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池田 一貴*; 佐次田 頌*; 大友 季哉*; 大下 英敏*; 本田 孝志*; 羽合 孝文*; 齋藤 開*; 伊藤 晋一*; 横尾 哲也*; 榊 浩司*; et al.
International Journal of Hydrogen Energy, 51(Part A), p.79 - 87, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)Low-vanadium-concentration alloys have low durability, and their hydrogen absorption and desorption amounts decrease by 20% after 100 cycles. In this study, we conducted reverse Monte Carlo modeling on X-ray diffraction patterns and neutron pair distribution functions of the hydrogen-absorbed and desorbed samples of a VTiCr alloy to analyze the variations in the local structure. The local structure surrounding the hydrogen atom in the hydrogen-absorbed phase exhibited minimal changes. In contrast, hydrogen occupied both tetrahedral and octahedral sites of the hydrogen-desorbed phase almost equally during the early cycles; however, the amount of hydrogen occupying the tetrahedral sites increased with the number of cycles.
服部 高典; 中村 充孝; 飯田 一樹*; 町田 晃彦*; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 有馬 寛*; 大下 英敏*; 本田 孝志*; 池田 一貴*; et al.
Physical Review B, 106(13), p.134309_1 - 134309_9, 2022/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)量子調和振動子(QHO)で近似できる蛍石型のZrHとTiHの水素の振動励起を非弾性非干渉性中性子散乱によって21GPaおよび4GPaまで調べた。第一励起の振動エネルギーはそれぞれ(meV) = 141.4(2) + 1.02(2)(GPa)および(meV) = 149.4(1) + 1.21(8)(GPa)で表され、圧力とともに上昇した。格子定数の圧力変化と組み合わせて得られた金属水素原子間距離()との関係は、(meV) = 1.62(9) 10 (および(meV) = 1.47(21) 10 (であった。これらのカーブの傾きは、様々な蛍石型の金属水素化物の常圧下のトレンドに比べ、急峻であった。から得られた水素波動関数の広がりは、格子間サイトよりも縮み易いことが分かった。高圧下における水素の波動関数の優先的な収縮や小さなにおけるの急峻な立ち上がりは金属原子のイオンコアが水素原子よりも堅いために水素原子が高圧下でより狭い領域に閉じ込められるために起こると考えられる。
奥平 琢也; 奥 隆之; 猪野 隆*; 林田 洋寿*; 吉良 弘*; 酒井 健二; 廣井 孝介; 高橋 慎吾*; 相澤 一也; 遠藤 仁*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 977, p.164301_1 - 164301_8, 2020/10
被引用回数:11 パーセンタイル:78.21(Instruments & Instrumentation)We are developing a neutron polarizer with polarized He gas, referred to as a He spin filter, based on the Spin Exchange Optical Pumping (SEOP) for polarized neutron scattering experiments at Materials and Life Science Experimental Facility (MLF) of Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC). A He gas-filling station was constructed at J-PARC, and several He cells with long spin relaxation times have been fabricated using the gas-filling station. A laboratory has been prepared in the MLF beam hall for polarizing He cells, and compact pumping systems with laser powers of 30 W and 110 W, which can be installed onto a neutron beamline, have been developed. A He polarization of 85% was achieved at a neutron beamline by using the pumping system with the 110 W laser. Recently, the first user experiment utilizing the He spin filter was conducted, and there have been several more since then. The development and utilization of He spin filters at MLF of J-PARC are reported.
中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12
J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。
町田 晃彦; 本田 充紀*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 大下 英敏*; 池田 一貴*; 大友 季哉*
波紋, 23(2), p.131 - 136, 2013/05
高圧下における放射光及び中性子利用実験により、NaCl型構造の一重水素化物LaDが形成されることを初めて観測した。これまでにランタン2水素化物LaHが約11GPaの高圧力下で高水素濃度相と低水素濃度相へ相分離することを放射光X線回折によって示した。今回実施したLaDの高圧下中性子回折実験から、相分離で生成した低水素濃度相がNaCl型構造LaDであることを確認した。このNaCl型構造のLaDの形成は希土類金属水素間物では初めてのことであり、水素-金属間相互作用の水素占有サイト依存性の研究の足がかりとなる。
町田 晃彦; 本田 充紀*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 小松 一生*; 有馬 寛*; 大下 英敏*; et al.
Physical Review Letters, 108(20), p.205501_1 - 205501_5, 2012/05
被引用回数:18 パーセンタイル:67.3(Physics, Multidisciplinary)希土類金属水素化物ではH/M=2及び3の化学量論比組成が存在する。2水素化物は金属格子がfcc構造でその四面体(T)サイトを水素が占有している。八面体(O)サイトも水素が占有すると3水素化物となる。これまでにLaHが高圧下、約11GPaで水素の高濃度相と低濃度相へ相分離することを放射光X線回折によって示した。今回実施したLaDの高圧下中性子回折実験から、相分離の生成物としてNaCl型構造の一重水素化物LaDが形成されることを初めて観測した。第一原理計算及び格子ダイナミクス計算からも高圧下でLaDが形成されることが示された。このNaCl型構造のLaHの発見は水素-金属間相互作用の水素占有サイト依存性の研究の足がかりとなる。
本田 充紀; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 晃彦; 片山 芳則; 有馬 寛; 小松 一生*; 大下 英敏*; 大友 季哉*
no journal, ,
大強度陽子加速器施設(J-PARC)に建設された高強度中性子全散乱装置(NOVA)は水素貯蔵材料の中の水素の位置を明確に調べることができる。希土類水素化物のLaH2では高圧下の11GPaにおいて構造相転移が起こることが放射光硬X線を用いた研究でわかっているが、水素の占有率や占有サイトの解明には至っていない。そこで、小型高圧発生装置パリエディンバラプレス(PEプレス)を導入し高圧中性子実験を行ったので報告する。PEプレスを用いた高圧下の中性子散乱実験では、今回AlOを用いて加圧実験を行った。高圧セルの影響を確認するために、常温・常圧下におけるLaH2及びLaD2をV管に封入した中性子散乱実験も同時に行った。AlOを0ton, 50tonに加圧した結果を比較すると、50tonに加圧した際に若干の回折ピークがブロードニングする結果となったが、0tonではそれが見られず、NOVAにPEプレスをインストールして高圧中性子回折実験が可能な段階に到達したことを確認した。今後LaH2及びLaD2の水素の占有率や占有サイト解明へ向けて高圧中性子回折実験を行う予定である。
本田 充紀; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 晃彦; 片山 芳則; 有馬 寛; 小松 一生*; 大下 英敏*; 大友 季哉*
no journal, ,
大強度陽子加速器施設J-PARCに建設された高強度中性子全散乱装置NOVAでは、水素貯蔵材料の中の金属-水素,水素-水素相互作用を知ることができる。希土類水素化物のLaHは高圧下11GPで構造相転移が起こることが放射光X線を用いた研究でわかっている。しかしながら、水素の占有率や占有サイトの解明には至っていないため、高圧中性子回折実験によりそれを解明する。今回小型高圧発生装置パリエディンバラプレスプレスをNOVAへ導入し高圧中性子実験を行ったので報告する。LaH及びLaDにおいては、常温・常圧下においてバナジウム管に封入した試料の中性子散乱実験も同時に行った。高圧中性子回折実験へ向けて、AlOを0ton, 50tonに加圧した中性子回折パターンを比較すると、50tonに加圧した結果では、圧力媒体が若干抜けることにより回折ピークのブロードニングを確認したが、高圧下においても、高圧中性子回折実験が可能な段階に到達したことを確認した。
本田 充紀; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 晃彦; 片山 芳則; 有馬 寛; 小松 一生*; 大下 英敏*; 大友 季哉*
no journal, ,
LaHで観測された圧力誘起相分離現象の解明に向け、各相の水素濃度変化を調べるためJ-PARC BL21 NOVAにて実験を行った。LaH及びLaDの違いを確認,認識し、中性子回折パターンから(重)水素量を見積もることを目的とし、常温・常圧下での中性子回折実験を行った。LaHでは予想通りバックグラウンド(BG)の高い結果となったが、重水素化したLaDでは重水素の非干渉性散乱断面積が水素の1/40と小さいことからBGの低い回折パターンを取得できることを確認した。得られた結果からLaD及びLaHの格子定数aを算出した結果、a(LaD)=5.625, a(LaH)=5.647であった。LaD及びLaHの中性子回折測定結果から強度比の比較及び格子定数からの水素量の算出については、RIETANによるLaDx及びLaHx(X=0, 2, 2.5, 3)のシミュレーション結果と比較を行い、x=2の結果と実験結果が近いことを確認した。Klavins(1984)の文献からD/La, H/Laを見積もると、[D]/[La]=2.28, [H]/[La]=2.27であることがわかった。LaDを用いた高圧中性子回折実験についても報告する。
本田 充紀; 服部 高典; 町田 晃彦; 有馬 寛; 佐野 亜沙美; 片山 芳則; 青木 勝敏; 小松 一生*; 大下 英敏*; 大友 季哉*
no journal, ,
現在新エネルギー・産業技術総合開発機構の水素貯蔵材料先端基盤研究事業において、量子ビーム(放射光及び中性子)を用いた金属水素化物研究の一環として、高圧下の希土類水素化物La(H/D)2の高圧構造変化を調べている。放射光実験の結果から、希土類2水素化物全般で、高圧下において金属格子中を水素が移動し、水素濃度が異なる2つの状態に自発的に相分離することが発見された。高圧下において、金属中の格子間サイト間を水素が拡散することで、相変態が起こるという大変興味深い現象がみられている。新規水素貯蔵材料を創成するうえで、高密度化した際の格子間水素の振る舞いを調べることは必要不可欠である。一方、これらの水素の動きは、放射光X線回折によって金属格子の大きさから推定されたもので、水素を直接観察したものではない。水素を直接観測するためには中性子散乱が有効である。そこで高圧下における金属格子間の水素の状態を調べるために、われわれは、高圧装置をJ-PARC全散乱装置(NOVA)に導入し、高圧中性子実験を行った。装置開発の結果、国内最高圧力となる17GPaでの高圧中性子回折データの取得に成功した。NOVAを利用した高圧中性子回折実験の現状について報告する。
本田 充紀; 服部 高典; 町田 晃彦; 有馬 寛; 佐野 亜沙美; 片山 芳則; 青木 勝敏; 小松 一生*; 大下 英敏*; 大友 季哉*
no journal, ,
放射光及び中性子を用いた金属水素化物研究の一環として、高圧下の希土類水素化物La(H/D)2の高圧構造変化を調べている。放射光実験から希土類二水素化物全般で、高圧下において金属格子中を水素が移動し、水素濃度が異なる2つの状態に自発的に相分離することが発見された。高圧下において金属中の格子間サイト間を水素が拡散することで相変態が起こるという大変興味深い現象である。新規水素貯蔵材料を創成するうえで高密度化した際の格子間水素の振る舞いを調べることは必要不可欠である。一方、これらの水素の動きは放射光X線回折によって金属格子の大きさから推定されたもので水素を直接観察したものではない。水素を直接観測するためには中性子散乱が有効である。そこで高圧下における金属格子間の水素の状態を調べるために、高圧装置をJ-PARC全散乱装置(NOVA)に導入し高圧中性子実験を行った。装置開発の結果国内最高圧力となる17GPaでの高圧中性子回折データの取得に成功した。
青木 勝敏; 町田 晃彦; 本田 充紀; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 小松 一生*; 有馬 寛; 大友 季哉*; et al.
no journal, ,
LaDがLa金属格子中の重水素原子の再配置を伴って相分離することを中性子回折実験により見いだした。重水素原子はLaDではfcc金属格子の四面体サイトを占めているが、11GPaの圧力下で八面体サイトに移動してLaDとLaDが形成される。NaCl-型一水素化物は遷移金属では観測されているが、希土類金属で形成が確認されたのは初めてである。第一原理計算はLaHがLaHとLaHに10GPaで相分離することが示された。実験と極めて良い一致である。生成エンタルピー計算からLaHの体積減少が相分離を駆動していることがわかった。また、格子振動計算から相分離の機構の詳細が明らかにされた。
青木 勝敏; 町田 晃彦; 本田 充紀; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 小松 一生*; 有馬 寛; 大友 季哉*; et al.
no journal, ,
LaDがLa金属格子中の重水素原子の再配置を伴って相分離することを放射光X線回折と中性子回折実験により見いだした。放射光実験はSPring-8、ビームライン22XUを中性子実験はJ-PARCの全散乱装置NOVAを用いて実施した。重水素原子はLaDではfcc金属格子の四面体サイトを占めているが、11GPaの圧力下で八面体サイトに移動してLaDとLaDが形成される。NaCl-型一水素化物は遷移金属では観測されているが、希土類金属で形成が確認されたのは初めてである。第一原理計算はLaHがLaHとLaHに10GPaで相分離することが示された。実験と極めて良い一致である。生成エンタルピー計算からLaHの体積減少が相分離を駆動していることがわかった。また、格子振動計算から相分離の機構の詳細が明らかにされた。
町田 晃彦; 本田 充紀; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 小松 一生*; 有馬 寛; 大下 英敏*; et al.
no journal, ,
高圧下においてNaCl型ランタン1重水素化物LaDが形成されることを中性子回折によって観測した。NaCl型水素化物はアルカリ金属水素化物や遷移金属水素化物で形成されるが、希土類金属水素化物では常圧で存在しない。ランタン1重水素化物は2重水素化物の圧力誘起相分離の結果として形成される。本研究により、希土類金属はfcc金属格子で1, 2, 3水素化物という3つの化学量論比組成の水素化物を形成することができるということが明らかになった。2種類ある格子間サイト(四面体サイト,八面体サイト)のうち、八面体サイトのみを占有している1水素化物、四面体サイトだけ占有の2水素化物、すべての格子間サイトを占有している3水素化物という異なる3つの状態を同じ金属格子構造で実現できたことは、占有サイトの違いによる水素-金属結合状態の変化を知るうえで重要な結果である。
本田 充紀; 服部 高典; 町田 晃彦; 佐野 亜沙美; 片山 芳則; 青木 勝敏; 有馬 寛; 小松 一生*; 大下 英敏*; 大友 季哉*
no journal, ,
J-PARCの高強度全散乱装置NOVAを用いてLaD2の高圧中性子回折実験を行った。常圧時のRietveld解析では、格子定数a=5.652(2)となり、水素占有率nは、四面体サイト(T-サイト)n=0.94(4)及び八面体サイト(T-サイト)n=0.09(6)という結果が得られた。高圧中性子回折実験では、0.1GPaから17GPaまで圧力点10点にて高圧中性子プロファイルを得た。正方晶の歪みが増加するに伴いピーク分離が起こり、11GPaにおいて相分離が起こる。同様の結晶歪みが、過剰の水素がO-サイトを占有することでLaH2+構造をとるという報告がある。LaD2においても、TサイトからOサイトへ一部分水素が移動することで、このような歪みが起こっている可能性がある。相分離を誘発する立方晶-正方晶構造相転移の詳細なメカニズムについてRietveld解析により精密化した構造モデルにより議論する。
町田 晃彦; 本田 充紀; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 小松 一生*; 有馬 寛; 大下 英敏*; et al.
no journal, ,
希土類金属水素化物は格子間に侵入した水素が構造や電子状態(物性)の変化を誘起することが知られており、占有サイトの違いによる水素-金属結合状態の変化が観測できると期待される。ランタン2水素化物において圧力による格子圧縮によりユニットセル体積が約17%異なる二相に相分離を起こすことを観測した。この二相は水素量の異なる相であると推測され、圧力によってサイト間の水素の移動が生じたことになる。ランタン2重水素化物において高圧下中性子回折実験を実施した結果、NaCl型ランタン1重水素化物が形成されることを明らかにした。本研究により、希土類金属はfcc金属格子で1, 2, 3水素化物という3つの化学量論比組成の水素化物を形成することができるということが明らかになり、結合状態の占有サイト依存性を明らかにするための足がかりができた。
町田 晃彦; 本田 充紀; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 小松 一生*; 有馬 寛; 大下 英敏*; et al.
no journal, ,
希土類金属水素化物は2水素化物と3水素化物という化学量論比組成が存在する。2水素化物は金属的であり3水素化物になると絶縁体になるため、格子間に侵入した水素が構造や電子状態(物性)の変化を誘起すると考えられている。したがって占有サイトの違いによる水素-金属結合状態の変化が観測できると期待される。ランタン2水素化物において圧力による格子圧縮によりユニットセル体積が約17%異なる二相に相分離を起こすことを観測した。この二相は水素量の異なる相であると推測され、圧力によってサイト間の水素の移動が生じたことになる。特に低濃度相についてはその水素占有サイトや占有率が不明であったが、われわれはランタン2重水素化物において高圧下中性子回折実験を実施した結果、NaCl型ランタン1重水素化物LaDが形成されること明らかにした。1水素化物は希土類金属水素化物では初めて発見されたものである。
町田 晃彦; 本田 充紀*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 有馬 寛*; 小松 一生*; 大下 英敏*; et al.
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希土類金属水素化物は2水素化物と3水素化物という化学量論比組成が存在することが知られている。2水素化物は金属的であり3水素化物になると絶縁体になるため、格子間に侵入した水素が構造や電子状態(物性)の変化を誘起すると考えられており、占有サイトの違いによる水素-金属結合状態の変化が顕著に現れると期待される。われわれは典型的な物質であるランタン2水素化物において高圧下放射光X線回折実験を実施し、圧力印加による格子圧縮によりユニットセル体積が約17%異なる二相に相分離を起こすことを観測した。この二相は水素量の異なる相であると推測され、圧力によってサイト間の水素の移動が生じたことになる。特に低濃度相についてはその水素占有サイトや占有率が不明であったが、われわれはランタン2重水素化物において高圧下中性子回折実験を実施した結果、これまでにないNaCl型ランタン1重水素化物LaDが形成されることを明らかにした。
本田 充紀*; 町田 晃彦; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 有馬 寛*; 小松 一生*; 大下 英敏*; et al.
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希土類金属2水素化物では、そのほとんどがCaF型(蛍石型:; =4)構造をとっており、金属格子は面心立方格子を組んでいる。水素原子は理想的には金属原子の作る四面体(T)サイトをすべて占有しており、もう一つの格子間サイトである八面体(O)サイトは非占有である。さらに水素量が増加するとOサイトへ水素が侵入し、最終的にすべての格子間サイトが占有された3水素化物を形成する。水素組成が2から増加する、すなわちOサイトに水素が入ると広い組成・温度領域で正方晶相が出現する。正方晶への変化はOサイトの水素原子の秩序化に起因すると考えられている。われわれはランタン2重水素化物において高圧下で立方晶から正方晶への変化を観測した。圧力下中性子回折パターンには新たなBraggピークの出現が観測された。このときの回折パターンはOサイトが一部占有されたLaDの低温秩序相と同じ正方晶構造モデルでほぼ再現できる。
青木 勝敏; 町田 晃彦; 本田 充紀; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 綿貫 徹; 片山 芳則; 小松 一生*; 有馬 寛; 大友 季哉*; et al.
no journal, ,
LaDがLa金属格子中の重水素原子の再配置を伴って相分離することを放射光X線回折と中性子回折実験により見いだした。放射光実験はSPring-8、ビームライン22XUを中性子実験はJ-PARCの全散乱装置NOVAを用いて実施した。重水素原子はLaDではfcc金属格子の四面体サイトを占めているが、11GPaの圧力下で八面体サイトに移動してLaDとLaDが形成される。NaCl-型一水素化物は遷移金属では観測されているが、希土類金属で形成が確認されたのは初めてである。第一原理計算はLaHがLaHとLaHに10GPaで相分離することが示された。生成エンタルピー計算からLaHの体積減少が相分離を駆動していることがわかった。