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村瀬 知志*; 吉川 裕未*; 藤原 孝将*; 深田 幸正*; 寺西 貴志*; 狩野 旬*; 藤井 達生*; 稲田 康宏*; 片山 真祥*; 吉井 賢資; et al.
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 162, p.110468_1 - 110468_6, 2022/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)混合原子価系YbFeO
における原子価制御の可能性を検討するため、電荷化学的手法によりLi
イオンの挿入を試みた。対象物質をLiイオンバッテリー類似のセル状にして実験を行い、Li
の挿入による格子定数および原子間距離の系統的変化を観測した。イオンの挿入は、電荷量に換算し300mAh/g以上であった。放射光吸収分光による局所構造観測を行ったところ、Li
はYb層とFe層の間に挿入されることが分かった。本測定からは、金属鉄の微粒子が析出することも示唆された。このため、Li
の挿入による鉄イオンの原子価の系統的な変化は明瞭に観測されなかった。メスバウア分光法などからは、Li
は空間的に不均一に挿入されることが示唆されたものの、本研究の結果は、YbFe
O
の原子価や物性が電気化学的手法によって制御できる可能性を示すものである。
筒井 智嗣; 東中 隆二*; 中村 頼人*; 藤原 孝将*; 中村 仁*; 小林 義男*; 伊藤 孝; 依田 芳卓*; 加藤 和男*; 新田 清文*; et al.
Hyperfine Interactions, 242(1), p.32_1 - 32_10, 2021/12
被引用回数:1 パーセンタイル:75.14(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)Sm synchrotron-radiation-based M
ssbauer spectroscopy was performed in Sm-based intermetallics having a cubic crystal structure, Sm
Ge
, SmB
, SmBe
, and Sm
Al
(
= transition metals). In spite of the difference of the local structure around the Sm sites, the observed M
ssbauer spectra consist of a single line at 300 K. On the other hand, Sm L
-edge X-ray absorption spectra consist of two components, suggesting Sm
and Sm
states. Difference of the number of the spectral components between the M
ssbauer spectroscopy and X-ray absorption spectroscopy is caused by the difference of the time window in the scattering process of these measurements. Correlation between the isomer shifts in the M
ssbauer spectroscopy and average Sm valence states estimated from the X-ray absorption spectroscopy exhibits a linear correlation.
深田 幸正*; 福山 諒太*; 藤原 孝将*; 吉井 賢資; 重松 圭*; 東 正樹*; 池田 直*
Journal of the Physical Society of Japan, 90(2), p.024710_1 - 024710_6, 2021/02
被引用回数:2 パーセンタイル:21.70(Physics, Multidisciplinary)LuFe
O
のインピーダンス測定を行った。この系は、電子強誘電体
Fe
O
(
:希土類)の関連系であり、鉄スピンによる磁気秩序と、鉄イオンが実空間で秩序化することによる誘電性が重畳したマルチフェロイック系である。得られた実験データを説明するため、抵抗成分と容量成分がそれぞれ分布を持って直列接続した新しい等価回路を提案した。このモデルにより数値解析を行ったところ、温度履歴を記憶することによるエージング効果やメモリ効果といった電荷自由度のグラス的挙動が見いだされた。このようなグラス的挙動は非平衡物理の問題として長年研究されているが、標記の系で見いだされたのは初めてであり、本系の性質について一石を投じる結果である。他にいくつかの興味深い現象も見いだされた。例えば抵抗成分と容量成分の間には比例関係があることが見いだされたが、これは鉄電荷が秩序化することによる誘電性の存在を支持する結果である。
Li, T.*; Garg, U.*; Liu, Y.*; Marks, R.*; Nayak, B. K.*; Madhusudhana Rao, P. V.*; 藤原 守*; 橋本 尚信*; 中西 康介*; 奥村 瞬*; et al.
Physical Review C, 81(3), p.034309_1 - 034309_11, 2010/03
被引用回数:118 パーセンタイル:97.60(Physics, Nuclear)We have investigated the isoscalar giant resonances in the Sn isotopes using inelastic scattering of 386-MeV particles at extremely forward angles, including 0
. The strength distributions for various multipoles were extracted by a multipole decomposition analysis based on the expected angular distributions of the respective multipoles. We find that the centroid energies of the isoscalar giant monopole resonance (ISGMR) in the Sn isotopes are significantly lower than the theoretical predictions. In addition, the asymmetry term,
, in the expression for the nuclear incompressibility has been determined from the ISGMR data in Sn isotopes and is found to be consistent with a number of indirectly extracted values for this parameter.
早川 岳人; 宮本 修治*; 林 由紀雄; 川瀬 啓悟*; 堀川 賢*; 千葉 敏; 中西 康介*; 橋本 尚信*; 太田 岳史*; 神門 正城; et al.
Physical Review C, 74(6), p.065802_1 - 065802_5, 2006/12
被引用回数:29 パーセンタイル:82.03(Physics, Nuclear)相対論工学によって達成された逆コンプトン線による
Re
Re反応を用いて生成した
Reの半減期を報告する。この逆コンプトン
線はニュースバルの電子蓄積リングにおいて生成された。これまで、
Reの3
のスピン・パリティーを持つ基底状態の半減期測定は、重水素ビームを用いて行われた。その結果、38.0
0.5日の半減期が計測されている。しかし、この時点では
Reに8
のスピン・パリティーを持つアイソマーの存在は知られていなかった。そのため、このアイソマー(半減期は169
8日)の寄与があるはずであり、本来の値より長くなっている可能性が極めて高い。一般に粒子ビームの入射反応と比較して、
反応は原子核に持ち込む角運動量が小さいために小さいスピンを持つ基底状態を生成しやすいという長所を有する。本実験によって、35.4
0.7日の半減期が得られた。これは、これまで奨励されていた半減期より約7%も短い。この結果は、放射化法を用いた応用研究に直接的に影響を与える。
Zegers, R. G. T.*; Abend, H.*; 秋宗 秀俊*; Van den Berg, A. M.*; 藤村 寿子*; 藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; Gals, S.*; 原 圭吾*; et al.
Nuclear Physics A, 731, p.121 - 128, 2004/02
被引用回数:11 パーセンタイル:56.29(Physics, Nuclear)Biのアイソベクトル型スピン反転巨大単極子共鳴が
Pb(
He,
)反応を用いて励起され、そこから陽子崩壊が測定された。60
5%の和則を尽す、単極子巨大共鳴が測定された。共鳴の中心エネルギーは37MeVであり、その中は14Mevであった。陽子崩壊分岐比は52
12%であり、残留状態として
Pbの深部空孔状態に陽子崩壊が起こっていることがわかった。
中山 信太郎*; 山県 民穂*; 秋宗 秀俊*; 藤原 守; 伏見 賢一*; Greenfield, M. B.*; 原 圭吾*; 原 かおる*; 橋本 尚信*; 市原 かよこ*; et al.
Nuclear Physics A, 731, p.355 - 362, 2004/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)450MeV(He,
)反応によって
Li原子核クラスター構造が研究された。励起エネルギー21MeVの共鳴から二体崩壊t+
Heが観測された。分岐比は0.8
0.2でほぼ100%近くt+
Heに崩壊することがわかった。したがってこの共鳴はt+
Heの3粒子クラスターからなる共鳴で、その崩壊パターンから、18MeVの領域は
P状態、22MeVの領域は
P状態であると結論した。
原 圭吾*; 足立 猛*; 秋宗 秀俊*; 大東 出*; 藤村 寿子*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; 伏見 賢一*; 原 かおる*; Harakeh, M. N.*; et al.
Physical Review C, 68(6), p.064612_1 - 064612_9, 2003/12
被引用回数:11 パーセンタイル:57.41(Physics, Nuclear)Cuのガモウ・テラー準位が
Ni(
He,t+p)と
Ni(
He,t+
)同時計測実験で研究された。アイソスピンT=1とT=2の1
準位(E
6
12MeV)が
Ni(
He,t)反応で強く励起された。磁気スペクトロメーターを用いて測定されたトリトンと半導体検出器で測定した陽子崩壊との同時計測が行われた。この実験で、世界初の
N(
He,t+
)実験が行われ、陽子崩壊と
線崩壊強度を用いてガモウ・テラー共鳴の微視構造が議論された。
Zegers, R. G. T.; Abend, H.*; 秋宗 秀俊*; Van den Berg, A. M.*; 藤村 寿子*; 藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; Gals, S.*; 原 圭吾*; et al.
Physical Review Letters, 90(20), p.202501_1 - 202501_4, 2003/05
被引用回数:49 パーセンタイル:84.55(Physics, Multidisciplinary)410MeVでのPb(
He,
)反応を用いてアイソベクトル型巨大単極子共鳴の励起と崩壊モードを研究した。
Biのこの共鳴は60
5%の和則を尽し、29MeV
51MeVに存在することが初めてわかった。共鳴の中心エネルギーは37
1MeVで、その幅は14
3MeVと決定した。陽子崩壊の分岐比は52
12%であった。
深田 幸正*; 福山 諒太*; 藤原 孝将*; 吉井 賢資; 池田 直*
no journal, ,
The system Fe
O
(
FeO
)n (
= rare earth, n = integer) has been attracted attention from the view of both its magnetic and electric properties. These materials show magnetic order as well as ferroelectricity from the order of Fe ions. We report the analysis of the electrical resistivity and the dielectric permittivity of Lu
Fe
O
on the impedance spectroscopy with the distribution of relaxation time. From the resistance variation affected by the elapsed time and the experience temperature, the so-called charge glass behavior was observed. That is, some parameters such as resistance and dielectric constant showed the memory effect during the temperature change. We propose the equivalent circuit model to explain the result of experiments. In addition, considering spin glass behavior of this system, the results suggests the correlation between dielectric properties and magnetism.
深田 幸正; 川崎 郁斗; 福田 竜生; Yu, H.*; 藤原 孝将*; 松村 大樹; 吉井 賢資; 池田 直*
no journal, ,
LuFeO
はLuとOがつくる三角格子とFeとOがつくる二枚重なった三角格子が層状に積層した物質であり、Fe
とFe
の配列が電気分極をつくる。このため、本物質の誘電特性について興味を持たれているが、本質的な誘電特性は明らかとなっていない。この理由として、サンプル焼成時の鉄欠損があげられる。また、電気測定時において、電気抵抗が低いこと、電極とLuFe
O
の界面が大きな電気抵抗と誘電率をもつこと、LuFe
O
自体の誘電応答の時定数が分布を持つことがあげられる。鉄の欠損は原料であるFe
O
とLu
O
の仕込み比の調整で抑えることに成功した。低い電気抵抗をもつことと非本質的な電極界面の効果をもつことはインピーダンス分光測定を用いることによって解決した。本講演では、LuFe
O
本来の比誘電率、電気抵抗率、緩和時間分布の度合いの温度依存性を調べたので報告する。
藤原 孝将*; Yu, H.*; 木村 彰杜*; 深田 幸正; 池田 直*; 沖本 洋一*; Frontzek, M. D.*; 加倉井 和久*
no journal, ,
複電荷鉄酸化物RFeO
(R=Lu-Ho, Y)はFe
とFe
の極性な電荷秩序により強誘電性を発現する電子誘電体である。この物質群は240K付近でFe由来のフェリ磁性転移を起こすためにマルチフェロイクス材料としても期待されている。YFe
O
は粉末試料の電子線回折により、他の希土類系には見られない逐次電荷秩序相転移が報告されている。単結晶試料においてもYFe
O
の単結晶試料の合成もされているが、3次元電荷秩序が発達した良質な試料の合成の成功例はなかった。我々は、鉄を補填した合成を行うことで従来困難であった室温で3次元電荷秩序が発達している単結晶試料の合成に成功した。またX線回折により、磁気秩序転移温度以下で逐次相転移を発見した。本研究では、このYFe
O
試料を用いてORNLのWAND2ビームラインにて中性子回折を行った。磁気転移温度以下において1/3 1/3 L反射にH H 0方向への変調が確認され、新たに電荷秩序反射に対応すると考えられる1/4 1/4 L反射、その他の超格子反射を確認した。これらの結果から、YFe
O
の電荷秩序競合の可能性について議論する。
深田 幸正*; 吉井 賢資; 藤原 孝将*; 林 直顕*; 福田 竜生; 水牧 仁一朗*; 重松 圭*; 東 正樹*; 武田 全康; 池田 直*
no journal, ,
希土類-鉄酸化物LuFe
O
の磁性と誘電性について調べた。この物質は、申請者らが報告した強誘電体RFe
O
(R: 希土類)の関連物質であり、室温で鉄電荷秩序による強誘電性が報告されているものの、物性の報告例は少ない。本研究では多結晶及び単結晶のLu
Fe
O
の物性を調べた。磁化測定からは、磁気転移温度は270K近傍であり、RFe
O
の250Kより高いことが分かった。また誘電率測定からは、誘電率が120K近傍でブロードなピークを描くことが分かった。さらに、誘電応答における系の均一性を示す指数もこの付近でピークを描き、120Kより低温では系は均質に近づいてゆくことも判明した。ブロードなピークは交流帯磁率測定からも観測されており、この物質の磁性と誘電性の相関を示す結果が得られた。
深田 幸正*; 吉井 賢資; 藤原 孝将*; 福山 諒太*; 池田 直*
no journal, ,
希土類複電荷鉄酸化物Fe
O
(
=Y, In, Sc, 重希土類)は、鉄電荷秩序により強誘電性を示す特異な系である。本研究では、この系の関連物質であるLu
Fe
O
について、室温以下での詳細なインピーダンス測定を行い誘電性を議論した。この系の交流帯磁率測定から、120Kにおいて鉄スピンが空間的にランダムに凍結したスピングラス的な振る舞いを示す。一方、インピーダンス測定からは、鉄電荷が空間的にランダムに凍結した配列を示す電荷グラス的な振る舞いを示すことが判明した。すなわち、抵抗や誘電率といったパラメータの時間変化の挙動などに、温度変化の履歴を記憶するメモリ効果が見いだされた。この現象は、本系の磁性と誘電性が相関していることを示唆する新しい知見である。当日はより詳細な解析結果を示す予定である。
早川 岳人; 静間 俊行; 宮本 修治*; 天野 将*; 堀川 賢*; 林 由紀雄; 川瀬 啓悟; 神門 正城; 菊澤 信宏; 千葉 敏; et al.
no journal, ,
ニュースバルでは現在MeVエネルギー領域のレーザーコンプトン散乱線源が稼動している。レーザーと電子の散乱によって準単色な
線が生成される。17MeVのレーザーコンプトン
線を原子核に照射すると相互作用を起こし、中性子が放出され原子核は軽い同位体に変換される。生成された軽い同位体はアイソマーやベータ崩壊する基底状態を有している場合がある。このような原子核の半減期測定を行った。Re-184の基底状態の半減期測定では過去のデータより7%短い半減期が、Ho-164のアイソマーの半減期測定では過去のデータより3%短い結果が得られた。これらの結果は、レーザーコンプトン
線によって選択的に生成した不安体同位体の半減期測定法を有効であることを示す。
Yu, H.*; 矢野 優太*; Park, G.*; 沖本 洋一*; 島貫 周平*; 深田 幸正; 藤原 孝将*; 池田 直*
no journal, ,
新規な強誘電体材料として電子強誘電体が注目を集めている。その候補の一つが鉄酸化物RFeO
である。この系は、希土類の層(R-layer)とFeの二重層(W-layer)が交互に積層した構造をとり、W-layer内のFe
とFe
が対称中心のない電荷秩序構造をとることで強誘電性を示すと考えられる。前の発表で我々は、LuFe
O
の単結晶にDC電場を印加し、第二次高調波発生(SHG)から本系の分極反転を試みたが、ジュール熱が発生するため分極反転の再現性に問題があり、メカニズムの解析が困難であった。今回我々は、ジュール熱の発生を減少するため、LuFe
O
のバルク単結晶に対してSHGおよびX線の外部パルス電場依存性の測定を行った。LuFe
O
単結晶のab面において、a軸方向に発生するSHG信号強度の印加電場依存性を発見した。試料から発生するSHG強度は分極の二乗に比例するため、この結果は外部電場により分極が反転する様子を示していると考えられる。当日はX線回折による観測も発表する。
矢野 優太*; Yu, H.*; Park, G.*; 松田 里佳子*; 沖本 洋一*; 深田 幸正; 藤原 孝将*; 中尾 裕則*; 深谷 亮*; 藤井 達生*; et al.
no journal, ,
LuFeO
は、ルテチウム、鉄、酸素イオンが三角格子を組み、c
軸方向に積層した構造をとる。特に鉄と酸素の三角格子二重層をW-layerと呼び、この層には同数のFe
とFe
が存在する。500K以下で、W-layer内の2種類の鉄電荷は極性な電荷秩序を形成する。また235Kの磁気秩序相では、鉄スピンはc
軸方向を向く異方性がある。このように当物質では、鉄イオンの電荷とスピン双方が秩序を形成するため、磁性と極性な電荷秩序の相関効果が期待されている。また近年中性子回折では、磁気転移点より高温で、300K以下でも短距離磁気秩序を示す磁気散漫散乱が報告されている。つまり、磁気転移点以上でも磁性と誘電性が相関する電気磁気効果の発生の可能性がある。今回我々は、LuFe
O
の単結晶のc
軸方向に約2800G磁場を印加し、ブラッグ点( 0 0 30 )の回折信号の磁場変化を観察した。このとき、回折角度が磁場印加とともに増加した。これは磁場によりc
軸が縮んだことを示す。また磁場中の回折線の温度変化測定により、240Kから310K付近の格子変化と磁場の関係を調べた。
Yu, H.*; Park, G.*; 矢野 優太*; 池田 直*; 深田 幸正; 藤原 孝将*; Wang, X.*; 島貫 周平*; 沖本 洋一*
no journal, ,
電子強誘電体RFeO
は、希土類と酸素から構成される層(R-layer)と鉄と酸素から構成される二重層(W-layer)が交互に積層した構造をとり、W-layer内のFe
とFe
が対称中心を失った電荷秩序構造をとることで強誘電性を示す。この電荷秩序は、電荷とスピンのフラストレーションの効果で現れ、複雑な温度-電荷秩序相図および磁気特性が観測される。しかしながら、磁場および電場下での強誘電分極応答に関する研究はまだ行われていない。そこで本研究では強誘電分極の磁場もしくは電場下の挙動を第二次高調波発生(SHG)およびX線を用いて観測した。-2000Gから+2000Gまで磁場を連続的変化させると、SHG強度が減少した後に再び増大し、続けて逆方向に連続的変化させると、ヒステリシス的挙動を示した。この結果は外部磁場により分極が室温において反転する様子を示していると考えられる。この結果から分極-磁場履歴曲線(P-H曲線)を推定した。本系は室温で800Gの磁場で反転する強誘電分極を持つことを示唆する。
早川 岳人; 宮本 修治*; 林 由紀雄; 川瀬 啓悟*; 堀川 賢*; 千葉 敏; 中西 康介*; 橋本 尚信*; 太田 岳史*; 神門 正城; et al.
no journal, ,
SPring-8のニュースバル放射光施設では、最大17MeVの逆コンプトン線が利用可能である。このエネルギーは中性子離別エネルギーはもちろん、巨大共鳴のエネルギーより十分に高いため、原子核と反応し中性子数が1小さい同位体を生成する。この手法で、天然に存在する安定同位体より軽い不安体同位体の生成が可能である。Re-185からRe-184を生成し、そのベータ崩壊の半減期を83日間にわたり計測した。その結果、従来の推奨値より7%短い半減期を得た。これまでの推奨値は、アイソマーの影響があったが、本実験ではその寄与がないためである。
早川 岳人; 宮本 修治*; 林 由紀雄; 川瀬 啓悟*; 堀川 賢*; 千葉 敏; 中西 康介*; 橋本 尚信*; 太田 岳史*; 神門 正城; et al.
no journal, ,
ニュースバルでは最大エネルギー17MeVのレーザー逆コンプトン線が稼動している。この
線を原子核に照射すると、
線と原子核が光核反応を起こし、もとの原子核とは異なる同位体が生成される。この手法を用いて、Re-185から不安体同位体Re-184を生成した。このRe-184の基底状態のベータ崩壊を83日間計測した。その結果、約35.4日の半減期の値を得た。この値は従来の推奨値より7%短いとの結果を得た。これは、従来の推奨値が計測された段階では、約169日の半減期のアイソマーが発見されていなかったためである。
寺島 元基; 小荒井 一真; 横山 吉雄*; 島 長義*; 吽野 俊道*; 桑田 遥*; 松枝 誠; 青木 譲*; 渡辺 勇輔; 御園生 敏治; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所からの処理水放流後のヒラメ中のトリチウム濃度を評価し、実環境におけるヒラメへのトリチウム蓄積の実態を明らかにする必要がある。本研究では、処理水放流前後の福島沿岸のヒラメにおける2種類のトリチウム(組織自由水トリチウム(TFWT)および有機結合トリチウム(OBT))を分析し、ヒラメ周辺の海水中のトリチウムと比較することで、放水によるヒラメへのトリチウム蓄積の実態を明らかにした。