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村上 陽之; 木津 要; 市毛 寿一; 古川 真人; 夏目 恭平; 土屋 勝彦; 神谷 宏治; 小出 芳彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 25(3), p.4201305_1 - 4201305_5, 2015/06
被引用回数:6 パーセンタイル:32.88(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60Uのマグネットシステムを超伝導に改修するJT-60SA計画が進められている。CSのターミナル接続部はNbSn導体とNbTi導体を接続するシェイクハンド型のラップジョイントを用いて製作される。ターミナル接続部は、CSの上部および下部に配置され、CSシステムの中央に位置するモジュールはターミナル接続部とモジュール間をリードエクステンションと呼ばれる部品を用いて接続される。ターミナル接続部の接続抵抗は核融合科学研究所の大型試験装置を用いて測定した。試験の結果、接続抵抗値はJT-60SAのマグネットシステムの要求値を満足することが確認できた。また、リードエクステンション部およびサポートの構造解析を行い、設計が成り立つことを確認した。本発表では、今回実施した接続抵抗試験の結果およびリードエクステンション部の構造解析の結果について報告する。
神谷 宏治; 大西 祥広; 市毛 寿一; 古川 真人; 村上 陽之; 木津 要; 土屋 勝彦; 吉田 清; 水牧 祥一*
Proceedings of 24th International Cryogenic Engineering Conference (ICEC 24) and International Cryogenic Materials Conference 2012 (ICMC 2012) (CD-ROM), p.587 - 590, 2012/05
JT-60は日欧の幅広いアプローチの1つであるJT-60SAとして超伝導トカマク装置に改修する計画である。JT-60SAの超伝導マグネットは80Kに冷却されたサーマルシールドによって覆われている。サーマルシールドは真空容器側サーマルシールド(VVTS),ポート側サーマルシールド(PTS)、そしてクライオスタット側サーマルシールド(CTS)の3部品で構成されている。本研究では、動解析によるサーマルシールドの耐震解析を行い、設計の健全性を確認した。また、10分の外側VVTSの試作を行い、既存の内側VVTSと組合せた結果、公差が目標の10mmを満足する5.2mmとなることが明らかになった。最後にJT-60SAの低温配管の設計について報告する。
村上 陽之; 木津 要; 市毛 寿一; 神谷 宏治; 土屋 勝彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; 濱口 真司*; 高畑 一也*; 柳 長門*; et al.
Proceedings of 24th International Cryogenic Engineering Conference (ICEC 24) and International Cryogenic Materials Conference 2012 (ICMC 2012) (CD-ROM), p.575 - 578, 2012/05
JT-60SA装置の中心ソレノイド(CS)導体は、最大9Tの磁場を受けるため、NbSn素線を用いたケーブル・イン・コンジット導体により製作される。CS導体の量産に先立ち、超伝導特性の確認を目的に、日本原子力研究開発機構(JAEA)と核融合科学研究所(NIFS)が共同で、分流開始温度(Tcs)測定試験及び4000回までの繰り返し通電を実施した。今回実施したTcs試験及び繰り返し通電試験より、CS導体は十分な超伝導特性を持つこと、繰り返し励磁に対して超伝導特性の劣化を示さないことがわかった。また、本試験結果をもとに実機運転におけるCS導体の温度マージン解析を行った結果、十分な温度マージンを持って運転できることが確認できた。以上より、CS導体の設計及び製造プロセスに問題がないことが確認できたことから、CS導体の量産を開始した。本講演では、Tcs測定試験,繰り返し通電試験及び温度マージン解析の結果について報告する。
神谷 宏治; 市毛 寿一; 本田 敦; 吉田 清
Proceedings of International Cryogenic Engineering Conference 23 (ICEC-23) and International Cryogenic Materials Conference 2010 (ICMC 2010), p.797 - 802, 2011/07
臨界プラズマ試験装置JT-60は、日欧で結ばれた幅広いアプローチ活動(BA)の一環として、プラズマ閉じ込め用マグネットを超伝導化するJT-60SAとしてプラズマ閉じ込め性能を向上させる。JT-60SAでは、超伝導マグネットは放射シールド(サーマルシールド)で包囲し、プラズマ真空容器や室温からの放射伝熱や伝導伝熱を低減する。本研究では、JT-60SA用サーマルシールドの設計と現状及び熱解析について報告する。次に、熱解析結果の温度を用いたプラズマ運転時のサーマルシールドの構造解析、及びプラズマ真空容器側サーマルシールド組立時の構造解析について報告する。最後に、VVTS10度分の試作を行い、製作公差について報告する。
村上 陽之; 市毛 寿一; 木津 要; 土屋 勝彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; 濱口 真司*; 高畑 一也*; 柳 長門*; 三戸 利行*; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 21(3), p.1991 - 1994, 2011/06
被引用回数:2 パーセンタイル:18.12(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60SA装置の平衡磁場(EF)コイルは、最大経験磁場が6.2Tと比較的小さいため、NbTi素線を用いたケーブル・イン・コンジット導体により製作される。実機に使用される導体の量産に先立って、導体の超伝導特性を確認するため、実機導体を用いた性能評価試験を日本原子力研究開発機構(JAEA)と核融合科学研究所(NIFS)が共同で実施し、Tcs(分流開始温度)及びMQE(最小クエンチエネルギー)が測定された。試験の結果、実機導体は設計通りのTcsを持ち平衡磁場コイルの運転に支障がないこと、また運転領域(最大通電電流20kA,最大磁場6.2T)におけるMQEが高く、平衡磁場コイルの運転を安定に行えることが確認できた。本講演ではこれらの性能評価試験について報告する。
神谷 宏治; 村上 陽之; 木津 要; 市毛 寿一; 吉田 清
低温工学, 46(1), p.10 - 17, 2011/01
JT-60SAはJT-60Uを完全超伝導化する。ヘリウム冷凍機は4.4K, 0.6MPaの超臨界ヘリウムを一定の質量流量で循環させることにより超伝導コイルを冷却する。ヘリウム冷凍機の冷凍能力は超伝導コイルの熱負荷により決定するため、超伝導コイルの温度マージンを確保しつつ、超伝導コイルの発熱と冷媒流量を見積ることは重要である。本論文では、超伝導コイルの温度マージンと冷媒流量の関係を明らかにし、冷媒流量の低減を検討した。そして、最適化された質量流量を超臨界ヘリウム循環ループに適用して全圧力損失を求め、ヘリウム循環ポンプの熱負荷を最小にすることができた。
市毛 寿一; 村上 陽之; 木津 要; 吉田 清
JAEA-Data/Code 2010-021, 45 Pages, 2010/12
超伝導導体は温度上昇すると、超伝導状態が壊れ常伝導転移し、熱的に暴走してクエンチという現象が起こり、超伝導コイルの機能が維持できない。超伝導導体を正常に運転するには、常伝導転移するまでの温度マージンを十分に確保しなければならない。トカマク型核融合用超伝導コイルは、電気絶縁特性と機械強度を満足するために、強制冷却型超伝導導体を用いる。その超伝導導体の臨界特性は、電流及び磁場,温度に依存して大きく変動するため、超伝導導体の温度マージンを全長にわたって推定するには、交流損失などの外部からの入熱を考慮した流体熱析を行う必要がある。本解析法は、導体全長かつ運転の間の超伝導導体の温度マージンを、容易に評価するものである。そのため、超伝導導体が正常に動作するように、冷媒の流量などの冷却条件の検討を可能にして、JT-60SA用超伝導導体の設計研究に大きく貢献できた。
村上 陽之; 市毛 寿一; 木津 要; 土屋 勝彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; 濱口 真司*; 高畑 一也*; 三戸 利行*; 今川 信作*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 20(3), p.512 - 516, 2010/06
被引用回数:8 パーセンタイル:45.01(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60SAのマグネットは18個のトロイダル磁場(TF)コイル,4個のセントラルソレノイド(CS),6個の平衡磁場(EF)コイルからなる。EFコイルは6.2Tの磁場中で20kAの通電を行う必要があり、NbTiのケーブルインコンジット(CIC)導体を利用して作られることが決まった。そこで、日本原子力研究開発機構(JAEA)は核融合科学研究所(NIFS)と共同でEF導体の性能確認試験を行い、これまでの試験で6.2T, 20kAの通電に成功した。しかし、クエンチ時の導体特性に関する試験は行われておらず、クエンチ保護の観点から導体設計を進めることができなかった。そこで、今回は試験導体に誘導ヒータを取り付け、安定性マージンや常伝導伝播速度といったEF導体のクエンチ特性について試験を行った。本講演では、これらの試験結果について報告するとともに、EFコイルの実運転を想定した場合の安定性マージンやクエンチ時の最高到達温度について、本試験に基づく熱流体解析によって評価したので報告する。
木津 要; 土屋 勝彦; 吉田 清; 枝谷 昌博; 市毛 寿一*; 玉井 広史; 松川 誠; della Corte, A.*; Di Zenobio, A.*; Muzzi, L.*; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 18(2), p.212 - 215, 2008/06
被引用回数:19 パーセンタイル:66.38(Engineering, Electrical & Electronic)JT60SAの中心ソレノイド(CS), 平衡磁場(EF)コイルの最大経験磁場と最大電流値は、それぞれ9T-20kA, 6.2T-20kAである。CS導体は、JK2LB鋼コンジットのNbSn導体である。また、EF導体はSS316LN鋼コンジットのNbTi導体である。CS, EFコイルはパルス運転するコイルであり、熱負荷として交流損失が大きい。また、一部のEFコイルには、遮蔽性能が低いポート部を突き抜けてくる中性子による核発熱が存在する。さらに、ディスラプション時にも大きな交流損失が発生する。そこで、両導体には、圧力損失の低減と、大きな熱負荷に対して十分な温度マージンを確保するために、ケーブル内に中心スパイラルを導入した。また、以上の熱負荷が同時に発生した場合でも導体の温度が分流開始温度(Tcs)以下であることが必要であるが、熱負荷,経験磁場の分布は時間とともに大きく変化するため、1次元熱流体解析コードを用いて、運転温度と、最小クエンチエネルギーの解析を行った。その結果、これらのコイルは、想定される運転条件に対し、十分なTcsマージンと安定性を有することがわかった。
神谷 宏治; 竹之内 忠; 市毛 寿一; 吉田 清
no journal, ,
JT-60のプラズマ閉じ込め用コイルをすべて超伝導に置き換えるJT-60SAは、超伝導マグネットなど4K設備への室温からの放射を低減するため、80Kに冷却したサーマルシールドで超伝導マグネットを包囲する。このためサーマルシールドの形状は超伝導マグネットの形状に強く依存する。今年、トロイダルフィールドコイル(TFC)の仕様や形状が確定し、超伝導マグネットとプラズマ真空容器間のクリアランスを110mm確保できる見通しが立った。本発表では、この中でサーマルシールドの設計と、モデルの一部について熱解析を行った。
村上 陽之; 市毛 寿一; 木津 要; 土屋 勝彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; 高畑 一也*; 濱口 真司*; 柳 長門*; 今川 信作*; et al.
no journal, ,
JT-60SA装置の平衡磁場(EF)コイルは、NbTi素線を用いたケーブル・イン・コンジット導体により製作される。実機に使用される導体の量産に先立って、導体の超伝導特性を確認するため、NbTi導体を用いた性能評価試験を日本原子力研究開発機構(JAEA)と核融合科学研究所(NIFS)が共同で実施した。これまでに、NbTi素線の適用可能性を実証するためのプロトタイプ導体と、高磁場(6.2T)を発生するコイルで利用するEF-H導体を対象に、分流開始温度(Tcs)測定試験及び安定性試験の二つの性能評価試験が実施された。Tcs測定試験の結果、素線の臨界電流特性から予測される値とほぼ同じ結果が得られ、導体化による超伝導特性の低下は観測されなかった。また、安定性試験の結果、EFコイルは定格運転条件において非常に安定に運転できることがわかった。本講演ではこれらの性能評価試験について報告する。
神谷 宏治; 村上 陽之; 木津 要; 市毛 寿一; 吉田 清
no journal, ,
JT-60のプラズマ閉じ込め用のコイルをすべて超伝導に置き換えるJT-60SAでは、4.4K, 0.6MPaの超臨界ヘリウムを強制循環して超伝導コイルを冷却する。JT-60SAでは、2つの超臨界ヘリウム循環ループを備え、ループ1でEUが製作するトロイダル磁場(TF)コイル及び構造物を、ループ2で日本が担当する4つの中心ソレノイド(CS)と6つの平衡磁場(EF)コイルを冷却する。本講演ではプラズマ運転時及び、クエンチが発生した場合の最も温度マージンの厳しいCS2冷却用ヘリウムの温度と圧力の時間変化について述べる。
市毛 寿一; 村上 陽之; 木津 要; 吉田 清
no journal, ,
強制冷却導体を使用する核融合装置用超伝導導体の温度マージンを求めるには、交流損失などの発熱分布を考慮した熱流体解析を行う必要があり、この計算には複数の解析プログラムを用いて、数か月という膨大な時間を要していた。ヘリウム流量の最適化による温度マージンや圧力の解析及び、電流シナリオによる超伝導コイルの運転状態の解析を行うには計算の高速化が求められた。そこで、表計算ソフトのマクロを用いて計算していた交流損失解析について、Fortranプログラムに置き替えた解析コードを作成し、交流損失解析の高速化を行うことで、温度マージン解析の高速化を実施した。その結果、交流損失の計算時間は78hから3hへ25倍の高速化に成功した。本発表では、温度マージン解析法の高速化について述べる。
大西 祥広; 市毛 寿一; 星 亮; 神谷 宏治; 吉田 清
no journal, ,
原子力機構のJT-60トカマク本体を超伝導化する計画が、日本とEU間の共同プロジェクト「サテライトトカマク装置(JT-60SA)」として推進されている。超伝導コイルへの放射熱の侵入を抑えるため、サーマルシールドを超伝導コイルと真空容器等室温機器間に配置する。本報告では、設置時におけるサーマルシールドの自重及び冷却により発生する変位及び応力そして組立て途中における変形等を報告する。
木津 要; 米田 昌生*; 倉持 勝也; 市毛 寿一; 古川 真人; 吉田 清
no journal, ,
JT-60SA装置の超伝導コイルシステムでは、電源設備からの常伝導ブスバーがコイルターミナルボックス(CTB)と呼ぶコイル端子箱に設置された電流リード(CL)に接続される。また、CLとコイル間を超伝導導体からなる電流フィーダで接続する。CLは冷凍負荷を低減するために、高温超伝導電流リード(HTS CL)を採用し、KIT(独)が製作する。JT-60SA用のHTS CLはW7-X用のものをもとに設計されており、コイル給電機器の設計に種々の制限を与えている。CLの経験磁場の制限により、CTBはCLを垂直に設置する円筒の端子箱部と端子箱とクライオスタットをつなぐポート部により構成され7m程度のフィーダ長となる。このため、冷却による熱収縮によりHTS CLに大きな荷重が加わることが予想された。そこで、フィーダはポート部内で3か所のUベンドを設け、ポート両端部にフィーダの長手方向の変位を拘束する固定サポートを設けた。固定サポート以外は、吊ボルトによる吊下げ構造とした。この設計でCLに加わる荷重を評価し、水平,垂直ともに許容荷重を下回ることを確認した。
神谷 宏治; 大西 祥広; 市毛 寿一; 村上 陽之; 吉田 清; 水牧 祥一*
no journal, ,
JT-60のプラズマ閉じ込め用のコイルをすべて超伝導に置き換えるJT-60SAは、323Kのプラズマ真空容器と4Kの超伝導コイルの間に80Kの熱遮蔽体、サーマルシールドを設置する。本講演では、サーマルシールドの構造解析から、各サーマルシールド壁を接続する接続部品にかかる力の算出と応力試験方法について報告する。また10度分の外側真空容器用サーマルシールド(VVTS)の試作、及びこれと既に試作した内側VVTSとの接続試験についても報告する。
木津 要; 土屋 勝彦; 柏 好敏; 村上 陽之; 市毛 寿一; 淺川 修二; 吉田 清
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、メーカより納入された超伝導撚線とジャケットを研究所内の導体複合化設備で複合化し、コイル製作メーカに導体を支給している。2010年よりプラズマ平衡磁場コイル用実機導体の製作が開始され、2011年9月9日までに26本の導体が製作されている。2011年3月11日の大震災により保管していた22個の導体がほぐれてしまったが、補修を行い利用可能な状態であることを確認した。一方、中心ソレノイド実機用導体製作は、2011年7月より開始され、4本の導体を製作した。
神谷 宏治; 市毛 寿一; 吉田 清
no journal, ,
JT-60のプラズマ閉じ込め用コイルをすべて超伝導に置き換えるJT-60SAは、超伝導マグネットなど4K設備への室温からの放射を低減するため、80Kに冷却したサーマルシールドで超伝導マグネットを包囲する。プラズマ真空容器側サーマルシールド(VVTS)は真空容器やポートとトロイダル磁場コイル(TFC)との間隔が狭いため、製作と組立に高い精度が要求される。このため試作により製作公差を確定することは設計上重要である。本講演では、VVTSの試作を行い、VVTS製作公差と試作から得た結果について報告する。
木津 要; 村上 陽之; 土屋 勝彦; 柏 好敏; 市毛 寿一; 吉田 清
no journal, ,
JT-60SAのCS内部の空間確保と、CSの全体の高さを低くするためにヘリウムの入口・出口ともに最外ターンに設置する冷却方法の検討を行った。これより、内部配管はなくなり、絶縁継手の数も半分に削減でき、高さも2.3mに低くできた。この冷却方法により、コイルがクエンチしないかどうかの評価を行い、温度マージンが1K以上という設計条件を満たしていることを確認した。導体製作のために、原子力機構・那珂核融合研究所内に製作設備を2008年に建設した。2011年よりCS導体の製作を開始し現在、238mの導体を1本、466mの導体を6本の1モジュール分の導体の製作が完了した。
八木 大地*; 江幡 年宣*; 市毛 寿一*; 小林 陽一郎*; 石川 卓哉*; 山下 雅弘*; 大西 裕季*; 田中 伊知朗*; 栗原 和男; 新村 信雄*
no journal, ,
中性子回折法は水素原子位置を同定する有力な手段であり、中性子構造解析によってタンパク質や核酸における水素原子位置を含んだ水和構造を明らかにすることができる。既にわれわれはミオグロビンやルブレドキン, B型, Z型DNAなどの水和構造の決定に成功してきている。そこで明らかになった水和水の核密度ピークの形は4種類に分類にすることができ、われわれはこれを水和水の秩序性又は動的振る舞いから説明可能と考えている。水和水は双極子モーメントを持ちタンパク質周囲の電場に影響を与えていると考えられる。さらには、DNA周囲の水和水ネットワークはタンパク質による認識機構にかかわっていると考えられる。よって、水素を含んだ水和構造の決定はこれらのメカニズム解明に大いに貢献し得る。そこで、これまでの中性子構造解析の結果を"Hydrogen and Hydration DataBase for Bio-macromolecules"にデータベース化している。現在、さらに正方晶インスリン、リボヌクレアーゼA, ラクトグロブリン,
アミラーゼ, 2Znインスリンの中性子構造解析を目指している。既にこれらの大型結晶化に成功し、試験的な中性子回折実験を行った。一部は本格的測定を完了し、構造解析が進行中である。