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小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 27, 4 Pages, 2022/06
我々の研究グループでは、風況デジタルツインの実現に向けて、風況解析コードCityLBMを開発している。CityLBMは、計算領域周辺の境界条件をメソスケール気象データに同化させるナッジング法を導入することで、現実の風況を反映した解析が可能である。しかしながら、従来のナッジング法では、ナッジング係数が一定のため、大気状態が変化するような長時間解析の乱流強度を再現できない問題点が挙げられる。そこで、本研究では、パーティクルフィルタを用いた動的なナッジング・パラメータの最適化手法を提案する。CityLBMの検証として、米国オクラホマシティの風況実験に対する解析を実施した。シミュレーションと観測のそれぞれで得られる乱流強度の誤差を低減するようにナッジング係数を更新した結果、シミュレーションにおいて終日の大気境界層を再現できることを確認した。
長谷川 雄太; 青木 尊之*; 小林 宏充*; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸
Parallel Computing, 108, p.102851_1 - 102851_12, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Computer Science, Theory & Methods)GPUスーパコンピュータに対して格子ボルツマン法(LBM: lattice Botltzmann method)およびforest-of-octreesに基づくブロック構造型の局所細分化格子(LMR: local mesh refinement)を用いた空力解析コードを実装し、その性能を評価した。性能評価の結果、従来の空間充填曲線(SFC; space-filling curve)に基づく領域分割アルゴリズムでは、本空力解析において袖領域通信のコストが過大となることがわかった。領域分割の改善手法として本稿では挿し木法を提案し、領域分割の局所性とトポロジーを改善し、従来のSFCに基づく手法に比べて通信コストを1/31/4に削減した。強スケーリング測定では、最大で1.82倍の高速化を示し、128GPUで2207MLUPS(mega-lattice update per second)の性能を達成した。弱スケーリング測定では、8
128GPUで93.4%の並列化効率を示し、最大規模の128GPU計算では44.73億格子点を用いて9620MLUPSの性能を達成した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 中山 浩成; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
Boundary-Layer Meteorology, 179(2), p.187 - 208, 2021/05
被引用回数:8 パーセンタイル:77.06(Meteorology & Atmospheric Sciences)汚染物質の拡散解析手法CityLBMは、GPUスーパーコンピュータ上において、適合細分化格子(AMR)法を適用する事で、数kmの解析領域の実時間解析が可能である。本論文では、CityLBMの検証としてオクラホマ市で実施された野外拡散実験(JU2003)に対する解析を実施した。計算条件として、Weather Research and Forecasting(WRF)モデルを用いた風況条件および、建物と植生を考慮した地表面データをCityLBMに与えることで、JU2003の実験条件を再現した。さらにアンサンブル計算の実施により、乱流の不確実性を軽減した。汚染物質の時間平均濃度および最大値を実験測定値と比較した結果、アンサンブル計算により解析精度を向上すると共に、2m解像度・4km四方の解析では、24個の計測値に対して70%の高い割合でFactor2を満たす事を確認した。
長谷川 雄太; 青木 尊之*; 小林 宏充*; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 6 Pages, 2021/05
Forest-of-octreesに基づく局所格子細分化法(LMR)を導入した格子ボルツマン法(LBM)に基づく空力解析コードに対し、挿し木法による領域分割の改善手法を提案した。従来の空間充填曲線に基づく領域分割法は、適合格子細分化法(AMR)やLMRで広く用いられているものの、GPUスパコン向けに実装された本空力解析コードにおいては袖領域通信が増大し計算のボトルネックとなるうることが確認された。本研究で提案する挿し木法は、粗い等間隔格子状の領域分割と細かい空間充填曲線に基づく分割のハイブリッドによる手法である。挿し木法により、領域分割の局所性と幾何形状が改善しており、通信量が従来の空間充填曲線に基づく手法に比べて3分の1に削減された。8GPU並列による性能検証では、コード全体で1.23倍の高速化が確認された。また、強スケーリングにおいてさらに性能の改善が見られ、128GPUの強スケーリングにおいては、従来手法に比べて1.82倍の高速化を示し、2207MLUPS (mega-lattice update per second)の計算性能を達成した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 3 Pages, 2021/05
本研究では、二相流体解析コードJUPITER-AMRに対して、圧力ポアソン方程式に対する混合精度前処理手法を開発した。マルチグリッド前処理手法として、3段のVサイクルの幾何学的MG法およびキャッシュを再利用したSOR(CR-SOR)法を適用した。原子力工学問題での性能測定として、バンドル体系に対する多相流体解析を実施した。計算速度として、単精度演算を適用する事で、倍精度演算の75%へと削減すると共に、強スケーリング性能においては、32台から96台のGPUを利用する事で1.88倍を実現した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 山下 晋; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
Proceedings of International Conference on High Performance Computing in Asia-Pacific Region (HPC Asia 2021) (Internet), p.120 - 128, 2021/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01本研究では、二相流体解析コードJUPITERに対して、マルチグリッド前処理付き共役勾配(MG-CG)法を開発した。MG法は、3段のVサイクルMG法に基づいて構築し、各段に対して、RB-SOR法およびGPUのキャッシュを再利用したCR-SORを開発・適用した。性能測定として、バンドル体系に対する気液二相流体解析を行った。RB-SOR法およびCR-SOR法を適用したMG-CG法では、MG法を適用しないPCG法と比較して、収束までの反復回数を15%と9%以下に削減するとともに、3.1倍, 5.9倍の計算速度が達成された。以上の結果から、本研究で開発したMG-CG法は、GPUを用いたスーパーコンピュータ上にて、効率的に大規模な二相流体解析が可能であることが示された。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 朝比 祐一; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
第34回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2020/12
本研究では、二相流体解析コードJUPITERにおいて、圧力ポアソン方程式に対するマルチグリッド前提共役勾配(MG-CG)ソルバーを開発した。プログラムの開発言語として、C++およびCUDAを用いることで、様々なコンピュータプラットフォームに対応した。CG解法の主な計算カーネルは、GPU, CPU、およびARM上において、ルーフライン性能の0.40.75と妥当な性能を達成した。一方で、SpMVカーネルでは、ARM上において、大幅な性能劣化が確認された。その原因を調査したところ、SpMVカーネル内にて関数呼び出しを行うことで、コンパイラの最適化が働かないことが確認された。
赤木 浩*; 熊田 高之; 乙部 智仁*; 板倉 隆二*; 長谷川 宗良*; 大島 康裕*
Chemistry Letters, 49(4), p.416 - 418, 2020/04
被引用回数:1 パーセンタイル:6.57(Chemistry, Multidisciplinary)We demonstrate isotope selective ionization of IBr and I
Br isotopologues using field-free alignment induced by a linearly-polarized nanosecond laser pulse with rapid turn off at the maximum. Following the switched nanosecond pulse irradiation, a 60-fs laser pulse ionizes one of the isotopologues preferentially. The ion yield ratio
(I
Br
)/
(I
Br
) varies in the range of 0.93-1.06, depending on time delay between the pulses. This is the first demonstration of laser isotope separation of heavy elements using field-free alignment and angular dependent ionization.
青木 尊之*; 長谷川 雄太
自動車技術, 74(4), p.18 - 23, 2020/04
LESに基づくCFD計算を用いて自転車競技の空力解析を行った。単独での走行および24人の集団走行では、算出された抗力は風洞実験と良く一致した。競合する2集団の走行について、集団内の選手の配置を複数検討した。72人の選手の集団走行として、GPUスーパコンピュータで22.3億格子を用いた大規模空力解析を実施した。
中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; 岩下 芳久*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 山崎 高幸*; 吉田 光宏*; 北村 遼; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012054_1 - 012054_7, 2019/12
被引用回数:4 パーセンタイル:91.34J-PARC E34実験用の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック(IH-DTL)を開発している。このIH-DTLはミューオンを0.34MeVから4.5MeVまで加速周波数324MHzで加速する。さらに、交換収束法を用いるため、横方向の収束が電場のみでなされ、磁場収束に比べて収束力が弱い。そのため、入射マッチングが重要になる。そのためプロトタイプを製作し、ビーム特性を検証する計画である。この論文では、IH-DTLプロトタイプのためのチューナーやカップラーの開発、特に低電力測定結果について述べる。
大谷 将士*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 的場 史郎*; 三部 勉*; 三宅 康博*; 下村 浩一郎*; 山崎 高幸*; 長谷川 和男; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012067_1 - 012067_6, 2019/12
被引用回数:2 パーセンタイル:75.34負ミューオニウムはそのユニークな性質から様々な科学の分野で応用される可能性がある。1980年代に真空中で初めて生成されて以来、仕事関数の低い物質を用いて負ミューオニウム生成効率を高めることが議論されてきた。アルミナセメントの構成物質であるC12A7は良く知られた絶縁体であるが、電子をドープすることで導体として振舞うことが近年発見された。このC12A7エレクトライドは2.9eVという比較的低い仕事関数を持ち、負イオン生成効率を示すと期待されている。本論文では、従来用いていたアルミニウム、C12A7エレクトライド、さらにステンレスターゲット用いた負ミューオニウムイオン生成効率の比較について述べる。測定された生成率は10/sであり、現状セットアップではエレクトライドにおいても大きな生成率向上は確認されず、表面状態をより注意深く整える必要であることが推定される。また、生成された負ミューオニウムの平均エネルギーに材質依存はなく、0.2
0.1keVであった。
四塚 麻衣*; 飯嶋 徹*; 居波 賢二*; 須江 祐貴*; 飯沼 裕美*; 中沢 雄河*; 齊藤 直人; 長谷川 和男; 近藤 恭弘; 北村 遼; et al.
Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.2571 - 2574, 2019/06
J-PARC E34実験はミューオンの異常磁気モーメントと電気双極子モーメントの高精度測定を目標にしている。この実験では、室温で生成されたミューオニウムをレーザー共鳴方でイオン化した超低速ミューオンを多段のリニアックで加速したミューオンビームを用いる。実験の要請を満たすには加速中のエミッタンス増大を抑えることが必要である。エミッタンス増大の主要な要因の一つは異なった加速構造間でのビームの不整合であるので、これらを測定するための縦横両方向のビームモニタが重要である。このうち、324MHzの加速構造の縦方向測定を行うモニタは、その加速周期の1%の時間分解能が要求される。さらに、ビーム調整段階でのミューオンビーム強度が非常に低いので、ミューオン1つに対する感度が必要である。これらの要求を実現するために、我々はマイクロチャンネルプレートを用いた縦方向ビームモニタを開発している。テストベンチでの分解能評価では、65psを達成した。さらに、RFQを用いたビーム試験で、縦方向バンチ長を測定することに成功した。さらに精度を高めるための改良も計画中である。本論文ではこの縦方向ビームモニタのテストベンチでの性能評価について述べる。
中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; 岩下 芳久*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 山崎 高幸*; 吉田 光宏*; 北村 遼*; et al.
Proceedings of 29th International Linear Accelerator Conference (LINAC 2018) (Internet), p.180 - 183, 2019/01
BNL-E821実験において、ミューオンの異常磁気能率(g-2)の実験値は素粒子標準理論の予想値から3.7の乖離を示しており、標準理論を超えた物理が期待されている。より高精度な測定のためにJ-PARCミューオンg-2/EDM実験では先行実験とは異なる手法での実験を計画している。超低速ミューオンを線形加速器により212MeVまで再加速することで低エミッタンスのミューオンビームを実現し、先行実験における系統誤差を減らして世界最高精度0.1ppmを目指している。実験の核となるミューオン線形加速器の技術開発として、APF方式を用いたIH-DTLの開発を進めている。本講演では、設計の手順と製造過程の報告、さらに基本性能の試験の結果について述べる。
大谷 将士*; 須江 祐貴*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 三宅 康博*; 下村 浩一郎*; 山崎 高幸*; 飯嶋 徹*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1067(5), p.052012_1 - 052012_7, 2018/09
被引用回数:1 パーセンタイル:50.37RFQによって加速されたミューオンのプロファイル測定を行った。正ミューオンをアルミデグレータに入射し、負ミューオニウムを生成する。加速された負ミューオニウムはMCPとCCDカメラで構成されるプロファイルモニタに輸送される。測定された垂直方向のプロファイルはシミュレーションとよく一致した。このプロファイル測定はJ-PARCにおけるミューオン異常磁気モーメント測定への重要な一里塚となる。
北村 遼*; 大谷 将士*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 三宅 康博*; 山崎 高幸*; 近藤 恭弘; 長谷川 和男; et al.
Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.239 - 243, 2018/08
J-PARCで計画されているミューオンg-2/EDM精密測定実験では、横方向運動量分散と縦方向運動量の比が以下の極冷ミューオンビームを用いることで、先行実験とは異なる手法により高精度な測定を実現する。この極冷ミューオンは、陽子ビームから生成した4MeVの表面ミューオンを25meVの超低速ミューオンにまで冷却した後、線形加速器で212MeVまで再加速することで得られる。ミューオン線形加速器の実現に向けて、RFQを用いたミューオンRF加速の実証試験を行った。超低速ミューオンの生成にはイオン解離レーザーなど大型設備を要するため、加速実証実験では簡易的な冷却手法として、ミューオンをアルミ薄膜標的に照射することで負ミューオニウム(
,
e
e
)へと変換して2keV以下にまで冷却した。生成したMu
はRFQの入射エネルギー5.6keVまで静電加速された後、RFQで最終的に90keVまでRF加速される。加速されたMu
は偏向電磁石で運動量と極性を選別し、さらにMCPを用いたTOF測定により粒子同定した。本講演では世界初となるミューオンRF加速実証試験の結果について、予備実験として実施した負ミューオニウム生成実験の成果も交えて報告する。
近藤 恭弘; 長谷川 和男; 森下 卓俊; 大谷 将士*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 山崎 高幸*; 吉田 光宏*; 北村 遼*; et al.
Proceedings of 9th International Particle Accelerator Conference (IPAC '18) (Internet), p.5041 - 5046, 2018/06
J-PARCにおいて、ミューオニウムをレーザー電離して生成される超低速ミューオン(30meV)を再加速するシステムを開発中である。このようにして得られるミューオンビームは、ミューオンg-2実験で要求される低エミッタンスを満たす。J-PARC E34実験では、g-2を0.1ppmの精度で測定することを目指す。超低速ミューオンは、高周波四重極リニアック(RFQ)、交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック、ディスクアンドワッシャ結合セル型リニアック、円盤装荷型リニアックにより212MeVに加速される。その第一段階として我々は2017年10月に世界初となるRFQによるミューオン加速実験に成功した。本発表では、ミューオンリニアックの設計と加速実験の結果について述べる。
北村 遼*; 大谷 将士*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 三宅 康博*; 山崎 高幸*; 近藤 恭弘; 長谷川 和男; et al.
Proceedings of 9th International Particle Accelerator Conference (IPAC '18) (Internet), p.1190 - 1193, 2018/06
RF加速器によるミューオン加速はミューオン異常磁気モーメントの精密測定を可能とする。RFQによる初めてのミューオン加速が実証された。3MeVの入射正ミューオンから2keV以下の負ミューオニウムが生成され、静電加速器によって5.6keVまで、RFQによって90keVまで加速される。加速された負ミューオニウムは診断ビームラインで選択され、飛行時間測定によって同定される。本論文では、このミューオン加速実験の結果を述べる。
Bae, S.*; Choi, H.*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 21(5), p.050101_1 - 050101_6, 2018/05
被引用回数:15 パーセンタイル:81.69(Physics, Nuclear)ミューオンがRF加速器によって初めて加速された。正ミューオンと電子の束縛状態である負ミューオニウムをアルミ標的中での電子獲得反応によって生成し、静電加速器により初期加速する。それを高周波四重極加速空洞(RFQ)によって89keVまで加速した。加速された負ミューオニウムは、偏向電磁石による運動量の測定と飛行時間により同定された。このコンパクトなミューオン加速器は、素粒子物理や物性物理などのミューオン加速器の様々な応用への第一歩である。
赤木 浩*; 熊田 高之; 乙部 智仁*; 板倉 隆二*; 長谷川 宗良*; 大島 康裕*
Applied Physics B, 124(1), p.14_1 - 14_8, 2018/01
被引用回数:1 パーセンタイル:8.48(Optics)新たな同位体分離法を目指したフィールドフリーアライメントによるイオン化効率の同位体選択性を計算した。従来のフェムト秒レーザーを用いたフィールドフリーアライメント法では、レーザー強度を強くするとイオン化の選択性が無くなってしまうのに対し、200fsでカットオフするナノ秒レーザーパルスを用いると選択性を保持したまま高い同位体選択イオン化が実現することが判明した。
熊田 高之; 乙部 智仁; 錦野 将元; 長谷川 登; 林 照剛*
Applied Physics Letters, 108(1), p.011102_1 - 011102_4, 2016/01
被引用回数:11 パーセンタイル:49.67(Physics, Applied)ダブルパルスを用いた時間分解反射率測定法により、フェムト秒レーザーアブレーションにおける非熱効果によって膜状に試料が剥離するダイナミクスを調べた。アブレーション閾値以上のポンプ光照射後、剥離膜と母体試料表面におけるプローブ光反射波の干渉による振動が現れる。その振幅は、第1ポンプ光の直後に第2ポンプ光を照射すると増大するが、両光の時間間隔とともに減少し、20ps以上では消滅した。この結果は、第1ポンプ光直後の第2光が膜剥離前の母体試料表面を励起するのに対して、20ps以上離れた第2光は既に剥離した膜を励起したものと考えられる。剥離膜は試料母体との機械的接触を持たないために、膜に付与されたエネルギーは試料母体に散逸することなく、膜表面から激しい蒸発を促し、膜自体を破壊したのであろう。本結果から決定される膜剥離時間は10ps程度と決定され、この値は膜厚と音速によって決定される構造緩和時間20psと実験結果と近い値となることが見出された。