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奥 隆之; 鈴木 淳市; 笹尾 一*; 山田 悟; 古坂 道弘*; 安達 智宏*; 篠原 武尚*; 池田 一昭*; 清水 裕彦
Physica B; Condensed Matter, 356(1-4), p.126 - 130, 2005/02
被引用回数:11 パーセンタイル:45.34(Physics, Condensed Matter)われわれは、六極磁石に基づく中性子磁気レンズを開発した。中性子が六極磁場に入射すると、中性子のスピンが磁場と平行な場合、中性子は集光され、反平行な場合は発散される。角度分解能の向上や、高効率測定を目的とした集光型中性子小角散乱法が提案されている。中性子磁気レンズは、物質による中性子の吸収や散乱を引き起こさないため、集光型中性子散乱法で用いる中性子集光光学素子として、最適な素子であると考えられる。最近、われわれは集光型中性子小角散乱法にとって、十分な口径と中性子集光能力を有する中性子磁気レンズを開発した。本研究では、この中性子磁気レンズを用いて、集光型中性子小角散乱実験の検証実験を行ったので、その結果について報告する。
奥 隆之; 鈴木 淳市; 笹尾 一*; 安達 智宏*; 篠原 武尚*; 池田 一昭*; 森嶋 隆裕*; 酒井 健二*; 鬼柳 善明*; 古坂 道弘*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 529(1-3), p.116 - 119, 2004/08
被引用回数:21 パーセンタイル:77.73(Instruments & Instrumentation)中性子の磁気モーメントと磁場との相互作用を利用することにより、中性子の吸収や散乱を受けることなく、中性子ビームを制御することができる。六極磁場は、中性子に対してレンズとして機能する。中性子は、そのスピンが磁場と平行な場合、六極磁場により集光され、反平行な場合は発散される。六極磁場のレンズ機能は、過去に6ピース型の永久六極磁石を用いて実験的に検証された。しかし、実際の中性子散乱実験に用いるためには、20mm程度以上の大きな口径と十分な中性子集光能力を兼ね備えた六極磁石を開発する必要がある。そこで、現在、われわれは実用レベルの六極磁石として、超伝導六極電磁石,Halbach型六極永久磁石,パルス型六極電磁石の開発を行っている。今回、現在開発中の各六極磁石の性能と中性子散乱実験への応用方法について議論する。
足立 肇; 田村 浩司; 小倉 浩一; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, 38(12A), p.6887 - 6889, 1999/12
被引用回数:4 パーセンタイル:23.73(Physics, Applied)原子レーザー法同位体分離ではレーザー光で共鳴イオン化した目的同位体を電極に回収するが、電子ビーム偏向用磁場がイオン回収部にも印加される。短時間に効率よくイオンを回収する方法として先に提案した、アース又は負電位の平行平板電極の中央に正電位の細線電極を用いた方法について磁場の影響を調べた。平行平板電極の中央に発生させた光電離イオンの両側電極での回収量のバランスは150ガウス以下の磁場により若干変化するが、イオンの回収時間はほとんど変らず磁場の影響は小さいことが実験の結果わかった。
田村 浩司; 足立 肇*; 小倉 浩一; 大場 弘則; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(11), p.6512 - 6516, 1999/11
被引用回数:12 パーセンタイル:50.86(Physics, Applied)中性原子とイオンの間の衝突で生じる電荷移行反応はレーザー同位体分離の重要な素過程のひとつである。ウランの基底状態のイオンと中性原子の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが100eVから1200eVの範囲で測定した。断面積は反応で生成したイオン量と主イオンビームとのイオン量の比によって決定した。原子ビームは水冷銅るつぼ中のウラン金属を電子ビーム加熱することにより得た。衝突エネルギーが100eVの断面積は1.310cmで、Sinha&Bardsleyの理論値と同程度であった。断面積は衝突エネルギーとともに増加し1200eVでは2.710cmとなった。エネルギー依存性の傾向は、ウラン原子及びイオンの電子配置を考慮した計算結果とほぼ一致した。
田村 浩司; 足立 肇; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(5A), p.2973 - 2977, 1999/05
被引用回数:6 パーセンタイル:32.49(Physics, Applied)ディスプロシウム(Dy)とセリウム(Ce)について基底状態のイオンと中性原子との対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが200eVから2000eVの範囲について測定した。断面積測定はレーザーイオン源から生成した主イオンビームのイオン量と、原子ビームとの衝突により生成したイオン量との比により決定した。原子ビーム速度は真空天秤法で求め、イオンエネルギーの高い領域では検出イオン信号の2次電子放出による補正を行った。得られた断面積はこのエネルギー範囲でほぼ一定で、Dyで1.810cm、Ceで0.910cmとなった。これは電子配置を考慮した予想と一致する結果である。
田村 浩司; 岡崎 哲治; 足立 肇; 大場 弘則; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(4A), p.2122 - 2123, 1999/04
被引用回数:9 パーセンタイル:42.91(Physics, Applied)ウランイオン衝撃により、ウラン表面から放出される二次電子の放出係数を、イオン衝撃エネルギーが300~3000eVで測定した。ウラン表面はウランを蒸着して作り、ウランイオンはレーザーイオン源から生成した。二次電子は、しきいエネルギーの1000eV以下では発生しなかった。それ以上のエネルギーでは、二次電子放出係数はイオンエネルギーに比例して増加し、イオンエネルギー3000eVでは0.12になった。この結果からレーザーウラン濃縮における二次電子放出によるエネルギー損失は小さいことが明らかになった。
足立 肇; 田村 浩司; 岡崎 哲治; 小倉 浩一; 大場 弘則; 柴田 猛順
JAERI-Research 99-029, 19 Pages, 1999/03
ウランについて、基底状態のイオンがウラン原子と衝突する場合の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが100~1200eVの範囲で測定した。共鳴光電離法によるレーザーイオン源からのイオンビームを原子ビームに直交させて入射し、電荷移行生成イオンと主ビームイオンの電流をそれぞれのファラデーカップ検出器で測定して、それらの電荷量の比及び原子密度から電荷移行断面積を導出した。その結果、衝突エネルギーが100eVでは電荷移行断面積は(1.30.3)10cmであり、衝突エネルギーの増加とともに増加し、1200eVでは(2.70.3)10cmの値が得られた。100eV以上の衝突エネルギーで断面積が増加する傾向は原子及びイオンの電子配位を考慮した理論計算結果とほぼ一致した。
田村 浩司; 岡崎 哲治; 足立 肇; 大場 弘則; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-073, 10 Pages, 1998/12
ウランイオン衝撃によるウラン表面からの二次電子放出係数をイオン衝撃エネルギー300~3000eVの範囲で測定した。ウラン表面はウラン原子の蒸着により作り、ウランイオンビームは共鳴イオン化法を用いたレーザーイオン源から引き出した。衝撃エネルギー約1000eV以下では、二次電子の放出はなかった。しきい値1000eV以上での二次電子放出係数は、イオン衝撃エネルギーのほぼ一次関数で増加し、3000eVの時0.12であった。
田村 浩司; 岡崎 哲治; 足立 肇; 柴田 猛順; 大場 弘則
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 37(12A), p.6651 - 6654, 1998/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)表面電離を用いた小型原子ビーム検出器を試作した。その特性をさまざまな希土類元素(Ce,Nd,Sm,Dy,Yb)を用いて調べた。いずれの元素においても原子ビーム量とイオン電流量に比例領域があり、本検出器によりこれら希土類原子ビーム量測定が可能であることがわかった。Nd,Sm,Dy,Ybでは蒸着速度100~200以上のビーム量まで評価可能であった。Ceについては蒸着速度が30を越えるとイオン電流に飽和傾向が見られた。これはCeの蒸気圧が低いため、Ce原子がフィラメントから十分速く離脱せず、Ce原子のフィラメントへの被覆によるものと考えられる。このことから、計測できる原子ビーム量は、原子のフィラメントへの被覆により制限されることがわかった。
足立 肇; 田村 浩司; 岡崎 哲治; 柴田 猛順
JAERI-Tech 98-029, 32 Pages, 1998/08
平行平板電極板間で原子ビームにレーザー光を照射して共鳴電離により生成させたイオンを低電位側の電極板の開孔を通して引き出すレーザーイオン源からのイオンビームの断面強度分布を調べた。イオン引出し孔の直径、補助電極の使用の有無、引出し孔のメッシュの有無、各電極の印加電圧、イオン引出し電極からの距離等をパラメータとして二次元イオン強度分布を小型多チャンネルのファラデーカップイオン検出器を用いて測定し、ビーム広がりの少ない条件を把握した。その結果、イオンビームの広がりはイオンの空間電荷力による発散、イオン引出し電極形状による電位分布、光電離プラズマの上方向への移動等により説明できることがわかった。またこの結果は電荷移行断面積の測定装置の設計等に利用する。
岡崎 哲治; 田村 浩司; 足立 肇; 大場 弘則; 雨川 和博*; 柴田 猛順
JAERI-Tech 98-020, 17 Pages, 1998/06
希土類金属(セリウム、ガドリニウム、ディプロシウム、サマリウム、イッテルビウム)を電子ビーム加熱により蒸発させ、その原子ビーム速度を真空天秤を用いて測定した。蒸発源から382mm上方に設置した天秤蒸着板への蒸発原子蒸着による運動量変化に伴う重量変化から蒸着速度と原子ビーム速度を算出した。セリウム、ガドリニウムの速度は、蒸発量増加に伴い1000~1100m/sまで加速されるが、ディスプロシウム、サマリウム、イッテルビウムの昇華性金属の速度は蒸発量にあまり依存せず、450~650m/sとほぼ一定で熱平衡速度に近い値であった。昇華性金属を電子ビーム加熱した場合は、広い領域から蒸発するので蒸発面近傍での原子間衝突が少なく、膨張冷却による加速がないためと考えられる。
足立 肇; 田村 浩司; 岡崎 哲治; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-030, 29 Pages, 1998/06
ディスプロシウム(Dy)及びセシウム(Ce)について、基底状態のイオンが中性原子と衝突する場合の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが200eV~2keVの範囲で測定した。光共鳴電離法によるレーザーイオン源からのイオンビームを原子ビームに直交して照射し、電荷移行生成イオンと主ビームイオンの電流をそれぞれファラデーカップ検出器で測定して、それらの電荷量の比及び原子密度から電荷移行断面積を導出した。その結果、両者とも上記エネルギー範囲では断面積はほぼ一定で、Dyでは(1.820.14)10cm、Ceでは(0.880.12)10cmの値が得られた。これらの断面積の大きさの違いは、それらの原子及びイオンの電子配位を考慮して説明できる。
田村 浩司; 足立 肇; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-020, 13 Pages, 1998/03
表面電離を用いた小型原子ビーム検出器を試作し、さまざまな希土類元素(Ce,Nd,Sm,Dy,Yb)を用いて、その特性を調べた。いずれの元素においても原子ビーム量とイオン電流に比例領域があり、本検出器によるこれら希土類原子ビーム量測定が可能であることがわかった。Nd,Sm,Dy,Ybでは、蒸着速度100~200以上のビーム量まで評価可能であった。Ceについては蒸着速度が30を越えると、イオン電流に飽和傾向が見られた。これはCeの蒸気圧が低いため、Ce原子がフィラメントから十分速く離脱せず、Ce原子のフィラメントへの被覆によるものと考えられる。このことから、計測できる原子ビーム量は、原子のフィラメントへの被覆により制限されることがわかった。
足立 肇; 田村 浩司; 小倉 浩一; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-014, 20 Pages, 1998/03
原子レーザー法同位体分離では、レーザー光で共鳴イオン化した目的同位体を電極に回収するが、電子ビーム偏向用磁場がイオン回収部にも印加される。短時間に効率よくイオンを回収する方法として先に提案した、アースまたは負電位の平行平板電極の中央に正電位の細線電極を用いた方法について磁場の影響を調べた。平行平板電極の中央に発生させた光電離イオンの両側電極での回収量のバランスは、150ガウス以下の磁場により若干変化するが、回収時間は殆ど変わらず磁場の影響は小さいことが実験の結果わかった。
田村 浩司; 足立 肇; 岡崎 哲治; 柴田 猛順
Proc. of 6th Workshop on Separation Phenomena in Liquids and Gases (SPG'98), p.219 - 230, 1998/00
ディスプロシウム(Dy)及びセリウム(Ce)について、基底状態のイオンが中性原子と衝突する場合の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが200eV~2keVの範囲で測定した。光共鳴電離法によるレーザイオン源からのイオンビームを原子ビームに直交して、電荷移行生成イオンと主ビームイオンの電流をそれぞれファラデーカップ検出器で測定して、それらの電荷量の比及び電子密度から電荷移行断面積を導出した。その結果、両者とも上記エネルギー範囲ではほぼ一定で、Dyでは(1.820.14)10cm、Ceでは(0.880.12)10cmの値が得られた。これらの断面積の大きさの違いは、それらの原子及びイオンの電子配位を考慮した予測とほぼ一致する。
田村 浩司; 足立 肇; 柴田 猛順
真空, 41(3), p.332 - 334, 1998/00
表面電離を用いた簡便な原子ビーム計測を目指して、小型ビーム量計測器を試作した。数種類の希土類元素について測定を行った。Ndを用いた測定により、充分高いフィラメント電流では、蒸気量に比例したイオン電流が得られ、これから原子ビーム量が評価できることがわかった。質量分析計との同時測定の結果、100Hz周期の蒸気量も測定できることがわかった。各元素のイオン化係数は、フィラメント温度の低下により急激に低下した。これはイオン電流の蒸気量依存性の飽和とも対応している。これは、フィラメント温度が下がると、原子が表面に吸着してから脱離するまでの時間が増加し、フィラメント表面が原子で覆われることが原因と考えられた。
石井 達也*; 末木 啓介*; 松尾 一樹*; 黒澤 正紀*; 佐藤 志彦; 小畠 雅明; 福田 竜生; 吉井 賢資; 谷田 肇; 岡根 哲夫; et al.
no journal, ,
2011年3月、福島第一原子力発電所事故によって、放射性セシウムを高濃度に含む不溶性の放射性粒子が放出された。放射性粒子の物理的, 化学的な性質を調べることは、事故発生時の原子炉内部の情報を理解することにつながると考えられている。放射性粒子はType-A(2, 3号機由来)とType-B(1号機由来)に大別される。Type-BはType-Aとは異なり、大きさが数百mと大きく、不定形であり、元素分布は不均一である。そのため、生成過程や生成環境も異なると考えられる。そこで、放射性粒子の原料や元素の化学状態等について議論し、Type-Bの放射性粒子の生成過程を検討した。放射性粒子は、福島第一原子力発電所から北北西に2km地点にある工場敷地内のダスト試料から取り出した。Type-Bの放射性粒子2個を断面加工し、母材部分や重元素部分について、SEM-EDS分析をした。また大型放射光施設SPring-8 BL22XUにて、硬X線光電子分光(HAXPES)を行い、放射性粒子表面の元素の化学状態を分析した。そしてこれらによりType-Bの放射性粒子の原料とCsの化学状態を考えることで、どのように粒子が形成され、高放射能を持つようになったかを推察する手掛かりが得られた。