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藤本 加代子; 仲野 友英; 久保 博孝; 澤田 圭司*; 滝塚 知典; 川島 寿人; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸
Plasma and Fusion Research (Internet), 4, p.025_1 - 025_7, 2009/08
体積再結合はダイバータ板への熱流速及び粒子束の減少に重要な役割を果たすため、非接触ダイバータプラズマにおける体積再結合の役割を解明することは、ITERや定常炉に向けた最重要研究課題のひとつである。本研究では、非接触ダイバータプラズマを2次元で計測することにより、電離及び再結合領域の空間構造を明らかにした。また、重水素バルマー系列線の発光強度を衝突放射モデルを用いて計算した発光強度と比較して、電子温度,電子密度及び原子密度を決定した。Lモードプラズマの非接触ダイバータプラズマを、約1cmの空間分解能で、2方向から92視線(縦60視線,横32視線)で分光計測した。分光器は350800nmの観測波長帯域を持ち、全バルマー系列線を同時に測定することができる。内側非接触ダイバータプラズマでは内側ストライク点上部の広い領域に再結合領域が存在し、外側ダイバータ板に沿って電離領域が存在することがわかった。また、両側非接触ダイバータプラズマでは内側ストライク点上部の狭い領域と外側ストライク点近傍に再結合領域が存在することを明らかにした。
仲野 友英; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; 竹永 秀信; 大山 直幸; 川島 寿人; 藤本 加代子
Nuclear Fusion, 48(8), p.085002_1 - 085002_8, 2008/08
被引用回数:13 パーセンタイル:45.79(Physics, Fluids & Plasmas)短時間放電では、第一壁が水素を吸収することにより、排気の役目を担っている(壁排気)。短時間放電ではこの壁排気はプラズマの密度制御に有効であるが、将来の長時間放電では壁の水素蓄積量が飽和に達するため壁排気が効かなくなると考えられている。JT-60Uでは、長時間高密度Hモードプラズマを、ダイバータ排気を用いて第1壁が飽和した条件下で維持した。壁排気が働かず、さらにガスが放出される条件下で、閉じ込めエネルギーとELMを維持した。ガスの放出は、ダイバータ板の温度上昇による。一方、X点MARFEと非接触ダイバータプラズマを伴う高密度放電では、壁排気が20秒間以上続いた。X点MARFE及び非接触ダイバータプラズマについても、ダイバータ排気を用いて制御できた。これにより、ダイバータ排気とガスパフを用いた電子密度制御が壁飽和条件下で有効であることを示した。しかし、電子密度を維持するように壁の排気率が変化することがわかった。これは、壁への粒子束と壁からの粒子放出が動的平衡になることが、壁排気の重要な機構の一つであることを示す。
仲野 友英; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 木島 滋; 藤本 加代子; 川島 寿人; 東島 智
Nuclear Fusion, 47(11), p.1458 - 1467, 2007/11
被引用回数:21 パーセンタイル:58.39(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UのX点MARFEを伴う非接触プラズマにおいて、4本のCイオンのスペクトル線を同時に2方向から空間分解能1cmで測定した。そのスペクトル線の強度比を衝突放射モデルで解析した結果、CイオンはCイオンと電子の体積再結合によって生成することを初めて明らかにした。コンピュータトモグラフィ手法により再構築されたCスペクトル線の発光の2次元空間分布から、この体積再結合はX点の直上で発生することが明らかにされ、そこでは電子温度及び電子密度はそれぞれ1.6eV及び1.610mと評価された。この体積再結合によって生成したCイオンからの放射パワーは全放射パワーの約20%を占めることが示された。
藤本 加代子; 仲野 友英; 久保 博孝; 澤田 圭司*; 滝塚 知典; 清水 勝宏; 川島 寿人; 朝倉 伸幸
Plasma and Fusion Research (Internet), 2, p.S1121_1 - S1121_4, 2007/11
ダイバータ板への熱負荷軽減に有効な非接触ダイバータでは電離・再結合プラズマが2次元分布している。本研究では非接触ダイバータプラズマのエネルギー損失過程や原子分子過程の理解に向けて、JT-60Uダイバータプラズマの2次元分光測定を行った。電離・再結合プラズマの情報は重水素のバルマー系列線を観測することで得られるため、本研究ではCCD検出器を持つ広帯域分光測定装置を用いてJT-60Uダイバータ領域を2方向から分光測定した。得られた線積分計測値から2次元発光強度分布をコンピュータ・トモグラフィー手法(最大エントロピー法)を用いて導出した。しかし、2方向データによる2次元分布の導出は計算や測定による誤差が大きく、滑らかな画像が得にくいという難点があった。本研究では計算メッシュを正方形(正方形メッシュ)から視線に沿った四角形(視線方向メッシュ)に変化させることで誤差を小さくすることを考えた。その結果、正方形メッシュより視線方向メッシュのほうが誤差が少なく、また滑らかな2次元分布を得ることができた。
久保 博孝; 仲野 友英; 朝倉 伸幸; 竹永 秀信; 都筑 和泰; 大山 直幸; 川島 寿人; 清水 勝宏; 浦野 創; 藤本 加代子; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
短時間放電では、第一壁が水素を吸収することにより、排気の役目を担っている(壁排気)。短時間放電ではこの壁排気はプラズマの密度制御に有効であるが、将来の長時間放電では壁の水素蓄積量が飽和に達するため壁排気が効かなくなると考えられている。JT-60では、30秒間のELMy Hモード放電を繰り返し行うと、放電中に壁飽和が観測された。この壁飽和状態における粒子制御及び粒子挙動に関して報告する。JT-60Uでは、壁が飽和し壁排気が有効でない場合、さらにはダイバータ板の温度上昇によりダイバータ板からガス放出がある場合において、ダイバータ排気を用いることにより高密度ELMy Hモードプラズマの密度制御が可能であることを実証した。粒子挙動に関しては、第一壁に水素が蓄積し飽和する過程,ダイバータ板の温度上昇によりガスが放出される過程,プラズマ壁相互作用の変化により壁からの粒子の入射と放出が変化する過程に関して議論する。
仲野 友英; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 木島 滋; 藤本 加代子; 川島 寿人; 東島 智
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
MARFEを伴う非接触ダイバータプラズマで、Cと電子の体積再結合により、Cが生成されることが初めて観測された。CからCへの再結合束はCからCへの電離束と同程度であることに加え、2次元分光計測の結果をもとに発光の空間分布をコンピュータ・トモグラフィーを用いて再構築したところ体積再結合が発生するのはX点直上で、電離が発生する場所の直下であることがわかった。この結果から、ダイバータプラズマの放射パワーの6割から8割を占める、Cは体積再結合によりおもに生成される。
藤本 加代子; 仲野 友英; 久保 博孝; 川島 寿人; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸
Fusion Science and Technology, 51(2T), p.247 - 249, 2007/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ダイバータ板への熱負荷の低減には非接触ダイバータプラズマが有効である。非接触ダイバータプラズマでは電離及び再結合プラズマが隣接して複雑な空間分布を形成するため、非接触ダイバータプラズマにおける原子分子過程やエネルギー損失過程の研究にはこれらの2次元空間分布計測が必要である。本研究では両過程の解明を目的にJT-60Uダイバータプラズマの水素原子発光強度の2次元分布を導出した。電離及び再結合プラズマの診断には重水素バルマー系列線(365656nm)を同時観測する必要があるため、観測波長領域が350800nmの広帯域可視分光器を用いて測定を行った。またダイバータプラズマは約1cmの空間スケールで変化することが解っている。本研究ではダイバータ部を92視線(縦60視線,横32視線)を用いて約1cmの空間分解能で計測した。観測結果をトモグラフィー手法により水素原子発光強度の2次元分布に再構成し、ダイバータ部における再結合プラズマの2次元空間分布を取得した。
鈴木 隆博; 浦野 創; 藤本 加代子
プラズマ・核融合学会誌, 82(6), P. 391, 2006/06
「若手科学者によるプラズマ研究会」(日本原子力研究開発機構・核融合研究開発部門・先進プラズマ研究開発ユニット主催)を2006年3月1517日に開催した。本研究会は1年に1回開催され、今年で9回を数える。今回の研究会の主題は「燃焼プラズマに向けた計測と制御」で、関連する分野の講演をおもに公募により募った。原子力機構から4件(うちITER国際チームから1件),大学等から16件の発表があり、活発な議論が行われた。今回はほぼすべての参加者に口頭発表+ポスター発表をお願いし、各自の研究成果の報告に加えて、深い議論も行えるように配慮した。口頭発表の時間の関係で参加人数は減少している。2日目にはJT-60Uの見学ツアーを行い、JT-60Uの本体室及び計測室を見学した。最終日には研究発表のまとめを行った。
朝倉 伸幸; 仲野 友英; 川島 寿人; 正木 圭; 藤本 加代子; 大野 哲靖*; 田邉 哲朗*
no journal, ,
JT-60Uでは高密度のELMyHモードプラズマを35秒間維持する放電を行い、ダイバータ板や第一壁(対向材)が水素で飽和した状態における熱・粒子制御及びプラズマ壁相互作用の研究を行っている。JT-60Uでは実効的な壁飽和状態でダイバータ排気を行い高性能プラズマの維持を行った。その際、対向材への蓄積量の変化を放電中及び放電間で評価した。一方、真空容器内への重水素の蓄積要因を理解するため、実験期間後に対向材タイルの表面や側面に再堆積した炭素層の分布を測定した。その結果、タイル対向面への堆積速度はほかのトカマクと同程度であるが、側面への堆積が少ないことが判明した。さらに、炭素と共堆積した重水素量を測定した結果、ほかのトカマクよりも含有率(D/C)が小さいことが明らかとなった。こうした原因として、対向材タイルの配置方法,タイル間のギャップ及び運転温度などの違いが考えられる。発表ではほかに、真空容器内での炭素の輸送を決める要因である高速のプラズマ流の発生機構,ELMによるプラズマ熱流・粒子束の対向材への動的な輸送過程など、最近の実験により理解された研究成果を発表する。
藤本 加代子; 仲野 友英; 久保 博孝; 澤田 圭司*; 滝塚 知典; 川島 寿人; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸
no journal, ,
非接触ダイバータプラズマにおける体積再結合は、ダイバータ板へのイオン束の減少に重要な役割を果たす。2次元分光計測は、体積再結合の空間構造の解明に有効な手法のひとつである。本研究では、非接触ダイバータプラズマの重水素バルマー系列線を約1cmの空間分解能で2次元計測し、DとDの発光強度比と、衝突放射モデルを用いて計算した発光強度比を比較した。発光強度比から、Dの発光には再結合成分が含まれていることがわかった。このような領域は、ポロイダル断面の内側ストライク点上部にr方向に8cm、z方向に4cmの幅で分布している。この領域では、重水素バルマー系列線の発光強度比から、電子密度は約110m,電子温度は0.3eV以下と見積もれた。
仲野 友英; 都筑 和泰; 久保 博孝; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸; 藤本 加代子
no journal, ,
核融合プラズマでは金属などの重い不純物が少量でもプラズマに混入すると、放射パワー率が大きいために放射によりエネルギーを失い温度の低下により核融合反応率が低下する。よって重不純物イオン密度の計測法の開発は研究課題の一つである。重不純物イオンの主な発光線は紫外からX線領域に分布するが、それらの絶対強度計測が困難なため、その密度の定量的な測定例は多くない。一方、光学的禁制線の発光強度は弱いが、基底準位間の発光線は近紫外から可視域に観測されることがあり、絶対強度計測が容易である。原子番号が50以上のチタン様重不純物イオンの基底状態間の遷移線()の波長は、原子番号に対してほとんど変化せず300-400nmの近紫外域にある。この遷移線の発光強度を予測するため、遷移波長,自然放射係数,励起断面積などを、相対論的配置間相互作用を考慮した原子構造計算プログラムFACコードで計算した。その結果、の発光強度はph/srmsと計算された。この発光線(波長 354.6nm)を、JT-60U での分光計測系で観測する場合、10秒以上の露光時間が必要となり、最大65秒のプラズマ維持時間に対して十分な分解能とはいえない。講演では短く(30m)、太い光ファイバー(600m)を用いた明るい光学系で観測した結果を報告する予定である。
上原 和也; 朝倉 伸幸; 定本 嘉郎*; 川島 寿人; 久保 博孝; 仲野 友英; 竹永 秀信; 藤本 加代子; 雨宮 宏*; 齋藤 和史*
no journal, ,
電子の温度やエネルギーの評価はダイバーター板への熱流・粒子流負荷の評価にあたって重要である。そのために、JT-60Uのダイバータ板上に配置されている静電プローブで測定されているプローブ電流-電圧特性を数値的に1次微分して電子エネルギー分布関数を求めた。X点MARFE及びプラズマデタッチメントが発生する場合の電子温度と分布関数の形が評価されている。
仲野 友英; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; 藤本 加代子; 清水 勝宏; 木島 滋; 川島 寿人; 東島 智
no journal, ,
MARFEを伴う非接触プラズマのX点付近を可視分光器と真空紫外分光器を用いてとのスペクトル線を観測し、それらの強度を解析した。その結果、の発光では基底状態にあるが電子衝突により励起し、やがて電離する成分(電離成分)が主要で、の発光では主量子数が4以下の準位では同じく電離成分が主要であるが、それ以上の高励起準位では、体積再結合により生成しやがて基底状態に脱励起する成分(再結合成分)が主要であることが明らかになった。さらにの生成にはからの体積再結合との電離がほぼ同程度に寄与し、その和はの損失(への電離とへの再結合)よりも二桁以上大きいことが判明した。この結果は生成したが輸送によって損失することを示唆する。
河野 康則; 坂本 宜照; 鈴木 隆博; 藤本 加代子
no journal, ,
国際熱核融合実験炉ITERでは、燃焼プラズマを生成・制御し、またその物理的な特性を解明する目的で、多種多様なプラズマ計測装置を製作・設置する予定となっている。並行して既存のトカマク装置では、計測に関する開発研究が常に進められており、ここで得られる新しい知見や新技術のうち、可能なものについてはITERの計測に最大限反映させることが望まれる。本報告では、原子力機構の臨界プラズマ試験装置JT-60における最近の新しい計測開発研究を報告し、ITER計測への貢献の観点から議論を行う。今回報告する内容は以下の4件である。(1)レーザ逆コンプトン散乱による逃走電子エネルギーの計測法開発,(2)動的シュタルク効果分光装置のプラズマ電子密度揺動計測への適用,(3)荷電交換再結合分光装置の視野掃引による内部輸送障壁の詳細計測,(4)コンピュータトモグラフィ法によるダイバータ部水素発光分布の計測。
藤本 加代子; 仲野 友英; 久保 博孝; 清水 勝宏; 澤田 圭司*; 川島 寿人; 朝倉 伸幸
no journal, ,
非接触ダイバータプラズマでは、プラズマがダイバータ板に到達するまでに再結合する再結合プラズマと中性粒子が電離しプラズマとなる電離プラズマが2次元分布する。本研究では非接触ダイバータプラズマのエネルギー損失過程や原子分子過程の理解を目的に、電離及び再結合プラズマの2次元空間分布を導出した。電離及び再結合プラズマの診断には重水素バルマー系列線(365-656nm)の同時計測が有効である。本研究では測定波長範囲350-800nmの広帯域可視分光器を用いて非接触ダイバータプラズマを観測し、トモグラフィー手法を用いて2次元発光強度分布を導出した。内側非接触・外側接触ダイバータプラズマにおけるD I(p=2-4)は外側ダイバータ領域全体と内側ストライク点上部からX点に向かって強い発光領域を持つことがわかった。同様にD I(p=2-5)の2次元発光強度分布を導出し、これらの2次元発光強度比を得た。得られた発光強度比を衝突放射モデルで計算した比と比較し、電離及び再結合成分の診断を行った。その結果、内側ストライク点上部では再結合成分が、また外側ストライク点近傍では電離成分が支配的であると考えられる。
河野 康則; 近藤 貴; 波多江 仰紀; 石川 正男; 藤本 加代子; 朝倉 伸幸
no journal, ,
国際熱核融合実験炉ITERでは、種々のプラズマ計測装置を製作・設置し、燃焼プラズマの生成・制御やプラズマの特性解明に用いる予定である。ここで、プラズマ計測に関して既存のトカマク装置で得られる知見や技術のうち、有用なものについては、ITERの計測に反映させていくことが重要である。本報告では、原子力機構の大型トカマク装置JT-60Uにおける計測開発研究の現況を報告し、ITER計測への貢献の観点から議論を行う。今回報告する研究課題は以下の5件である。(1)協同トムソン散乱計測のための高出力高繰り返しシングルモード炭酸ガスレーザの開発,(2)フーリエ変換分光器を用いた非協同トムソン散乱計測法の開発,(3)デジタル信号処理による中性子発生分布の高速計測,(4)コンピュータトモグラフィ法によるダイバータ部水素発光分布の計測,(5)高速TVカメラを用いたプラズマ中のダストの計測
藤本 加代子; 仲野 友英; 久保 博孝; 木島 滋; 石川 正男; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏
no journal, ,
水素原子の2次元分布の評価とその決定要素の解明は、熱や粒子を制御する役割を持つダイバータプラズマの最適化に大きな推進をもたらす。本研究では主プラズマからダイバータプラズマへ流入した水素イオン及びダイバータ板から発生した水素原子の輸送に着目した。分光により得られた水素原子スペクトル強度分布をCTによって2次元分布に再構成し、プラズマ中の水素粒子の輸送過程を考察する。ダイバータプラズマを2方向92視線(縦60視線,横32視線)で観測し、分光器を用いて重水素バルマーシリーズ線のスペクトル強度分布を導出する。そのために波長範囲350-800nm,空間分解能10mm,時間分解能200msの分光器を整備したが、この分光器は新設のため現在は調整中である。そこで、既存の分光器を用いて34視線(縦17視線,横17視線)でダイバータプラズマの水素スペクトル(D, 433.9nm)を観測した。その結果、内側,外側ストライク点近傍に強い放射を観測することができた。
藤本 加代子; 仲野 友英; 久保 博孝; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸
no journal, ,
ダイバータ板への熱負荷軽減には非接触ダイバータプラズマが有効である。非接触ダイバータプラズマでは電離プラズマ及び再結合プラズマが隣接して複雑な空間分布を形成するため、原子分子過程やエネルギー損失過程の研究にはこれらの2次元空間分布計測が必要である。本研究では両過程の解明を目的にJT-60U非接触ダイバータプラズマの水素原子の2次元分布を導出した。電離及び再結合プラズマの診断には重水素バルマー系列線(365656nm)を同時観測する必要があるため、観測波長領域が350800nmの広帯域可視分光器を使用した。またダイバータプラズマの物理はcm単位の空間分解能で変化するため、ダイバータ部を92チャンネル(縦60チャンネル,横32チャンネル)を用いて約1cmの空間分解能で計測した。得られた水素原子の空間分布をトモグラフィー手法により2次元分布に再構成し、初めて再結合プラズマの2次元空間分布を取得した。
仲野 友英; 朝倉 伸幸; 大野 哲靖*; 梶田 信*; 川島 寿人; 久保 博孝; 清水 勝宏; 藤本 加代子
no journal, ,
3本の中性ヘリウムの発光線強度比から電子温度と電子密度を10マイクロ秒の時間分解能で測定した。ELMに伴う線発光強度の上昇とともに電子温度が低下し、電子密度が増加した。その後、緩やかに電子温度は上昇し電子密度は減少して、線発光強度上昇の直前の値に戻った。この波形からELMによる熱・粒子負荷のためダイバータ板から粒子が放出され、それを電離するためにプラズマのエネルギーが失われ温度が低下し、プラズマが生成されるために密度が上昇したと解釈される。
仲野 友英; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 木島 滋; 藤本 加代子; 川島 寿人; 東島 智
no journal, ,
JT-60Uの非接触ダイバータプラズマにおいて、X点直上の強い放射領域からの9本のC IV発光線を同時測定し、その強度比を衝突放射モデルを用いて解析した。主量子数が4以下の励起準位は基底状態のが電子衝突によって励起され、また主量子数が6以上の励起準位はと電子の体積再結合によって生成される。またこの解析によって、励起過程では電子温度が10eV及び電子密度がと、再結合過程では電子温度が3eVと求められたが、この電子温度の不一致の理由は不明である。これらのパラメータとC IV()とC IV()の絶対強度より、励起過程及び再結合過程による放射パワーを求めると、それぞれ総放射パワーの40%及び0.5%であった。イオンはの再結合との電離によってほぼ等しい割合で生成することも明らかになった。