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佐藤 勇; 田中 康介; 小山 真一; 松島 健一*; 松永 純治*; 平井 睦*; 遠藤 寛*; 羽賀 一男*
Energy Procedia, 82, p.86 - 91, 2015/07
被引用回数:2 パーセンタイル:74.39(Nuclear Science & Technology)高速炉シビアアクシデントの加熱条件を模擬した実験が照射燃料を用いて、これまでに行われている。本研究では、照射燃料に含まれている核分裂生成物(FP)の化学形を熱化学的平衡計算で評価した。温度2773Kと2993Kでは、Cs, I, Te, Sb, Pd及びAgのほとんどは気体状の成分でである。CsとSbは温度勾配管(TGT)で検出されているが、その化学形としては元素状Cs, CsI, CsMoO
, CsO及び元素状Sb, SbO, SbTeと推測される。実験結果と計算結果を比較すると、CsIは熱化学的に振る舞い、TGTで捕捉されるが、一方で、元素状Csは微粒子状で移動する傾向にある。気相のFPの移動挙動は、熱化学的のみならず、粒子動力学にも従うものと考えられる。
芹澤 弘幸; 松永 純治*; 芳賀 芳範; 中島 邦久; 赤堀 光雄; 都留 智仁; 加治 芳行; 樫部 信司*; 大石 佑治*; 山中 伸介*
Crystal Growth & Design, 13(7), p.2815 - 2823, 2013/07
被引用回数:3 パーセンタイル:63.88(Chemistry, Multidisciplinary)負結晶の形状は、結晶成長の基本形状とも関連しているため、その形成及び成長メカニズムは物理学的に興味ある研究対象である。また一方で、塊状単結晶中に発生したネガティブクリスタルは、そのミステリアスな外観と希少性から宝石として珍重されている。しかしながら、その形状を任意にコントロールすることはできない。本論文で、最近発見したネガティブクリスタルの成長過程について報告する。われわれはUO中に析出したヘリウムが負結晶を形成する媒体になることを発見した。本論文では、形状コントロールが可能なネガティブクリスタルをイメージクリスタルの命名し、その変形メカニズムについて論ずる。研究成果は、ヘリウムの析出条件をコントロールすることによって、任意の形状の負結晶を形成せしめる可能性を示唆している。
芹澤 弘幸; 松永 純治*; 芳賀 芳範; 中島 邦久; 樫部 信司*; 岩井 孝
JAEA-Research 2011-025, 32 Pages, 2011/11
単結晶及び多結晶UO試料中に固溶しているヘリウムの析出に伴う組織変化を、FIB, FE-STEM及びFE-TEMを用いて調べた。ヘリウム放出後のマトリックスの微細組織は、放出温度によって変化することがわかった。1300
Cで放出試験を実施した試料では、結晶粒内に体欠陥は見られるものの、結晶粒界は閉じていた。これに対して1700
Cで放出試験を実施した試料では、結晶粒界にガスバブルが形成されており、一部の粒界は開いていることが確認された。これは、照射済み燃料の照射後加熱試験で観察されるFPガスの放出挙動と酷似している。結晶粒内に形成された体欠陥は、壁面がUO
の格子面で囲まれた負結晶であり、その構造は、温度履歴とその試料が多結晶であるか単結晶であるかによって異なることがわかった。本研究では、負結晶を構成している格子面の指数を特定して、内圧と構造との関係について定性的に議論した。
神谷 富裕; 高野 勝昌; 石井 保行; 佐藤 隆博; 及川 将一*; 大久保 猛; 芳賀 潤二*; 西川 宏之*; 古田 祐介*; 打矢 直之*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 267(12-13), p.2317 - 2320, 2009/06
被引用回数:6 パーセンタイル:53.63(Instruments & Instrumentation)In TIARA facility of Japan Atomic Energy Agency (JAEA) Takasaki, three-dimensional micro/nano structures with high aspect ratio based on cross linking process in negative resist such as SU-8 have been produced by a technique of mask less ion beam lithography. By bombarding high-energy heavy ions such as 450 MeV Xe to SU-8, a nanowire could be produced just with a single ion hitting. Then we tried to produce nanowires, of which both ends were fixed in the three-dimensional structure. This paper shows a preliminary experiment using a combination of 15 MeV Ni
ion microbeam patterning and the 450 MeV
Xe
hitting on SU-8.
神谷 富裕; 西川 宏之*; 佐藤 隆博; 芳賀 潤二; 及川 将一*; 石井 保行; 大久保 猛; 打矢 直之; 古田 祐介*
Applied Radiation and Isotopes, 67(3), p.488 - 491, 2009/03
被引用回数:4 パーセンタイル:65.85(Chemistry, Inorganic & Nuclear)原子力機構高崎量子応用研究所のイオン加速器施設(TIARA)のマイクロビームにおいて、芝浦工業大学との共同研究で、マスクレスイオンビームリソグラフィ技術の開発が進められている。マイクロビームサイズ評価とレンズ系の最適化、又は空間分解能として最小100nmのレベルの高空間分解能の測定手段を確立するために、開発している加工技術自身と電鋳技術との組合せにより二次電子マッピングに使用する標準試料としてNiレリーフパターンを作成した。本発表ではこの標準試料を用いて、100nmレベルの最小のビームサイズを測定することができたことを述べるとともに、その試料中をイオンが透過する際の散乱効果が測定結果に与える影響をモンテカルロシミュレーションコードを使用して評価した結果について報告する。
酒井 卓郎; 佐藤 隆博; 石井 保行; 及川 将一*; 島田 博文*; 芳賀 潤二*
第18回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.73 - 76, 2005/10
TIARAのマイクロビームシステムにおいては、ビームの走査制御は、PCベースのシステムで行っているが、その機能としては、Qレンズのビーム集束パラメーター調整用の二次電子画像のリアルタイム表示と、PIXE分析などに用いる均一走査照射などの単純な照射制御しか行っていなかった。今回、ビーム走査制御用PCに、新たにビーム描画機能の付加を行ったので報告する。近年、微細加工の新たな手法として、数MeV程度のイオンマイクロビームを用いた加工技術が、シンガポール国立大学等のグループによって開発され、高アスペクト比の加工が可能な方法として、注目を集めている。しかしながら従来まで、国内においては研究開発がほとんど行われておらず、新たに今年度より、芝浦工業大学のグループと共同で研究を開始した。今回予備的に行った実験では、PCにあらかじめセットしたライン&スペースのパターンに対応するビーム走査信号をデジタル-アナログ変換器(DAC)から設定した時間間隔で出力、1.7MeV水素イオンマイクロビームを試料上に描画照射することにより、レジスト材であるPMMA膜上にパターンを転写できることを確認した。
打矢 直之*; 原田 卓弥*; 西川 宏之*; 芳賀 潤二; 酒井 卓郎; 佐藤 隆博; 石井 保行; 神谷 富裕
no journal, ,
次世代半導体素子開発にはレジスト材を用いた露光技術の高度化が必須となっており、これを可能とするにはレジスト材のマイクロメートル以下の分解能で、高アスペクト比の微細加工が必要となっている。MeVエネルギー領域のH集束ビームを用いたProton Beam Writting(PBW)技術はこの微細加工を可能とする有力な技術の一つであり、現在原子力機構では芝浦工業大学との共同でPBW技術の開発を進めている。これまでの実験からポジ型(PMMA),ネガ型(SU-8)レジスト材への1.7MeV,H
ビームの照射を行い、これらの材料の微細加工の適応性について検討を行ってきた。本報告ではビーム走査によりPMMA及びSU-8に任意形状の照射パターンを形成できること,H
照射による物質中でのビームの散乱が小さいことを確認し、特に、SU-8ではアスペクト比約12の凸構造を確認できたので発表を行う。
打矢 直之*; 原田 卓弥*; 村井 将人*; 西川 宏之*; 芳賀 潤二; 佐藤 隆博; 及川 将一*; 酒井 卓郎; 石井 保行; 福田 光宏*; et al.
no journal, ,
レジスト材料の露光には一般にX線,EUV,電子線等の描画媒体が用いられているが、これらの描画媒体は物質中での原子及び電子との散乱のため、物質深部での加工性が極めて悪い。一方、MeV領域集束プロトンビームは、従来の媒体に比べて物質中での横方向への散乱が少なく、直進性が良いため、従来の媒体では製作が困難であった十を超える加工厚に適しており、高アスペクト比を有する3D構造体の形成が可能である。本研究ではポジ型レジスト(PMMA)及びネガ型レジスト(SU-8)へのMeV領域プロトンビーム照射により描画実験を行い、有機溶剤によるエッチング、すなわち現像を行うことで3D構造体を作製した。さらに、この構造の形状観察を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて行い、加工精度に関する評価を行った。この評価により高アスペクト比を有する3D構造体の製作に成功していることが確認できたので、結果をシンポジウムで報告する。
古田 祐介*; 打矢 直之*; 西川 宏之*; 芳賀 潤二; 及川 将一*; 佐藤 隆博; 石井 保行; 神谷 富裕
no journal, ,
有機物への自由度の高い微細加工を可能とするため、マイクロからサブマイクロメートル径の高エネルギー集束プロトンビームを用いた直接描画(PBW)技術の研究開発を進めている。この高エネルギー集束プロトンビームは従来技術の電子線に比べ横方向の散乱が少なく、物質中での飛程をビームエネルギーにより制御できるため、高アスペクト比の3D有機物構造体の製作に適している。この3次元有機物構造体製作における深さ制御技術の開発のため、ネガ型レジスト(SU-8)への高エネルギープロトンマイクロビーム照射を、レンジシフターによる飛程制御及びビームエネルギー可変による飛程制御を行った後、現像し、2種類の3次元有機物構造体を作製した。これらの構造体における深さの制御性は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により行い、二つとも設計した3D図形をマイクロメートル級の精度で有機物に忠実に転写できることがわかった。今回の講演ではこれらの3次元有機物構造体の製作とSEM像観察に基づく深さ制御の評価について発表するとともに、今回使用した材料以外でのPBW技術使用による3次元構造体の製作の可能性についても言及する。
石井 保行; 大久保 猛; 芳賀 潤二; 小林 明*; 足立 成人*
no journal, ,
従来のMeV領域高エネルギー集束イオンビーム形成技術では、各々独立した加速器と集束イオンビーム装置を使用するため、全体で数10mにも及ぶため巨大装置となり、これが種々な分野での装置の普及の足枷となっている。本研究では高縮小率を有する加速レンズを用いた実験室設置可能サイズのMeV級小型集束イオンビーム形成装置の開発と、2MeV級,100nm径で、10pAのビーム形成を目標としている。現在集束レンズ系の設計を進めており、この中で加速管を加速レンズ系の一部とするため、加速管の焦点距離等のレンズパラメータと色及び球面収差の計算を行った。この結果、加速管を加速レンズとして用いる際には、ビームの加速管外への結像条件として縮小率の上限値が決まり、また、焦点で球面色収差を抑えるため、ビームエネルギー幅及び発散角の上限値が各々決まることがわかった。この結果をもとに、二段加速レンズ系と加速管とを組合せた、加速器・集束レンズ系一体型の加速レンズ系を設計した。発表ではこの設計の詳細に関して説明するとともに、今後の課題に関しても言及する。
打矢 直之; 古田 祐介*; 西川 宏之*; 芳賀 潤二; 佐藤 隆博; 及川 将一*; 大久保 猛; 石井 保行; 神谷 富裕; 山本 春也
no journal, ,
集束プロトンビーム描画(Proton Beam Writing: PBW)とはマイクロ・ナノサイズの微細加工のための直接描画技術である。PBWは任意の照射パターンをマスクレスで描画することが可能である。また、数MeVまで加速したプロトンは電子線に比べはるかに高い直進性を有する。さらに、加速電圧により加工深さを数十mオーダで制御可能である。以上のような優れた特徴から、PBWは高アスペクト比加工・厚膜加工及び三次元加工に有望であると考えられる。前回の報告でPBWによりPMMAやSU-8などのレジストに対し加工を行い、平滑性と垂直性に優れた加工が可能であることを確認した。本研究ではネガ型レジストであるSU-8に対し、ビームエネルギーを変えてプロトンの飛程を制御した照射をすることにより三次元構造体を製作し、その構造を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察・評価した。本発表では、三次元構造体の製作方法の詳細及び観察・評価結果を報告する。
佐藤 隆博; 及川 将一*; 芳賀 潤二
no journal, ,
原子力機構高崎量子応用研究所で開発された大気マイクロPIXE分析システムは、大気中で1mの空間分解能で数ppm以下の微量元素の二次元分布画像の測定が可能であり、医学・生物学をはじめとするさまざまな分野において利用されている。その一方、現状のシステムでは細胞内元素の二次元分布しか得ることができず、厚みがある組織切片の分析などの場合は必ずしも効果的ではないため、
mの空間分解能を持つ三次元分析手法の開発が必要とされている。既に三次元分析を実用化しているX線CTなどでは、二次元の投影像をさまざまな角度から測定し、画像再構成によって、測定対象の三次元構造を取得しているので、われわれはこの手法をマイクロPIXEに応用し、微小試料内微量元素の三次元分布を測定することを試み、貴金属捕集材として使用されたポリエチレン繊維中のバナジウム三次元元素分布の測定に成功した。
石井 保行; 大久保 猛; 芳賀 潤二; 小林 明*; 足立 成人*
no journal, ,
MeV級集束イオンビーム形成には、現在、加速器から集束イオンビーム形成装置まで、全体で数10mにも及ぶ巨大な装置を必要としている。これがMeV級集束イオン形成装置のさまざまな分野への普及を阻害する一因となっており、小型形成装置の開発が切望されている。本研究では、原子力機構で開発してきた加速・集束一体型のkeV級の加速レンズ系と神戸製鋼所で開発した1MeVの小型加速器とを融合させ、加速器と集束レンズ系が一体化したコンパクトな形成装置の開発を目的としている。これまでにコンパクトなMeV級高縮小率レンズ系としてkeV用の加速レンズ系の後段にMeV用の加速管を直列に配置した加速レンズ系の設計を行った。この設計ではレンズパラメータと色・球面収差係数の値を必要とする。これらの値に対して加速レンズ系にはこれまでに原子力機構で研究したデータを、加速管には今回、電極間の電場と荷電粒子軌道の計算により算出した値を使用した。この設計を進める中で、ビームを加速管外に結像させるため、加速管での縮小率に上限があることがわかった。さらに、加速管での収差を低減するため、加速管への小発散角のビームの入射と、加速管での高い電圧安定度が必要であることもわかった。
辻 敏之*; 小林 明*; 吉田 栄治*; 一原 主税*; 足立 成人*; 石井 保行; 芳賀 潤二
no journal, ,
タンデム加速器にMeV領域イオンビーム形成装置を接続してプロトンナノビームを形成するには、物点に設置した開口がマイクロメートル級のスリットと荷電変換部におけるビーム損失が大きいため、集束点でのビーム電流が極めて少ない。このため10pA以上のビーム電流を必要とする微細加工や局所元素分析等に本イオンナノビームを用いるには、輝度の高い水素負イオンビームを生成するイオン源の使用によりビーム減少を緩和することが不可欠である。マルチカスプイオン源で生成される水素負イオンは数eVのイオン温度と、大きな体積のプラズマ生成室を有するため、高輝度イオンビームの成生が期待できる。本研究では、16極のカスプ磁場,大気中で交換可能なフィルター磁石、及びアルカリ金属が不要である特徴を有するマルチカスプイオン源を試作して特性試験を行っている。これまで高輝度化の第1段階として負イオン電流を増大させる条件を探索し、適切なイオン源内真空度とアーク電流及び電圧等を見いだした。発表ではイオン源の概要を紹介するとともに、得られた条件をもとに高輝度化への問題点を議論する。
清水 泰生*; 土橋 邦生*; 草壁 孝彦*; 長嶺 竹明*; 及川 将一*; 佐藤 隆博; 芳賀 潤二*; 大久保 猛; 石井 保行; 神谷 富裕; et al.
no journal, ,
大気マイクロPIXEにより、アスベストや金属吸入によって引き起こされた肺癌や肺線維症の組織中のアスベストやさまざまな吸引金属の分布と種類を調べた。その結果、Si, Mg, Feを主体としたアスベスト小体の肺組織中の2次元分布の測定に成功し、細胞浸潤とその炎症部位を肺細胞組織中で2次元的に明らかにすることができた。また、アスベスト肺と診断された患者の中にはアスベスト以外にTi, Niなどを吸入していることを明らかにした。
松永 純治*; 樫部 信司*; 芹澤 弘幸; 中島 邦久; 岩井 孝; 芳賀 芳範; 大石 佑治*; 山中 伸介*
no journal, ,
MOX燃料におけるHe挙動についての知見を得ることを目的として、気相法により作製した単結晶UOを用い、HIP装置により91MPa-He雰囲気下、1200
C
100hでHeを圧入した。He圧入前後の試料の微細組織をFE-SEM, FIB, FE-STEM等を用いて観察した。ネガティブクリスタル形状のモデリングを行った結果、定性的にではあるが、He内圧と壁面の表面エネルギーのバランスがネガティブクリスタルの形状を支配していることが判明した。
松永 純治*; 樫部 信司*; 芹澤 弘幸; 中島 邦久; 岩井 孝; 芳賀 芳範; 大石 佑治*; 山中 伸介*
no journal, ,
長期間保管したMOX燃料中に発生したヘリウムは、被覆管内圧上昇の原因となるとともに燃料ペレット内にガスバブルを形成する原因となるため、運転中の燃料の健全性を議論するうえで、その挙動が重要な位置を占める。本研究では、化学量論的組成のUO及び超化学量論的組成の単結晶UO
を用いて、高温高圧下でのヘリウム溶解試験を実施した。その結果、試料の酸化状態が、試料中のネガティブクリスタル形成に関係する可能性が高いことがわかった。
松永 純治*; 樫部 信司*; 芹澤 弘幸; 中島 邦久; 岩井 孝; 芳賀 芳範; 大石 佑治*; 山中 伸介*
no journal, ,
単結晶UOへのヘリウム圧入・加熱処理で形成されたネガティブクリスタルについて、FE-SEMによる詳細観察及び画像解析によるファセットの面積測定を行った。本試験で観察したネガティブクリスタルは、報告されている平衡形からは大きくずれていることがわかった。表面自由エネルギーが大きい
面の面積が増加していることから、本試験で得られたネガティブクリスタルの表面自由エネルギーは、平衡形のそれと比較して高い状態にあることが確認された。この結果は、本試験で得られたネガティブクリスタルの内圧が高かったことを意味しており、したがって、ネガティブクリスタルの形状が、析出したヘリウムと関係していると考えられる。
芹澤 弘幸; 大石 佑治*; 芳賀 芳範; 山中 伸介*; 都留 智仁; 加治 芳行; 松永 純治*; 樫部 信司*
no journal, ,
これまでに実施した一連の研究により、HIPを用いてUO中に溶解させたヘリウムが析出すると、ポーラスな試料ができることが判明した。SEM観察の結果、対称性の良い多面体状のネガティブクリスタルが形成されていることを発見した。ネガティブクリスタルの形状は、ヘリウムを析出させるときの温度条件によって変化する。これまでに切頂八面体,38面体,50面体の3種類のネガティブクリスタルの存在を確認した。ヘリウムの析出条件を変化させると、試料中のヘリウムの活量が変化する。したがってわれわれの試験結果は、ネガティブクリスタルの形状が、内包されているヘリウムの内圧に依存して変化することを示唆している。このような性質を使って形状をコントロールすることができるネガティブクリスタルを、われわれはイメージクリスタルと呼ぶ。
芹澤 弘幸; 大石 佑治*; 芳賀 芳範; 山中 伸介*; 都留 智仁; 加治 芳行; 松永 純治*; 樫部 信司*
no journal, ,
崩壊により生成したヘリウムは、昇温過程においてペレットから放出され、燃料棒の内圧上昇を引き起こす原因となるため、その挙動に関する研究は、軽水炉用MOX燃料に関心を寄せるヨーロッパの国々において積極的に進められている。我が国では原子力機構が、MA-MOX燃料健全性評価の観点からヘリウム挙動を解明すべく、文部科学省原子力システム開発事業の受託研究を、平成21年3月まで三年間にわたって実施した。この受託研究では、単結晶及び多結晶のUO
、
PuuO
を用いたヘリウムの拡散係数の測定及び常陽照射済み燃料からのガス放出試験結果に基づく燃料振る舞いコードのヘリウム放出サブルーチンの作成等の当初予定していた成果を取得する一方で、溶解したヘリウムを放出させた後の試料に、多数のネガティブクリスタルが形成されること、またその形状が温度履歴により異なることを明らかにした。われわれは、このように形状をコントロールできるネガティブクリスタルをイメージクリスタルと名付け、さらに詳細な研究を進めている。本報告は、その成長・変形過程について、SEM観察等によりこれまでに得られた知見及び考察である。
佐藤 勇; 田中 康介; 小山 真一; 松島 健一*; 松永 純治*; 平井 睦*; 遠藤 寛*; 羽賀 一男*
no journal, ,
照射済燃料中の核分裂生成物・燃料元素に対する加熱試験条件を模擬し、熱力学平衡計算コードを用いて気相化学形及び付着化学形の推定を行い、過熱時の燃料からの核分裂生成物の放出挙動を検討した。