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論文

Radioactivity and radionuclides in deciduous teeth formed before the Fukushima-Daiichi Nuclear Power Plant accident

高橋 温*; 千葉 美麗*; 棚原 朗*; 相田 潤*; 清水 良央*; 鈴木 敏彦*; 村上 忍*; 小荒井 一真; 小野 拓実*; 岡 壽崇; et al.

Scientific Reports (Internet), 11(1), p.10355_1 - 10355_11, 2021/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:41.49(Multidisciplinary Sciences)

The Fukushima-Daiichi Nuclear Power Plant (FNPP) accident released substantial amounts of radionuclides into the environment. We collected 4,957 deciduous teeth, from children living in Fukushima and reference prefectures. Radioactivity was detected in most of the teeth examined and was attributed to the presence of natural radionuclides, including $$^{40}$$K and daughter nuclides in $$^{238}$$U and $$^{232}$$Th series. Additionally, artificial radionuclides, $$^{90}$$Sr and $$^{137}$$Cs, were detected in the teeth obtained from children from Fukushima and the reference prefectures. However, these radionuclides were not believed to have originated from the FNPP accident. Because the teeth examined in the present study were formed before the FNPP accident occurred, the aforementioned findings may serve as important control data for future studies regarding the radioactivity of teeth formed after the FNPP accident.

論文

Thermally altered subsurface material of asteroid (162173) Ryugu

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.

Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03

 被引用回数:43 パーセンタイル:96.93(Astronomy & Astrophysics)

2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300$$^{circ}$$Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200$$^{circ}$$Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。

報告書

日本-IAEA合同原子力エネルギーマネジメントスクールの概要; 2016年

山口 美佳; 日高 昭秀; 生田 優子; 村上 健太*; 富田 明*; 広瀬 大也*; 渡邉 正則*; 上田 欽一*; 生井澤 賢*; 小野瀬 貴利*; et al.

JAEA-Review 2017-002, 60 Pages, 2017/03

JAEA-Review-2017-002.pdf:9.41MB

IAEAは、将来原子力エネルギー計画を運営管理するリーダーとなる人材の育成を目的とした原子力エネルギーマネジメントスクールを2010年より世界各国で開催している。原子力機構は、日本原子力人材育成ネットワークの事務局として、同ネットワークに参加している東京大学、日本原子力産業協会及び原子力国際協力センターとともに、2012年よりIAEAと共催という運営形態で上記スクールを日本で継続的に開催している。2016年は、IAEAの専門家を講師とした講義とともに、日本開催の特徴を生かしつつ、日本人専門家の協力を得て、福島第一原子力発電所事故の教訓、日本の原子力分野における経験・技術の紹介などを含む独自性のある講義を提供した。施設見学では、多様な原子力関連施設の見学を福井県及び神戸市で実施した。本スクールの開催を通して、我が国の若手人材の国際化および新規原子力導入国等の人材育成へ貢献することができ、また、我が国とIAEAとの協力関係の促進に資することができた。加えて、関係機関が一体となって協力し合い開催することにより、国内の原子力人材育成ネットワークの協力関係を強化することができた。

論文

Development of the water cooled ceramic breeder test blanket module in Japan

榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 鈴木 哲; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 山西 敏彦; 星野 毅; 中道 勝; et al.

Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1363 - 1369, 2012/08

 被引用回数:35 パーセンタイル:92.09(Nuclear Science & Technology)

核融合ブランケットの開発においては、ITERの核融合環境を用いて、モジュール規模で増殖ブランケットの試験を行う、ITERテストブランケット・モジュール(TBM)試験は、原型炉へ向けた重要なマイルストンである。我が国は、水冷却固体増殖TBMを主案として試験を実施するためにその製作技術開発を進めている。我が国は、これまでに開発した接合技術を用いて、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の組合せ試験にも成功した。さらに、厚さ90mmの後壁の製作技術についても、模擬材料を用いたモックアップの製作を終了した。モジュール製作技術をほぼ見通した。また、トリチウム生産のために必要な技術として、先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発や、核融合中性子を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。

論文

核融合ブランケットにおける増殖材充填体内のガス流動に関する工学的研究

関 洋治; 吉河 朗; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 江里 幸一郎; 榎枝 幹男; 坂本 健作

第17回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.265 - 266, 2012/06

固体増殖方式の核融合炉ブランケットでは、チタン酸リチウム(Li$$_{2}$$TiO$$_{3}$$)の増殖材微小球を容器に充填し、増殖したトリチウムをヘリウム(He)パージガスによって回収するシステムを採用している。国際熱核融合実験炉の中性子環境下で総合的な機械機能試験が実施予定の固体増殖方式のテストブランケットモジュールや同方式を採用した原型炉のパージガス補器系統の設計において、微小球充填体内を通過するHeパージガスの圧力損失やその流動現象を予測するためのツールを確立することは重要である。本報では、増殖材微小球充填体に対して、過去実施されていない幅広い流量域($$0<Re_{p}<7.2$$)で圧力損失試験を行い、一様な空隙率で構成された実験式との比較により予測精度を検証する。他方、増殖材充填体容器のHeパージガス導入部は、スエリング等で増殖材微小球が破砕し、閉塞に陥ることを防ぐため、底面から流入口を離す必要がある。本研究では、実機を模擬し、千鳥型に多孔を配した入口配管を用いて、底面から多孔部を離し、試験を実施した。入口配管の本数依存性と入口配管を含む予測精度の検証を報告する。

論文

Recent status of fabrication technology development of water cooled ceramic breeder test blanket module in Japan

廣瀬 貴規; 谷川 尚; 吉河 朗; 関 洋治; 鶴 大悟; 横山 堅二; 江里 幸一郎; 鈴木 哲; 榎枝 幹男; 秋場 真人

Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2265 - 2268, 2011/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:38.65(Nuclear Science & Technology)

原子力機構では、日本のITERテストブランケット(TBM)の第一候補として、水冷却固体増殖方式のテストブランケットの開発を、中心となって進めている。TBM試験を実現するためには、ITER運転スケジュールに遅れることなく、TBMのプロトタイプの製作と構造健全性の確証を行う必要がある。本報告では、日本における水冷却固体増殖(WCCB)テストブランケットモジュール(TBMの製作技術開発の最新の成果を報告する。これまでに、製作技術の最も重要な技術として、熱間等方圧加圧(HIP)接合法を開発し、実規模冷却チャンネル内蔵第一壁適用して実規模のTBMの第一壁の製作と高熱負荷による評価試験に成功した。また、TBM内部にトリチウム増殖材を格納する充填容器についても実機大のモックアップの製作に成功し気密試験に成功した。さらに、モジュール構造を形成する側壁についても実機大のモックアップ製作に成功するとともに、第一壁との組合せ施工による箱構造政策に成功した。以上のことから、日本においては、TBM製作技術開発と評価試験が順調に進展しているものと評価することができる。

論文

Numerical simulation of turbulent flow of coolant in a test blanket module of nuclear fusion reactor

関 洋治; 大西 陽一*; 吉河 朗; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 大図 章; 江里 幸一郎; 鶴 大悟; 鈴木 哲; 横山 堅二; et al.

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.139 - 142, 2011/10

日本原子力研究開発機構は、ITERでの核融合環境下で総合的機能試験が実施される予定のテストブランケットモジュール($$TBM$$)として、水冷却方式固体増殖ブランケットの研究開発を進めてきた。$$TBM$$は、おもに第一壁,2つの側壁,後壁と増殖材充填に必要な隔壁であるメンブレンパネルによって構成される。また、冷却材である高温高圧水(入口温度553K,出口温度598K, 15MPa)は、TBM内部の並行多流路管群を流動する。本研究では、数値流体計算の結果を実規模大並列多流路の実験値と比較することにより、実現象との整合性を実証し、機器設計に際する流体挙動及び侵食腐食の予測手法の確立を目的とする。TBM側壁内部に存在する並列多流路管内を流れる冷却材を対象に、乱流モデル及びLES(標準スマゴリンスキーモデル)を用いて、数値流体計算を実施した。流体計算による室温条件での各流量分配は、複雑流路である実規模大並列多流路の実験値とほぼ一致することを確認した。数値流体計算の予測手法の妥当性を示したことにより、高温高圧水条件の設計に際しても有効な予測手段の一つとして実証した。

論文

Magnetic and superconducting properties of CeRhGe$$_2$$ and CePtSi$$_2$$

広瀬 雄介*; 西村 尚人*; 本多 史憲*; 杉山 清寛*; 萩原 政幸*; 金道 浩一*; 竹内 徹也*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 松浦 直人*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 80(2), p.024711_1 - 024711_12, 2011/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:47.32(Physics, Multidisciplinary)

Magnetic and superconducting properties of CeRhGe$$_2$$ and CePtSI$$_2$$ have been investigated by bulk property measurements and neutron scattering experiments. CeRhGe$$_2$$ was found to order antiferromagnetically with an ordered moment 1.3 $$mu_{rm B}$$/Ce along the $$c$$-axis of the orthorhombic unit cell. High pressure resistivity measurements revealed a suppression of the antiferromagnetic transition with increasing pressure and the occurrence of superconductivity near the critical pressure where antiferromagnetism vanishes. Quantum-critical characteristics are expected to these compounds.

論文

Numerical simulation of turbulent flow of coolant in a test blanket module of nuclear fusion reactor

関 洋治; 大西 陽一*; 吉河 朗; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 大図 章; 江里 幸一郎; 鶴 大悟; 鈴木 哲; 横山 堅二; et al.

Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2010/10

日本原子力研究開発機構は、ITERでの核融合環境下で総合的機能試験が実施される予定のテストブランケットモジュール(TBM)として、水冷却方式固体増殖ブランケットの研究開発を進めてきた。TBMは、おもに第一壁,2つの側壁,後壁と増殖材充填に必要な隔壁であるメンブレンパネルによって構成される。また、冷却材である高温高圧水(入口温度553K,出口温度598K,15MPa)は、TBM内部の並行多流路管群を流動する。本研究では、数値流体計算の結果を実規模大並列多流路の実験値と比較することにより、実現象との整合性を実証し、機器設計に際する流体挙動及び侵食腐食の予測手法の確立を目的とする。TBM側壁内部に存在する並列多流路管内を流れる冷却材を対象に、乱流モデル及びLES(標準スマゴリンスキーモデル)を用いて、数値流体計算を実施した。流体計算による室温条件での各流量分配は、複雑流路である実規模大並列多流路の実験値とほぼ一致することを確認した。数値流体計算の予測手法の妥当性を示したことにより、高温高圧水条件の設計に際しても有効な予測手段の一つとして実証した。

報告書

JRR-3を用いた$$^{99}$$Mo製造に関する概念検討

広瀬 彰; 米田 政夫; 木名瀬 政美; 反田 孝美; 和田 茂

JAEA-Technology 2010-007, 68 Pages, 2010/06

JAEA-Technology-2010-007.pdf:3.76MB

放射性医薬品として核医学の分野で最も多く用いられているテクネチウム-99m($$^{99m}$$Tc)の親核種であるモリブデン-99($$^{99}$$Mo)について、JRR-3を用いた製造を検討する。$$^{99}$$Moは、その供給をすべて輸入に依存している状況にあることから、産業界と共同で$$^{99}$$Moの一部国産化を目指すものである。本報告書では、JRR-3研究用原子炉を用いた(n,$$gamma$$)反応を利用し$$^{99}$$Moを得る「中性子放射化法」による$$^{99}$$Moの製造プロセスの技術的な検討について述べる。

論文

Overview of the R&D activities of water cooled ceramic breeder blanket

榎枝 幹男; 廣瀬 貴規; 谷川 尚; 鶴 大悟; 吉河 朗; 関 洋治; 西 宏; 横山 堅二; 江里 幸一郎; 鈴木 哲

Proceedings of 18th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-18) (CD-ROM), p.645 - 649, 2010/05

本報告は、日本における水冷却固体増殖(WCCB)ブランケットの開発の現状を報告するものである。日本は、WCCBブランケットを核融合原型炉の主案として、その開発を進めている。特に、ブランケットモジュール製作技術開発に関しては、実規模の第一壁モックアップを、実機構造材料である低放射化フェライト鋼(RAFMS)のF82Hを実際に使用して製作することに成功した。さらに製作した第一壁モックアップを用いて、実機の冷却水条件の15MPa, 300度の水で冷却しつつ、実機熱負荷条件0.5MW/m$$^{2}$$での熱負荷試験に80回試験を行い、変形やホットスポットなどがないことを確認した。また、ブランケットのモジュールを構成する側壁部の実規模モックアップの製作にも成功し、さらに、第一壁モックアップと側壁モックアップの組合せ接合に成功して、初めてテストブランケット実規模筐体モックアップの試作に成功した。これらの開発により、筐体製作技術の主要課題の解決の見通しが得られた。

報告書

テストブランケット側壁の冷却水流量配分特性

吉河 朗; 谷川 尚; 関 洋治; 廣瀬 貴規; 鶴 大悟; 江里 幸一郎; 横山 堅二; 西 宏; 鈴木 哲; 丹澤 貞光; et al.

JAEA-Technology 2009-077, 23 Pages, 2010/03

JAEA-Technology-2009-077.pdf:2.62MB

固体増殖水冷却方式のテストブランケットモジュール(TBM)における側壁内の冷却流路は、2本の母管の間を複数の枝管で平行に接続する管路網(平行多流路)としているため、各枝管を流れる冷却水には流量の分布が生じると予想される。本研究では、平行多流路における流量分布を予測し、TBMの使用条件において構造材料を使用制限温度以下に保持するために必要となる管路網を設計することを目的とした。1次元熱計算により、必要となる冷却流量を評価した。また、圧力損失計算に基づく簡易評価により、必要な流量が得られるような管路網を設計した。塩化ビニル管を用いた試験体を用いて流量分布を測定し、設計の妥当性を確認した。この設計に基づき、F82H製の実規模試験体を製作し、流量分布と圧力損失とを計測したところ、枝管における流量の低下は最大でも平均流量の12%であり、除熱の観点からは十分に余裕があることを確認した。また、圧力損失についても計算値と実測値でよく一致した。以上の結果から、TBMの側壁における冷却管路網について、除熱の観点から必要となる流量を確保するための設計を確立することができた。

論文

Cyclically induced softening in reduced activation ferritic/martensitic steel before and after neutron irradiation

Kim, S.-W.; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 香山 晃*

Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.529 - 532, 2009/04

 被引用回数:13 パーセンタイル:64.74(Materials Science, Multidisciplinary)

低放射化鉄鋼材及び中性子照射材における径ひずみ制御低サイクル疲労試験に関する結果が報告される。その結果、繰返し軟化挙動が主として作用していることがわかった。friction stress及びback stressを決定するためにヒステリシスループにおける詳細な解析を行った。Friction stressは、転位の移動に対する摩擦力を意味し、結晶粒内の固溶元素及び欠陥などが障害物として作用する。一方、back stressは、転位のpile-up等によって生ずる抵抗力を意味し、転位セルや結晶粒などの大きさと負荷される応力によって大きく変化する。F82H IEA heatの繰返し軟化挙動はこのfriction stressの低下に大きく起因する。さらに、中性子照射材のfriction stress及びback stress挙動は非照射材と比べ、著しく変化していることがわかった。

論文

Technical issues of reduced activation ferritic/martensitic steels for fabrication of ITER test blanket modules

谷川 博康; 廣瀬 貴規; 芝 清之; 笠田 竜太*; 若井 栄一; 芹澤 久*; 川人 洋介*; 實川 資朗; 木村 晃彦*; 幸野 豊*; et al.

Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1471 - 1476, 2008/12

 被引用回数:78 パーセンタイル:97.72(Nuclear Science & Technology)

低放射化フェライト鋼は、核融合ブランケットシステムに用いられる構造材料の第一候補材として知られている。日本で開発が進められている低放射化フェライト鋼F82Hは、高温強度と溶接性を重視して成分調整が計られた鋼である。そのデータベースは、存在する低放射化フェライト鋼のうちで最も充実している。本論文は、F82Hの開発状況をレビューし、近年の日本における研究開発から示されたITER-TBM製作に向けた技術的課題を整理し示すことを目的とする。

論文

Effects of surface morphology and distributed inclusions on the low cycle fatigue behavior of miniaturized specimens of F82H steel

Kim, S.-W.*; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 香山 晃*

Journal of ASTM International (Internet), 5(8), 8 Pages, 2008/09

核融合炉の第一壁及びブランケット構造体では、炉のパルス運転や運転条件,熱伝度などにより繰返し温度の勾配が生じ、疲労及びクリープ(クリープ疲労)による弾性及び弾塑性繰返し変形が起こる。また、核融合炉環境における材料特性の評価においては試験片の微小化は非常に重要であるが、疲労試験における試験片の小型化は、座屈を引き起こすなどの問題がある。このため、座屈耐性に優れる微小砂時計型試験片(SF-1)が提案されている。しかし、試験片の微小化に伴い、繰返し応力負荷下での表面状態と介在物等の材料因子の影響が大きくなると考えられる。そこで、本研究では、核融合炉構造材料の第一候補材料である低放射化フェライト鋼を対象とし、SF-1試験片による低サイクル疲労挙動に及ぼす表面状態と介在物の影響を破壊機構論的に明らかにすることを目的とした。特に、三つの種類に制御されたSF-1試験片に対する低サイクル疲労試験により、試験片の表面状態による影響を明らかにし、試験片に分布された介在物が疲労亀裂の発生・進展に及ぼす影響を検討した。

報告書

中性子核変換ドーピングSi半導体(NTD-Si)製造用JRR-3高性能シリコン照射装置の概念設計

広瀬 彰; 和田 茂; 楠 剛

JAEA-Technology 2007-033, 87 Pages, 2007/03

JAEA-Technology-2007-033.pdf:4.44MB

中性子核変換ドーピングSi半導体(NTD-Si)は高性能のパワーデバイスとしての高品位特性を有し、最近のハイブリッド車の増産に伴い需要が増大している。この需要増大に対応するため、中性子照射に適した日本原子力研究開発機構の研究炉(JRR-3, JRR-4, JMTR)を用いたNTD-Si増産の技術的課題に対する対策を進めている。その有効な対策の一つとしてJRR-3均一照射設備を利用した高性能シリコン照射装置の概念設計を行った。JRR-3の均一照射設備は、Siインゴット全体に対し均一に中性子照射を行うためSiインゴットを軸方向に上下反転して2度照射する方式が採用されており、反転作業を手作業で行っているため、シリコン照射装置内で許容線量率を下回るまで待つ必要があり、48時間以上の待機後に反転作業を行っている。照射設備の運転稼働率を高めSi生産量の増量を図るためには、待機時間を少なくすること及び手作業による操作工程を少なくする全自動化装置の製作を行うことが有効である。本報告書は、JRR-3均一照射設備として使用する高性能シリコン照射装置の概念設計に関するものである。

論文

Status and key issues of reduced activation martensitic steels as the structural materials of ITER test blanket module and beyond

谷川 博康; 芝 清之; 廣瀬 貴規; 笠田 竜太*; 若井 栄一; 實川 資朗; 木村 晃彦*; 香山 晃*

Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 6 Pages, 2007/03

ITER-TBMの具体的設計を基準として、製作及び許認可取得に向けた準備状況についてF82H鋼を対象にレビューを行い、F82H鋼の優位性を示すとともに、他の低放射化フェライト鋼との共通課題の分析を行い、近々に行われるべき共同研究の提案を行った。本論文ではITER建設活動の本格化を見込んで、より具体的なTBM設計に対応した材料問題についてITER運転条件から材料課題の分析を行った。原型炉に向けた課題として、最近の成果から明らかになった析出物安定性,熱処理効果,Ta効果について報告する。

報告書

中性子核変換ドーピングSi半導体(NTD-Si)製造機能拡充のための外部冷却法対応設備の製作(共同研究)

広瀬 彰; 和田 茂; 笹島 文雄; 楠 剛; 亀山 巌*; 会澤 良二*; 菊池 直之*

JAEA-Technology 2006-059, 122 Pages, 2007/01

JAEA-Technology-2006-059.pdf:26.03MB

中性子核変換ドーピングSi半導体(NTD-Si)は高性能のパワーデバイスとしての高品位特性を有しており、最近のハイブリッド車の増産状況等を反映し、その需要が急激に増大するものと見込まれる状況にある。このような需要増大に対応するため、JRR-3を用いたNTD-Si増産の技術的課題の検討が進められている。本書は、その検討の一環として提案されたJRR-3均一照射設備における外部冷却法対応設備の製作に関するものである。JRR-3均一照射設備では、長尺なSiインゴット全体に対し均一に中性子照射を行うためSiインゴットを軸方向に上下反転して2度照射する方式が採用されており、反転作業を人為的に行っている。このため許容線量率を下回るまでの間、Si照射設備内で放射能が減衰するのを待つ必要から長い待機が余儀なくされていた。照射設備の運転稼働率を高めSi生産量の増量を図るためには、待機時間を短縮することが有効と考え、この待機時間を改善する優れた方法として外部冷却法を考案し、今回その製作と実用試験を実施した。この外部冷却法対応設備を有効に活用することにより、増産を見込んでいる。

論文

Microstructural analysis of mechanically tested reduced activation ferritc/martensitic steels

谷川 博康; 廣瀬 貴規; 安堂 正巳; 實川 資朗; 加藤 雄大*; 香山 晃*

Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part1), p.293 - 298, 2002/12

 被引用回数:9 パーセンタイル:51.46(Materials Science, Multidisciplinary)

特に中性子照射された材料の破壊機構について、微細組織レベル理解することは重要な問題として挙げられてきたが、強度試験後試料から透過型電子顕微鏡(TEM)用薄膜試料を作ることが極めて困難であったため、これまで十分に理解されていない。この技術的な問題を解決するために、集束イオンビーム(FIB)マイクロサンプリング・システムを、日本原子力研究所の東海研ホットラボ施設に導入した。このシステムにより、中性子照射された試料の疲労破壊起点といったような、破壊機構を理解するうえで要点となる箇所からTEM用薄膜試料を作ることが可能となった。この論文では低放射化フェライト鋼の疲労破壊挙動について、特に核変換生成ヘリウムの効果に着目して、微細組織観察をベースに検討を行った。その結果を報告する。

論文

Response of reduced activation ferritic steels to high-fluence ion-irradiation

谷川 博康; 安堂 正巳; 加藤 雄大*; 広瀬 貴規*; 酒瀬川 英雄*; 實川 資朗; 香山 晃*; 岩井 岳夫*

Journal of Nuclear Materials, 297(3), p.279 - 284, 2001/09

 被引用回数:34 パーセンタイル:89.95(Materials Science, Multidisciplinary)

日本で開発が進められている、核融合炉構造材料の低放射化フェライト鋼: JLF-1及びF82Hについて、核融合炉環境(核変換ヘリウム生成環境)での重照射効果を調べるべく、ニッケルとヘリウムの同時イオン照射実験を最大100dpaまで723Kで行い、欠陥生成・相安定性・スウェリング特性についての評価を行った。透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行うにあたっては、マイクロサンプリング機構付き集束イオンビーム加工装置を利用してTEM観察用薄膜試料を作製する手法を確立した。これにより、フェライト鋼の強磁性がTEM観察に及ぼす影響をほぼキャンセルすることができたため、詳細な微細組織観察が叶になったほか、従来になく高精度のクロスセクション薄膜を作製できることにより、イオン照射損傷組織の深さ方向に関する情報を高い統計的精度でもって得ることが可能となった。

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