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山下 健仁; 牧 翔太; 横須賀 一裕; 福井 雅裕; 家村 圭輔
JAEA-Technology 2023-023, 97 Pages, 2024/03
プルトニウム廃棄物処理開発施設第2難燃物焼却室に設置されている第2難燃物焼却工程設備は、混合酸化物燃料製造等に伴い発生する放射性固体廃棄物のうち塩化ビニル(主にビニルバッグ)、RI用ゴム手袋等の難燃性廃棄物の減容処理技術開発を目的に2002年から焼却処理実証運転を行ってきた。しかし、難燃性廃棄物を処理する際に発生する塩化水素等による設備内部の腐食が進むとともに、焼却炉内壁の耐火物に亀裂の発生、進展が確認されたため、2018年から2022年に運転停止期間を設け、焼却炉等の更新を行った。本設備は廃棄物供給工程、焼却工程、廃ガス処理工程、灰取出工程により構成されており、このうち2020年3月から2021年3月にかけて廃ガス処理工程のスプレー塔の更新を、2021年1月から2022年2月にかけて焼却工程の焼却炉の更新を実施した。また、更新機器の腐食・劣化状況調査のため既設機器の撤去・解体作業中に焼却炉、スプレー塔から試料採取を行い、走査型電子顕微鏡/X線マイクロアナライザーによる観察とX線回折による分析を行った。本報告書ではスプレー塔・焼却炉の撤去・解体に係るグリーンハウスの設営方法、更新手順、更新対象機器の腐食・劣化状況の分析結果について報告する。
山下 健仁; 横山 文*; 高貝 慶隆*; 牧 翔太; 横須賀 一裕; 福井 雅裕; 家村 圭輔
JAEA-Technology 2022-020, 106 Pages, 2022/10
福島第一原子力発電所事故に伴い発生した放射性固体廃棄物は、津波や海水の放水によって塩分を多く含んでいる可能性があるとともに、今後の廃止措置に係る作業や放射性廃棄物を処理する際の閉じ込めにはポリ塩化ビニル(PVC)製品を使用することも想定される。固体廃棄物の処理方法のうち、廃棄物の減容・安定化の効果が優れている焼却法は、検討を進めるべき手法の一つではあるが、塩素成分を含む超ウラン元素(TRU)固体廃棄物の処理には、放射性核種及び塩素成分の廃ガス処理系への移行挙動や塩素成分による機器の腐食の程度等を把握した上で、設置する処理施設の構造、使用材料などを決めていく高度な技術が求められる。そこで、国内で唯一、塩素成分を含むTRU固体廃棄物を焼却可能な設備である、核燃料サイクル工学研究所プルトニウム廃棄物処理開発施設(PWTF)の第2難燃物焼却設備を用い、廃棄物中塩素成分の廃ガス処理系移行挙動試験、焼却設備の金属材料選定に資する腐食試験及び廃棄物中プルトニウムの廃ガス処理系への分布調査を実施することとし、処理設備の設計検討に必要な種々のデータを蓄積することとした。本報告書は第2難燃物焼却設備を用いたこれらの試験により得られた焼却設備廃ガス処理系への塩素成分の移行挙動、適した耐食材料選定のための金属材料の評価、プルトニウムの分布調査の結果をまとめたものである。
瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 深澤 智典*; 福井 国博*
粉体工学会誌, 57(9), p.485 - 494, 2020/09
使用済燃料の再処理工程において、硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液をマイクロ波加熱脱硝法により混合酸化物粉末に転換している。ラボスケールの基礎実験において研究開発された知見に基づき、工学規模への適用性の評価や金属硝酸塩水溶液の様々なマイクロ波加熱脱硝特性データを取得するため、硝酸セリウム,硝酸コバルト,硝酸銅水溶液を用いてマイクロ波加熱特性及び金属酸化物粉末特性の研究を行った。脱硝反応の進行速度は位置により差がみられ、周縁部の方が中心部に比べて脱硝反応が速く進行した。硝酸セリウム水溶液ではポーラスな硬い乾固体、硝酸コバルト水溶液では発泡乾固体、硝酸銅水溶液では粉末状生成物が得られることが分かった。生成物の脱硝率及び平均粒子径は、硝酸セリウム水溶液,硝酸コバルト水溶液,硝酸銅水溶液の順に大きくなることを確認した。数値シミュレーションにより、金属硝酸塩水溶液の底面周縁部はマイクロ波により加熱されやすく、脱硝反応が周縁部から開始する実験結果と一致することを明らかにした。
瀬川 智臣; 深澤 智典*; Huang, A.-N.*; 山田 美一; 鈴木 政浩; 福井 国博*
Chemical Engineering Science, 153, p.108 - 116, 2016/10
被引用回数:7 パーセンタイル:24.16(Engineering, Chemical)使用済み燃料の再処理工程において、マイクロ波加熱直接脱硝法による硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液から混合酸化物粉末(MOX原料粉末)への転換が行われている。金属硝酸塩水溶液の脱硝により生成される酸化物粉末の形態に対する加熱法の影響を明らかにするため、脱硝によりCu(NO)
・3H
O水溶液から生成された酸化銅粉末の形態に対する加熱法の影響について研究を行った。得られた粉末の中位径は加熱法に関らず、加熱速度が増加するにつれて減少することが明らかとなった。マイクロ波加熱法は顕著に粒子径が減少し、粒子の形状及び表面の不規則性が増大した。一方、マイクロ波と電気ヒータのハイブリッド加熱法では、最も表面が滑らかで球形の粒子が得られた。また、ハイブリッド加熱法では、マイクロ波加熱よりもシャープな粒子径分布を得られることが明らかとなった。数値シミュレーションにより、ハイブリッド加熱法では、より低いマイクロ波出力で全体を均一に加熱できることが明らかとなった。さらに、加熱法に起因する粉末の形態特性に対し、シミュレーションによるバルクの温度分布とマイクロ波照射により誘起されるCuO粒子で局所的に発生するホットスポットの相違に基づく考察を行った。
瀬川 智臣; 深澤 智典*; 山田 美一; 鈴木 政浩; 吉田 英人*; 福井 国博*
Proceedings of Asian Pacific Confederation of Chemical Engineering 2015 (APCChE 2015), 8 Pages, 2015/09
核燃料再処理において、マイクロ波加熱脱硝法により硝酸プルトニウム・硝酸ウラニル混合溶液を酸化物粉末に転換している。模擬試料として硝酸銅水溶液を用い、マイクロ波加熱法および赤外線加熱法による酸化銅の合成を行い、昇温速度が粒子形態や粒径に及ぼす影響を評価した。各加熱法により得られた粒子の粒子形態は類似しており、昇温速度の増加に従い粒径が減少する傾向を示した。また、マイクロ波加熱法により得られた粒子は赤外線加熱法に比べて粒径が小さく、粒度分布がブロードになる等の特徴を有することを確認した。マイクロ波照射時に試料に発生する温度分布と粒度分布との関係性について、数値シミュレーションによる検討を行った。
瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 有満 直樹*; 吉田 英人*; 福井 国博*
Advanced Powder Technology, 26(3), p.983 - 990, 2015/05
被引用回数:8 パーセンタイル:25.71(Engineering, Chemical)使用済み燃料の再処理工程において、マイクロ波加熱直接脱硝法による硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液から混合酸化物粉末(MOX原料粉末)への転換が行われている。マイクロ波加熱法に対する酸化物添加法と断熱材の効果を明らかにするため、マイクロ波加熱法による硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO)
・6H
O)の水溶液の脱硝について研究を行った。Ni(NO
)
・6H
O水溶液はマイクロ波吸収性が低く、マイクロ波照射により300
C以上に昇温することができず、脱硝生成物(NiO)の最終生成物をこれまで得ることができなかった。そのため、コンタミネーションを伴わない新たなNiOの合成法として、マイクロ波アクセプターとしてNiO粉末を添加する手法を開発した。さらに、反応容器周辺に断熱材を設置することにより試料温度の均一性が向上し、NiOへの脱硝率を大幅に改善することができた。数値シミュレーションにおいて断熱材を設置した場合の電界分布は顕著に変化し、温度分布の不均一性が低下することが明らかとなった。シミュレーションによる温度分布を基に算出したNiOへの脱硝率は、実験結果と概ね一致する傾向にあることを確認した。
福井 国博*; 井川 友介*; 有満 直樹*; 鈴木 政浩; 瀬川 智臣; 藤井 寛一*; 山本 徹也*; 吉田 英人*
Chemical Engineering Journal, 211-212, p.1 - 8, 2012/11
被引用回数:13 パーセンタイル:39.55(Engineering, Environmental)核燃料サイクルにおいて使用済み核燃料を硝酸で溶解し、マイクロ波加熱脱硝法により混合酸化物(MOX)原料粉末に転換している。マイクロ波加熱脱硝特性の異なる複数の硝酸金属溶液からの金属酸化物粉末の生成プロセスについて明らかにするために、硝酸ニッケル水溶液と硝酸銅水溶液を用いたマイクロ波加熱脱硝特性の研究及び数値シミュレーションによる温度分布の解析を行った。マイクロ波加熱脱硝法により、硝酸銅水溶液から酸化銅を容易に得ることができる一方、硝酸ニッケル水溶液は270C以上に加熱することができなかった。マイクロ波加熱による脱硝反応過程は、外部加熱によるものと同じ過程をとることが確認でき、マイクロ波加熱により脱硝を行う上では、中間生成物と酸化物のマイクロ波吸収性だけでなく、中間生成物から酸化物に転換する温度が重要であることが示された。また、シミュレーションにより、反応容器内において中心部で最高温度となる半径方向に不均一な温度分布を形成することが明らかとなり、中心部から酸化物の生成が進行すると考えられる。
岩元 大樹; 今村 稔*; 古場 裕介*; 福井 義則*; 若林 源一郎*; 魚住 祐介*; 金 政浩; 岩元 洋介; 芳原 新也*; 中野 正博*
Physical Review C, 82(3), p.034604_1 - 034604_8, 2010/09
被引用回数:13 パーセンタイル:62.19(Physics, Nuclear)300MeV及び392MeV陽子入射反応におけるO, V, Tb, Ta, Au, Pb及びBiに対する陽子生成二重微分断面積を測定した。放出陽子のエネルギーを-
測定法によって積層型シンチレーション検出器を用いて測定した。測定結果を核内カスケードモデル及び量子分子動力学モデルと比較し、両モデルとも二重微分断面積スペクトルをよく再現するが、最前方及び後方で相違が生じることを示した。この相違は核ポテンシャルによる屈折によって説明できることを明らかにした。この知見に基づき、Kalbachの系統式と核内カスケードモデルの1ステップ計算を組合せることによって、角度分布を再現することに成功した。さらに、実験に基づく考察から、核内カスケードモデルの1ステップ計算における準弾性散乱の寄与は、標的核が軽くなるほど、また放出エネルギーが増加するほど大きくなることを示した。
柴田 祐一; 植田 晴雄; 佐藤 俊一; 福井 雅裕; 五来 弘康*; 田村 哲郎*
デコミッショニング技報, (29), p.2 - 12, 2004/03
プルトニウム廃棄物処理開発施設は,MOX燃料製造施設等から発生するプルトニウム系放射性固体廃棄物を焼却・溶融等による実証試験を通し,減容・安定化処理を行なうことを目的に1987年11月から実廃棄物を用いた処理運転を開始し、16年にわたり処理実績を積み上げてきた。プルトニウム廃棄物処理開発施設は,多種のプルトニウム系放射性固体廃棄物に対応できる処理設備を一建家内に有機的に配置した国内唯一の施設であることから,今後も減容・安定化処理を継続するとともに他方面の協力を得ながら,処理設備としての技術の確立及び処理プロセスの高度化に向けた技術開発を行う計画である。
牧 翔太; 横須賀 一裕; 福井 雅裕; 家村 圭輔; 大澤 隆康
no journal, ,
原子力機構では、難燃性廃棄物焼却設備においてプルトニウム燃料施設から発生する塩化ビニルやネオプレン製グローブ等の塩素を含有する放射性の難燃性廃棄物を焼却処理により減容・安定化するため、水冷ジャケット式の焼却設備を設計・製作し、実廃棄物を用いたホット試験を実施してきた。試験を通じて顕在化した課題については、以下の取り組みを行った。(1)設備運転条件(管理値)の最適化、(2)排ガス冷却部において発生した堆積物による配管閉塞事象の原因解明と堆積物除去方法の確立、(3)塩化亜鉛等潮解性物質析出時におけるセラミックフィルタの長寿命化、(4)フッ素化合物焼却時の高濃度フッ素廃液の処理。以上、難燃性廃棄物の焼却による廃ガス処理系統に及ぼす影響については、課題を着実に克服していくことにより、ドラム缶換算5千本の処理に至ることができた。今後は更なる処理に向けて、設備全体の経年劣化評価と対策を行う。
横須賀 一裕; 牧 翔太; 福井 雅裕; 柴田 祐一; 家村 圭輔; 大澤 隆康
no journal, ,
原子力機構では、難燃性廃棄物焼却設備においてプルトニウム燃料施設から発生する塩化ビニルやネオプレン製グローブ等の塩素を含有する放射性の難燃性廃棄物を焼却処理により減容・安定化するため、水冷ジャケット式の焼却設備を導入し、コールド・ホット試験を実施してきた。試験運転に伴い、配管等の内部に表面処理された耐食材料であるセラミックコーティングの損傷や耐火物の損傷が確認された。そのため、試験運転の結果を基にセラミックコーティングの使用箇所の見直しや耐火物の更新を実施することにより、設備が継続的に使用可能な状態にあることを確認できた。今後も配管、機器及び耐火物の寿命評価を行い、設備の長期的な運転に向けてこれらの更新方法を確立する。
福井 雅裕; 横須賀 一裕; 牧 翔太; 柴田 祐一; 鴫原 裕太; 大内 隆寛; 箕内 洋之; 家村 圭輔
no journal, ,
原子力機構では、難燃性廃棄物焼却設備においてプルトニウム燃料施設から発生する塩化ビニルやネオプレン製グローブ等の塩素を含有する放射性の難燃性廃棄物を焼却処理により減容・安定化するため、水冷ジャケット式の焼却設備を設計・製作し、実廃棄物を用いたホット試験を実施してきた。試験を通じて顕在化した課題については、以下の取り組みを行った。(1)設備運転条件(管理値)の最適化、(2)排ガス冷却部において発生した堆積物による配管閉塞事象の原因解明と堆積物除去方法の確立、(3)塩化亜鉛等潮解性物質析出時におけるセラミックフィルタの長寿命化。以上、難燃性廃棄物の焼却による廃ガス処理系統に及ぼす影響については、課題を着実に克服していくことにより、ドラム缶換算5700本の処理に至ることができた。今後は更なる処理に向けて、設備全体の経年劣化評価と対策を行う。
高野 公秀; 山岸 功; 赤堀 光雄; 湊 和生; 福井 寿樹*; 吉岡 正弘*
no journal, ,
六ヶ所再処理工場で発生した不溶解残渣の性状を評価するために、示差熱重量分析,X線回折測定,SEM/EPMA分析を行い、空気中での高温酸化挙動を調べた。分析試料として未洗浄残渣と、これをシュウ酸で洗浄しモリブデン酸ジルコニウムを除去した洗浄残渣を用いた。洗浄残渣の主成分は六方晶の白金族合金(Mo-Tc-Ru-Rh-Pd)で、少量のZrOを含有することを確認した。空気流中、室温から1220
Cの範囲で示差熱重量分析を行った結果、300から800
Cの範囲でMoとRuが順次酸化し始めること、800から900
Cの範囲でMoO
の大部分が蒸発すること、さらに900
C以上でRuO
の蒸発が進行することを明らかにした。加熱後試料はRuO
を主成分とし、Pd-Rh合金、PdO, ZrO
からなる混合物であった。SEM/EPMA分析により、加熱前の不溶解残渣は数十nmから数百nmの微粒子であったが、空気中酸化により、数
mまで成長した棒状のRuO
結晶と、サブミクロンのPd-Rh合金粒子集合体を形成することがわかった。
高野 公秀; 山岸 功; 赤堀 光雄; 湊 和生; 吉岡 正弘*; 越智 英治*; 福井 寿樹*; 駒嶺 哲*
no journal, ,
不溶解残渣の空気中高温酸化挙動を示差熱重量分析により明らかにするとともに、模擬不溶解残渣合金との酸化挙動の相違を、粒径やTcの有無等の観点から比較検討した。六ヶ所再処理工場で採取した実残渣と、模擬合金の空気中1220Cまでの示差熱重量曲線を比較した結果、Moと特にRuの酸化開始温度は実残渣の方が低いこと、そのためにRuO
の蒸発がより低温域から進行し残存率は実残渣の方が低くなることがわかった。模擬残渣の平均径15
mに対し、実残渣では数十nmから数百nmと微細であるために、反応速度が大きく異なるためと考えられる。加熱後の生成物は、模擬合金,実残渣ともにRuO
が主要な相で、他にPd-Rh合金,降温時に生成したPdOであり、さらに実残渣には元から含有していたZrO
が確認されたが、MoとTcを含有した相は確認されず、昇温過程で酸化物として大部分は蒸発したと考えられる。
小田倉 誠美; 市毛 良明; 黒羽 光彦; 山岸 功; 石原 美穂; 福井 寿樹*; 吉岡 正弘*
no journal, ,
日本原燃六ヶ所再処理工場の不溶解残渣からモリブデン酸ジルコニウムをシュウ酸含有硝酸液により除去し、白金族合金を分離回収した。白金族合金の組成をX線回折測定で確認するとともに洗浄液のICP発光分析によりモリブデン酸ジルコニウムが分離除去できたことを確認した。
瀬川 智臣; 鈴木 政浩; 藤井 寛一; 井川 裕介*; 有満 直樹*; 山本 徹也*; 福井 国博*; 吉田 英人*
no journal, ,
マイクロ波加熱法による硝酸ニッケル水溶液を用いた脱硝反応プロセスにかかわる研究を実施した。硝酸ニッケル水溶液の中間生成物のマイクロ波吸収性が低いことから、マイクロ波加熱法により硝酸ニッケル水溶液から酸化ニッケルを得ることはできない。本研究では、マイクロ波吸収体として6.0gの酸化ニッケルを加えたマイクロ波加熱により、硝酸ニッケル水溶液を酸化ニッケルに転換することができることを示した。酸化ニッケル粉末は脱硝反応を促進し、酸化ニッケル粉末の量が増加すると必要な反応時間は減少した。さらには、溶液内の温度分布を均一化するために、容器周囲に断熱材を設置した。容器の中心部が同じ温度の場合では、硝酸ニッケル水溶液から酸化ニッケルへの脱硝効率が向上することがわかった。
吉岡 正弘*; 福井 寿樹*; 三浦 信之; 塚田 毅志*
no journal, ,
経済産業省がIHI, 日本原燃, 日本原子力研究開発機構、及び電力中央研究所に委託した次世代再処理ガラス固化技術基盤研究事業は、低レベル廃棄物及び高レベル廃液(HLLW)の先進的ガラス固化技術を開発するために2014年に始まった。本事業において、高充填マトリックス、ガラスセラミックスを含む現行ホウケイ酸ガラスの代替マトリックス、マイナーアクチニド吸着ガラス等の開発が前述の機関に委託されている。
横須賀 一裕; 牧 翔太; 福井 雅裕; 家村 圭輔; 大澤 隆康
no journal, ,
原子力機構では、難燃性廃棄物焼却設備においてプルトニウム燃料施設から発生する塩化ビニルやハイパロン製グローブ等の塩素成分を含有する放射性の難燃性廃棄物を焼却処理により減容・安定化するため、水冷ジャケット式の焼却設備を導入し、実証試験を実施してきた。試験に伴い、耐食材料(ハステロイC-22)を使用した本設備が継続的に使用可能な状態にあることを確認できた。一方ハステロイC-22はステンレス鋼と比較すると高価であり、経済性の高い設備を構築するためには、安価な材料の使用の可否を見極める必要がある。そのため、本設備における実証試験を通じて他金属材料(ステンレス鋼)の腐食試験を実施し、今後の設備更新、及び後継設備へ反映するための材料の選定に関する検討を行った。
澤田 翔; 牧 翔太; 横須賀 一裕; 福井 雅裕; 家村 圭輔; 大澤 隆康
no journal, ,
難燃性廃棄物焼却設備ではプルトニウム燃料施設において発生する塩化ビニルやネオプレン製グローブ等の塩素を含有する放射性の難燃性廃棄物を焼却処理により減容・安定化する技術を開発するため、実廃棄物を用いたホット試験を実施してきた。試験は、廃棄物を焼却することにより進展する耐火物の経年劣化に対して効果的な対策を講じつつ実施し、その結果、17年間に亘って運転を継続することができた。今後はさらなる設備の長期使用のために、冷却塔及び焼却炉の更新を行っていく予定である。
瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 深澤 智典*; 福井 国博*
no journal, ,
使用済み燃料の再処理工程において、硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液をマイクロ波加熱法により混合酸化物粉末に転換している。ラボスケールの基礎実験で得られた知見を基にマクロスケールへの適用性を評価することを目的とし、硝酸セリウム, 硝酸銅および硝酸コバルト水溶液を用いてマイクロ波加熱特性並びに金属酸化物の粉末性状の評価を行った。各溶液のマイクロ波加熱において、位置によって脱硝反応の進行速度に差がみられ、周縁部の方が中心部に比べて脱硝反応が速く進行した。脱硝による発泡は、硝酸銅水溶液では起こらず、硝酸コバルト水溶液および硝酸セリウム水溶液で発生することを確認した。また、生成物の性状は、硝酸銅水溶液では粉末状、硝酸コバルト水溶液では粉末状の乾固体、硝酸セリウム水溶液ではポーラスな硬い乾固体が得られることを確認した。さらに、生成物の脱硝率および平均粒子径は、硝酸セリウム水溶液, 硝酸コバルト水溶液, 硝酸銅水溶液の順に高くなり、周縁部では脱硝率、中心部では平均粒子径が高くなる傾向にあることが明らかになった。