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末岡 茂; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 丹羽 正和; 菅野 瑞穂; Kohn, B. P.*; 川村 淳; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 小北 康弘; et al.
Earth, Planets and Space (Internet), 75(1), p.177_1 - 177_24, 2023/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Geosciences, Multidisciplinary)紀伊半島本宮地域の熱水変質帯を対象に、熱水活動による母岩への熱影響を評価するため、熱年代解析と流体包有物解析を実施した。流体包有物解析の結果、約150Cと約200Cの熱水活動が認定された。一方、熱年代解析の結果では、いずれの熱年代計でも、熱水脈からの距離に応じた年代の系統的な変化は観察されなかった。すなわち、熱水活動に伴う熱以上は検出できなかった。これらの熱年代は、中期中新世以降の山地隆起に伴う広域的な削剥史を反映していると解釈された。
柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 石庭 寛子*; 和田 敏裕*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*
Analyst, 148(18), p.4291 - 4299, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)固体表面の定量マッピングが可能なオンライン同位体希釈レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(オンラインLA-ICP-IDMS)を開発した。LAで生成された試料エアロゾルは、独自開発したサイクロン式スプレーチャンバーを介して、同位体濃縮液のミストとオンラインで混合され、ICP-MSへと導入される。その後、同位体比の計算などを通じて各スポットにおける定量イメージング像を作成した。モデル元素としてFeとSrを選択し、オンライン同位体希釈に基づく定量によって認証標準物質を定量したところ、認証値と定量値の結果は良好であった。本法を生体硬組織に適用し、電子プローブマイクロアナライザーのデータと比較した結果、鉄とSrのような微量元素の定量に有効であることを確認した。
沢田 輝*; 仁木 創太*; 長田 充弘; 平田 岳史*
Minerals (Internet), 12(1), p.107_1 - 107_15, 2022/01
被引用回数:2 パーセンタイル:38.50(Geochemistry & Geophysics)大江山オフィオライトは日本において最も古い地質体の一つであり、原日本における沈み込み帯の開始時期を検討する上で重要である。本研究ではジルコンのU-Pb-Hf同位体および微量元素組成分析から検討した。ジルコンU-Pb年代測定から約544Maの年代値を得た。微量元素組成分析から大江山帯の起源が中央海嶺玄武岩のようなマントル起源であることが判明した。ジルコンのLu-Hf同位体からは先行研究よりもより枯渇的であることを示すデータを得た。これらの結果は、原日本弧に沿った海洋プレートの沈み込みに古い地殻物質が関与していたことを示唆している。
宮嶋 佑典*; 斉藤 綾花*; 鍵 裕之*; 横山 立憲; 高橋 嘉夫*; 平田 岳史*
Geostandards and Geoanalytical Research, 45(1), p.189 - 205, 2021/03
被引用回数:4 パーセンタイル:27.51(Geochemistry & Geophysics)LA-ICP-MSによる方解石の同位体分析における不確実性は、主にデータの正規化と検証のために使われる標準試料の均質性によって支配される。本研究では、元素・同位体組成の均質な方解石の標準試料を作製するために、元素をドープした試薬溶液から沈殿させたアモルファス炭酸カルシウムを経由して、熱と圧力をかけて結晶化し、U, Pbと希土類元素を方解石に取り込ませた。X線吸収スペクトルから、Uは合成された方解石中にU(VI)として存在し、水性のウラニル・イオンとは異なる構造で存在することが示唆された。本研究の方解石へのUの取り込み率は、既報研究に比べ高かった。合成した方解石中の元素濃度のばらつきは12%未満で、概ね7%以内であった。U/Pb比のばらつきが各元素濃度のばらつきに応じて3-24%程度である一方で、Pb/Pb比のばらつきは1%以下であった。この合成方解石を標準試料として用いて、天然の方解石標準試料(WC-1)の年代測定を行ったところ、3%以内の不確かさで年代が求められた。本研究で提示した合成手法は、元素濃度を任意に調整した均質な方解石の合成に有効であり、また、合成試料はU-Pb地質年代学のための天然標準試料に代わる有望なものである。
末岡 茂; 島田 耕史; 照沢 秀司*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 小北 康弘; 平田 岳史*
地質学雑誌, 127(1), p.25 - 39, 2021/01
南九州せん断帯に分布する破砕帯の活動時期を制約するため、紫尾山花崗閃緑岩体から非加熱の試料2点と破砕帯に切られたアプライト脈沿いの試料1点を採取し、フィッション・トラック(FT)およびU-Pb解析を適用した。ジルコンU-Pb年代は14.0-13.5Ma、ジルコンFT年代は14.7-13.7Ma、アパタイトFT年代は12.6-10.0Maを示した。これらの熱年代データを基に熱履歴解析を行ったところ、紫尾山花崗閃緑岩体は14.0-13.5Maに浅所に貫入し、アパタイトFT法のPAZ(60-130C)以下まで急冷されたと推定された。平八重型と楠八重型の岩相で、貫入時期と冷却史に大きな違いは見られなかった。破砕帯の活動時期は、アプライト脈の貫入時期である10.00.8Ma頃と考えられ、岩体の初期冷却に伴う収縮ではなく、岩体冷却後のテクトニックな作用に起因する可能性が高い。
高橋 浩*; 御子柴 真澄*; 志村 俊昭*; 長田 充弘; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 平田 岳史*
Island Arc, 30(1), p.e12393_1 - e12393_15, 2021/01
被引用回数:2 パーセンタイル:15.69(Geosciences, Multidisciplinary)北海道に分布する日高変成帯は島弧地殻の断片とされ、同帯変成岩類は高変成度の下部層と低変成度の上部層とに区分される。近年の下部層のジルコンU-Pb年代測定による変成年代(約19Ma)の報告により、日高変成帯の形成史の見直しが求められていた。そのため、上部層を対象にジルコンU-Pb年代測定を行った。黒雲母片麻岩の砕屑性コアは53.10.9Maを、変成(再結晶)リムは39.60.9Maを示した。一方、董青石-黒雲母片麻岩の砕屑性コアは46.52.8Maを、変成リムは35.90.7Maを示した。これらの結果から、日高変成帯上部層の原岩は約53-47Ma以降に形成され、上部層の変成作用は40-36Maであったと解釈される。また、上部層と下部層の接合は下部層の変成年代と下部層で形成され上部層に貫入している深成岩類がいずれも約19Maであることから19Ma以降であると考えられる。
丹羽 正和; 雨宮 浩樹*; 代永 佑輔; 小北 康弘; 安江 健一*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 平田 岳史*
地質学雑誌, 126(5), p.267 - 283, 2020/05
地層の堆積年代の決定や層序対比において有効な指標となるテフラの年代決定手法の高度化のため、北海道幌延地域の新第三系第四系に狭在する3試料のテフラを事例対象として、ジルコンの同一粒子に対しU-Pb年代とフィッション・トラック(FT)年代を求め、堆積年代を推定する手法を適用した。このうち2試料は、最若粒子集団のU-PbとFTの加重平均年代が誤差2で一致し、降灰テフラの噴出年代を示すと考えられた。もう1試料についても、多くのジルコンでFT年代がU-Pb年代と同等かそれ以上に若返っており、全粒子のFT加重平均年代と最若粒子集団のU-Pb加重平均年代が誤差2で一致するので、それらがテフラの噴出年代を示すと考えられた。また、本研究で得られた結果は、東西圧縮の地殻変動により、同一層でも西部より東部の方が年代が古くなるという本地域の新第三系第四系における傾向を支持する結果となった。
植木 忠正; 丹羽 正和; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 平田 岳史*
地質学雑誌, 125(3), p.227 - 236, 2019/03
大田テフラに対比される岐阜県東濃地域の中津川I・II火山灰層から採取した2試料を用いて、同一ジルコン粒子に対するU-Pb年代とフィッション・トラック(FT)年代のダブル年代測定を行った。その結果、2試料の加重平均値として、U-Pb年代は3.940.07Ma、FT年代は3.970.39Maの年代が得られた。本研究の年代測定結果は既存研究のFT年代や古地磁気層序とも整合的であり、中部日本をはじめとする地域の下部鮮新統の広域層序と年代整理において重要な年代指標となると考えられる。
湯口 貴史*; 末岡 茂; 岩野 英樹*; 五十公野 裕也*; 石橋 正祐紀; 檀原 徹*; 笹尾 英嗣; 平田 岳史*; 西山 忠男*
Journal of Asian Earth Sciences, 169, p.47 - 66, 2019/01
被引用回数:15 パーセンタイル:62.37(Geosciences, Multidisciplinary)本研究は、中部日本に位置する土岐花崗岩体を研究対象とし、熱年代学的な手法で冷却履歴(温度-時間履歴)を取得した。10本のボーリングコアから採取された15試料に対して、ジルコンU-Pb年代,黒雲母K-Ar年代,ジルコンフィッション・トラック(FT)年代,アパタイトFT年代、およびFTデータの逆解析からなる温度-時間履歴を提示した。得られた岩体内部の複数地点の冷却履歴の相違を比較し、その位置的な相違を生む原因について言及した。これは熱進化モデルの構築に資するデータとなる。また花崗岩内における物質移動は、水みちとして機能する割れ目により大きく支配されることから、割れ目の分布特性と得られた温度-時間履歴の関連について検討を行った。
横山 立憲; 木村 純一*; 三ツ口 丈裕; 檀原 徹*; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; 宮崎 隆*; et al.
Geochemical Journal, 52(6), p.531 - 540, 2018/12
被引用回数:17 パーセンタイル:64.66(Geochemistry & Geophysics)We developed a non-matrix matched U-Pb dating method for calcite by using LA-ICP-MS. The excimer LA was set to generate a low-aspect-ratio crater to minimize downhole U-Pb fractionation. We used He sample ablation gas mixed with Ar carrier gas and additional trace N gas to create a robust plasma setup. The use of N additional gas allowed for low oxide molecular yield for high-sensitivity interface cones with the ICP shield electrode disconnected. Moreover, this resulted in robust ICP plasma against different matrixes in LA aerosols owing to efficient dissociation-ionization of the aerosols by increased plasma temperature. The above setup helped accomplish accurate U-Pb dating of calcite samples by using SRM 612 glass as the standard. We applied this method to the following calcite samples: (1) recently-proposed reference material named WC-1 with a determined U-Pb age of 254.63.2 Ma and (2) a well-preserved fossil specimen of blastoid sp. with an estimated age of 339-318 Ma. The resultant U-Pb ages of the WC-1 and samples were 260.06.7 Ma and 33212 Ma, respectively, which indicate accurate U-Pb dating by this method. Before this U-Pb dating, quantitative distribution maps of the U, Th, and Pb isotopes of each sample were obtained using the LA-ICP-MS imaging technique to select suitable areas for dating.
笹尾 英嗣; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 平田 岳史*
地質学雑誌, 124(2), p.141 - 150, 2018/02
地質学的な変動帯に位置する我が国の地質環境中における核種の保持・移行挙動についての理解を深めるため、東濃ウラン鉱床を事例とした研究を行ってきた。その一環として、東濃ウラン鉱床を胚胎する中新統瑞浪層群と瑞浪層群に隣接して分布する岩村層群に挟在する凝灰岩中のジルコンを用いたフィッション・トラック年代測定を行った。しかし、それ以前に知られていた微化石年代等とは100万年程度の差が生じることが課題として残された。そこで、瑞浪層群および岩村層群に挟在する凝灰岩3試料のジルコンU-Pb年代測定を行った結果、以下のような年代値が得られた:瑞浪層群の本郷層細久手火山礫凝灰岩は18.80.3Ma、明世層Ak-12凝灰岩は17.80.4Ma、岩村層群遠山層牧部層中部のTy-12凝灰岩は18.40.4Ma。この結果は、再評価したジルコンフィッション・トラック年代と誤差範囲内で一致し、既報の微化石および古地磁気層序と整合的となった。この結果から、瑞浪層群と岩村層群の堆積年代を次のように推定した:瑞浪層群の本郷層は1918Ma、明世層は約18Ma、岩村層群遠山層牧部層中部は約18Ma。
生田 正文*; 丹羽 正和; 檀原 徹*; 山下 透*; 丸山 誠史*; 鎌滝 孝信*; 小林 哲夫*; 黒澤 英樹*; 國分 陽子; 平田 岳史*
地質学雑誌, 122(3), p.89 - 107, 2016/03
既往文献の火山ガラス屈折率データからは識別が困難であった桜島の歴史時代の噴火(文明,安永,大正)軽石について、本研究では火山ガラスの水和部と未水和部とを区別して屈折率測定を行い、斜方輝石の屈折率も含めてそれぞれの軽石に違いがあることを見出した。一方、宮崎平野南部で掘削したコアに含まれる軽石濃集層に対して鉱物組成分析、火山ガラスの形態分類や屈折率測定、斜方輝石の屈折率測定、火山ガラスの主成分・微量元素同時分析、および炭質物の放射性炭素年代測定を行い、本研究による桜島歴史噴火軽石の分析と比較した結果、軽石濃集層は桜島文明テフラに対比されることが判明した。桜島文明テフラは、軽石の状態で宮崎平野南部まで到達していた可能性が高い。本研究における軽石濃集層の給源の同定結果は、宮崎平野における地震イベント堆積物の年代決定において重要な示準となりうる。
鈴木 庸平*; 向井 浩樹*; 石村 豊穂*; 横山 高富*; 坂田 修平*; 平田 孝文*; 岩月 輝希; 水野 崇
Scientific Reports (Internet), 6, p.22701_1 - 22701_6, 2016/03
被引用回数:14 パーセンタイル:48.87(Multidisciplinary Sciences)微生物による6価ウランの4価ウランへの還元固定法は、汚染水の安価な浄化方法として知られている。その反応は一般的に5ナノメーター以下のウラン粒子で起こる。本研究では、花崗岩中の割れ目を充填する炭酸塩鉱物において、4価のウランからなるコフィナイト粒子の観察を行った。その結果、普遍的な現象として微生物による炭酸塩鉱物の形成時に、炭酸塩鉱物と4価ウランナノ粒子の共沈が起こっている可能性が考えられた。このような現象は、放射性廃棄物の地層処分に関連して汚染水中の放射性核種やウランの長期隔離に寄与すると考えられる。
湯口 貴史*; 岩野 英樹*; 加藤 丈典*; 坂田 周平*; 服部 健太郎*; 平田 岳史*; 末岡 茂; 檀原 徹*; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; et al.
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 111(1), p.9 - 34, 2016/02
被引用回数:17 パーセンタイル:53.14(Mineralogy)花崗岩体の形成・発達に関する熱進化の解明は、大陸地殻の発達・進化を考える上で、有用な知見をもたらすことができる。本研究ではジルコンに着目し、(1)カソードルミネッセンス像観察に基づくジルコンの内部構造の分類: LLC (low luminescence core)/ OZ (oscillatory zonation)、(2)Ti-in-zircon温度計より内部構造ごとの結晶化温度の決定、(3)内部構造ごとのU-Pb年代の決定を実施し、ジルコンの成長は2つのイベントを経ることを見出した。
羽合 孝文*; 南部 雄亮*; 大串 研也*; Du, F.*; 平田 靖透*; Avdeev, M.*; 上床 美也; 関根 由莉奈; 深澤 裕; Ma, J.*; et al.
Physical Review B, 91(18), p.184416_1 - 184416_11, 2015/05
梯子型鉄系化合物BaFeSeおよびCsFeSeの磁気構造を中性子回折を含む幾つかの実験から分析した。温度や組成の依存性について明らかにした。BaFeSeではブロック型といった磁気構造がみられるが、CsFeSeではモーメントの向きが異なるストライプ型といった構造が存在した。この系は多種多様な反強磁性秩序をとったり、電荷秩序のない混合原子価化合物であるにも関わらず絶縁性が強いことなど、独特の物性をもつ。
横山 立憲; 國分 陽子; 三ツ口 丈裕; 村上 裕晃; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; 宮崎 隆*; et al.
no journal, ,
炭酸塩鉱物の地球化学的研究及び年代学的研究は地質環境の長期的な変遷を読み解くうえで重要である。炭酸塩鉱物は硬岩中に割れ目充填鉱物として普遍的に確認されるため、炭酸塩鉱物の化学組成や形成年代を知ることで過去の地質環境を復元できると考えられる。一方、レーザーアブレーション試料導入を備えた誘導結合プラズマ質量分析(LA-ICP質量分析)で用いる炭酸塩鉱物の標準試料の選定・開発は十分に進んでおらず、この手法を用いた年代測定において大きな障害となっている。本研究では、LA-ICP質量分析法による炭酸塩鉱物の局所領域年代測定に有用な標準試料を探求し、U-Pb同位体分析を実施してその均質性を評価した。さらに、U及びPbの濃度・同位体組成が均質な炭酸塩標準試料の人工作製を試みた。
横山 立憲; 國分 陽子; 村上 裕晃; 渡邊 隆広; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; 宮崎 隆*; et al.
no journal, ,
硬岩の割れ目に充填鉱物として普遍的に存在する炭酸塩鉱物の年代学・地球化学研究により、過去の地下深部の地質環境を復元できると考えられる。一方で、炭酸塩鉱物の年代測定技術開発においては、国際的な標準試料が選定されておらず、その技術は充分に確立されていない。本研究では炭酸塩鉱物の高精度なU-Th-Pb年代測定技術開発を目指し、標準試料の選定を行った。産業技術総合研究所の地質調査総合センターがデータベース化し配布している数種類の炭酸塩試料を候補試料として選択した。湿式法によるICP質量分析により、JCp-1及びJCt-1には鉛同位体の不均質性が確認されたが、その不均質性は共に206-鉛ベースで1.2‰以下であり、LA-ICP-MSによる局所分析においては均質と見なせることが判明した。今後は2次元イメージング分析による空間的な均質性評価を実施すると共に、人工的な炭酸塩標準試料の作製を試みる。
笹尾 英嗣; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 平田 岳史*
no journal, ,
岐阜県南東部に分布する中新統瑞浪層群および岩村層群の堆積年代を推定するため、両層群中の凝灰岩を対象にフィッション・トラック(FT)年代を測定した。しかし、FT年代から推定された堆積年代は、微化石年代とは100万年程度の差が生じることが課題として残された。そこで、かつてFT年代測定を行った試料のうち、3試料を用いてU-Pb年代測定を行うとともに、FT年代測定に関する最新の知見に基づいてFT年代値を再計算した。U-Pb年代測定については、決定精度が最も高いU-Pb年代を採用した。その結果、U-Pb年代と再計算したFT年代は誤差範囲で一致した。また、この年代値は、従来報告された微化石年代や古地磁気層序とも矛盾しない結果となった。
山田 国見; 小木曽 哲*; 上杉 健太朗*; 平田 岳史*
no journal, ,
(U-Th)/He年代測定のより正確な補正のためには結晶中のウラン・トリウムの三次元分布を測定しなければならず、かつ、測定を非破壊で行う必要がある。SPring-8のX線CTを用いてウランについて濃集部を三次元的に検出することに成功した。また、LA-ICP-MSを用いた破壊分析により結晶内部のウラン・トリウムの局所濃度測定を行い、差分像を用いたウラン・トリウムの三次元分布測定法の検出感度や、(U-Th)/He年代に与える影響を評価した。
横山 立憲; 國分 陽子; 村上 裕晃; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; Chang, Q.*; 木村 純一*
no journal, ,
炭酸塩鉱物の放射年代学研究が与える年代学的な情報は、将来の長期的な地質環境変動モデル構築への利用に期待できる。還元的な地下環境で生成された炭酸塩鉱物については、未だ年代測定技術が確立されていない。本研究では、地下環境下における高透水性の地質構造に充填鉱物として存在する炭酸塩鉱物を対象に、年代測定技術を実用化することを最終的な目的とする。局所領域の年代測定技術を確立するため、レーザーアブレーション試料導入法を組み合わせたICP質量分析計を用いて、炭酸塩鉱物から成る海生化石の微量元素及び同位体の基礎情報を取得し、花崗岩の割れ目を充填する炭酸塩鉱物及び鍾乳石について予察的にU-Pb同位体比測定を行った。その結果、アンモナイト化石中のU-Th-Pb壊変系列の各元素及び同位体分布を可視化することができた。U-Pb同位体比測定では、測定対象とした領域のウラン濃度が低く、また非放射起源の鉛を多く含んでいたため、測定結果から有意なU-Pb年代を得られなかった。一方で、鉛濃度が検出下限界を有意に上回る領域から得られた測定結果から、鉛同位体の組成差が炭酸塩鉱物を沈殿させた水溶液の起源を探るのに有効な指標となることが示唆された。