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Chiu, I.-H.; 大澤 崇人; 墨田 岳大*; 池田 瑞*; 二宮 和彦*; 武田 伸一郎*; 南 喬博*; 高橋 忠幸*; 渡辺 伸*
Applied Radiation and Isotopes, 222, p.111845_1 - 111845_7, 2025/08
Boron neutron capture therapy (BNCT) is a neutron-based cancer treatment requiring a real-time
B dose monitor to optimize effectiveness. We report the use of a cadmium telluride double-sided strip detector (CdTe-DSD), which has a full width at half maximum energy resolution of 7.3 keV at 511 keV and a spatial resolution of 250
m for accurate boron imaging. Using the CdTe-DSD with a pinhole collimator, our experiment at Japan Research Reactor No. 3 (JRR-3) evaluated the
B distribution in a solid sample containing a 0.3 mg
B concentration during neutron exposure. Although measurement of the
B signal was significantly affected by background gamma rays from 113 Cd, we successfully obtained a circular projection image with a diameter of 11.5 mm, revealing the precise location of
B, with a counting rate of 0.115 cps and a signal-to-noise ratio of approximately 25.7 %. The results demonstrate the capability of the CdTe-DSD to enhance BNCT by providing high-fidelity insights into the
B distribution within the sample.
高見 一総*; 五味 唯美*; 安田 隆一*; 安部 晋一郎; 伊藤 正俊*; 神田 浩樹*; 福田 光宏*; 橋本 昌宜*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 72(8), p.2622 - 2628, 2025/08
被引用回数:1 パーセンタイル:81.49地上環境での中性子起因ソフトエラーは半導体デバイスの信頼性問題を引き起こす。我々のこれまでの研究で、シミュレーションと単一中性子照射を用いて地上環境のSERを推定する新たな手法を開発した。本手法の妥当性は設計ルール65nmのPlanar型SRAMについて検証されたが、デバイスの微細化や新たな製造プロセスのデバイスが増加しているため、より新しいプロセスのデバイスに関しても適用可能か検証する必要がある。そこで本研究では、設計ルール12nmのFinFET SRAMおよび28nmのPlaner型SRAMに対する本評価手法の適用可能性を検証した。その結果、本手法で推定したSERはRCNPの白色中性子照射で得たSERと28%以内の一致を示すことを明らかにした。
Saha, P. K.; 原田 寛之; 田村 文彦; 岡部 晃大; 吉本 政弘; 菖蒲田 義博; 沖田 英史; 小島 邦洸; 仲野谷 孝充; 畠山 衆一郎; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 28(7), p.074201_1 - 074201_23, 2025/07
In this research, the beam loss in the J-PARC 3-GeV Rapid Cycling Synchrotron (RCS) has been significantly mitigated at the designed 1 MW beam power. It was possible by identifying all beam loss sources and implementing appropriate measures based on numerical simulations and systematic beam studies. The major one includes of using a smaller size charge-exchange foil and optimizing the injection beam to minimize foil scattering uncontrolled beam loss, modifications of the transverse and longitudinal beam painting parameters to mitigate the high-intensity effects. The beam loss as compared to 1 MW trial operation in 2020 was 80% reduced and perfectly localized at the designated collimator area. The beam loss power is only less than 0.1 kW as compared to the collimator limit of 4 kW. As a result. the residual radiation throughout the ring is substantially reduced for achieving a sustainable operation of the RCS with nearly 99% availability.
Chiu, I.-H.; 大澤 崇人; 二宮 和彦*; 武田 伸一郎*; 高橋 忠幸*; 桂川 美穂*; 渡辺 伸*; 久保 謙哉*; 齋藤 努*; 水本 和美*; et al.
npj Heritage Science (Internet), 13, p.154_1 - 154_9, 2025/05
Cultural heritage artifacts often display complex, multi-layered structures. Therefore, an in situ noninvasive method is required for determining the elemental distribution of such materials. We present a nondestructive 3D elemental analysis approach for an Edo-period ceramic crucible using muonic X-ray measurements. The system employs four CdTe semiconductor imaging detectors to acquire 2D elemental distributions at 12 measurement angles, and 3D images were reconstructed based on computed tomography. We adjusted muon energy to penetrate the metallic layer covering the crucible bottom and analyze the interior of the crucible. Silicon(Si) and oxygen(O) signals were successfully identified, and these signals, originating from highly abundant silica (SiO
) within the crucible matrix, confirmed the ceramic composition. These findings demonstrated the capability of muonic X-ray imaging in achieving depth-resolved analysis by controlling the observation position of an object. The presented method is broadly valuable for the cultural heritage study.
普天間 章; 眞田 幸尚; 中間 茂雄; 佐々木 美雪; 越智 康太郎; 澤幡 義郎*; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 萩野谷 仁*; et al.
JAEA-Technology 2024-022, 170 Pages, 2025/03
2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波が原因で、東京電力福島第一原子力発電所事故が発生し、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後から、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手段として、有人ヘリコプター等を用いた航空機モニタリングが活用されている。日本原子力研究開発機構は、原子力規制庁からの受託事業として、本モニタリング技術を原子力施設等の事故時における緊急時モニタリングに活用し、モニタリング結果を迅速に提供するため、全国の発電所周辺におけるバックグラウンド放射線量や地形的特徴、管制空域等の情報を事前に整備している。令和5年度の受託事業では以下について実施した。九州電力(株)川内原子力発電所の周辺について航空機モニタリングを実施し、バックグラウンド放射線量及び管制区域等の情報を整備した。緊急時における航空機モニタリングの実効性向上に資するため、原子力総合防災訓練において航空機モニタリングを実施するとともに、国内初となる原子力防災訓練での無人機の訓練フライトを実施した。無人航空機による放射線モニタリングの技術開発を進め、緊急時モニタリングに必要とされる要件を満たす無人航空機を選定し、その飛行性能を調査した。本報告書は、これら令和5年度の受託研究において得られた結果及び抽出された技術的課題についてまとめたものであり、今後の緊急時対応技術向上に資する知見を提供する。
普天間 章; 眞田 幸尚; 中間 茂雄; 佐々木 美雪; 越智 康太郎; 長久保 梓; 澤幡 義郎*; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; et al.
JAEA-Technology 2024-021, 232 Pages, 2025/03
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波に起因する東京電力福島第一原子力発電所事故では、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後から、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手段として、航空機を用いた空からの測定方法が採用されている。日本原子力研究開発機構は、原子力規制庁からの受託事業として、有人ヘリコプター及び無人ヘリコプターを使用して、東京電力福島第一原子力発電所周辺の航空機モニタリングを継続的に実施してきた。本報告書では、令和5年度に実施したモニタリング結果について取りまとめ、過去のモニタリング結果との比較から空間線量率等の変化量を評価し、その変化要因について考察した。また、航空機モニタリングによる計数率から空間線量率への換算精度向上のために、地形の起伏を考慮に入れた解析を行った。地形の起伏を考慮する前後の解析結果を比較し、本手法による換算精度向上の効果を評価した。さらに、有人ヘリコプターについては、空気中のラドン子孫核種の弁別手法を測定結果に適用し、ラドン子孫核種が航空機モニタリングに与える影響を評価した。加えて、より効率的に広範囲な航空機モニタリングを展開するため、無人航空機によるモニタリングの技術開発を進めた。
田代 信介; 内山 軍蔵; 大野 卓也; 天野 祐希; 吉田 涼一朗; 渡邉 浩二*; 阿部 仁; 山根 祐一
Nuclear Technology, 211(3), p.429 - 438, 2025/03
被引用回数:1 パーセンタイル:37.73(Nuclear Science & Technology)火災事故の下での放射性物質を閉じ込めるHEPAフィルターと関係付けたグローブボックス(GB)における閉じ込め安全性の評価に寄与するために、工学規模の装置を用いて代表的なGBパネル樹脂として可燃性のポリマーであるポリメチルメタクリレート(PMMA)や難燃性のポリマーであるポリカーボネートの燃焼試験を行った。燃焼試験ではPMMAやPCの質量減少速度(MLR)ならびに放熱速度(HRR)のような燃焼特性を調べた。同一寸法の平板形状のPMMAやPCの燃焼では、燃焼させるセルへの給気流量条件を変えた場合のMLRやHRRはPMMAよりPCの方が大きくかつ給気流量に対して一定であり、さらに直径を変えて断面積(S)条件も変えた場合のPMMAの燃焼におけるMLRやHRRはSに対して比例する特性が得られた。これらの結果を用いて、平板形状のPMMAやPCの断面積に対するMLRならびにHRRの関係式を導出した。
阿部 陽介; 都留 智仁; 藤田 洋平*; 大友 政秀*; 佐々木 泰祐*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 鵜飼 重治
Journal of Nuclear Materials, 606, p.155606_1 - 155606_12, 2025/02
被引用回数:2 パーセンタイル:94.18(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉の事故耐性燃料被覆管用として開発中の酸化物分散強化型Fe-Cr-Al合金では、Crリッチ析出物(
相)に起因する脆化挙動の解明と予測が課題となっている。我々は、熱時効によるFe-Cr-Alモデル合金における
相の形成に対するAl添加の影響を調査した。ビッカース硬さ試験と過去の研究のデータベースを用いて作成した機械学習モデルにより、低Al添加合金では
相の形成が促進され、高Al添加合金では抑制されることが示された。第一原理計算では、Cr-Al-空孔複合体はCr-Cr対よりも安定であり、
相の核生成時にAl原子を取り込むことがエネルギー的に有利である可能性があることが示された。一方、Al-Al対の形成は非常に不安定である。Al添加量が少ない場合には、
相の界面付近でのAl-Al対の形成は回避できる。しかし、Al添加量が多量の場合には、Al-Al対の形成が避けられなくなり、
相の不安定化につながることが示唆された。
藤嶋 洋平*; Anderson, D.*; 阿部 悠*; Alkebsi, L.*; 岡 壽崇; 谷 篤史*; Kranrod, C.*; 豊田 新*; 濱崎 幹也*; 廣田 誠子*; et al.
日本放射線事故・災害医学会雑誌, 7(1), p.21 - 26, 2024/12
2024年9月25日
28日の4日間、弘前大学創立50周年記念会館(青森県弘前市)において、放射線の線量評価に関する国際学会EPRBioDose2024が開催された。本大会は弘前大学被ばく医療総合研究所三浦富智教授を大会長とした国際学会であり、「Dosimetry Harmony: Orchestrating Unity in Techniques(線量測定のハーモニー:技術の調和に向けて)」をテーマとし、研究発表や意見交換が行われた。本稿では、EPRBioDose2024の様子を紹介する。
小川 達彦; 平田 悠歩; 松谷 悠佑; 甲斐 健師; 佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 松田 規宏; et al.
EPJ Nuclear Sciences & Technologies (Internet), 10, p.13_1 - 13_8, 2024/11
放射線挙動解析コードPHITSは、モンテカルロ法に基づいてほぼ全ての放射線の挙動を解析することができる放射線挙動解析計算コードである。その最新版であるPHITS version 3.34の、飛跡構造解析機能に焦点を置いて説明する。飛跡構造解析とは、荷電粒子が物質中を運動する挙動を計算する手法の一つで、個々の原子反応を識別することにより原子スケールでの追跡を可能にするものである。従来の飛跡構造解析モデルは生体を模擬する水だけにしか適用できず、遺伝子への放射線損傷を解析するツールとして使われてきた飛跡構造解析であるが、PHITSにおいてはPHITS-ETS、PHITS-ETS for Si、PHITS-KURBUC、ETSART、ITSARという飛跡構造解析モデルが補い合うことにより、生体の放射線影響だけでなく、半導体や材料物質など任意物質に対する適用が可能になっている。実際にこれらのモデルを使って、放射線によるDNA損傷予測、半導体のキャリア生成エネルギー計算、DPAの空間配置予測など、新しい解析研究も発表されており、飛跡構造解析を基礎とするボトムアップ型の放射線影響研究の推進に重要な役割を果たすことが期待できる。
阿部 陽介; 佐々木 泰祐*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 鵜飼 重治
Journal of Nuclear Materials, 600, p.155271_1 - 155271_12, 2024/11
被引用回数:1 パーセンタイル:37.73(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉用燃料被覆管として開発中のFeCrAl-ODS (ODS:酸化物分散強化)合金のモデル合金として、CrとAlの組成を系統的に変化させた14種類のFe-Cr-Al合金を
Cで10.5MeVの自己イオンにより0.24dpaまで照射した。中性子照射条件下でのCrリッチ析出物(CrRP)の生成挙動を予測するために、3水準の損傷速度を選択した。3次元アトムプローブ解析の結果、Cr組成の増加、Al組成の減少及び損傷速度の減少に伴い、CrRP数密度、体積率及びCr濃度が増加することがわかった。重回帰分析の結果、これらの主要な効果に加えて、CrRP体積率には次の交互作用があることが示された:(1)Al組成が高いほど、Cr組成の増加に伴うCrRP体積率の増加は小さく、(2)Cr組成が低いほど、Al組成および損傷速度の低下に伴うCrRP体積率の増加は小さい。また、中性子照射下でのCrRP生成挙動に対する損傷速度の影響を理解するためには、損傷量依存性の観点に加えて、損傷速度ゼロの限界として熱時効データを利用することが有効であることを強調した。本研究で構築した体系的なCrRP関連量のデータベースは、数値予測モデルのさらなる開発と検証に貢献するものと考えられる。
沖田 将一朗; 安部 豊*; 田崎 誠司*; 深谷 裕司
Radioisotopes, 73(3), p.233 - 240, 2024/11
In the latest nuclear data libraries ENDF/B-VIII.0 and JENDL-5, the inelastic scattering cross-section data for reactor graphite and crystalline graphite are employed. The data for reactor graphite reproduces the measurement values very well, while the data for crystalline graphite tends to underestimate the measurement values, and there is room for improvement. Therefore, in the present study, for future updates of JENDL, a new molecular dynamics simulation model for crystalline graphite is prepared and inelastic scattering cross-section data are evaluated based on both incoherent approximation and Vineyard approximation. As a result, the obtained inelastic scattering cross-section data of crystalline graphite show very good agreement with the measured data and successfully presented more reliable data than those employed in ENDF/B-VIII.0 and JENDL-5.
吉田 尚生; 大野 卓也; 天野 祐希; 吉田 涼一朗; 阿部 仁; 山根 祐一
Nuclear Technology, 210(10), p.1999 - 2007, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)高レベル廃液(HLLW)の冷却システムの不具合とその対策の失敗は、HLLWの「蒸発乾固事故」につながる可能性がある。蒸発乾固事故では、ルテニウム(Ru)は気体状Ruを形成することにより、HLLW中の他の元素よりも初期量に対して大きな割合で放出される可能性がある。放出されうる気体状Ruの化学形態を特定することは、粒子形成、液相へのガス吸収、移行経路上への沈着など、本事故におけるRuのソースターム評価に影響を及ぼす事象を包括的に理解する上で重要である。本研究では、HLLW模擬物質の加熱中に発生したオフガスをUV/Vis分光分析し、スペクトル内の既知成分(四酸化ルテニウムRuO
)、二酸化窒素、硝酸)の分離と、定量化を可能にするプログラムを用いて、発生したオフガス内の気体状Ruの組成分析を試みた。放出Ruの総量と分光分析で得たRuO
放出量を比較した結果、RuO
がオフガス中の気体状Ruの主成分であることが分かった。
谷村 嘉彦; 吉富 寛; 西野 翔; 辻 智也; 深見 智代; 篠塚 友輝; 大石 皓平; 石井 雅人; 高宮 圭; 大貫 孝哉; et al.
Radiation Measurements, 176, p.107196_1 - 107196_6, 2024/08
被引用回数:1 パーセンタイル:37.73(Nuclear Science & Technology)ICRUはReport95で場や個人被ばくのモニタリングに用いる実用量の定義を変更した。新しい実用量を導入した場合に、さまざまな原子力施設の作業現場における線量測定に影響する。このため、作業場のエネルギースペクトルや測定器の特性を把握しておく必要がある。本研究では、原子力機構にある研究炉(JRR-3)及び加速器施設(J-PARC)の作業場において、NaI(Tl)又はLaBr
(Ce)シンチレーション検出器を用いて光子スペクトルを測定した。そして、現行及び新しい実用量を導出してこれらを比較した。
神谷 潤一郎; 阿部 一英; 藤森 伸一; 福田 竜生; 小畠 雅明; 諸橋 裕子; 津田 泰孝; 山田 逸平; 吉越 章隆
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 22(4), p.316 - 326, 2024/08
真空容器内壁にゲッター機能を持たせることで、超高真空を実現する新しい技術であるNEGコーティングについて、その活性化と劣化のメカニズムの理解は、NEGコーティングの高性能化に不可欠である。本研究では代表的なNEGコーティング材料Ti-Zr-Vについて、SPring-8放射光光電子分光(SRPES)およびX線光電子分光(XPS)による測定を行った。実験ではNEGコーティング試料温度を250
Cに昇温させる過程をSRPESにより分析し、その後、酸素ガスを導入して表面酸化過程を同手法により分析した。これらは、NEGコーティング表面の活性化、酸化過程の初めてのオペランド測定である。さらに、試料の深さ方向をXPSにより分析することで、活性化によりZrがTi酸化物、V酸化物から酸素を受け取り、内部へ酸素が拡散すること、および内部では主にZrが酸化物となっていることを観測し、コーティング内部におけるZr酸化物の増加が、NEGコーティングの繰り返しの活性化と飽和による寿命を決定する大きな要素であることを解明した。このことは、今後のNEGコーティングの性能高度化につながる新しい事実である。

寺田 典樹*; Khalyavin, D. D.*; Manuel, P.*; 浅井 晋一郎*; 益田 隆嗣*; 齋藤 開*; 中島 多朗*; 長壁 豊隆
Physical Review B, 110(2), p.024406_1 - 024406_9, 2024/07
被引用回数:1 パーセンタイル:21.93(Materials Science, Multidisciplinary)フラストレート反強磁性体CuFeO
は、圧力により、コメンシュレートなコリニアー相(CM1)からいくつかのインコメンシュレートでノンコリニアーな相への複雑な磁気相転移を示す。圧力が磁気相互作用に及ぼす影響を調べるために、高圧下で中性子回折および非弾性中性子散乱実験を行った。圧力が増すと、CM1基底状態は臨界圧力(
3GPa)以下でも磁場の印加に対して不安定になる。これは、2.1GPaで臨界磁場
が7.5Tから4.5Tに大幅に減少したことで確かめられた。さらに、スピン波分散関係のエネルギーギャップは、
=2.1GPaの圧力印加によって1.0meVから0.88meVに減少する。実験結果をスピン波計算と比較すると、スピン波励起の変化は、一軸異方性項または最近接交換相互作用の分離度のいずれかの減少によって説明できることがわかった。
安部 晋一郎
核データニュース(インターネット), (138), p.24 - 31, 2024/06
近年、ミューオンの応用研究が様々な分野で活発に進められており、ミューオン核データの整備も検討されている。放射線挙動解析コードPHITSには負ミューオン原子核捕獲反応モデルが搭載されているが、二次軽粒子生成を過小評価する課題があった。本研究では、PHITSの負ミューオン原子核捕獲反応モデルの改良として、JQMDモデルに表面合体モデル(SCM)を適用するとともに、励起関数にメソン交換流(MEC)の成分を考慮することで、高エネルギー核子放出および軽複合粒子放出の過小評価を改善した。また改良したモデルを用いてソフトエラーシミュレーションを行った結果、メモリアレイ周辺で負ミューオンが停止するような条件ではモデルの改良によってSEUイベント断面積が10
50%程度増加することを明らかにした。
市川 翼*; 箱嶋 秀昭*; 乾 幸地*; 伊藤 康介*; 松田 亮*; 御手洗 光祐*; 宮本 幸一*; 水上 渉*; 水田 郁*; 森 俊夫*; et al.
Nature Reviews Physics (Internet), 6(6), p.345 - 347, 2024/06
被引用回数:10 パーセンタイル:98.88(Physics, Applied)Access to quantum computers has been democratized by the availability of cloud services from commercial providers, but the numbers of qubits users can exploit have remained modest, limited by noise and errors. What are these qubits used for and what can we expect next?
O
/U
O
redox equilibrium in [emim]Tf
N-based liquid electrolytes towards uranium redox-flow battery鷹尾 康一朗*; 大内 和希; 小松 篤史; 北辻 章浩; 渡邉 雅之
European Journal of Inorganic Chemistry, 27(14), p.e202300787_1 - e202300787_7, 2024/05
被引用回数:1 パーセンタイル:24.74(Chemistry, Inorganic & Nuclear)U
O
/U
O
の1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルアミド([emim]Tf
N)イオン液体中での電気化学的挙動を研究し、劣化ウランをレドックスフロー電池の電極活物質として利用するために、U
O
/U
O
の酸化還元可逆性を達成するために何が必要かを明らかにした。結果として、Cl
存在下の[emim]Tf
N中において、グラッシーカーボンを作用電極として用いU
O
/U
O
の酸化還元反応の可逆性を得ることに成功した。また、溶質の拡散性を向上させるために、補助分子溶媒であるN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)で希釈した。Cl
を含む50:50v/vの[emim]Tf
N-DMF液体電解質中で[U
O
Cl
]
+ e
= [U
O
Cl
]
の可逆的酸化還元反応を示すことに成功した。
Be and
Al under direct muon-induced spallation in granite quartz and its implications for past high-energy cosmic ray fluxes櫻井 敬久*; 紅林 泰*; 鈴木 颯一郎*; 堀内 一穂*; 高橋 唯*; 堂下 典弘*; 菊地 聡*; 門叶 冬樹*; 岩田 尚能*; 田島 靖*; et al.
Physical Review D, 109(10), p.102005_1 - 102005_18, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)銀河宇宙線の永年変化は銀河の活動に密接に関係しており、局所的な銀河磁場・星間雲・超新星残骸の近くの環境が反映される。高エネルギー銀河宇宙線によって大気中で生成される高エネルギーミューオンは、深い地層まで透過し、岩石中に放射性同位体を生成する。
Beや
Alのような長寿命の放射性核種は岩石中に蓄積されるため、高エネルギーミューオンの収量の長期変動、ひいては数百万年間の高エネルギー銀河宇宙線(GCR)の長期変動の調査に利用できる。本研究では、CERN SPSのCOMPASS実験ラインにて、160GeV/cの正ミューオンを合成石英プレートと花崗岩コアに照射して、岩石中の
Beと
Alの生成断面積を測定した。更に、ミューオンが直接起こす核破砕反応とミューオンが生成した二次粒子が引き起こす反応が、岩石中での長寿命核種の生成にそれぞれどの程度寄与するかを明らかにした。