Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
齋藤 雄也; 棚井 憲治; 高治 一彦*; 重野 善政*; 下河内 隆文*
JAEA-Research 2009-065, 76 Pages, 2010/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリア設計や安全評価においては、緩衝材の長期力学的挙動に影響を及ぼす事象を適切に評価することが重要となる。原子力機構では、ニアフィールドにおける長期的な力学的相互作用を評価するために、人工バリア,処分坑道,周辺岩盤を含む3次元有限要素解析モデルを用いて、オーバーパックの自重沈下,腐食膨張及び岩盤クリープ挙動を考慮することができる連成解析手法を構築した。また、コンクリート支保の劣化挙動モデルを解析プログラムに導入し、動作確認及び妥当性の検証を実施した。本稿では、これまでの検討で残された課題である、(1)埋め戻し材の力学パラメータの取得及び構成モデルの検討,(2)コンクリート支保劣化モデルの3次元プロトタイプへの導入,(3)3次元有限要素解析モデルにおける解析メッシュの分割粗さ及び時間刻みの影響について検討した。(1)では、埋め戻し材を対象とした圧密試験を実施し、供試体成型圧に近い圧密降伏応力を有すること、緩衝材と同様に除荷・再載荷過程においてヒステリシスを示すことが確認された。(2)においては、コンクリート支保劣化がニアフィールド全体の力学挙動に大きな影響を及ぼすことを確認した。(3)においては、3次元有限要素解析においてメッシュ分割粗さが解析結果(特に岩盤の応力分布)に影響を有することが確認された。
西村 繭果; 棚井 憲治; 高治 一彦*; 重野 喜政*; 下河内 隆文*
JAEA-Research 2007-004, 87 Pages, 2007/03
本稿ニアフィールドにおける力学的相互作用を評価する連成解析手法を構築した。連成解析モデルは、人工バリア,処分坑道,周辺岩盤を含む3次元解析モデルで、オーバーパックの自重沈下,腐食膨張及び岩盤クリープ挙動を考慮してニアフィールドの力学的挙動を評価する。連成解析モデルへの拡張に際して生じる問題点と新たな課題として、(1)岩盤の力学モデルをコンプライアンス可変型構成方程式として導入,(2)コンクリート支保の劣化挙動モデルの導入,(3)オーバーパックの腐食膨張模擬方法の検討,(4)岩盤内水圧挙動の影響検討、及び(5)埋め戻し材の構成モデルパラメータの設定を行い、これらの成果を反映して連成解析のプロトタイプを作成した。作成したプロトタイプによる解析を行った結果、従来の2次元モデルの解析結果と比べて、岩盤及び埋め戻し材モデルの挙動や拘束条件を適切に反映した挙動を示しており、本解析手法により、ニアフィールド全体の力学挙動を把握できることが示された。
西村 繭果; 棚井 憲治; 高治 一彦*; 平井 卓*; 白武 寿和*
JAEA-Research 2006-036, 82 Pages, 2006/06
本書では、関口-太田モデル及び足立-岡モデルのパラメータ設定について行ってきた検討結果を整理し、得られた知見を示した。その結果、緩衝材の変形挙動と応力状態の両者を1つのパラメータセットで評価することは困難であるが、それぞれの評価項目に適切なパラメータを選択して用いることにより、緩衝材の力学挙動を再現することが可能であることを示した。また、緩衝材の長期変形挙動において重要となる二次圧密係数については、保守的な設定を行うと同時に、ナチュラルアナログ評価手法によってその値の範囲を提示することにより、過度に保守的な評価に偏らない挙動評価を行うことが可能となった。また、人工バリアの長期挙動評価を行い、自重沈下量を最も大きく見積もるパラメータを用いた計算により、オーバーパックの沈下量の限界値を概略的に示した。
高治 一彦*; 重野 喜政*; 下河内 隆文*; 平井 卓*; 白武 寿和*
JNC TJ8440 2004-011, 200 Pages, 2005/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発において、人工バリアに要求される各機能を確保するには、人工バリアが長期間力学的に安定であることが不可欠であるため、外力に対する緩衝材の力学的変形挙動を精度良く評価することが必要である。 本研究では、選択された2つの構成式(関口-太田モデル、足立-岡モデル)のために設定したパラメータの保守性を長期圧密試験の信頼性を含めて確認するとともに、安全評価上の懸念事項を定量的に評価した。また、外挿評価となる沈下予測に対して、検証の意味で極限値を把握することも重要と考えられることから、ベントナイト鉱床におけるナチュラルアナログ評価によるベントナイトの密度経年変化に基づく沈下量極限値評価もあわせて実施した。次に、海水系地下水環境においても降水系と同様な評価モデルにおいて緩衝材の長期挙動予測が可能かどうかを確認した。さらに、海水系地下水環境において実施予定の幌延深地層研究施設における具体的な原位置試験計画の立案に反映するため、底で実施する予定のオーバーパック腐食膨張影響に関して、幌延岩盤と緩衝材の連成評価を実施し、試験規模などを概略把握した。
高治 一彦*; 重野 喜政*; 下河内 隆文*
JNC TJ5400 2004-002, 89 Pages, 2005/02
幌延深地層研究計画では岩盤・緩衝材クリープ試験、坑道閉鎖試験、定置精度確認試験、THMC試験などの原位置試験が計画されている。これら原位置試験は、第2次取りまとめに示された人工バリア設計手法の具体的な地質環境に対する適用性の例示と評価、および人工バリアの長期的な現象理解と予測評価手法の信頼性向上を目的としてる。そこで原位置試験設計におけるベントナイト混合材料の仕様(密度、ケイ砂混合率など)を検討するために、塩水系地下水環境でのベントナイト混合材料の力学挙動に関するデータの取得を平成15年度から開始し、幌延の原位置試験で想定される塩水系地下水環境でのベントナイト混合材料を力学挙動を把握した。また、人工バリアの長期挙動の予測手法の適用性を確認するために、室内試験の結果を用いたオーバーパックの沈下挙動などの解析を実施した。本研究では不飽和状態におけるイチジク圧縮試験や長期圧密試験などを行ない、塩水系地下水環境下における試験データの拡充を行なった。また平成15年度に得られたデータとあわせて人工バリアの長期挙動予測を実施し、予測精度の向上を図った。
高治 一彦*; 重野 喜政*; 下河内 隆文*
JNC TJ5400 2003-007, 120 Pages, 2004/04
幌延深地層研究計画では岩盤・緩衝材クリープ試験、坑道閉鎖試験、定置精度確認試験、T-H-M-C試験などの原位置試験が計画されている。これら原位置試験は、第2次取りまとめに示された人工バリア設計手法の具体的な地質環境に対する適用性の例示と評価、および人工バリアの長期的な現象理解と予測評価手法の信頼性向上を目的としている。そこで原位置試験設計におけるベントナイト混合材料の仕様(圧密度、ケイ砂混合率など)を検討するために、幌延の地下水を模擬した人工地下水やNaCl水溶液を用いた室内試験を実施し、幌延の原位置試験位置で想定される海水系地下水環境でのベントナイト混合材料の力学挙動を把握した。また、人工バリアの長期挙動の予測手法の適用性を確認するために、室内試験の結果を用いたオーバーパックの沈下挙動などの解析を実施した。
平井 卓; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 重野 喜政*; 並河 努*; 高治 一彦*; 大沼 敏*
JNC TN8400 2003-034, 158 Pages, 2004/02
緩衝材に求められるオーバーパック支持性能や応力緩衝性能に関しては、「第2次取りまとめ」において、設定された仕様の人工バリアに対する安定性やオーバーパック作用応力の評価を行った。しかし、評価解析に用いられた長期挙動評価モデルは一般の粘性土における実績やパラメータ設定の容易さにより選定されており、膨張性のあるベントナイトを用いた緩衝材への適用性に関して十分な検討がなされていなかった。そこで、既存の評価モデルより緩衝材への適用性の高いモデルを再抽出するとともに、緩衝材の支持性能や応力緩衝性能に関する再評価をすることが必要と考えた。そこで、最初に一般の粘性土の力学挙動評価に対して実績のある既存の評価モデルを体系的に分類した後、適用性が高いモデル抽出した。次に緩衝材の室内要素試験結果を各モデルを用いてシミュレーション解析を実施し、抽出モデルの適用性検討とパラメータ選定を実施した。最後に、これらのモデルとパラメータを用いて、人工バリア中のオーバーパックの自重沈下とオーバーパックの腐食膨張の影響を解析により再評価した。その結果、抽出された関口-太田モデルと足立-岡モデルは、ほぼ同一の評価精度を有していることやモデルのパラメータは、圧密試験と三軸圧縮試験を同時に精度良く評価できるものを選定することが困難であり、人工バリア中の緩衝材の挙動を評価するためには、2種類のパラメータセットが必要なことなどが分かった。
平井 卓; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 高治 一彦*; 大沼 敏*
JNC TN8400 2003-031, 48 Pages, 2004/02
緩衝材に求められるオーバーパック支持性能や応力緩衝性能に関しては、「第2次取りまとめ」において、設定された仕様の人工バリアに対する安定性やオーバーパック作用応力の評価を行っている。しかし、設定された仕様の安全裕度や設計根拠については必ずしも明確ではない。そこで、安全裕度や設計根拠を明確にするために、人工バリアにおける緩衝材中でオーバーパックが変形する場合の作用荷重と変形の関係や破壊に至るような極限荷重が存在するかなどについて、縮小模型試験と解析を用いた検討を実施した。検討の結果、オーバーパックの円筒軸方向の変形の増加に対して、作用荷重の増加は減少する傾向にあるものの、周辺の岩盤など剛性の高い境界による緩衝材の拘束効果により明確な極限荷重は現れず、変形が大きくなれば変形量と作用荷重の関係を関数で近似できることが明らかになった。
高治 一彦*; 重野 喜政*; 下河内 隆文*; 白武 寿和*; 田村 博邦*
JNC TJ8440 2003-007, 218 Pages, 2004/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発において、人工バリアに要求される各機能を確保するには、人工バリアが長期間力学的に安定であることが不可欠である。処分場閉鎖後において、人工バリアを形成する緩衝材には、種々の外力が長期間作用すると考えられる。人工バリアの性能評価を精度よく実施するためには、これらの外力に対する緩衝材の力学的変形挙動を精度よく評価することが必要である。本研究では、選択された2つの構成式(関口-太田モデル、足立-岡モデル)のために設定されたいくつかのパラメータを用いて、要素試験、模型試験のシミュレーションを行い、構成式およびこれらのパラメータの適用性を検討した。また、これらのパラメータを用いた人工バリアのシミュレーション解析を実施し、長期力学的挙動評価を行った。解析では、オーバーパックの沈下量、緩衝材の応力状態、岩盤への反力等を評価し、長期にわたって人工バリアは力学的に安定である結果を得た。次に、解析モデルおよび解析結果を傍証するために、スメクタイト層などの堆積年代、力学履歴などについて文献調査を行い、ナチュラルアナログ的検証方法について概略計画を立案し、凍結サンプリングの適用性について予備的検討を行った。
平井 卓; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 鈴木 英明*; 高治 一彦*; 大沼 敏*
JNC TN8400 2003-009, 56 Pages, 2003/03
「第2次取りまとめ」におけるわが国の地層処分概念では,地震・活断層の影響等,地層処分システムに著しい影響を及ぼす可能性のある天然現象については,サイト選定によってその影響を避けることを基本としており,基本的には人工バリアは壊れないものと考えられている。しかし、派生的なC 級断層など発生する確率が極端に低く影響も小さいと考えられるものについては,現状では発生を完全に予測することが困難である。そこで,このような断層が人工バリアを直撃するといった場合に、人工バリアがどのような影響を受けるかについて現象を明らかにし、安全裕度の幅を明らかにすることを目的とし、縮小模型試験とそのシミュレーション解析,さらに実規模モデルに対する解析を実施した。その結果、断層の変位速度が10cm/sec 以下では断層が直撃しても緩衝材厚さの80%程度の断層変位までは、緩衝材の緩衝効果により腐食していないオーバーパックは健全であることが明らかになった。
重野 喜政*; 並河 努*; 高治 一彦*
JNC TJ8440 2003-002, 137 Pages, 2003/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発において、人工バリアに要求されを確保するには、人工バリアが長期間力学的に安定であることが不可欠である鎖後において、人工バリアを形成する緩衝材には、種々の外力が長期間作用すれる。人工バリアの性能評価を精度よく実施するためには、これらの外力に対の力学的変形挙動を精度よく評価することが必要である。本研究では、選択された2つの構成式(関口-太田モデル、足立-岡モデル)設定されたいくつかのパラメータを用いて、要素試験のシミュレーションを行およびこれらのパラメータの適用性を検討した。また、これらのパラメータを用いた人工バリアの感度解析を実施した。解析でーバーパックが腐食膨張しない場合の沈下挙動、2.オーバーパックの腐食膨挙動の2ケースのシナリオについて検討を行った。その結果、自重沈下は主にータの影響を受けること、どのパラメータを用いた解析でも、人工バリアの全は生じなかったこと、また、周辺岩盤が受けるオーバーパックの膨張の影響をめには、粘性パラメータが重要であることが分かった。
重野 喜政*; 並河 努*; 高治 一彦*
JNC TJ8440 2002-004, 109 Pages, 2002/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発において、人工バリアに要求される各機能を確保するには、人工バリアが長期間力学的に安定であることが不可欠である。処分場閉鎖後において、人工バリアを形成する緩衝材には、種々の外力が長期間作用すると考えられる。人工バリアの性能評価を精度よく実施するためには、これらの外力に対する緩衝材の力学的変形挙動を精度よく評価することが必要である。本研究では、今までに数多く提案されている粘性土の構成モデルに対して、緩衝材の長期力学挙動評価への採用可能性という観点から、特に適用性の高いものを抽出することを目的とし、粘性土構成モデルの調査、代表的モデルの試験データを用いた解析による適用性確認、シミュレーション解析に有効な実験手法の提案を行った。Over stress modelとFlow surface modelの代表的なモデルとして足立-岡モデル、関口-太田モデルを用いて要素試験シミュレーションを行った結果、両モデルで挙動大きな差はみられず、粘性パラメータの設定によって試験結果を局所的には適切に表現できるが、総括的には適切に表現し得ない結果となった。
高治 一彦; 三浦 一彦*; 田部井 和人*; 納多 勝*; 杉江 茂彦*; 高橋 真一*
サイクル機構技報, (5), p.27 - 36, 1999/12
高レベル廃棄物処分場において、ガラス固化体、オーバーパック、緩衝材および周辺岩盤からなるニアフィールド環境が、長期に亘って力学的安定性を維持しうるかどうかを確認することは、安全評価上重要である。ここでは、想定される種々の現象のうち、岩盤クリープ変形、オーバーパックの腐食膨張、沈下現象を対象としたニアフィールド環境の安定性について、解析的検討を行った。その結果、今回設定した条件下では10,000年を経過してもその安定性に有意な影響を及ぼさないことが示された。
高治 一彦; 杉野 弘幸
JNC TN8400 99-043, 52 Pages, 1999/11
処分場地下施設の建設時には、坑道の掘削にともなって岩盤に応力再分配が起こる。また、オーバーパックおよび緩衝材の定置後から、緩衝材の膨潤、オーバーパックの自重沈下、腐食膨張変形、岩盤のクリープ変形等が発生し、それらの現象が相互に作用することにより、緩衝材や坑道周辺岩盤の応力状態が経時的に変化することが考えられる。これらの応力状態の変化が緩衝材、岩盤に与える影響を確認することが安全評価上、また人工バリアの仕様設定上重要であることから、緩衝材、岩盤の安定性に影響を与える可能性のある種々の現象に対して、経時変化や相互作用の程度を把握するために、岩盤クリープ挙動、オーバーパックの腐食膨張による緩衝材におよぼす力学的な影響、オーバーパックの自重による沈下挙動について、各現象の相互作用を考慮しながら個別に解析を実施し、長期構造力学安定性を検討、評価した。その結果、基本ケースとした硬岩系岩盤、軟岩系岩盤については、岩の強度、坑道内部の充填物(ベントナイト)の強度、側圧係数等によって、クリープ変形挙動や応力状態の経時変化、ゆるみ領域の拡大する範囲等が異なることが分かった。また、緩衝材の力学的挙動にはオーバーパックの腐食膨張が支配的であり、オーバーパックの自重沈下や基本ケースとした硬岩系岩盤や軟岩系岩盤のクリープ変形はほとんど影響しなかった。また、オーバーパックの腐食膨張によって、緩衝材はオーバーパック周辺のごく限られた部分が限界状態に近い値を示したが、全体的には安定した状態であることが分かった。
高治 一彦; 谷口 航
JNC TN8400 99-042, 68 Pages, 1999/11
緩衝材には、止水性、自己シール性、核種収着性、熱伝導性、化学的緩衝性、オーバーパック支持性、応力緩衝性等が長期にわたり維持されることが期待されている。これらの機能を比較的満足し得る材料として、天然に産する粘土が注目され、中でも圧縮されたベントナイトは、非常に低い透水性による水の動きの抑制、水の浸潤に伴い膨張し圧縮ベントナイト中の間隙や隣接する岩盤中の割れ目への充填、陽イオン核種を収着する陽イオン交換能を有している等の点で優れており、緩衝材として最も有力であると考えられている。サイクル機構では地層処分研究の一環として、人工バリア技術開発および安全評価の基礎データとするために緩衝材の特性に関する研究を進めている。本報告書は、耐震安定性評価に資するための緩衝材としての圧縮ベントナイトの動的力学特性の把握を目的として、動的三軸試験、弾性波速度の測定、液状化試験についての手順、試験条件、結果および考察についてまとめたものである。動的三軸試験により、せん断剛性および減衰比のせん断ひずみ依存性、力学モデルへの適用等、弾性波速度の測定により、動的三軸試験によって得られた最大せん断剛性の妥当性等、液状化試験により、繰返し載荷による動的強度等を把握することができた。
高治 一彦; 鈴木 英明*
JNC TN8400 99-041, 76 Pages, 1999/11
緩衝材には、止水性、自己シール性、核種収着性、熱伝導性、化学的緩衝性、オーバーパック支持性、応力緩衝性等が長期にわたり維持されることが期待されている。これらの機能を比較的満足し得る材料として、天然に産する粘土が注目され、中でも圧縮されたベントナイトは、非常に低い透水性による水の動きの抑制、水の浸潤に伴い膨張し圧縮ベントナイト中の間隙や隣接する岩盤中の割れ目への充填、陽イオン核種を収着する陽イオン交換能を有している等の点で優れており、緩衝材として最も有力であると考えられている。サイクル機構では地層処分研究の一環として、人工バリア技術開発および安全評価の基礎データとするために緩衝材の特性に関する研究を進めている。本報告書は、緩衝材としての圧縮ベントナイトの力学特性の把握を目的として、圧裂試験、一軸圧縮試験、一次元圧密試験、圧密非排水三軸試験、圧密非排水三軸クリープ試験についての手順、試験条件、結果および考察について、これまで取得されていなかった物性や、既報を補完するための追加試験等に関してまとめたものである。圧裂試験結果よりケイ砂混合率、乾燥密度と引張強度の関係等、一軸圧縮試験結果より含水比、乾燥密度と一軸圧縮強度、弾性係数の関係等、一次元圧密試験結果より圧密応力と間隙比の関係等、圧密非排水三軸試験結果より有効拘束圧毎の応力経路等、圧密非排水三軸クリープ試験より、載荷応力毎のひずみ速度の経時変化等を把握することができた。
谷口 航; 高治 一彦; 御子柴 正*; 森 康二*
JNC TN8400 99-055, 168 Pages, 1999/09
わが国のように地震の多い地質環境条件下における地層処分では、人工バリアシステムの健全性を保つために、人工バリアシステムの耐震性評価が必要である。本研究は、地層処分システムにおける人工バリアシステムの耐震性を、工学規模の振動実験により確認評価するとともに、人工バリアの耐震性評価手法の確立を図るもので、科学技術庁・防災科学技術研究所と核燃料サイクル開発機構(旧、動力炉・核燃料開発事業団)が共同で、平成4年度から実施しているものである。本報告書は、第1報の「深部地下空洞および内部構造物の研究(---動力炉・核燃料開発事業団および防災科学技術研究所との共同研究中間報告---)」に引き続き、中型規模での振動実験、および地震応答解析コード/モデルの開発について、第1報以降(平成6年度以降)に得られた成果をまとめたものである。以下に得られた成果を簡略に示す。(1)振動実験 スイープ加振による試験体の固有振動数の検索により、固有振動数は加振レベルが大きくなるにしたがって小さくなる傾向を示した。実地震波加振では、オーバーパックおよびベントナイトとも各地震波特有な周期に目立った応答はせず、模擬人工バリアは一体となって挙動した。(2)解析コード/モデルの開発 これまでに、緩衝材の応力ひずみ関係の非線形性を考慮した解析コードの開発を行った。このコードを用いた上記実験の検証解析において、実験結果と解析結果はほぼ一致した。
谷口 航; 高治 一彦; 杉野 弘幸; 森 康二*
JNC TN8400 99-054, 140 Pages, 1999/09
わが国の高レベル放射性廃棄物の地層処分では、人工バリアにおける緩衝材として、粘土の一種であるベントナイトあるいはケイ砂混合ベントナイトを圧縮したものを用いることを検討している。この緩衝材は、長期にわたり力学的に安定で、廃棄体を所定の位置に支持し、かつ放射性物質の移行特性上有意な影響を与えないことが要求されている。力学的安定性に影響を及ぼす要因として、わが国のように地震の多い地質環境条件下における地層処分では、地震による繰返し荷重が考えられる。本報告では、地層処分システムにおける人工バリアの力学的耐震安定性を、主に緩衝材の力学的安定性に着目して、振動方程式に基づく動的解析により評価した。解析に用いたコードは、科学技術庁・防災科学技術研究所との共同研究の一環として、核燃料サイクル開発機構が開発したものである。解析では、仮想の地盤における地下深部での地震動を作成し、入力荷重とした。また、緩衝材の力学的非線形性を考慮するとともに、緩衝材の破壊、廃棄体の移動および人工バリアの動的挙動の把握を目的にした全応力(1相系)解析、および緩衝材の間隙水圧の上昇に着目した有効応力(2相系)解析の双方で行った。解析の結果得られた知見は以下の通りである。(1)全応力(1相系)解析では、緩衝材が地震によりせん断破壊することなく、廃棄体が有意に移動することもないことが分かった。また、人工バリアが地震に対して、周辺岩盤と剛体となって振動挙動するためには、緩衝材-岩盤間の接合面の取り扱いが重要であることが分かった。(2)有効応力解析では、緩衝材中の間隙水圧の上昇は認められなかった。したがって、地震により緩衝材のオーバーパック支持力が損なわれることはないことが分かった。
高治 一彦
動燃技報, (2), p.9 - 17, 1999/03
高レベル放射性廃棄物の処分場において、緩衝材は岩盤とオーバーパックの間に設置されるものであり、現在、Na型ベントナイトを基本材料として設計検討が進められている。緩衝材の設計検討を行うにあたっては、室内試験等から得られたデータにより力学特性を明確にし、様々な角度から評価を行う必要がある。これまでに動燃では、種々の条件下で力学特性データ等の取得を行っている。本報告ではクニゲルV1-100%材料およびクニゲルV1とケイ砂の混合材料について、圧裂試験、一軸圧縮試験、一次元圧密試験、圧密非排水三軸試験、圧密非排水三軸クリープ試験、動的三軸試験の現在まで得られている結果および知見についてとりまとめた。
高治 一彦*; 重野 喜政*; 棚井 憲治; 西村 繭果
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物地層処分において、オーバーパックの自重沈下と腐食膨張,岩盤のクリープ変形による緩衝材及び岩盤の力学的な相互作用が評価可能なニアフィールド3次元力学連成解析モデルの開発,試解析を行った。