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北村 遼; Bae, S.*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; Kim, B.*; 近藤 恭弘; 三部 勉*; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 24(3), p.033403_1 - 033403_9, 2021/03
被引用回数:1 パーセンタイル:30.79(Physics, Nuclear)低エネルギーミューオン源としてアルミニウム薄膜標的を用いた負ミューオニウムイオン(Mu)源を開発した。Mu
イオン源の性能評価のためMu-イオンを生成する実験を行った。Mu
イオンの測定強度は入射ミューオン強度
/sに対して
Mu
/sであった。アルミニウム標的上での入射ミューオンに対するMu
イオンの比である生成効率は
であった。このMu
イオン源はミューオン加速器の開発を促し、比較的簡便な装置による低エネルギーミューオン源の実用性を実証した。
中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; 岩下 芳久*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 山崎 高幸*; 吉田 光宏*; 北村 遼; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012054_1 - 012054_7, 2019/12
被引用回数:4 パーセンタイル:92.39J-PARC E34実験用の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック(IH-DTL)を開発している。このIH-DTLはミューオンを0.34MeVから4.5MeVまで加速周波数324MHzで加速する。さらに、交換収束法を用いるため、横方向の収束が電場のみでなされ、磁場収束に比べて収束力が弱い。そのため、入射マッチングが重要になる。そのためプロトタイプを製作し、ビーム特性を検証する計画である。この論文では、IH-DTLプロトタイプのためのチューナーやカップラーの開発、特に低電力測定結果について述べる。
大谷 将士*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 的場 史郎*; 三部 勉*; 三宅 康博*; 下村 浩一郎*; 山崎 高幸*; 長谷川 和男; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012067_1 - 012067_6, 2019/12
被引用回数:1 パーセンタイル:53.77負ミューオニウムはそのユニークな性質から様々な科学の分野で応用される可能性がある。1980年代に真空中で初めて生成されて以来、仕事関数の低い物質を用いて負ミューオニウム生成効率を高めることが議論されてきた。アルミナセメントの構成物質であるC12A7は良く知られた絶縁体であるが、電子をドープすることで導体として振舞うことが近年発見された。このC12A7エレクトライドは2.9eVという比較的低い仕事関数を持ち、負イオン生成効率を示すと期待されている。本論文では、従来用いていたアルミニウム、C12A7エレクトライド、さらにステンレスターゲット用いた負ミューオニウムイオン生成効率の比較について述べる。測定された生成率は10/sであり、現状セットアップではエレクトライドにおいても大きな生成率向上は確認されず、表面状態をより注意深く整える必要であることが推定される。また、生成された負ミューオニウムの平均エネルギーに材質依存はなく、0.2
0.1keVであった。
大谷 将士*; 二ツ川 健太*; 三部 勉*; 内藤 富士雄*; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 北村 遼; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 飯沼 裕美*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012097_1 - 012097_7, 2019/12
被引用回数:2 パーセンタイル:76.39ミューオン異常磁気モーメント測定および電気双極子モーメント探索実験用ミューオンリニアックの中エネルギー部用ディスクアンドワッシャ型(DAW)結合空洞リニアック(CCL)を開発している。このリニアックは、ミューオンを=0.3から0.7まで、加速周波数1.3Hzで加速する。本論文では、DAW CCLの空洞設計, ビーム力学設計、および空洞低電力モデルの測定結果について述べる。ビーム力学設計においては透過率100%で加速できる設計を行うことができ、問題となるようなエミッタンス増大もシミュレーションでは見られなかった。空洞設計においては、
=0.3, 0.4, 0.5, 0.6用のセル設計を行った。コールドモデルの測定では、0.1%の精度で設計値の1.3GHzと一致していることが確認できた。
中沢 雄河*; Bae, S.*; Choi, H.*; Choi, S.*; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 河村 成肇*; 北村 遼; Kim, B.*; Ko, H. S.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 937, p.164 - 167, 2019/09
被引用回数:2 パーセンタイル:27.27(Instruments & Instrumentation)再加速された熱ミューオンビームを用いたミューオンの異常磁気モーメント及び電気双極子モーメント精密測定実験用のミューオンリニアックを開発中である。このリニアックのためのUV光駆動の負水素イオン源を開発した。ミューオン加速実験の前にこのイオン源を用いたビームラインの調整を行った。加速ミューオンの分別に必要な偏向電磁石の磁場強度を負水素ビームを用いて確認することができた。このイオン源はミューオンビームラインのコミッショニングに広く用いることができる。
Strasser, P.*; 阿部 充志*; 青木 正治*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 東 芳隆*; 樋口 嵩*; 飯沼 裕美*; 池戸 豊*; 石田 勝彦*; et al.
EPJ Web of Conferences, 198, p.00003_1 - 00003_8, 2019/01
被引用回数:12 パーセンタイル:99.37High precision measurements of the ground state hyperfine structure (HFS) of muonium is a stringent tool for testing bound-state quantum electrodynamics (QED) theory, determining fundamental constants of the muon magnetic moment and mass, and searches for new physics. Muonium is the most suitable system to test QED because both theoretical and experimental values can be precisely determined. Previous measurements were performed decades ago at LAMPF with uncertainties mostly dominated by statistical errors. At the J-PARC Muon Science Facility (MUSE), the MuSEUM collaboration is planning complementary measurements of muonium HFS both at zero and high magnetic field. The new high-intensity muon beam that will soon be available at H-Line will provide an opportunity to improve the precision of these measurements by one order of magnitude. An overview of the different aspects of these new muonium HFS measurements, the current status of the preparation for high-field measurements, and the latest results at zero field are presented.
中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; 岩下 芳久*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 山崎 高幸*; 吉田 光宏*; 北村 遼*; et al.
Proceedings of 29th International Linear Accelerator Conference (LINAC 2018) (Internet), p.180 - 183, 2019/01
BNL-E821実験において、ミューオンの異常磁気能率(g-2)の実験値は素粒子標準理論の予想値から3.7の乖離を示しており、標準理論を超えた物理が期待されている。より高精度な測定のためにJ-PARCミューオンg-2/EDM実験では先行実験とは異なる手法での実験を計画している。超低速ミューオンを線形加速器により212MeVまで再加速することで低エミッタンスのミューオンビームを実現し、先行実験における系統誤差を減らして世界最高精度0.1ppmを目指している。実験の核となるミューオン線形加速器の技術開発として、APF方式を用いたIH-DTLの開発を進めている。本講演では、設計の手順と製造過程の報告、さらに基本性能の試験の結果について述べる。
Bae, S.*; Choi, H.*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 21(5), p.050101_1 - 050101_6, 2018/05
被引用回数:15 パーセンタイル:82.48(Physics, Nuclear)ミューオンがRF加速器によって初めて加速された。正ミューオンと電子の束縛状態である負ミューオニウムをアルミ標的中での電子獲得反応によって生成し、静電加速器により初期加速する。それを高周波四重極加速空洞(RFQ)によって89keVまで加速した。加速された負ミューオニウムは、偏向電磁石による運動量の測定と飛行時間により同定された。このコンパクトなミューオン加速器は、素粒子物理や物性物理などのミューオン加速器の様々な応用への第一歩である。
北村 遼*; 大谷 将士*; 近藤 恭弘; Bae, S.*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; et al.
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.100 - 103, 2017/12
J-PARCにおいて、新しいミューオンg-2実験が計画されている。この実験では、超低温ミューオンを生成し、線形加速器によって再加速する。このミューオンリニアックの初段の加速構造として、RFQが用いられる。初期の加速試験において、J-PARCリニアックの予備機として製作されたRFQ(RFQ II)を用いる予定である。この論文では、初期の加速試験に用いる、アルミニウムのデグレーダを用いた低速ミューオン源の開発状況、また、このミューオン源を用いたミューオン加速のシミュレーション研究について述べる。
上野 恭裕*; 青木 正治*; 深尾 祥紀*; 東 芳隆*; 樋口 嵩*; 飯沼 裕美*; 池戸 豊*; 石田 勝彦*; 伊藤 孝; 岩崎 雅彦*; et al.
Hyperfine Interactions, 238(1), p.14_1 - 14_6, 2017/11
被引用回数:3 パーセンタイル:87.03MuSEUM is an international collaboration aiming at a new precise measurement of the muonium hyperfine structure at J-PARC (Japan Proton Accelerator Research Complex). Utilizing its intense pulsed muon beam, we expect a ten-fold improvement for both measurements at high magnetic field and zero magnetic field. We have developed a sophisticated monitoring system, including a beam profile monitor to measure the 3D distribution of muonium atoms to suppress the systematic uncertainty.
北村 遼*; 大谷 将士*; 深尾 祥紀*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 三宅 康博*; 下村 浩一郎*; 近藤 恭弘; 長谷川 和男; Bae, S.*; et al.
Proceedings of 8th International Particle Accelerator Conference (IPAC '17) (Internet), p.2311 - 2313, 2017/06
J-PARCにおいて、新しいミューオンg-2実験が計画されている。この実験では、超低温ミューオンを生成し、線形加速器によって再加速する。このミューオンリニアックの初段の加速構造として、RFQが用いられる。初期の加速試験において、J-PARCリニアックの予備機として製作されたRFQ(RFQ II)を用いる予定である。この論文では、初期の加速試験に用いる、アルミニウムのデグレーダを用いた低速ミューオン源の開発状況、また、このミューオン源を用いたミューオン加速のシミュレーション研究について述べる。
Strasser, P.*; 青木 正治*; 深尾 祥紀*; 東 芳隆*; 樋口 嵩*; 飯沼 裕美*; 池戸 豊*; 石田 勝彦*; 伊藤 孝; 岩崎 雅彦*; et al.
Hyperfine Interactions, 237(1), p.124_1 - 124_9, 2016/12
被引用回数:7 パーセンタイル:92.5At the Muon Science Facility (MUSE) of J-PARC (Japan Proton Accelerator Research Complex), the MuSEUM collaboration is planning new measurements of the ground state hyperfine structure (HFS) of muonium both at zero field and at high magnetic field. The previous measurements were performed both at LAMPF (Los Alamos Meson Physics Facility) with experimental uncertainties mostly dominated by statistical errors. The new high intensity muon beam that will soon be available at MUSE H-Line will provide an opportunity to improve the precision of these measurements by one order of magnitude. An overview of the different aspects of these new muonium HFS measurements, the current status of the preparation, and the results of a first commissioning test experiment at zero field are presented.
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:171 パーセンタイル:99.44(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また
や
スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:8 パーセンタイル:51.07(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
北村 遼*; 大谷 将士*; 近藤 恭弘; Bae, S.*; 深尾 祥紀*; 長谷川 和男; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; Kim, B.*; et al.
no journal, ,
ミューオンg-2/EDMの精密測定に向けてJ-PARC E34実験ではミューオンRF実証試験に向けた準備を進めている。RFQによるミューオン加速試験のミューオン源として、金属薄膜により減速した正ミューオン及び負ミューオニウムビームの強度測定を実施した。さらにRFQ入射ビームのエミッタンス評価に向けて減速正ミューオンビームのプロファイル測定も実施した。本講演ではビーム試験の解析結果について報告する。
大谷 将士*; Bae, S.*; 深尾 祥紀*; 長谷川 和男; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; Kim, B.*; 北村 遼*; 近藤 恭弘; et al.
no journal, ,
J-PARCミューオンg-2実験(E34)では世界初のミューオン加速によって低エミッタンスビームを実現し、先行実験で主要な系統誤差であったビーム由来の系統誤差を排除して世界最高精度測定(0.14ppm)を目指している。我々はこれまで、J-PARC MLFにおいて世界初のミューオン加速に向けた基礎データを取得してきた。この結果に基づいてRFQによる加速試験を準備し、2017年11月に本試験を行う予定である。本講演では、試験の準備状況について報告する。
大谷 将士*; 近藤 恭弘; 北村 遼*; 中沢 雄河*; 須江 祐貴*; Bae, S.*; Choi, S.*; 長谷川 和男; 飯沼 裕美*; 河村 成肇*; et al.
no journal, ,
J-PARCミューオンg-2実験(E34)では世界初のミューオン加速によって低エミッタンスビームを実現し、先行実験で主要な系統誤差であったビーム由来の系統誤差を排除して世界最高精度測定を目指している。我々は今回、J-PARC MLFにおいて世界初のミューオン加速を実現した。本講演では、この加速試験成功を踏まえ、ミューオンリニアック全体と今後の展望について報告する。
北村 遼*; 大谷 将士*; 近藤 恭弘; Bae, S.*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; et al.
no journal, ,
J-PARC E34実験ではミューオンg-2/EDMの精密測定に向けて、ミューオン線形加速器の開発を進めている。初段加速器のRFQを用いたミューオンRF加速実証試験を2017年10月にJ-PARC MLFで実施した。運動エネルギー3MeVのミューオンビームは、金属薄膜標的に照射されることで負ミューオニウムイオン(Mu)となって冷却された後、静電加速収束器により5.6keVまで静電加速され、さらにRFQにより88.6keVまでRF加速される。加速Mu
ビームは偏向電磁石による運動量選別を経てMCPで検出され、TOF測定により加速Mu
の識別を行った。本講演では最新の実験結果について報告する。
四塚 麻衣*; 飯嶋 徹*; 居波 賢二*; 須江 祐貴*; 飯沼 裕美*; 中沢 雄河*; 齊藤 直人; 長谷川 和男; 近藤 恭弘; 北村 遼; et al.
no journal, ,
ミューオンの異常磁気能率(g-2)は新物理の兆候が期待されている物理量であり、実験値と標準理論の予測値の間には現在3以上の乖離が確認されている。J-PARC E34実験では独自の手法による精密測定を目指しており、主要な系統誤差を削減するために低エミッタンスビームを使用する。これは、熱エネルギーまで冷却したミューオンを、速度に応じた複数段階の線形加速器を用い212MeVまで再加速することによって生成する。実験の要求から加速中のエミッタンス成長を抑える必要があるため設計値実現には異なる加速器間でのビームマッチングが重要であり、実際のビームプロファイル測定に基づいて行われる必要がある。時間方向の測定に使用するモニターには、加速位相の1%である30
40psに相当する精度が要求されている。また、イオン源開発初期のビーム強度が低い段階でも使用可能でなければならないため、ミューオン1つに対して感度を持つ必要がある。この2つの要求を満たすため、高い感度を持つマイクロチャンネルプレートと、波高依存性の削減により高時間分解能の達成が可能であるCFD回路を用いたモニターの開発を行った。また、性能評価のためにテストベンチの構築を行い、ピコ秒パルスレーザーをMCP表面に照射した際に起こる光電効果によって生成した光電子を用い、時間分解能65psの評価値を得た。さらに、この検出器を用いたビーム輸送系の設計を行った。本発表では、テストベンチによるモニターの性能評価結果とビーム輸送系の初期の検討結果を報告する。
楊井 京輔; 飯沼 裕美*; 大谷 将士*; 近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 宮尾 智章*; 守屋 克洋
no journal, ,
現在のJ-PARCリニアックは、初段の高周波四重極リニアック(RFQ)出射ビームと比較して2段目のドリフトチューブリニアック(DTL)出射ビームのエミッタンスが2030%増加しており、今後の安定運転やさらなる大電流化に向けてビーム損失による残留放射線の増加等が懸念されている。エミッタンス増加の原因として、DTL入射ビームの不整合が考えられており、解決にはRFQ-DTL間の全長約3mの中エネルギービーム輸送系MEBT1におけるビームの諸パラメータを正確に把握する必要がある。MEBT1におけるビームの光学計算にはQ-Scan法で測定したRFQ出射ビームのエミッタンスとTwissパラメータを用いているが、この測定の系統誤差が現状では定量的に評価されていない。このため、予備用RFQ試験設備であるRFQテストスタンドを用い、実機と同様にQ-Scan法により測定したエミッタンス及びTwissパラメータの測定結果を、2重スリット型エミッタンスモニタによる測定の結果と比較することで、系統誤差の評価を行う。現状測定したビーム幅とシミュレーションに最大2
3mmの誤差があり、RFQのシミュレーションを見直す必要がある。また、MEBT1のビーム位置モニタ(BPM)で得られるビーム重心位置の測定精度にも疑念があり、現在のDTL入射ビーム軌道の制御にも最適化の余地がある。このため、MEBT1の重心位置情報の正確性確認のため、ビームベーストアライメント(BBA)によるBPMの中心確認と、BPM本体の健全性確認を行った。Q電磁石の磁場中心とBPMの測定中心に1mm程度の差異があり、この原因を調査中である。本発表ではこれらのビーム測定の結果を示す。
杉田 萌; 阿部 充志*; 飯沼 裕美*; 大金 千織; 荻津 透*; 佐々木 憲一*; 三部 勉*; 下村 浩一郎*
no journal, ,
J-PARCのMuSEUM実験では、直径20cm、長さ30cmの回転楕円体の領域に対して、磁場の時間変動は0.2ppm以下に、均一度は時間に関わらず0.2ppm(p-p)以下に保つことが求められている。MuSEUM実験で使用するMRI用超伝導磁石は、超電導コイルの内側に鉄シムを配置することで均一度の調整を行うシミングという手法をとる。磁場が温度によって変化する要因は、シミング機構の熱膨張による鉄シムの移動と磁化変化であると考えられる。そこで、シミング機構を加熱しながら磁場分布を測定し、磁場と均一度の温度依存性を確認した。また、磁場の温度変化要因である鉄シムの移動と磁化変化をシミュレーションにより計算した。実験とシミュレーションの結果を複合して考えると、実験環境の温度を0.2Kで制御する必要があるという結論を得た。