小林 薫; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; 井上 多加志; 本田 敦; 河合 視己人; et al.
IEEE Transactions on Plasma Science, 36(4), p.1519 - 1529, 2008/08
被引用回数:12 パーセンタイル:43.9(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SA用負イオンNBI加熱装置(N-NBI)は、加速エネルギー500keV, 10MW, 100秒入射の性能が求められている。JT-60SA用N-NBIの実現には、3つの課題解決が必要である。1つはイオン源の耐電圧の改善である。最近のイオン源の耐電圧試験から、大型加速管ではその電極面積の大型化に伴い長時間のコンディショニングと電界強度の設計裕度が必要であることが明らかとなった。2つ目は、電極及びビームラインの熱負荷の低減である。最近の研究によりビーム同士の空間電荷効果でビーム軌道が曲げられ電極に衝突し、熱負荷を増加していることが明らかとなった。これは空間電荷効果を考慮した3次元ビーム軌道計算に基づき電極構造を補正することで改善できる。3つ目は、100秒間の安定な負イオン生成である。このため負イオン生成に不可欠なプラズマ電極の温度制御方式を提案した。これらのR&Dを行い、JT-60SA用N-NBIのイオン源は2015年から改造を予定している。
池田 佳隆; 秋野 昇; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 本田 敦; 鎌田 正輝; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.791 - 797, 2007/10
被引用回数:22 パーセンタイル:80.6(Nuclear Science & Technology)ITERや原型炉に向けた研究を強化するため、JT-60Uを超伝導化するJT-60SA計画が進められている。この計画におけるNBI加熱装置は、入射パワーは1基あたりの入射パワー2MW(85keV)の正イオンNBI加熱装置が12基、入射パワー10MW(500keV)の負イオンNBI加熱装置が1基から構成され、総計34MW,100秒のビーム入射を行う予定である。一方、これまでにJT-60Uにおいては、正イオンNBIで2MW(85keV),30秒、負イオンNBIで3.2MW(320keV),20秒入射を既に達成している。これらの運転において両イオン源の加速電極の冷却水温度上昇は約20秒以内で飽和していることから、改修計画に向けては、電源の容量強化や負イオンNBIの加速エネルギー向上が鍵となると考えられる。本論文では、JT-60SA計画における、NBI加熱装置の増力に関する工学設計を報告する。
河合 視己人; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 井上 多加志; 椛澤 稔; 菊池 勝美*; 栗山 正明; et al.
Fusion Science and Technology, 44(2), p.508 - 512, 2003/09
被引用回数:5 パーセンタイル:36.77(Nuclear Science & Technology)JT-60U N-NBI用負イオン源は、500keV,22A,10秒間のビーム加速性能を持つ。このような大型負イオン源の運転実績はこれまでになく、1996年より本格的な特性試験を開始したが、この間、多くの改良に努力が費やされた。(1)ソースプラズマの不均一性による加速部電極の熱負荷過大の対策として、上下端部からの発散性ビームをカットするマスク板を設置した。不均一性の改良のために、アーク限流抵抗やグループ毎フィラメントパワーの最適化を行った。(2)その他改良として、ビーム引出し時のフィラメントパワー低減制御の導入やビーム発散抑制のための引出電極形状の最適化を行った。これら改良の積み重ねの結果、現在までに最大入射パワー6.2MW,最長パルス幅10秒を達成することができた。
伊藤 孝雄; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; Hu, L.*; 河合 視己人; 椛澤 稔; 栗山 正明; 日下 誠*; et al.
Fusion Engineering and Design, 51-52, p.1039 - 1047, 2000/11
被引用回数:15 パーセンタイル:68.6(Nuclear Science & Technology)JT-60用負イオンNBI装置では高エネルギーの中性粒子ビーム入射運転を出力上昇運転と並行して行っている。ここでは、ビーム特性の評価がビームパワー増加及び最適化のために重要である。この評価のため、ビームラインからの中性子発生量、ビーム発散、ビームラインの熱負荷及び対向面上ビーム分布を使用した。中性子発生量は重水素ビームパワーに比例するので、重水素負イオン電流の状況を簡単に把握できる。NBIのドリフトダクトとイオンダンプで見積もられたビーム発散及び機器の熱負荷はイオン源の運転パラメータ最適化及び入射ビームパワー評価のため使った。ドリフトダクトで測定したビーム発散は設計値の5ミリラジアンにほぼ一致していた。対向面の熱負荷分布はビーム軸を求めるために使われる一方中性粒子ビームの分布を監視するうえでも有効であった。
山崎 晴幸*; 伊藤 孝雄; 薄井 勝富; 藻垣 和彦; 栗山 正明; 佐藤 藤雄*; 大島 克己*; 大森 憲一郎; 渡邊 和弘
JAERI-Tech 99-054, 49 Pages, 1999/07
JT-60U用負イオン源では負イオン生成効率向上のため、アークチェンバ内にセシウム(Cs)蒸気を導入する。従来のCs導入装置は高電圧ノイズにより、しばしば真空側のヒータが断線・故障した。このCs導入装置を高電圧ノイズに強くするため、熱伝導型導入管の開発とヒータ回路の改良を行った。熱伝導型導入管は、ヒータの断線時に修理を簡単にするため、大気圧側の導入管の一部を加熱して真空側を熱伝導で昇温する構造とした。開発にあたり、計算機でシミュレーションしてモデルを設計・製作し、性能確認試験を行った後、これを負イオン源に採用した。また、ヒータの断線を防止するため、加速電圧の印加中はヒータの電源を遮断するように回路を改良した。以上の2点の改良により、Cs導入装置のヒータに関する故障はほとんどなくなり、現在、順調に運転中である。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; H.Liquen*; et al.
Fusion Technology 1998, 1, p.391 - 394, 1998/00
JT-60では、高密度プラズマでの中心加熱・電流駆動研究を目的として500keV負イオンNBIの開発を進めている。本負イオンNBIは、平成8年3月の装置完成以来、負イオン源、ビームライン、イオン源用高電圧電源の調整、改良を行いながら、負イオンビーム出力の増大に努めてきた。イオン源単体でのビーム出力として、これまでに水素負イオンビームで360keV、18.5A、重水素で380keV、14.3Aまで得ている。また、JT-60への入射パワーとして重水素中性ビームで5.2MW,350keVを達成している。本報告では、負イオンビーム出力増大のためのイオン源運転パラメータの最適化、及び負イオンNBIの技術的課題の解決策等について発表する。
大森 憲一郎; 薄井 勝富; 大島 克己*; 大賀 徳道; 河合 視己人; 渡邊 和弘; 伊藤 孝雄; 栗山 正明; 小野 要一*; 川島 秀一*
Fusion Technology 1998, 1, 4 Pages, 1998/00
JT-60負イオンNBI装置(N-NBI)は、1996年よりビーム出力の増大を図りながらJT-60プラズマへの入射実験を行っている。これまでの運転において、N-NBIの主要構成機器の一つであるイオン源用電源でもいくつかの問題が発生した。これらの多くは、ビーム出力の増大に伴い発生頻度が増したイオン源におけるブレークダウンが原因であると推定された。そこで、これらに対処するため、加速電源制御系のディジタル制御化改造、フィラメント電源電圧検出回路へのフィルタ増設、あるいは、アーク電源の過電流に対する保護レベルの見直しといった改造が行われた。また、その他の電源においても、ビーム入射の最適化を目指し、いくつかの改造・調整等が実施された。本シンポジウムでは、N-NBIの運転時に電源において発生した問題点、それに対する対処(改造)、そしてその結果について報告する。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 小泉 淳一*; et al.
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 1, p.405 - 408, 1998/00
JT-60用負イオンNBI装置は、NBI電流駆動による定常化研究及びプラズマの中心加熱での閉じ込め性能向上を目指したもので、500keV,10MW,10秒の性能を目標とする世界初の負イオンNBIである。この負イオンNBIは、1996年初めに完成した後、1996年3月に最初のビーム入射に成功した。以後、イオン源、ビームライン及びイオン源用電源の最適化を行いながらビーム出力の増大を図り、これまでイオン源出力として重水素ビームで400keVで13.5A、水素ビームで350keVで18.4Aの負イオンビーム出力を達成している。またJT-60への入射パワーに関しては、1996年9月には重水素ビームで350keVで2.5MW、1997年2月には水素ビームで3.2MWのビーム入射を果たし、これまでの実験は、プラズマ中での高エネルギー粒子の挙動がほぼ理論的に予測されたとおりになっている。
大賀 徳道; 大森 憲一郎; 渡邊 和弘; 大島 克己*; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 薄井 勝富; 栗山 正明
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 2, p.1091 - 1094, 1998/00
JT-60U用負イオンNBIは、イオン源2台にて500keV,10MWの重水素ビームを10秒間入射できるよう設計されており、1997年3月に設置された。本装置のイオン源用電源はソースプラズマ生成用電源、イオン引き出し電源、加速電源等から構成される。このうち加速電源は最高500kV出力することができ、2台のイオン源に共通に使われる。またイオン源内で発生する放電破壊時に電極の保護及びサージに対する保護のため200s以下で電流を遮断することができる。ビーム加速前に、耐電圧試験、短絡試験が実施され電源の健全性が確認された。ビーム加速試験では、これまでに350keV,18.4Aの水素イオンビームを、重水素にては400keV,13.5Aのビームを得ることができた。JT-60Uプラズマへは、イオン源1台にて350keV,3.2MWの中性ビームを1秒間入射することに成功した。
渡邊 和弘; 秋野 昇; 青柳 哲雄; 海老沢 昇; 藤原 幸雄; 本田 敦; 井上 多加志; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; et al.
Radiation Physics and Chemistry, 49(6), p.631 - 639, 1997/00
被引用回数:3 パーセンタイル:30.34(Chemistry, Physical)核融合プラズマの加熱や定常維持のために、0.5~1MeV、数十MWの中性粒子入射装置(NBI)が要求されている。このようなシステムの実現のため、大出力の負イオンビーム開発を進めている。JT-60U用500keV、10MW入射予定の負イオンNBI装置ではビーム出力試験が開始され、400keV、13.5A、0.12Sの世界最高のDビーム電流、電力発生に成功した。さらに、1MeV級の負イオン加速管の開発では、805keVで加速電流150mA/sのHビーム加速に成功した。