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論文

Effect of helium on irradiation creep behavior of B-doped F82H irradiated in HFIR

安堂 正己; 野澤 貴史; 廣瀬 貴規; 谷川 博康; 若井 栄一; Stoller, R. E.*; Myers, J.*

Fusion Science and Technology, 68(3), p.648 - 651, 2015/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:32.74(Nuclear Science & Technology)

照射下クリープに及ぼすヘリウムの影響を調べるために、F82H鋼およびボロン添加したF82H鋼の圧力管を準備し、573Kおよび673Kにて6dpaまでの中性子照射を行った。照射後、これらの圧力管の径を非接触型レーザーシステムにて測定し、クリープひずみの解析を行った。この結果、573K, 673Kにて照射されたF82H鋼のクリープひずみは約260MPaおよび170MPaの応力までそれぞれ直線的に増加することがわかった。特に673K照射材では、いくらかの$$^{10}$$BN添加F82H鋼のクリープひずみは、ヘリウムの発生しない$$^{11}$$BN添加F82H鋼に比べて増加する傾向にあった。この原因として、ボロンによって発生したヘリウムによりバブルが形成し、わずかなスウェリングが生じたためと考えられる。

論文

Corrosion properties of F82H in flowing high temperature pressurized water

中島 基樹; 廣瀬 貴規; 谷川 尚; 榎枝 幹男

Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.11, p.69 - 72, 2015/03

固体増殖水冷却方式のブランケットは既存のPWRの技術の応用が効くことなどから魅力的な概念となっている。ブランケットにおいてはトリチウム増殖比確保の観点から構造材料の薄肉化が求められるが、同時に15MPaに耐える肉厚が必要となる。そのような背景から、高温高圧水中での腐食機構の理解が強く望まれている。本研究では低放射化フェライト鋼F82Hの高温高圧水中での腐食特性に及ぼす溶存酸素量の影響について報告する。流動環境ではDO8ppmを除いて重量が減少しており、低DOの方がより重量減少が顕著であった。重量減少量が小さい試験片では鉄の溶出により形成される鉄欠乏層が小さくなっていることや、表面にヘマタイトが認められたことから、ヘマタイトの形成が重量減少抑制に寄与していると考えられた。

論文

Corrosion behavior of F82H exposed to high temperature pressurized water with a rotating apparatus

金井 亮彦*; 笠田 竜太*; 中島 基樹; 廣瀬 貴規; 谷川 尚; 榎枝 幹男; 小西 哲之*

Journal of Nuclear Materials, 455(1-3), p.431 - 435, 2014/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)

The present study reports the compatibility of a reduced-activation ferritic steel F82H exposed to high temperature pressurized water using a rotating disk apparatus at 573 K. Every rotated sample reduces their weight due to water flow. Cross-sectional observations revealed that difference of apparent rotating speed on the microstructural change is limited.

論文

Physical properties of F82H for fusion blanket design

廣瀬 貴規; 野澤 貴史; Stoller, R. E.*; 濱口 大; 酒瀬川 英雄; 谷川 尚; 谷川 博康; 榎枝 幹男; 加藤 雄大*; Snead, L. L.*

Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1595 - 1599, 2014/10

 被引用回数:47 パーセンタイル:96.55(Nuclear Science & Technology)

低放射化フェライト/マルテンサイト鋼(RAF / M)は、増殖ブランケットの最も有望な候補材料である。しかし、設計解析に用いられるRAF/Mの物性値の評価例は非常に限られている。本研究では、設計解析に使用される材料特性データについて再評価するとともに、F82Hの複数ヒートについて新たに物性値を評価した結果を報告する。これまで、F82Hの熱伝導率はIEAラウンドロビン試験の中間報告値が国内外で広く参照されてきたが、複数ヒートの測定結果と比較すると、総じて20%程度過大に評価していることが明らかとなった。また、物性への中性子照射効果の一例として、573K及び673 Kにおいて、6dpaまで中性子照射したF82Hとその溶接部における抵抗率は、最大で6%低下することを明らかにした。

論文

Compatibility of Ni and F82H with liquid Pb-Li under rotating flow

金井 亮彦*; Park, C.*; 登尾 一幸*; 笠田 竜太*; 小西 哲之*; 廣瀬 貴規; 野澤 貴史; 谷川 博康

Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1653 - 1657, 2014/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:36.65(Nuclear Science & Technology)

The present study reports the compatibility of a reduced-activation ferritic steel F82H and Ni exposed to liquid Pb-Li flow using a rotating disk apparatus at 873 K. Cross-sectional observations revealed that grain boundary attack of Pb caused a liquid metal embrittlement of Ni and formation of pitting holes and Cr-depleted zone in F82H.

論文

R&D status on water cooled ceramic breeder blanket technology

榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 中島 基樹; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 林 巧; 山西 敏彦; et al.

Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1131 - 1136, 2014/10

 被引用回数:21 パーセンタイル:83.69(Nuclear Science & Technology)

我が国の原型炉ブランケット開発の最重要ステップとして、水冷却固体増殖テストブランケット・モジュール(TBM)の開発が進められている。TBM試験と原型炉ブランケット開発のために、モジュール製作技術開発、増殖増倍材ペブル製作技術、トリチウム生成率評価試験と構造設計が行われている。実機構造材F82Hを用いた製作技術開発は、F82Hの工学物性値の評価結果に基づいて実施され、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の接合、厚さ90mmの後壁の実規模モックアップの製作に成功した。モジュール筐体モックアップの製作を検討している。また、トリチウム生産のために必要な技術として、高温での耐久性に優れた先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発を進めた。また、核融合中性子研究施設(FNS)を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。

論文

Gamma-ray dose analysis for ITER JA WCCB-TBM

佐藤 聡; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 榎枝 幹男; 落合 謙太郎; 今野 力

Fusion Engineering and Design, 89(9-10), p.1984 - 1988, 2014/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:16.31(Nuclear Science & Technology)

原子力機構ではITERに設置し試験するための水冷却個体増殖材テストブランケットモジュール(WCCB-TBM)の開発を進めている。モンテカルロコードMCNP5.14, 放射化コードACT-4, 核融合評価済み核データライブラリーFENDL-2.1を用いて、このWCCB-TBMの核解析を行った。TBMのMCNP形状入力データは、CADデータをMCNP形状入力データへ変換するプログラムGEOMITを用いて、TBMのCADデータから作成した。この形状入力データに、TBM以外の遮蔽体, フレーム, フランジ, ポート, 生体遮蔽体, 真空容器, 冷却水配管, ヘリウムガス配管等の形状をマニュアルで追加し、最終的なMCNP形状入力データとした。運転停止後の崩壊$$gamma$$線による線量率を精度よく評価するために、運転中の中性子輸送計算と崩壊$$gamma$$線輸送計算を直接1回のMCNPで計算するプログラムD1S(Direct 1 Step) MCNPを用いた。ポートとTBMの間のギャップストリーミングを低減させる工夫をすることにより、運転停止1日後の生体遮蔽体背後の実効線量率は約0.2microSv/hで、緊急時アクセスの上限値10microSv/hより約2桁低く、運転停止12日後のフランジ背後の実効線量率は50-80microSv/hで、ハンズオンメンテナンスのための上限値の100microSv/hを下回ることがわかった。

論文

Comparison and assessment of the creep-fatigue evaluation methods with notched specimens made of Mod.9Cr-1Mo steel

安藤 勝訓; 廣瀬 悠一*; 唐戸 孝典*; 渡邊 壮太*; 井上 修*; 川崎 信史; 江沼 康弘*

Journal of Pressure Vessel Technology, 136(4), p.041406_1 - 041406_10, 2014/08

 被引用回数:9 パーセンタイル:43.32(Engineering, Mechanical)

構造不連続部のクリープ疲労評価法の比較評価のため、改良9Cr-1Mo鋼切り欠き試験体によるクリープ疲労試験を実施した。試験は単軸の引張り-圧縮試験及びインダクションコイルを用いた熱荷重による試験を行った。応力集中部の応力は切り欠き半径により調整した。種々のクリープ疲労評価法により寿命評価を行うために有限要素法解析を実施するとともに、その予測寿命と試験寿命の比較検証を行った。クリープ疲労評価法としては応力再配分軌跡法(SRL法),弾性追従法,高速炉規格による方法等を採用した。これらの比較によりすべての試験結果に対してSRL法が最も適切な予測寿命を与えることが確認された。高速炉規格については繰り返し数で70倍以上安全側の評価を与えることが確認された。

論文

材料の物性値に対する放射線照射誘起効果,2-6; 圧力管型試験片を用いたF82H鋼の照射下クリープの評価

安堂 正己; 野澤 貴史; 廣瀬 貴規; 谷川 博康

プラズマ・核融合学会誌, 90(1), p.64 - 67, 2014/01

核融合炉ブランケット構造材料の第一候補材である低放射化フェライト鋼F82Hの照射クリープ特性評価のため、圧力管型クリープ試験片を用い、照射温度300$$sim$$500$$^{circ}$$CにてHFIR炉で中性子照射試験を行ったところ、熱クリープの生じない300$$^{circ}$$Cでの照射においてクリープ変形が生じることが負荷応力とひずみ量の関係から明らかとなった。また従来のFFTFでの高照射量データとの比較を行い、照射クリープ速度(ひずみ/照射量)-負荷応力での整理を行ったところ、高照射量での結果と類似の傾向を示すことがわかった。論文では、圧力管型クリープ試験片を用いた照射下クリープ試験及び評価についての概要についても紹介した。

論文

次世代エネルギー産業を支える溶接技術,2; 次世代エネルギー産業の動向とそれに関わる溶接技術へのニーズと課題; 核融合

廣瀬 貴規; 染谷 洋二; 谷川 尚; 鈴木 哲

溶接学会誌, 83(1), p.70 - 77, 2014/01

今後の世界を支えるエネルギー生産・利用技術の動向を見渡し、その基盤技術のひとつである溶接・接合技術の進むべき道を明らかにすることを目的として、核融合エネルギー分野における産業の動向と展望、発電設備の概念設計と特徴、および溶接・接合技術と課題について解説する。トカマク型核融合炉における発電までのロードマップを解説するとともに、核融合炉において特徴的な溶接・接合分野の技術課題として、放射線環境における遠隔機器による溶接、拡散接合によるニアネットシェイプ形成、接合部への中性子照射効果、およびロウ付けによるダイバータ製作を取り上げ解説する。

論文

Irradiation response in weldment and HIP joint of reduced activation ferritic/martensitic steel, F82H

廣瀬 貴規; Sokolov, M. A.*; 安堂 正己; 谷川 博康; 芝 清之; Stoller, R. E.*; Odette, G. R.*

Journal of Nuclear Materials, 442(1-3), p.S557 - S561, 2013/11

 被引用回数:9 パーセンタイル:57.11(Materials Science, Multidisciplinary)

The objective of this work is to investigate irradiation response in the joints of F82H. The joints of F82H were prepared using TIG welding, EB welding and Hot-Isostatic-Pressing (HIP). As for weld joints, mechanical specimens were cut out of weld-metal (WM), heat-affected-zone (HAZ). These specimens were irradiated in an instrumented irradiation capsule, RB-15J in HFIR at Oak Ridge National Laboratory. The irradiation temperature was controlled at 573 and 673 K using liquid lithium as a heating medium, and the irradiation dose was up to 6 dpa. Tensile tests after 573 K irradiation revealed that the hardening in WM and base metal (BM) are greater than 300 MPa. On the other hand, HAZ exhibits about half of that of the WM and BM. Since the HAZ is the weakest part in the joint even before irradiation, neutron irradiation significantly enhances the weakness of the HAZ and it could be in danger of local deformation at this region.

論文

Development of the water cooled ceramic breeder test blanket module in Japan

榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 鈴木 哲; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 山西 敏彦; 星野 毅; 中道 勝; et al.

Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1363 - 1369, 2012/08

 被引用回数:36 パーセンタイル:92.34(Nuclear Science & Technology)

核融合ブランケットの開発においては、ITERの核融合環境を用いて、モジュール規模で増殖ブランケットの試験を行う、ITERテストブランケット・モジュール(TBM)試験は、原型炉へ向けた重要なマイルストンである。我が国は、水冷却固体増殖TBMを主案として試験を実施するためにその製作技術開発を進めている。我が国は、これまでに開発した接合技術を用いて、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の組合せ試験にも成功した。さらに、厚さ90mmの後壁の製作技術についても、模擬材料を用いたモックアップの製作を終了した。モジュール製作技術をほぼ見通した。また、トリチウム生産のために必要な技術として、先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発や、核融合中性子を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。

論文

核融合ブランケットにおける増殖材充填体内のガス流動に関する工学的研究

関 洋治; 吉河 朗; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 江里 幸一郎; 榎枝 幹男; 坂本 健作

第17回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.265 - 266, 2012/06

固体増殖方式の核融合炉ブランケットでは、チタン酸リチウム(Li$$_{2}$$TiO$$_{3}$$)の増殖材微小球を容器に充填し、増殖したトリチウムをヘリウム(He)パージガスによって回収するシステムを採用している。国際熱核融合実験炉の中性子環境下で総合的な機械機能試験が実施予定の固体増殖方式のテストブランケットモジュールや同方式を採用した原型炉のパージガス補器系統の設計において、微小球充填体内を通過するHeパージガスの圧力損失やその流動現象を予測するためのツールを確立することは重要である。本報では、増殖材微小球充填体に対して、過去実施されていない幅広い流量域($$0<Re_{p}<7.2$$)で圧力損失試験を行い、一様な空隙率で構成された実験式との比較により予測精度を検証する。他方、増殖材充填体容器のHeパージガス導入部は、スエリング等で増殖材微小球が破砕し、閉塞に陥ることを防ぐため、底面から流入口を離す必要がある。本研究では、実機を模擬し、千鳥型に多孔を配した入口配管を用いて、底面から多孔部を離し、試験を実施した。入口配管の本数依存性と入口配管を含む予測精度の検証を報告する。

論文

Long-term properties of reduced activation ferritic/martensitic steels for fusion reactor blanket system

芝 清之; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 酒瀬川 英雄; 實川 資朗

Fusion Engineering and Design, 86(12), p.2895 - 2899, 2011/12

 被引用回数:43 パーセンタイル:94.34(Nuclear Science & Technology)

低放射化フェライト/マルテンサイト鋼F82Hの熱時効特性を400$$sim$$650$$^{circ}$$Cの温度範囲で、最長10万時間まで調べた。熱時効後のミクロ組織,析出物,引張特性,シャルピー衝撃特性等を調べた。Laves相は550$$sim$$650$$^{circ}$$Cの温度範囲で、また、1万時間以上では550$$sim$$650$$^{circ}$$Cの温度範囲でM$$_{6}$$C炭化物が生成した。これらの析出物は特に550$$sim$$650$$^{circ}$$Cの温度範囲で材料の靭性を大きく劣化させた。引張特性への時効の効果は大きくはなかったが、650$$^{circ}$$Cでは1万時間以上の時効で大きな軟化を示した。析出物の増加は延性にも影響を及ぼしたが、深刻な劣化ではなかった。析出物の増加は材料の靭性を大きく劣化させ、特に、650$$^{circ}$$Cでは結晶粒界への粗大なLaves相の析出によりDBTTが大きく上昇した。結晶粒界へのLaves相の析出は延性破壊時の吸収エネルギー(USE)も低下させ、シャルピー衝撃試験の結果から、F82H鋼の使用可能範囲は、550$$^{circ}$$Cで3万時間程度であることが明らかとなった。

論文

R&D of prediction system for tritium transport in pebble bed breeder blanket

関 洋治; 廣瀬 貴規; 谷川 尚; 榎枝 幹男

Proceedings of Plasma Conference 2011 (PLASMA 2011) (CD-ROM), 2 Pages, 2011/11

ITERに実装されるテストブランケットモジュールでは、核融合環境下において総合的な機械試験が実施される。固体増殖水冷却方式のテストブランケットモジュールが日本の主要な選択肢とされ、研究開発が進展している。ITERにおいて機械試験を実施する前に、テストブランケットモジュール内の機能を予測する解析ツールを開発し、発展させることが必要である。特に、トリチウムの生成と回収の予測手法の確立と解析ツールの開発は、最重要課題である。さらに、増殖材充填体内を通過するヘリウムパージガスの予測手法を確立し構築することは、テストブランケットモジュールや同方式を採用した原型炉のパージガス補器系統の設計において重要である。そこで、本研究では、増殖材微小球充填体内のヘリウムパージガスにより輸送されるトリチウムの流動挙動の把握を目的として、数値シミュレーションを実施した。数値シミュレーションの結果では、増殖材充填体内の流路位置にトリチウム濃度分布が依存し、特に出口の壁近傍でトリチウム濃度が最大であることを定量的に示した。

論文

Recent status of fabrication technology development of water cooled ceramic breeder test blanket module in Japan

廣瀬 貴規; 谷川 尚; 吉河 朗; 関 洋治; 鶴 大悟; 横山 堅二; 江里 幸一郎; 鈴木 哲; 榎枝 幹男; 秋場 真人

Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2265 - 2268, 2011/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:38.41(Nuclear Science & Technology)

原子力機構では、日本のITERテストブランケット(TBM)の第一候補として、水冷却固体増殖方式のテストブランケットの開発を、中心となって進めている。TBM試験を実現するためには、ITER運転スケジュールに遅れることなく、TBMのプロトタイプの製作と構造健全性の確証を行う必要がある。本報告では、日本における水冷却固体増殖(WCCB)テストブランケットモジュール(TBMの製作技術開発の最新の成果を報告する。これまでに、製作技術の最も重要な技術として、熱間等方圧加圧(HIP)接合法を開発し、実規模冷却チャンネル内蔵第一壁適用して実規模のTBMの第一壁の製作と高熱負荷による評価試験に成功した。また、TBM内部にトリチウム増殖材を格納する充填容器についても実機大のモックアップの製作に成功し気密試験に成功した。さらに、モジュール構造を形成する側壁についても実機大のモックアップ製作に成功するとともに、第一壁との組合せ施工による箱構造政策に成功した。以上のことから、日本においては、TBM製作技術開発と評価試験が順調に進展しているものと評価することができる。

論文

Heat treatment effect on fracture toughness of F82H irradiated at HFIR

大久保 成彰; Sokolov, M. A.*; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 實川 資朗; 沢井 友次; Odette, G. R.*; Stoller, R. E.*

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.112 - 114, 2011/10

 被引用回数:10 パーセンタイル:60.56(Materials Science, Multidisciplinary)

熱処理条件及び微量添加元素を変化させた低放射化フェライト鋼F82Hの照射硬化及び破壊靭性について調べた。試料は、標準材であるF82H-IEA材,IEA材に各種熱処理を加えたMod1シリーズ及びF82Hにタンタルを0.1%添加したMod3材である。これらの試料をHFIR炉で300$$^{circ}$$Cにて約18dpaまで照射した。照射後の硬さ試験の結果、Mod3材の照射硬化はIEA材と同程度であった。また、Mod1シリーズは、熱処理条件によって照射硬化が比較的抑えられる傾向を示した。破壊靭性試験から求めたMod3材の脆性遷移温度は、IEA材に比べて低く、室温付近であった。また、Mod1材も同様に室温付近であった。以上の結果から、熱処理条件の絞込み及び微量添加元素の調整が、照射後の遷移温度上昇の抑制に効果的であることが明らかになった。

論文

Irradiation hardening in F82H irradiated at 573 K in the HFIR

廣瀬 貴規; 大久保 成彰; 谷川 博康; 安堂 正己; Sokolov, M. A.*; Stoller, R. E.*; Odette, G. R.*

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.108 - 111, 2011/10

 被引用回数:18 パーセンタイル:78.57(Materials Science, Multidisciplinary)

F82Hは日米協力照射試験プログラムの下で、過去20年以上にわたって研究が進められてきた。これらの結果、F82Hは673K以上では60dpaまで照射硬化しないことが明らかとなった。本研究では照射硬化が顕著になる573KにおけるF82H照射試験の最新の結果を要約する。この研究で使用された材料はF82H-IEA及び改良鋼である。照射後の強度試験によりF82Hの照射硬化は9dpa付近で飽和し、その耐力は1GPaであることが明らかとなった。延性の低下も同様に9dpaで飽和した。また、照射の前にF82H-IEAより優れた延性を示した熱処理改良鋼の照射後延性は、標準的なF82Hのそれと同じレベルになることを得た。これはブランケット製作工程で生じたHAZ等の軟化部では延性低下が顕著となることを意味する。一方、ブランケット製作工程の熱履歴下で優れた組織安定性を示すTa増量鋼F82H-mod3の照射応答は、F82H-IEAと同等でありTaの悪影響は認められなかった。したがって、mod3材はHIPによって製造されるブランケットの構造材料として有効であると言える。

論文

Numerical simulation of turbulent flow of coolant in a test blanket module of nuclear fusion reactor

関 洋治; 大西 陽一*; 吉河 朗; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 大図 章; 江里 幸一郎; 鶴 大悟; 鈴木 哲; 横山 堅二; et al.

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.139 - 142, 2011/10

日本原子力研究開発機構は、ITERでの核融合環境下で総合的機能試験が実施される予定のテストブランケットモジュール($$TBM$$)として、水冷却方式固体増殖ブランケットの研究開発を進めてきた。$$TBM$$は、おもに第一壁,2つの側壁,後壁と増殖材充填に必要な隔壁であるメンブレンパネルによって構成される。また、冷却材である高温高圧水(入口温度553K,出口温度598K, 15MPa)は、TBM内部の並行多流路管群を流動する。本研究では、数値流体計算の結果を実規模大並列多流路の実験値と比較することにより、実現象との整合性を実証し、機器設計に際する流体挙動及び侵食腐食の予測手法の確立を目的とする。TBM側壁内部に存在する並列多流路管内を流れる冷却材を対象に、乱流モデル及びLES(標準スマゴリンスキーモデル)を用いて、数値流体計算を実施した。流体計算による室温条件での各流量分配は、複雑流路である実規模大並列多流路の実験値とほぼ一致することを確認した。数値流体計算の予測手法の妥当性を示したことにより、高温高圧水条件の設計に際しても有効な予測手段の一つとして実証した。

論文

Magnetic-field-induced metallic state in $$beta$$-US$$_2$$

杉山 清寛*; 広瀬 雄介*; 榎 健太郎*; 池田 修悟*; 山本 悦嗣; 立岩 尚之; 芳賀 芳範; 木田 孝則*; 萩原 政幸*; 金道 浩一*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 80(Suppl.A), p.SA104_1 - SA104_3, 2011/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:27.36(Physics, Multidisciplinary)

Magnetic and transport properties under high magnetic field were studied on a magnetic semiconductor $$beta$$-US$$_2$$. Large magnetization reaching 1.75 $$mu_{rm B}$$ has been observed at 50 T. At the same time, resistivity decreases drastically from insulating behavior at 0 T to almost metallic characteristics at 50 T. The results are discussed based on the magnetic polaron mechanism.

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