Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
那須 三紀*; 谷内 浩*; 平山 尚樹*; 安達 宏法*; 柿澤 優*; 白勢 裕登*; 西山 博道*; 川本 鉄平*; 犬飼 潤治*; 篠原 武尚; et al.
Journal of Power Sources, 530, p.231251_1 - 231251_11, 2022/05
被引用回数:36 パーセンタイル:89.84(Chemistry, Physical)To accelerate the spread use of polymer electrolyte fuel cells (PEFCs), it is essential to increase power density and durability, while reduce costs. We have succeeded in developing an innovative gas diffusion layer (GDL) with gas flow channels (GDLFC
) fabricated on a flat separator that enabled both cost reduction and high performance. In this study, neutron radiography was used to observe the distribution of liquid water during power generation. With using our GDLs and interdigitated (comb-shaped) gas flow channels, the distributions of liquid water were quantitatively imaged, influenced by the current density, the relative humidity, the oxygen utilization, and the water repellency of the GDL. The increase in linear velocity of the oxidant gases effectively suppressed the retention of liquid water at the cathode.
岡村 浩之; 平山 直紀*
Analytical Sciences, 37(1), p.119 - 130, 2021/01
被引用回数:40 パーセンタイル:65.07(Chemistry, Analytical)本総説は、抽出溶媒としてイオン液体(IL)を用いた希土類元素(REE)の溶媒抽出における最近の進展をまとめたものである。これらのイオン液体抽出系は、従来の有機溶媒抽出系とは異なり、荷電疎水性種と無電荷疎水性種の両方に対して親和性を有することが大きな利点である。本稿では、イオン液体を用いた希土類元素抽出研究を抽出系の種類に基づいて分類し詳述する。イオン液体抽出系では、有機溶媒系とは異なる抽出錯体が形成されやすく、希土類元素の抽出効率および分離効率が大幅に向上することが多い。イオン液体協同効果抽出は、希土類元素の抽出能および分離能を向上させるための効果的な方法である。イオン液体抽出系に適した新しいTSIL (task-specific ionic liquid)の開発も希土類元素分離に有効である。
岡村 浩之; 水野 正義*; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*
Industrial & Engineering Chemistry Research, 59(1), p.329 - 340, 2020/01
被引用回数:15 パーセンタイル:44.87(Engineering, Chemical)本研究では、イオン液体1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N])において2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)とトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を用いたランタノイド(III) (Ln(III))イオンのイオン液体協同効果抽出と抽出平衡を検討した。[C
mim][Tf
N]においてHttaとTOPOを併用すると重Ln(III)イオン選択的な協同効果が発現し、Ln(III)イオン間の分離能が向上した。Htta-TOPO系におけるLn(III)の抽出種と抽出定数を三次元抽出平衡解析により求めた。その結果、Htta-TOPO系における重Ln(III)イオン選択的な協同効果は、[C
mim][Tf
N]中におけるLn(tta)
(TOPO)
, Ln(tta)(TOPO)
などの疎水性の荷電付加物の形成に起因することが示された。
Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.
Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07
被引用回数:10 パーセンタイル:55.63(Physics, Multidisciplinary)陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、
Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。
国枝 賢; 岩本 修; 岩本 信之; 湊 太志; 岡本 力; 佐藤 達彦; 中島 宏; 岩元 洋介; 岩元 大樹; 北谷 文人; et al.
JAEA-Conf 2016-004, p.41 - 46, 2016/09
加速器を用いた種々のアプリケーションを開発・設計するための基礎データとして、中性子や陽子入射の高エネルギー核データを整備する必要がある。本研究では、光学モデルや前平衡モデル計算における最新の知見を投入してJENDL/HE-2007の見直しを行うと共に、特に医療分野で需要の高い
Liや
Be等の核種を新たに加えて、約130核種に対する200MeVまでの中性子・陽子核データライブラリJENDL-4.0/HEを完成させた。本発表においては、ライブラリの概要を説明すると共に、粒子輸送計算コードPHITSやMCNPXを用いた中性子透過計算等における積分検証結果を中心に報告する。
岡村 浩之; 池田 篤史*; 斉藤 拓巳*; 青柳 登; 長縄 弘親; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 下条 晃司郎
Analytical Chemistry, 84(21), p.9332 - 9339, 2012/11
被引用回数:24 パーセンタイル:61.60(Chemistry, Analytical)An intramolecular cooperative extraction system for the removal of strontium cations (Sr
) from water by use of a novel macrocyclic receptor (H
DA18C6) composed of diaza-18-crown-6 and two
-diketone fragments in ionic liquid (IL) is reported, together with X-ray spectroscopic characterization of the resulting extracted complexes in the IL and chloroform phases. The covalent attachment of two
-diketone fragments to a diazacrown ether resulted in a cooperative interaction within the receptor for Sr
transfer, which remarkably enhanced the efficiency of Sr
transfer relative to a mixed
-diketone and diazacrown system. The intramolecular cooperative effect was observed only in the IL extraction system, providing a 500-fold increase in extraction performance for Sr
over chloroform. Slope analysis and potentiometric titration confirmed that identical extraction mechanisms operated in both the IL and chloroform systems. Extended X-ray absorption fine structure spectroscopy revealed that the average distance between Sr
and O atoms in the Sr
complex was shorter in IL than in chloroform. Consequently, Sr
was held by H
DA18C6 more rigidly in IL than in chloroform, representing an important factor dominating the magnitude of the intramolecular cooperative effect of H
DA18C6 for Sr
.
岡村 浩之; 坂江 広基*; 木谷 径治*; 平山 直紀*; 青柳 登; 斎藤 拓巳*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*
Polyhedron, 31(1), p.748 - 753, 2012/01
被引用回数:29 パーセンタイル:87.20(Chemistry, Inorganic & Nuclear)The extraction constant and the two-phase stability constant of tris(2-thenoyltrifluoroacetonato) europium(III) between 1-butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide ([C
mim][Tf
N]) as an ionic liquid and an aqueous phase were determined by considering the extraction equilibria. Specific solute-solvent interactions between the neutral Eu(III) chelate and [C
mim][Tf
N] molecules were revealed from the relationships between the distribution constant of the enol form of 2-thenoyltrifluoroacetone (Htta) and the distribution constant (
) of the neutral Eu(III) chelate. The coordination environment of Eu
in the neutral Eu(III) chelate in [C
mim][Tf
N] was investigated by time-resolved laser-induced fluorescence spectroscopy and infrared absorption spectroscopy. Both methods consistently indicated that not only the Eu(III)chelate extracted but also Eu(tta)
(H
O)
synthesized as a solid crystal were almost completely dehydrated in [C
mim][Tf
N] saturated with water. Consequently, the higher 
or extractability of the neutral Eu(III) chelate in the [C
mim][Tf
N] system can be ascribed to the dehydration of the Eu(III) chelate, which is caused by the specific solvation with [C
mim][Tf
N] molecules.
岡村 浩之; 平山 直紀*; 森田 耕太郎*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*
Analytical Sciences, 26(5), p.607 - 611, 2010/05
被引用回数:56 パーセンタイル:84.71(Chemistry, Analytical)The synergistic effect of 18-crown-6 derivatives, such as 18-crown-6 (18C6),
-dicyclohexano-18-crown-6 (DC18C6) and dibenzo-18-crown-6 (DB18C6), on the extraction of trivalent lanthanoids (Ln
) into an ionic liquid, 1-butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide, with 2-thenoyltrifluoroacetone (Htta) was investigated. The extractability of lighter Ln
was enhanced by adding 18C6 or DC18C6, whereas no enhancement of the extractability was observed by adding DB18C6. Moreover, the synergistic effect by the crown ether (CE) was increased along with the decrease in the atomic number of Ln. In the synergistic extraction system, Ln
was extracted as cationic ternary complexes Ln(tta)
(CE)
and Ln(tta)(CE)
, and it was suggested that the formation of the Ln(tta)(CE)
complex as an extracted species results in the large synergistic effect. This synergistic effect originated in a size-fitting effect of CE on complexation to Ln
.
-diketone fragments on an ionic liquid extraction system下条 晃司郎; 岡村 浩之; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親
Dalton Transactions, 2009(25), p.4850 - 4852, 2009/07
本研究では、
-ジケトン部位を2つ有するクラウンエーテル(H2
DA18C6)を新規に合成し、イオン液体及びクロロホルムへのストロンチウムイオン(Sr
)の抽出挙動について検討した。また、
-ジケトン(HPMBP)単独系,ジベンジルジアザクラウンエーテル(DBzDA18C6)単独系及び両者を単に混合させた系においても同様に検討を行い、配位子の性能評価を行った。クロロホルムを用いた場合HPMBP単独系及びDBzDA18C6単独系ではSr
の抽出は起こらないが、両者を混合した場合において協同効果が働き、定量的な抽出が可能となった。またH2
DA18C6系においても定量的な抽出が可能であったが、混合系との抽出挙動に大きな違いは見られなかった。一方、イオン液体を用いた場合、HPMBP単独系では抽出が起こらないがDBzDA18C6単独系ではpHの増加とともに抽出が進行した。両者の混合系は、DBzDA18C6単独系と同様の抽出挙動を示したことから、Sr
の抽出においてHPMBPは関与していないことが示唆された。しかし、H2
DA18C6の抽出能は混合系と比較して劇的に向上し、より酸性側でSr
の抽出が可能になった。これは、イオン液体系を用いることでH2
DA18C6の分子内協同効果が発現し、Sr
に対する抽出能が向上したものと考えられる。
中島 宏; 坂本 幸夫; 田中 俊一; 長谷川 明; 深堀 智生; 西田 雄彦; 笹本 宣雄; 田中 進; 中村 尚司*; 秦 和夫*; et al.
JAERI-Data/Code 94-012, 90 Pages, 1994/09
中高エネルギー領域の加速器遮蔽のための計算・モデル及び核データの評価を目的として、炉物理委員会・遮蔽専門部会において、6種類のベンチマーク問題が選択された。このベンチマーク問題には、陽子、
粒子及び電子による厚いターゲットからの中性子収量に関する3種類のデータと陽子による2次中性子及び光子に関する3種類の遮蔽実験データが収録されている。また、解析のために、500MeVまでの中性子と300MeVまでの光子に対して、中性子反応断面積及び光核反応中性子生成断面積も収録されている。
岡村 浩之; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*
no journal, ,
イオン液体(IL)を抽出溶媒に、2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)を抽出剤に用いてランタノイドを抽出する際、クラウンエーテル(CE)を共存させると、軽希土の抽出が選択的に増大し、中・重希土よりも酸性側で抽出されるようになる。本研究では、ランタン(La)について抽出平衡解析を行い、IL協同抽出系における協同効果創出のメカニズムを調べた。スロープ解析の結果から、La
はおもにカチオン性三元錯体La(tta)
(CE)
及びLa(tta)(CE)
として抽出されていることが示された。どちらの錯体においてもCEが1分子配位しており、また、この抽出増大効果が中・重希土では見られないことから、CEの空孔とLa
とのサイズ適合が抽出増大に寄与していると考えられる。さらに、この結果より、抽出化学種であるカチオン性三元錯体は、CEの内部にLa
が結合し、さらに垂直方向からtta
が1
2分子配位したような構造であると予想される。また、さまざまなHtta及びCE濃度範囲における抽出で、五つの全抽出化学種La(tta)
, La(tta)
, La(tta)
(CE)
, La(tta)(CE)
, La(CE)
が確認できた。
-ジケトン結合クラウンエーテルの分子内協同効果岡村 浩之; 下条 晃司郎; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親
no journal, ,
本研究では、
-ジケトン部位を二つ有するクラウンエーテル(H
DA18C6)を新規に合成し、イオン液体へのストロンチウムイオン(Sr
)の抽出挙動について検討した。また、比較のためにクラウンエーテル(DBzDA18C6)単独系,
-ジケトン(HPMBP)単独系及び両者を単に混合させた系、さらにクロロホルムを抽出溶媒に用いた系についても検討した。クロロホルムを用いた場合、DBzDA18C6単独及びHPMBP単独では抽出されなかったが、両者を混合させると協同効果が働き定量的な抽出が可能になった。また、H
DA18C6を用いても抽出されたが、DBzDA18C6+HPMBP混合系に対する優位性はあまり見られなかった。これに対し、[C
mim][Tf
N]を用いた場合には、DBzDA18C6単独でもpHの増加とともに抽出されるようになった。DBzDA18C6+HPMBP混合系はDBzDA18C6単独系と同様の抽出挙動を示したことから、HPMBPは関与していないことが示唆された。さらに、H
DA18C6の抽出能はDBzDA18C6+HPMBP混合系と比較して劇的に向上し、より酸性側での抽出が可能になった。これは、イオン液体系においてH
DA18C6の分子内で擬似的な協同効果が発現し、Sr
に対する抽出能が向上したものと考えられる。
岡村 浩之; 下条 晃司郎; 平山 直紀*; 井村 久則*; 長縄 弘親
no journal, ,
イオン液体(IL)は、室温でも液体の塩であり、イオンの組合せによって物性を調節することが可能な機能性溶媒である。最近、
-ジケトンを結合したジアザ-18-クラウン-6を用いたSr(II)の抽出において、IL系でのみ分子内協同効果が発現し抽出能が高くなることを見いだした。そこで本研究では、ジアザ-18-クラウン-6に発光性の5-クロロ-8-キノリノール(HClQ)を結合した抽出剤(H
ClQDA18C6)を合成し、IL 1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N])-水間の分配特性及び有害金属イオンであるCd(II), Pb(II)の抽出挙動について検討した。[C
mim][Tf
N]-水間での抽出剤の分配を調べたところ、幅広いpH範囲において、抽出剤は見かけ上IL相に分配しており、ILへの親和性が高いことが示された。また、pH
8.0ではカチオンの状態で存在していることが明らかになった。次に、Cd(II)の抽出挙動を調べた。クロロホルムを用いた場合、HClQ-DBzDA18C6混合系に対するH
ClQDA18C6の優位性は小さかったが、[C
mim][Tf
N]を用いた場合、H
ClQDA18C6の抽出能は混合系と比較して劇的に向上し、より低pH側での抽出が可能になった。これは、IL系でのみH
ClQDA18C6の分子内協同効果が発現したためと考えられる。[C
mim][Tf
N]を用いたPb(II)の抽出においても、H
ClQDA18C6の分子内協同効果が観測され、高い抽出能を示すことがわかった。
国枝 賢; 岩本 修; 岩本 信之; 湊 太志; 岡本 力; 佐藤 達彦; 中島 宏; 岩元 洋介; 岩元 大樹; 北谷 文人; et al.
no journal, ,
原子力工学、物質・生命科学および医療等の分野において陽子線加速器の応用が推進されており、施設設計のために、広いエネルギー領域に亘る中性子・陽子入射の評価済核データが必要とされている。本研究では、光学モデルや前平衡モデル計算における最新の知見を投入してJENDL/HE-2007の見直しを行った。さらに、特に医療分野で需要の高いLi-6,7やBe-9等の核種を新たに加えて、132核種に対する200MeVまでの中性子・陽子核データライブラリJENDL-4.0/HEを完成させた。本発表においては、評価計算手法の概要や二重微分断面積等の結果、および積分検証結果を報告する。
岡村 浩之; 水野 正義*; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*
no journal, ,
ランタノイド(Ln)の分離法として、溶媒抽出法が広範に研究されているが、より高い分離能を有する抽出系の開発は原子力分野においても重要な課題となっている。これまでに、イオン液体(IL)として1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いて、さまざまな
-ジケトンとトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)によるLn(III)のIL協同効果抽出を研究し、重希土選択的な協同効果の発現により、Ln(III)の分離能が大幅に向上することを見出した。本研究では、2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)とTOPOを用いたIL協同効果系において、Ln(III)の抽出平衡解析法を検討した。それぞれのLn(III)錯体の抽出定数を決定するために、log
-log[tta
]
-log[TOPO]
の三次元非線形解析を適用した。IL中で形成されるさまざまな三元錯体の生成定数を求めたところ、Ln(tta)
(TOPO)
錯体の生成定数はEu(III)
Nd(III)の順であることがわかった。その結果、疎水性の高い荷電錯体の形成が重希土選択的な協同効果発現の要因であると考えられる。
-オキシドによるイオン液体への3価金属イオンの抽出挙動江口 綾乃; 森田 耕太郎*; 岡村 浩之; 平山 直紀*
no journal, ,
2-メルカプトピリジン
-オキシド(HSPyO)は、ハードなOとソフトなSをドナー原子に持つ2座配位子である。HSPyOは有機溶媒だけではなくイオン液体(IL)に対しても溶解性が高いことから、ILキレート抽出における抽出剤としての利用可能性が期待される。本研究では、3価金属イオンである13族金属イオン(Al(III), Ga(III)およびIn(III))について、カチオンの疎水性が異なる1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N], n=2,4,8)を抽出溶媒として用い、HSPyOによるILへのキレート抽出挙動を調べた。金属間での抽出選択性はIn(III)
Ga(III)の順となり、Al(III)は全く抽出されず、HSPyOは比較的ソフトなIn(III)に有利に働くことがわかった。溶媒間で抽出能を比較すると、Ga(III)の抽出においてILs
クロロホルムとなり、この系ではILの方が抽出能は高いことがわかった。また、抽出化学種はどの金属も無電荷錯体M(SPyO)
であることが示唆された。
江口 綾乃; 森田 耕太郎*; 岡村 浩之; 平山 直紀*
no journal, ,
従来の有機溶媒へのキレート抽出では、金属イオンは通常、無電荷錯体として抽出され、配位飽和(無水)錯体が有利となる。これに対し、イオン液体(IL)キレート抽出では、荷電化学種や配位不飽和(水和)化学種も抽出される可能性がある。本研究では、3価金属イオン(Fe(III), Al(III), Ga(III)およびIn(III))について、カチオンの疎水性が異なる種々の1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N], n=2,4,8)を抽出溶媒として用い、二座配位子の8-キノリノール(H
Q
)および2-メルカプトピリジン
-オキシド(H
SPyO
)によるILへのキレート抽出挙動を調べた。H
Q
を用いた場合は、クロロホルムへは無電荷のM
Q
のみが抽出されるが、ILへは抽出において通常不利となる配位不飽和のカチオン性錯体[M
Q
]
もイオン交換により抽出されることがわかった。H
SPyO
を用いた場合は、クロロホルムとILの両方ともに無電荷のM
(SPyO)
が抽出されることが示唆された。したがって、抽出化学種は、IL中の配位子に依存することが示された。
岡村 浩之; 水野 正義*; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*
no journal, ,
溶媒抽出において、新たな機能性抽出媒体としてイオン液体が広く研究されている。我々は、三価ランタノイド(Ln(III))のイオン液体協同効果抽出を研究し、協同効果がLn(III)の選択的分離に有効であることを明らかにした。本研究では、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド系において、2-テノイルトリフルオロアセトンとトリオクチルホスフィンオキシドを用いたLn(III)のイオン液体協同効果抽出を検討し、協同効果について評価した。イオン液体系では、従来の有機溶媒系とは異なり、重希土選択的な協同効果が発現した。スロープ解析から、中性付加錯体とカチオン性三元錯体が抽出されることが示された。カチオン性三元錯体の付加錯体生成定数は、原子番号の増大とともに増加したことから、疎水性の高い荷電三元錯体の形成が重希土選択的な協同効果発現の要因であることが明らかになった。
江口 綾乃; 森田 耕太郎*; 岡村 浩之; 平山 直紀*
no journal, ,
有機溶媒への金属イオンのキレート抽出では、配位子を用いて無電荷錯体を形成させる必要があり、抽出化学種として配位飽和(無水)錯体がより有利である。これに対して、イオン液体キレート抽出では、荷電化学種や配位不飽和(水和)化学種が抽出できる。本研究では、抽出剤として8-キノリノール(HQ)と2-メルカプトピリジン
-オキシド(HSPyO)を用いた1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N]、n=2, 4, 8)への3価金属イオン(Fe(III), Al(III), Ga(III), In(III))のイオン液体キレート抽出における二座配位子の効果を調べた。3価金属イオンの抽出選択性は、HQではFe
Ga
In
Al、HSPyOではFe
In
Ga
Alの順であった。すなわち、HSPyOはIn(III)の抽出に有利であることがわかった。HSPyOを用いたときのGa(III)の抽出率は、[C
mim][Tf
N]
[C
mim][Tf
N]
[C
mim][Tf
N]
クロロホルムの順であったが、HQでは逆の順番となった。これらの結果は、水相中の脱プロトン化した二座配位子濃度の差によるものと考えられる。
江口 綾乃; 岡村 浩之; 杉田 剛; 上田 祐生; 森田 耕太郎*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 平山 直紀*
no journal, ,
本研究では、抽出溶媒としてイオン液体(IL)アニオンのパーフルオロアルキル(Rf)基の炭素数が異なる4種類(n=1-4)の1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドを合成し、キレート抽出剤として2-テノイルトリフルオロアセトンを用いた、3価ランタノイドイオン(Ln(III)=La, Nd, Eu, Dy, Lu)の抽出に及ぼすILアニオンのRf鎖長の効果を調べた。抽出挙動については、ILアニオンのRf鎖長を変化させてもIL間に顕著な差は見られなかった。水相pHとLn(III)の分配比の対数のプロットの傾きからこれらILを用いたときの各Ln(III)の抽出化学種を検討したところ、Rf鎖長nの偶奇によって抽出錯体が異なることが明らかとなった。