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松島 怜達; 佐藤 史紀; 齋藤 恭央; 新 大軌*
Proceedings of 3rd International Symposium on Cement-based Materials for Nuclear Wastes (NUWCEM 2018) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2018/10
東海再処理施設では、発生する低放射性の液体廃棄物及び固体廃棄物を処理する施設としてLWTFを建設し、コールド試験を実施している。本施設では、当初、液体廃棄物の処理に伴って発生する核種分離後の硝酸廃液に対し、ホウ酸塩を用いて固化体とすることとしていた。しかし、現在は、環境負荷低減のために廃液内の硝酸根を分解する必要があり、硝酸塩を炭酸塩に置換した後、セメント固化体とする計画として、設備導入に向けた検討を進めている。現在、この廃液に対するセメント固化技術開発として、高炉スラグ(BFS)を主成分としたセメント材の適用検討を行っている。本発表では実規模(200Lドラム缶スケール)で試験を行った結果についてまとめたものを報告する。
久松 俊一*; 天野 光; 磯貝 啓介*; 新 麻里子; H.Zhu*; 滝澤 行雄*
Health Physics, 74(4), p.448 - 450, 1998/04
被引用回数:7 パーセンタイル:53.43(Environmental Sciences)植物組織等に有機結合したトリチウムの経口摂取線量はトリチウム水経口摂取のさらに数倍と評価されていることから、トリチウムの植物への移行、特に野菜や果物の可食部への移行及び光合成により有機化し有機生成物として可食部へ移行するプロセスの解析が重要である。本論文はトリチウムの植物への取り込み・有機化に関し、日本人の主食である米について、茨城県東海村の原子力施設周辺で収穫された白米と中国大陸で採取された籾米中の有機結合型トリチウム(OBT)濃度の測定結果を比較・検討したものである。
新 麻里子
プラズマ・核融合学会誌, 73(12), p.1353 - 1354, 1997/12
大気中へトリチウム水蒸気が短期放出された場合、植物によるトリチウムの取込は主に葉表面を通じての交換によると考えられる。大気からの取込のみを考える場合、葉自由水中トリチウム水濃度Cの変化は一次元動的モデル:C=C(1-e)で近似できることが報告されている。トリチウムの代わりに重水をトレーサーとして用いた放出実験の結果をこの式に当てはめ、各植物の時定数k及び平衡に達するまでの時間を調べた。各植物で比較すると時定数kは稲で最も大きく3.60.3hであり、続いて、ラディッシュ、ミニトマト、コマツナ、オレンジの順であった。稲については穂の部位についても濃度の上昇が大きく、大気中から簡単に取り込まれることがわかった。ラディッシュの根やミニトマトの実については、10時間程度の曝露では上昇の様子が明らかでなく、時定数を求めるためにはより長期の実験が必要である。また、平衡値に達するまでの時間は、コマツナで3.6~4時間、ラディッシュで2.1~3.3時間、ミニトマトで2.9時間であるのに比較して稲では0.8時間と短時間で平衡に達した。
天野 光; 新 麻里子
日本原子力学会誌, 39(11), p.929 - 931, 1997/00
環境に放出されるトリチウムが植物に取り込まれるプロセスの解析は、植物を動物が摂取し、またトリチウムを含む動植物を人間が摂取することから重要である。環境中に存在しまた原子力施設から放出されるトリチウムは主要な化学形として、水蒸気状(HTO)や水素ガス状(HT)の他、メタン状(CHT)やその他種々の有機結合型の形態として存在する。このうち被曝線量としては、例えば同じ量のトリチウムが人間に吸収摂取された場合HTOはHTの1万倍、CHTの100倍であるが、植物組織等に有機結合したトリチウムの経口摂取線量は、HTO経口摂取のさらに2.3倍と評価されている。こうしたことから、トリチウムの植物への移行、特に野菜や果物の可食部への移行プロセス、さらに光合成により有機化し有機生成物として可食部へ移行するプロセスの解析が重要である。本論文はトリチウムの植物への取り込みに関し、現在までの知見を解説した。
新 麻里子; 天野 光; 一政 満子*; 一政 祐輔*; 金子 正夫*
Proc. of Int. Meeting on Influence of Climatic Characteristics upon Behavior of Radioactive Elements, p.236 - 242, 1997/00
植物生理とトリチウムの植物による取込みとの関係を明らかにすることを目的として、トリチウムの安定同位体である重水を用いた放出実験を行い、植物の葉の気孔抵抗、温湿度と植物葉の重水取込量の関係を調べた。温湿度、光量の制御が可能な2.25mのチャンバー内に重水を水蒸気の形で放出し、内部に置いたラディッシュの葉の生理学的パラメータの測定と葉の自由水中重水濃度の測定を行った。同じ葉について測定した結果では、湿度の高い時に気孔抵抗が低い傾向が見られ、湿度が低くなるに従い、気孔抵抗は高くなる。しかし、放出実験時に測定された気孔抵抗の値は個々の差が大きく、平衡状態の重水の濃度は相対湿度との関係は見られるが、気孔抵抗との関係は明らかでなかった。
横山 須美; 野口 宏; 福谷 哲; 木内 伸幸; 村田 幹生; 天野 光; 新 麻里子
Int. Symp. on Nuclear Energy and the Environment (96 NEE), 0, p.102 - 104, 1996/00
核融合炉の安全性、特にトリチウムによる公衆被ばくを評価する場合には、環境中でのトリチウムの挙動を調べておく必要がある。このため、1994年夏にカナダにおいてトリチウムガス(HT)野外連続放出実験を行った。本実験では、空気中HT濃度、空気中トリチウム水(HTO)濃度、土壌及び植物水中HTO濃度などの測定を行った。この結果、空気中HT濃度がほぼ一定である場合の空気中、土壌及び植物水中HTO濃度は、放出期間中(約12日間)にほぼ定常状態になること、高さによってそれぞれ空気中HTO濃度の日変動が異なること、空気中HTO濃度の高さ分布は、高さが高くなるにつれて指数関数的に減少する傾向を示すこと、これらの傾きは、大気安定度と連動して日中大気が不安定になると小さく、安定した夜間に大きくなることなどが明らかとなった。
天野 光; 新 麻里子
Int. Workshop Proc., Improvement of Environmental Transfer Models and Parameters, 0, p.136 - 145, 1996/00
核融合炉関連施設からのトリチウムの大気放出に関して、水蒸気状、ガス状、有機形態のトリチウムの放出が予想される。実験データに基づき、それぞれの化学形で放出されるトリチウムについて植物取り込みの機構の考察とその移行モデル及びパラメータの検証を行った。大気に放出されるトリチウムは、地表に棲息する微生物等によりその化学形を転換する。植物に最も取り込まれ易い化学形は水蒸気状のものであるが、ガス状のものは地表微生物により化学形を水蒸気状に変え、植物に取り込まれる。トリチウム標識メタン等有機形態のトリチウムも植物に取り込まれるがその機構は未だ不明である。植物に取り込まれるトリチウムは、光合成により有機化する。有機化の度合は植物の種や部位により異なり、そのモデル化にはさらに多くの実験が必要である。
新 麻里子; 天野 光
第3回衛生工学シンポジウム論文集, 0, p.181 - 185, 1995/11
1994年夏、カナダでトリチウムガス(HT)の野外連続放出実験が行われた。本実験の目的は、核融合炉の環境安全評価において必要な、環境中にHTガスが連続して放出された場合のトリチウム挙動に関する知見、特にトリチウム水(HTO)や有機結合型トリチウム(OBT)がどのように生成され、これらの濃度がどのように平衡状態に到達するか等に関する知見を得ることである。参加国はカナダと日本であり、また、オブザーバーとしてドイツ、米国からの参加があった。本発表では、この実験の概要と結果の一部について報告する。
野口 宏; 横山 須美; 木内 伸幸; 村田 幹生; 天野 光; 新 麻里子; 一政 祐輔*; 一政 満子*
Fusion Technology, 28, p.924 - 929, 1995/10
1994年7~8月にカナダチョークリバー研究所において、カナダと日本の協力でトリチウムガス(HT)の野外連続放出実験が実施された。本実験の目的は、大気中にHTを連続放出した時の環境媒体(空気、土壌、植物)中におけるトリチウム水(HTO)の挙動に関する知見、特に定常状態に到達するまでの時間とその濃度、環境媒体間のHTO移行挙動等を明らかにすることである。放出開始から30時間までの結果から、実験場内の空気中HT濃度は、夜間は高く、日中は低かったが、空気中HTO濃度はこのようなHT濃度の変動にもかかわらず、徐々に増加すること、及び小松菜の組織自由水中HTO濃度の時間変化は、空気水分中HTO濃度の時間変化と同じ動きをすること等が明らかとなった。
一政 祐輔*; 一政 満子*; H.Jiang*; 勝野 敬一*; 野口 宏; 横山 須美; 天野 光; 新 麻里子
Fusion Technology, 28, p.877 - 882, 1995/10
1994年7~8月のカナダトリチウムガス野外連続放出実験において採取した土壌と植物のHT酸化活性を実験室で測定した。自然地で採取した表層土壌(0~5cm)の酸化活性は耕地の約3倍であった。また、自生植物(ゴールデンロッド)と小松菜の酸化活性は、耕地の表層土壌の活性の、それぞれ約2と0.4%であった。放出開始後の数日間は、耕地の表層土壌中の水分のHTO濃度は、空気や小松菜中水分のHTO濃度よりも低かったが、その後小松菜中水分の濃度の約2倍に増加した。
天野 光; 新 麻里子; 野口 宏; 横山 須美; 一政 祐輔*; 一政 満子*
Fusion Technology, 28, p.803 - 808, 1995/10
環境中にHTガスが連続放出された場合のトリチウム挙動に関する知見を得るため、野外連続放出実験が1994年7月27日から8月8日の12日間にわたってカナダチョークリバー研究所敷地内の実験場で行われ、これに参加した。野外実験場は、10m四方の草地を四等分し、1/4を天然の草地、残りの3/4を耕し、こまつな、ミニトマト、20日大根を交互に植えた場所である。HTガスは高さ0.5mの所に19m四方のABS樹脂製のパイプで約50cm間隔の放出孔からSFガス、Nガスと共に連続した。HTガスは主に土壌中のバクテリアによりHTOに酸化され、環境中を循環する。本研究は、HTガスの連続放出時に、生成したHTOが大気及び土壌中から植物に取り込まれ、有機結合型トリチウム(OBT)として固定される経過及びその特徴について調べたものである。
松島 怜達; 佐藤 史紀; 齋藤 恭央; 新 大軌*
no journal, ,
東海再処理施設の低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)は、再処理施設より発生する低放射性の液体廃棄物及び固体廃棄物を処理する施設として建設され、コールド試験が実施されている。本施設では、液体廃棄物の処理に伴って発生する硝酸塩廃液に対し、ホウ酸塩を用いて固化体とすることとしていたが、現在は炭酸塩廃液に置換した後、セメント固化体とする計画であり、設備導入に向けた検討、設計を進めている。本報告では、この炭酸塩廃液について実規模大(200Lドラム缶)でのセメント混練・固化試験を行い、セメント固化体の経時変化における強度及び廃液組成が変化した際の強度への影響について検討した結果を報告する。
松島 怜達; 佐藤 史紀; 齋藤 恭央; 新 大軌*
no journal, ,
東海再処理施設の低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)は、再処理施設より発生する低放射性の液体廃棄物及び固体廃棄物を処理する施設として建設され、コールド試験が実施されている。本施設では、液体廃棄物の処理に伴って発生する硝酸塩廃液に対し、ホウ酸塩を用いて固化体とすることとしていたが、現在は炭酸塩廃液に置換した後、セメント固化体とする計画であり、設備導入に向けた検討、設計を進めている。本報告では、この炭酸塩廃液について実規模大(200Lドラム缶)でのセメント混練・固化試験を行い、セメント固化体の経時変化及び廃液組成が変化した際の強度への影響について検討した結果を報告する。
松島 怜達; 佐藤 史紀; 堀口 賢一; 小島 順二; 山下 昌昭*; 坂井 悦郎*; 新 大軌*
no journal, ,
東海再処理施設の低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)は、再処理施設より発生する低放射性の液体廃棄物及び固体廃棄物を処理する施設として建設され、コールド試験が実施されている。本施設では、液体廃棄物の処理に伴って発生する硝酸廃液に対し、ホウ酸塩を用いて固化体とすることとしていたが、現在は炭酸塩廃液に置換した後、セメント固化体とする計画であり、設備導入に向けた検討、設計を進めている。本報告では、本炭酸廃液について実規模大(200Lドラム缶)でのセメント混練・固化試験を行い、セメント固化体の強度及びセメント材の配合を変化させた場合の強度への影響について検討した結果を報告する。
門田 浩史*; 新 大軌*; 坂井 悦郎*; 堀口 賢一
no journal, ,
再処理施設から発生する低レベル放射性廃液は、環境規制物質に該当する硝酸性窒素である硝酸ナトリウム(Na)を含む。環境負荷低減の観点から、廃液中に含まれる硝酸Naを炭酸Naに転換する技術開発を実施しており、本件は、炭酸Naを主成分とする低放射性廃液の固化技術開発の一環として実施した。ジオポリマー固化法は、メタカオリン(AlO・2SiO)等をアルカリ性溶液と混合し重合させる方法であるが、アルカリ性溶液に炭酸Naを使用したデータは少ない。本試験では、アルカリ刺激剤として炭酸Naを使用しジオポリマー固化体が作製できるか検討した。固化体は、メタカオリンと同様の組成を持つスラグ微粉末(BFS)とフライアッシュ(FA)を混合した粉体に炭酸Na水溶液を添加し混合し、作製した。水粉体比は質量比0.5とし、粉体中のFAの割合をパラメータとし試験した。FA0%及びFA25%では、固化体が作製できたが、これ以上FA割合を上げると、固化体が作製できない。発熱曲線を作成したところ、FAを添加していない試料では、練り混ぜ後100時間後に発熱ピークが確認できたが、FAを添加することで、このピークは小さくなった。固化体の作製には、この発熱ピークを持つ反応が重要であることが示唆された。
堀口 賢一; 佐藤 史紀; 山下 昌昭; 小島 順二; 門田 浩史*; 新 大軌*; 坂井 悦郎*
no journal, ,
低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)では、再処理施設より発生する低放射性の廃棄物(廃液, 固体の両者)を処理する計画である。このうち、低放射性の廃液としては、再処理施設より発生する低放射性の廃液を蒸発濃縮した「低放射性濃縮廃液」と、廃溶媒等の固化処理に伴い発生する「リン酸塩廃液」の2種類を対象としている。本報告では、このうち「低放射性濃縮廃液」の処理に用いるセメント固化技術の開発について報告する。低放射性濃縮廃液には環境基準の定められた硝酸性窒素に該当する硝酸塩が大量に含まれる。LWTFでは、その硝酸塩を炭酸塩に転換した廃液をセメント固化することを計画している。本報告では、炭酸塩を含む廃液(炭酸塩廃液)のセメント固化技術開発について、ビーカー試験の結果を報告する。
山下 昌昭; 佐藤 史紀; 堀口 賢一; 小島 順二; 坂井 悦郎*; 新 大軌*; 門田 浩史*
no journal, ,
低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)では、再処理施設より発生する低放射性の廃棄物(廃液、固体の両者)を処理する計画である。このうち、低放射性の廃液としては、再処理施設より発生する低放射性の廃液を蒸発濃縮した「低放射性濃縮廃液」と、廃溶媒等の固化処理に伴い発生する「リン酸塩廃液」の2種類を対象としている。本報告では、このうち「低放射性濃縮廃液」の処理に用いるセメント固化技術の開発について報告する。低放射性濃縮廃液には環境基準の定められた硝酸性窒素に該当する硝酸塩が大量に含まれる。LWTFでは、その硝酸塩を炭酸塩に転換した廃液をセメント固化することを計画している。本報告では、ビーカー試験で設定した固化条件を実規模(200Lドラム缶大)で実施した実証試験の結果を報告する。
松島 怜達; 高野 雅人; 新 大軌*; 齋藤 恭央
no journal, ,
低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)は、東海再処理施設より発生する低放射性廃液および低放射性固体廃棄物を処理する施設である。ここでは、低放射性廃液の処理に伴って発生する硝酸塩廃液に対して、硝酸根を分解することで炭酸塩廃液とし、その後、セメント材を加えることで固化体とする計画であり、安定した混練に向けた検討, 設計を進めている。現在、廃液に含まれる夾雑物がセメント固化へ影響を与える可能性を考え、炭酸塩廃液に含まれると考えられる夾雑物のうち、影響の可能性がある硫酸塩及びTBPについて影響を検討した結果を報告する。
松島 怜達; 高橋 清文; 齋藤 恭央; 菊地 幸弘*; 新 大軌*; 白水 秀知
no journal, ,
低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)では、東海再処理施設で発生した炭酸塩廃液についてセメント固化を計画している。既報にて、炭酸ナトリウム及び硝酸ナトリウムを成分とする炭酸塩廃液を模擬した廃液に対して固化試験を行うことにより、炭酸塩廃液が固化可能であることを示してきた。一方で、炭酸塩廃液には微量ながら夾雑物として硫酸ナトリウムが共存することが予想されており、その影響を調査するために、これまでに、ビーカー規模での試験より、硫酸ナトリウムが共存した際の影響がないことを確認している。本報は、実規模大での試験を実施し、硫酸ナトリウムが共存した際の影響がないことを確認し、その結果を報告するものである。廃液内の硫酸ナトリウムの有無により、混練後の試料の流動性や硬化後の試料の圧縮強度等に影響がないことから、固化体性状に与える影響はないことを確認した。