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平岡 大和; 小松崎 丈二*; 花香 宣彦*; 岡本 明子; 齋藤 好彦*; 宗像 雅広; 外川 織彦
JAEA-Technology 2022-003, 70 Pages, 2022/07
原子力災害時の避難退域時検査では、多数の車両及び避難住民等の検査を行うことが想定される。現在は、車両の指定箇所をタイヤとワイパー部とし、要員によるGM管式サーベイメータ等の表面汚染測定器で検査することを基本としているが、効率的な避難退域時検査を実施するため、車両検査では可搬型の車両用ゲート型モニタの活用が検討されている。本研究では、そのための基礎データを取得することを目的に、車両用ゲート型モニタの性能調査試験を実施した。本試験では、避難退域時検査における簡易除染の判断基準であるOIL4相当の汚染を密封線源のBaで模擬した。これを実車両のタイヤとワイパー部に取り付け、車両用ゲート型モニタにより模擬汚染からの線の計数率を測定することとした。試験方法は、車両を静止させて測定する静止試験、実際の検査を模擬した走行試験、高BG環境下での性能を調べるための高BG環境試験の3試験を採用した。試験車両は、普通自動車として広く使用されているセダンを主とし、加えて車体のフロント部分がバスに似た造りであるバンも使用した。また、車両用ゲート型モニタは、(株)千代田テクノル製のガンマ・ポールを使用した。本試験の結果、OIL4初期設定値である40,000cpm相当の汚染が車両のタイヤ接地面に付着していたとき、車両が10km/h以下で車両用ゲート型モニタを通過すれば、99%以上の確率で、同じくワイパー部であれば、車速5km/h以下のとき84%以上の確率で汚染検知が可能であると推定された。タイヤ接地面の汚染がOIL4以上か未満かを判定するには、メーカーで設定する機器内の換算定数の調整を要することが示された。しかし、その場合であっても、ワイパー部はタイヤ接地面よりも汚染の検知が難しいため、タイヤ接地面とワイパー部の汚染を同時に判定・評価することは困難であることが示された。車両用ゲート型モニタを活用し、避難退域時検査の車両検査の効率化(迅速化)を図るには、タイヤ接地面とワイパー部の汚染の同時測定・評価の実現が課題であることが明らかとなった。
舘 幸男; 栃木 善克; 陶山 忠宏; 齋藤 好彦; Ochs, M.*; 油井 三和
JAEA-Data/Code 2008-034, 36 Pages, 2009/02
地層処分の安全評価において、人工バリアである緩衝材や天然バリアである岩石中での核種移行を評価するうえで重要となる収着分配係数及び拡散係数データについて、データ信頼度情報の活用,パラメータ設定へのデータベースの効果的な適用などを念頭に、これまで整備してきた収着及び拡散データベースを発展させ、Webアプリケーションによる収着・拡散データベースシステム(JAEA-SDB/DDB)を構築した。新たに整備した収着・拡散データベースシステムの活用法について、今回拡充した信頼度情報,パラメータ推定等の機能の例示をしつつ、パラメータ設定等への効果的なデータベースの活用法を提示した。この収着・拡散データベースによって、今後の性能評価における核種移行パラメータ設定の際の、関連するデータの全体像の把握,参照すべき信頼性の高いデータの効率的な抽出,現象論的モデル化の効果的検討などが、一層の効率性,追跡性及び透明性のある形で可能となる。
齋藤 好彦; Ochs, M.*; Kunze, S.*; 北村 暁; 舘 幸男; 油井 三和
JAEA-Technology 2008-018, 116 Pages, 2008/03
本報告書においては、JNC-SDBに含まれるKdデータのうち、特に幌延岩石を対象にしたKd設定検討への活用を念頭に、泥岩系のKdデータを主な対象(1,056データ)として、前報告書にて設定した手法に従って信頼性評価を行った。この信頼度評価の手法は、Kdデータ設定において、利用可能な関連データ集を速やかに抽出し、参照すべきデータを適切に選定するうえで、有効な手法である。
Ochs, M.*; Kunze, S.*; 齋藤 好彦; 北村 暁; 舘 幸男; 油井 三和
JAEA-Research 2008-017, 89 Pages, 2008/03
本報告書では、JNC-SDBを適用して、幌延岩石に対するTh, Np, Cs及びSeのK設定を試み、その適用性に関する検討を行った。JNC-SDBから関連するKデータの抽出を行い、このKデータ取得された実験条件と適用条件の違いを、半定量的なスケーリングファクターとして変換することでKが導出された。このスケーリングファクターによる設定手法と関連する不確実性が、K設定に及ぼす影響を評価するため、評価対象となる岩石の鉱物組成,表面特性,核種の溶存化学種等の条件を考慮したスケーリングファクターを段階的に導出し、K設定に及ぼす影響を詳細に評価した。このK設定手法は、実際の地質環境条件でのKの大きさを予測する手法として有効であるが、評価対象条件への関連付けが可能な実験データの存在に依存するなど、その適用範囲はある程度限定される。また、今回のK設定への適用を通じて、JNC-SDB及びその信頼度評価が、利用可能な関連データ集を速やかに抽出し、参照すべきデータを適切に選定するうえで、有効な手法であることが確認された。
齋藤 好彦; Ochs, M.*; 陶山 忠宏*; 北村 暁; 柴田 雅博; 笹本 広
JAEA-Data/Code 2007-014, 24 Pages, 2007/07
核燃料サイクル開発機構は、これまでに高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の第2次取りまとめにおいて、人工バリア及び天然バリアでの遅延能力を評価するうえで重要な放射性核種のベントナイトや岩石への分配係数(K)を収着データベース(JNC-SDB)として整備した(澁谷ほか、1999)。また、同整備以降の19982003年の間に公開された文献をもとにデータを追加した(陶山,笹本、2004)。今回、日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)として、JNC-SDBを拡充・更新するため、過去に公開された文献を広く再調査・データ収集を行い、Kデータを追加した。また、使用者の利便性を考慮して、JNC-SDBの機能を改良した。さらに、今回、「収着データベースを用いた収着分配係数の信頼性評価」作業に基づきデータベースを見直し、データの再入力を行った。今回の更新作業により、全体で23元素に対し、3,205件のKデータが増加した。また、一部の元素については、これまでより分配係数の頻度分布がより明確になり、データの分布を把握しやすくなった。
Ochs, M.*; 齋藤 好彦; 北村 暁; 柴田 雅博; 笹本 広; 油井 三和
JAEA-Technology 2007-011, 342 Pages, 2007/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の第2次取りまとめにおいて、人工バリア及び天然バリアでの遅延能力を評価するうえで重要な放射性核種のベントナイトや岩石への分配係数(Kd)を収着データベース(SDB)として整備した。SDBに登録されているKdは、約20,000件に及んでいる。このような膨大なデータを有するSDBには、さまざまな試験条件で得られたKd及びそれに付随する重要なデータが含まれている。そこで、Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Cs, Ra, Se, Tcのベントナイト固相に対してのKについて、信頼度のレベル付けを実施した。合計すると、3740件のK値について、信頼性評価を実施した。
齋藤 好彦; Ochs, M.*; 神徳 敬*; 陶山 忠宏*; 柴田 雅博; 笹本 広; 油井 三和
JNC TN8410 2005-011, 59 Pages, 2005/08
核燃料サイクル開発機構(JNC)は、高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の第2次取りまとめにおいて、人工バリアおよび天然バリアでの遅延能力を評価する上で重要な放射性核種のベントナイトや岩石への分配係数(Kd)をJNC収着データベース(JNC-SDB)として整備した。JNC-SDBに登録されているKdは、約20,000件に及んでいる。この様な膨大なデータを有するJNC-SDBには、様々な試験条件で得られたKdおよびそれに付随する重要なデータが含まれている。そこで、個々のKdに対し、信頼度をレベル付けするために下記のクライテリアとクラス分けシステムを開発した。・クライテリアI: 文献情報の網羅性とKdの情報タイプについて・クライテリアII: 登録Kdデータの技術的および科学的観点からの信頼度について・クライテリアIII: Kdと他の関連する信頼できる文献のKdとの整合性について・Kdの信頼度を総合評価するためのクラス分けシステムクライテリアIIのチェックポイントでは、固相、pHの調整と制御、酸化還元状態、最終の溶液組成、温度、固液比と粒子サイズ、収着率、核種の初期濃度、固液分離、反応時間、攪拌方法、核種の添加量、反応容器、不確実性の評価、パラメータ変化について信頼度レベルを評価する。
諸岡 幸一*; 中澤 俊之*; 齋藤 好彦; 陶山 忠宏*; 柴田 雅博; 笹本 広
JNC TN8400 2005-015, 63 Pages, 2005/08
核燃料サイクル開発機構(JNC)は,高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の第2次取りまとめにおいて,人工バリアおよび天然バリアでの遅延能力を評価する上で重要な放射性核種のベントナイトや岩石への分配係数(Kd)をデータベースとして整備した。しかしながら,このデータベースには,必ずしも十分なデータが揃っているとは言えず,一部の放射性核種によっては,分配係数に関するデータが不足していた。そこで,JNC収着データベースを充実したものにするために,JNC収着データベースに登録件数が少なく,かつ処分システムの性能評価上,重要であるサマリウム(Sm)について,凝灰岩および花崗閃緑岩を用いて,還元条件において人工海水系浸出液および蒸留水系浸出液でバッチ収着試験を実施した。以下に各々の試験に対する主な成果をまとめる。・pH 7に調整した蒸留水系浸出液(Eh=-320-270mV)における凝灰岩へのSmのMWCO 10,000の限外ろ過したKdは0.6 m/kgである。・pH 7に調整した人工海水系浸出液(Eh=-304-265mV)における凝灰岩へのSmのMWCO 10,000の限外ろ過したKdは0.4 m/kgである。・pH 9に調整した蒸留水系浸出液(Eh=-279-242mV)における花崗閃緑岩へのSmの1週間後のMWCO 10,000の限外ろ過したKdは3.9 m/kgである。Kdは14週間にかけて上昇する傾向が見られた。・pH 9に調整した人工海水系浸出液(Eh=-237-206mV)における花崗閃緑岩へのSmの1週間後のMWCO 10,000の限外ろ過したKdは0.3 m/kgである。Kdは14週間にかけて上昇する傾向が見られた。
中澤 俊之*; 岡田 賢一*; 齋藤 好彦; 陶山 忠宏*; 柴田 雅博; 笹本 広
JNC TN8400 2004-023, 67 Pages, 2005/01
核燃料サイクル開発機構(JNC)は、高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の第2次取りまとめにおいて、人工バリアおよび天然バリアでの遅延能力を評価する上で重要な放射性核種のベントナイトや岩石への分配係数(Kd)をデータベースとして整備した。しかしながら、このデータベースには、特に人工海水系での放射性核種の分配係数に関するデータが不足していた。そこで、JNC収着データベースを充実したものにするために、JNC収着データベースに登録件数が少なく、かつ処分システムの安全評価上、重要であるウラン(U)およびトリウム(Th)について、人工海水系条件を中心に液性をパラメータとしたバッチ収着試験を実施し、収着データを取得した。試験は各元素に対し、各々、次の条件で行った。・Uの場合:還元条件において炭酸濃度をパラメータとし、人工海水および蒸留水と砂岩との反応溶液に対するKdを測定 ・Thの場合:人工海水および蒸留水と砂岩との反応溶液に対するKdを測定
舘 幸男; 齋藤 好彦; 栃木 善克; Ochs, M.*; 北村 暁; 油井 三和
no journal, ,
地層処分安全評価上の重要パラメータである収着分配係数と拡散係数を対象に整備しているデータベースについて、個別データの信頼度評価手法,実際の地質環境条件に対するパラメータ設定への適用法を検討した。