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山口 太樹; 河野 康則; 藤枝 浩文; 栗原 研一; 杉原 正芳*; 草間 義紀
Plasma Physics and Controlled Fusion, 50(4), p.045004_1 - 045004_15, 2008/04
国際熱核融合実験炉(ITER)における安全係数の分布計測にポロイダル偏光計測装置が用いられる。ポロイダル偏光計測装置は、レーザー光をプラズマ中に入射し、透過レーザー光の偏光面のファラデー回転角を検出するものであるが、ポート部の幾何学的な形状からレーザー視線数は15チャンネル程度に制限される。本研究では、十分な精度で安全係数分布を得るため、限られた視線数の最適配置に関する研究を行った。最外殻磁気面形状とポロイダル偏光計測装置のみの情報から安全係数分布を同定可能な平衡再構築コードを開発し、ITER運転シナリオとして予測されている平衡に対し再構築を行った。その結果、誘導運転シナリオの燃焼フェーズを解析対象とした場合、プラズマ周辺に視線がない場合には磁気軸での安全係数に35%の誤差が生じたが、上部ポートの視線をプラズマ周辺領域に配置することにより、3%の誤差にまで改善した。この視線配置を非誘導運転シナリオの燃焼フェーズ及び誘導運転シナリオのプラズマ電流3.5MAフェーズに適用した場合にも、大きな精度の劣化が生じないことを示した。
山口 太樹; 河野 康則; 藤枝 浩文; 栗原 研一; 杉原 正芳*; 草間 義紀
Plasma Physics and Controlled Fusion, 50(4), p.045004_1 - 045004_15, 2008/04
被引用回数:10 パーセンタイル:37.56(Physics, Fluids & Plasmas)国際熱核融合実験炉(ITER)のプラズマ中心部における安全係数分布の計測にポロイダル偏光計測装置が用いられる予定である。本研究では、精度の良い安全係数分布を同定するために適したポロイダル偏光計側装置の視線配置について、平衡再構築コードを用いた評価・検討を行った。平衡再構築コードは本研究で開発したものであり、ポロイダル偏光計測装置の計測データのみを用いてプラズマ内部の磁気面分布を評価することが可能であるという特長を持つ。結果として、ITER運転シナリオとして予測されている3つの平衡(誘導運転シナリオの燃焼フェーズ,非誘導運転シナリオの燃焼フェーズ及び誘導運転シナリオのリミターフェーズ)のそれぞれに対する最適な視線配置を得ることができ、プラズマ中心部における安全係数分布の精度として3%以内が見込まれた。さらに、誘導運転シナリオの燃焼フェーズに最適化した視線配置を他の平衡に適用し、それぞれの平衡に最適化した視線配置を用いた場合と比較して、大きな精度の劣化が生じないことを示した。誘導運転シナリオの燃焼フェーズに最適化した視線配置は、ITERポロイダル偏光計側装置の有望な視線配置であると言える。
藤枝 浩文; 杉原 正芳*; 嶋田 道也; Gribov, Y.*; 伊尾木 公裕*; 河野 康則; Khayrutdinov, R.*; Lukash, V.*; 大森 順次; 閨谷 譲
JAEA-Research 2007-052, 115 Pages, 2007/07
ITERのディスラプション時に炉内構造物や真空容器に働く電磁力や熱負荷などの影響を調べた。DINAコードにより、幾つかの代表的ディスラプションシナリオを設定した。これらのシナリオに対して、3次元有限要素法により電磁力評価を行った。その結果、電磁力は許容範囲にあることが確認されたが、そのマージンはそれほど大きくない。次に垂直位置移動現象(VDE)時や熱クエンチ時の炉内構造物への熱負荷を求めた。さらに、2次元熱伝導コードを用いてベリリウム第一壁及びタングステンダイバータバッフルの浸食量を求めた。この結果、VDE発生時の浸食量は小さく、熱クエンチ時の浸食量は上方VDE発生時で約170m/event(Be)、下方VDE発生時で約240m/event(W)となり相当に大きい。ITERでは、これらVDEは移動時間に0.5秒程度を要するため、その間に大量ガス注入などの影響緩和手段を講じることが十分に期待できる。一方、中心位置ディスラプションでは、ディスラプション発生予測と緩和に失敗する確率をゼロにすることができないため、上部ベリリウム第一壁の浸食量は約(30-100)m/eventとなり、発生予測・緩和の失敗回数を数十回程度に抑える必要がある。
嶋田 道也; 杉原 正芳; 藤枝 浩文*; Gribov, Y.*; 伊尾木 公裕*; 河野 康則; Khayrutdinov, R.*; Lukash, V.*; 大森 順次
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
改訂された物理指針に沿った代表的なディスラプション・シナリオ数例に基づいて、DINAコードを用いてディスラプションのシミュレーションを行い、三次元の有限要素法コードを用いて電磁力解析を行った。その結果、渦電流とハロー電流による電磁力には裕度があるものの、裕度は小さいことを明らかにした。またプラズマの垂直方向移動及び熱クェンチに伴う第一壁の熱負荷の解析も進めた。プラズマの垂直移動の間にはベリリウム壁は溶融しないが、熱クェンチの際に溶融する。しかしながら、信頼性の高い計測、及び大量ガス入射などによる緩和によってディスラプションの影響を大幅に軽減できる。軽減できなかった場合の10mm厚のベリリウム壁の溶融は、ディスラプション一回あたり30m以下であると予測される。
佐藤 正泰; 櫻井 真治; 西尾 敏; 飛田 健次; 井上 多加志; 中村 幸治; 新谷 吉郎*; 藤枝 浩文*; 発電実証プラント検討チーム
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1277 - 1284, 2006/02
被引用回数:14 パーセンタイル:67.66(Nuclear Science & Technology)核融合出力3GWを確保する高い経済性を有するトカマク炉発電実証プラントの設計を行っている。中心ソレノイド(CS)コイルがない又は小さい場合は、炉の小型化と軽量化に大きなインパクトがある。一方高密度領域での高閉じ込め性能の確保と巨大ELMを抑制する必要から、高い三角度を必要とされる可能性がある。CSコイルの役割を電流立ち上げとプラズマ形状制御に限定して、CSの大きさに応じた3ケースについて、システムコードを用いてプラントのパラメータを選択した。熱流束のスケーリングを用いてダイバータに対する要請を求めた。CSコイルが無い場合は、最もコンパクトな炉であるが、巨大ELMを抑制するには不十分な低い三角度しか得られない。CSの役割を形状制御に限定した炉については、巨大ELM抑制に必要と考えられる三角度が得られ、磁力線の小ポロイダル入射角と長い脚長で、ダイバータの熱のハンドリングが可能である。CSの役割を電流立ち上げと形状制御を有する炉についても、巨大ELM抑制に必要と考えられる三角度が得られ、磁力線のフラックス拡大と長い脚長で、ダイバータの熱のハンドリングが可能である。また、運転シナリオについて検討し、HHファクター,グリーンワルド密度,シャインスルーの条件が運転シナリオに強い制限を与えている。
Lukash, V.*; 杉原 正芳; Gribov, Y.*; 藤枝 浩文*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 47(12), p.2077 - 2086, 2005/12
被引用回数:10 パーセンタイル:33.50(Physics, Fluids & Plasmas)ITERのディスラプション時における垂直移動の方向を、幅広い条件のもとでDINAコードにより調べた。(1)電流減衰率,(2)熱クエンチに伴う内部インダクタンスの変化量,(3)初期の垂直位置の三つの要因が、移動方向を決定する主要因であることを示し、移動方向を規定するパラメータ領域を明らかにした。これにより装置中心から55cm上方に設定された現在の標準配位においては、電流減衰率が200kA/msより大きく、内部インダクタンスの変化量が0.2より小さい場合には上方に移動することがわかった。
仙田 郁夫*; 藤枝 浩文; 閨谷 譲; 多田 栄介; 荘司 昭朗
JAERI-Data/Code 2003-012, 73 Pages, 2003/07
トカマク核融合プラズマのシステム応答解析を目的に開発されたSAFALYコードの改訂を行い、コードの解析パラメータについて感度解析を実施した。報告書は2部で構成される。第一部ではプラズマ及びプラズマ対向機器のモデル化,解析パラメータの詳細、及び2001年ITER-FDRの標準的プラズマを用いた解析結果について報告した。本書第二部では、プラズマの初期状態や解析パラメータについての詳細な感度解析の結果を報告する。これらの感度解析の結果は、SAFALYコードを用いた解析結果の妥当性や保守性を検討する際の重要な情報となる。感度解析は、プラズマ初期状態に対する感度解析と解析パラメータに対する感度解析に分けて実施した。プラズマに加わる擾乱として、燃料過剰注入,プラズマ閉じ込め性能改善、及び過剰外部加熱を検討した。はじめに、各擾乱について、プラズマ初期状態に対する感度解析を実施し、擾乱とその擾乱に対して最も大きな出力変動を与える初期状態を求める。次に、SAFALYコードの解析パラメータに関する感度解析として、最大出力変動を与える初期状態を用いて、解析パラメータの変化が結果に与える影響を評価した。
仙田 郁夫*; 藤枝 浩文; 閨谷 譲; 多田 栄介; 荘司 昭朗
JAERI-Data/Code 2003-008, 37 Pages, 2003/06
トカマク装置の安全評価にかかわるプラズマ過渡解析を行うことを目的に開発されたSAFALYコードの改訂を行った。改訂では、プラズマのモデル化及び計算アルゴリズムを修正したほか、新たにプラズマ電流の時間変化機能の追加、プラズマ制御系モデル化の強化など、新規の機能追加を行った。また、プラズマ対向機器のモデル化が容易にできるよう修正した。そのほか、プラズマ対向面間の輻射による熱相互作用にかかわる形状行列など、解析に必要なデータを揃えるためのコード体系の整備を行った。報告書は2部で構成される。本書第一部ではプラズマ及び真空容器内機器のモデル化,解析パラメータの詳細、及び2001年ITER-FDRの標準的プラズマを用いた解析結果について報告する。第二部では、プラズマの初期状態や解析パラメータについての詳細な感度解析の結果を報告する予定である。
仙田 郁夫*; 荘司 昭朗; 常松 俊秀; 西野 徹*; 藤枝 浩文*
Fusion Engineering and Design, 42, p.395 - 399, 1998/00
被引用回数:3 パーセンタイル:31.63(Nuclear Science & Technology)国際核融合実験炉(ITER)の炉内構造物に誘起される渦電流の評価を行い、プラズマ制御への影響を検討した。特に、初期励磁からプラズマ電流初期立ち上げまでのポロイダル磁場コイル制御の最適化を渦電流を考慮して行った。ITERの炉内構造物は複雑な構造を有しており、そこに誘起される渦電流の複雑な経路を模擬するために、有限要素法を用いた詳細な炉内機器のモデル化を行った。プラズマ放電開始においては、ポロイダル磁場コイルにより、大きな誘導電場をトカマクにかけ、絶縁破壊を起こしプラズマ電流を発生させる。その後、プラズマ電流成長に適した磁場配位を作ることにより、プラズマ電流を増加させる。ITERでは、このプラズマ放電初期に大きな渦電流が誘起されることが予測される。本発表では、誘起される渦電流を考慮して、コイル制御を最適化することにより有効なプラズマ立ち上げを得ることを報告する。
仙田 郁夫*; 荘司 昭朗; 常松 俊秀; 西野 徹*; 藤枝 浩文*
Nuclear Fusion, 37(8), p.1129 - 1145, 1997/00
被引用回数:9 パーセンタイル:33.50(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク炉内構造物に誘起される渦電流とそのプラズマ制御への影響を検討した。トカマク炉の例として、国際熱核融合実験炉(ITER)の設計を用い、そのブランケットのモジュール構造を詳細にモデル化し解析を行った。また、トロイダル対称性を持つ2次元的な炉内構造物のモデルで3次元的な詳細モデルと同様な効果を得るための方法を提案した。炉内構造物の渦電流と深く係わるプラズマ制御の問題として、炉内構造物プラズマ安定化効果、プラズマ位置形状の時間発展、磁気計測器の信号、プラズマ点火時の誤差磁場について検討を行った。その結果、プラズマの位置・形状の時間発展などについては、本論文で提案する方法で得た2次元的なモデルで3次元的モデルと良く一致する結果を得た。計測器信号や誤差磁場については、3次元的な渦電流経路の効果が重要であることがわかった。
飛田 健次; 濱松 清隆; 原野 英樹*; 西谷 健夫; 草間 義紀; 木村 晴行; 滝塚 知典; 藤枝 浩文*; 荘司 昭朗; 仙田 郁夫*; et al.
Proc. of 5th IAEA Technical Committee Meeting on Alpha Particles in Fusion Research, p.45 - 48, 1997/00
JT-60Uの実験結果と計算機シミュレーションの結果に基づいて、ITERの負磁気シア運転における高エネルギー粒子(粒子及び中性粒子入射イオン)の閉じ込めと損失を評価した。JT-60Uにおけるトリトン閉じ込め実験及び荷電交換中性粒子測定の結果は、負磁気シア・プラズマでは高速イオンの粒子損失が通常磁気シアに比べ非常に多いことを示す。このような粒子損失はITERにおいて深刻な問題となりうる。実際、軌道追跡モンテカルロ・コードを用いてITERの負磁気シア運転における粒子損失を評価したところ、損失パワーは25%、第一壁への熱負荷は0.8MW/mに達し、第一壁設計限界(1MW/m)に近いことがわかった。ITERの中性粒子入射加熱については、第一壁熱負荷は十分に低いが、パワー損失が20%に達するためリップル損失の低減が必要である。
仙田 郁夫*; 荘司 昭朗; 西野 徹*; 藤枝 浩文*; 常松 俊秀
JAERI-Tech 96-016, 23 Pages, 1996/03
プラズマ点火時において、点火領域に発生する誤差磁場を低減するようにポロイダル磁場コイルの制御電圧波形を最適化し、その時の磁場配位の時間発展をシミュレーションする計算コード、Break Down Optimization and Simulation (BDOS)-codeを開発した。国際熱核融合実験炉の工学中間設計・標準シナリオを例にとり、プラズマ点火時の誤差磁場低減の解析を行った。コイル電圧波形の最適化を行うことにより、トロイダル一周電圧が点火領域で17Vの時、誤差磁場が2mT以下の領域を半径1mの円形領域にわたって作ることが可能であることを示した。また、プラズマ一周電圧を低くすることで、低誤差磁場の領域を大きく取ることができ、一周電圧を10V程度にすることで、初期励磁の時と同程度の低誤差磁場領域を得ることがわかった。
仙田 郁夫*; 荘司 昭朗; 西尾 敏; 常松 俊秀; 西野 徹*; 藤枝 浩文*
JAERI-Data/Code 95-010, 32 Pages, 1995/08
マイナーディスラプション等、比較的大きな擾乱がプラズマに加わった時の、プラズマ位置・形状制御を模擬する計算コードを開発した。本コードでは、プロイダル磁場コイル及び渦電流の作る磁場を考慮し、プラズマの運動と伴に、プラズマ形状の変化を時間的に追うことができる。本コードは、線形化されたプラズマの運動方程式の解法と、グラッド-シャフラノフ方程式を解く平衡計算を組み合わせたものである。まず、数学的な定式化及びその計算方法を解説し、つづいてコードの使用法について説明を加える。また、ITER工学設計活動において、本コードを用いて得られたマイナーディスラプション時のプラズマ位置制御シミュレーションの例をいくつか示す。
仙田 郁夫*; 西尾 敏; 常松 俊秀; 西野 徹*; 藤枝 浩文*
JAERI-Tech 94-018, 56 Pages, 1994/09
ITER感度解析において、日本国内チームが行った、プラズマ位置制御シミュレーションの結果をまとめた。プラズマ剛体モデルを用い、プラズマ平衡位置からのずれに対して、比例・微分フィードバック制御を行い解析をした。プラズマのゆらぎが生ずる原因として、有限の水平擾乱磁場、十分小さな水平擾乱磁場、そしてポロイダルベータ・内部インダクタンスの急激な変化を検討した。擾乱磁場が十分小さく、真空容器等で決まる時定数でプラズマのゆらぎが成長する場合、数ボルトの制御電圧で十分な制御性が得られることを示した。ポロイダルベータ・内部インダクタンスが同時に変化する場合、条件により制御が困難になり、大きな制御電圧が必要になることがわかった。
村上 好樹*; 藤枝 浩文*; 常松 俊秀
JAERI-M 94-080, 151 Pages, 1994/06
ITER共同中央チームよりEDA版ITERが提案されているが、そこでは大半径約8m、楕円度1.6、核融合出力1.5GWなど、CDAと全く異なったプラズマとなっている。そこで本レポートではCDAの物理ガイドラインである0次元モデルを用いてEDA版ITERの性能評価を行なった。その結果EDA版ITERはヘリウム蓄積が10%の場合にはHモードで核融合出力1.5GWで自己点火可能であるが、ヘリウム蓄積が20%では出力が約4GW必要になることがわかった。ヘリウム蓄積が20%になるとHモードで核融合出力が1.5GWの場合には核融合利得Qが20まで低下することもわかった。一方、定常運転に対する解析では高安全係数時にHモードの1.5倍の高性能閉じ込めを仮定すると80MW程度の電流駆動パワーで定常運転が可能であることがわかった。このときのブートストラップ電流の比率は約60%である。
藤枝 浩文*; 村上 好樹*; 杉原 正芳
JAERI-M 92-178, 133 Pages, 1992/11
本稿は、トカマク型核融合炉の炉心プラズマのパワーバランスを0次元モデルを用いて解き、一定の条件を満たす核融合炉の運転点を得るための計算コード(TPCコード)の使用手引書である。本コードではプラズマの形状データ、トロイダル磁場、プラズマ電流、電子密度、不純物割合、補助加熱パワーなどの内の幾つかを入力データとして、核融合出力、プラズマ蓄積エネルギー、エネルギー閉じ込め時間、放射損失パワーを計算するほか、第一壁中性子負荷やダイバータ熱負荷なども計算する。また頻繁に用いる入力データは外部ファイルとして保存可能で必要に応じて読み込むことが可能である。なお本コードでは、電子温度とプラズマ電流(あるいは電子密度)の空間で各種の出力データの等高線図を得るためのメッシュ・データを自動的に反復計算することができ、この結果は等高線図作成用プログラムの入力データとして用いられる。
村上 好樹*; 藤枝 浩文*; 伊丹 潔; 杉原 正芳
JAERI-M 92-145, 46 Pages, 1992/09
国際熱核融合実験炉(ITER)における長時間及び定常運転モードでの運転点をダイバータ熱負荷の観点から最適化した。熱負荷はJT-60Uで得られた経験則を含めて3種類の簡単な比例則を用いて評価した。定常運転時のダイバータ熱負荷は核融合出力に比例して増加し、その傾向は比例則に依存しない。しかし熱負荷の値は750MWで約1.8倍異なるため、今後ダイバータ比例則の精密化が必要であろう。またヘリウム蓄積、閉じ込め、電流駆動効率の改善、不純物注入による熱負荷低減効果も調べ、物理R&Dの目標を明らかにした。長時間運転では2000秒燃焼時のダイバータ熱負荷を最適化した結果、比例則によらず電流駆動パワーが大きいほど熱負荷が小さくなることがわかった。また不純物添加を行わなくても閉じ込め時間を1割程度改善することで、熱負荷を自己点火運転と同程度にできることもわかった。
武智 学; 松永 剛; 栗田 源一; 櫻井 真治; 藤枝 浩文*; 井手 俊介; 相羽 信行; Bolzonella, T.*; Ferro, A.*; Novello, L.*; et al.
no journal, ,
JT-60SAの最も重要な目的の一つは、ITERからDEMOへの補完のために定常高ベータ運転の実証と開発を行うことである。高ベータプラズマにおいて問題となる抵抗性壁モードの安定化に用いる制御コイル及び電源の仕様をフィードバックシミュレーション及びFEM解析を用いて行った。プラズマ着火時,ロックトモード回避,抵抗性壁モード安定化に重要な誤差磁場の補正コイルの仕様をNBIの打消しコイルの磁場評価及びトロイダルコイルとポロイダルコイルの公差から決定した。また、高速位置制御コイルの仕様を位置制御のフィードバックシミュレーションから決定した。これらの制御システムを用いてMAにおいての非誘導定常プラズマが可能となる。さらに、ディスラプションシミュレーションを機器の電磁力の評価のために行った。
杉原 正芳; Polevoi, A.*; 藤枝 浩文*; 嶋田 道也; 芳野 隆治
no journal, ,
ペレット入射によるタイプI ELMの振幅の矮小化は現時点での有力な制御法の一つである。ITERでも標準運転時における制御法の第一候補として採用されている。この方法を実際にITERに適用するために、(1)ELM励起に必要なペレットの浸透深さ,(2)粒子輸送や密度制御との整合性,(3)入射方向(強/弱磁場側)などの条件を総合的に勘案し、強/弱磁場側入射のそれぞれに対して運転領域を求めた。これをもとに、各入射方向の得失を比較し、制御に必要なペレットの物理仕様を与える。
山口 太樹; 河野 康則; 藤枝 浩文; 栗原 研一; 杉原 正芳*; 草間 義紀
no journal, ,
近年、トカマクプラズマの電磁流体力学的(MHD)安定性や閉じ込めの研究においては、安全係数分布の同定及び制御を行うことが重要となっている。国際熱核融合実験炉(ITER)においても、プラズマ中心部における安全係数分布の計測のためにポロイダル偏光計側装置が設置される予定である。これまで、十分な精度で安全係数分布を同定するためのポロイダル偏光計側装置のレーザ視線配置について、幾つかの知見は得られているものの、具体的な視線配置や定量的な精度については明らかになっていない。本研究では、平衡再構築コードによる安全係数分布の同定精度の評価をもとに、最適な視線配置を得ることを目的としている。ポロイダル偏光計側装置の測定データに強く依存する平衡再構築コードを開発し、これを用いてITER運転シナリオの平衡再構築を行った。上部ポート視線をプラズマ周辺領域に配置するなどの最適化を行った結果、正磁気シアプラズマ,負磁気シアプラズマ及びリミタープラズマといった代表的なITER運転シナリオに対して、良好な精度(6%)が見込まれる視線配置を得た。