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佐久間 一幸; 操上 広志; Wainwright, Haruko*; 谷森 奏一郎*; 長尾 郁弥; 越智 康太郎; 眞田 幸尚; 斎藤 公明
Journal of Environmental Radioactivity, 280, p.107554_1 - 107554_11, 2024/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)本研究では航空機サーベイ、走行サーベイ、歩行サーベイ、定点サーベイといった複数タイプの測定結果を用いて、2011年から2022年を対象に福島地区の空間線量率統合マップを作成した。福島内の避難指示解除区域を考慮しつつ、Wainwright et al. (2017, 2019)で開発されたベイズ地球統計学手法を福島第一原子力発電所から80km圏内及び福島県全域へ適用した。統合マップは森林域の空間線量率の過小評価を修正し、既往の研究に比べ、より広範かつ複数年を対象に再現性の高いマップを作成することができた。本研究の結果は一般公衆への詳細な被ばく評価に使われることが期待される。
伊藤 耕太郎*; 田村 和久; 清水 啓佑*; 山田 悟史*; 渡邊 健太*; 鈴木 耕太*; 菅野 了次*; 平山 雅章*
RSC Applied Interfaces (Internet), 1(4), p.790 - 799, 2024/04
LiCoOはリチウムイオン電池の正極材料として広く使われている材料である。しかしながら、電解質の酸化分解により、高電圧領域での可逆容量はよくわかっていない。本研究では、LiCoO
とLi
PO
をエピタキシャル成長させて作成した高電圧(4.6V)で動作する薄膜全固体電池の作成に成功した。一方で、4.7V以上では、充放電容量は減少した。放射光を用いたX線回折実験を行い、LiCoO
の結晶構造がO1型に変化することで不活性化することがわかった。O1型構造では、層間距離が短くなっており、Liイオンのインターカレーションが阻害されている可能性が示唆された。
三上 智; 田中 博幸*; 奥田 直敏*; 坂本 隆一*; 越智 康太郎; 宇野 騎一郎*; 松田 規宏; 斎藤 公明
日本原子力学会和文論文誌, 20(4), p.159 - 178, 2021/12
2011年の福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の影響のある地域で地殻ガンマ線によるバックグラウンド線量率のレベルを調査した。可搬型ゲルマニウム半導体検出器を用いて福島第一原子力発電所から80km圏内の370地点で、2013年から2019年にかけて地殻ガンマ線を測定した。ICRUレポート53に示される方法によってウラン238(U),トリウム232(
Th)及びカリウム40(
K)の土壌中放射能濃度とこれらによる地上1m高さにおける空気カーマ率を測定評価した。
U,
Th及び
Kの370地点の平均濃度はそれぞれ18.8, 22.7, 428Bq/kgであった。また、空気カーマ率の対象エリアの平均値は0.0402
Gy/hであった。得られた空気カーマ率を文献に報告されている値と比較した。その結果、本研究による測定結果は文献に報告されている値と互いに相関があり、数値は不確かさの範囲内で一致していた。これは地殻ガンマ線による空気カーマ率は地質に依存するためである。地質時代が中生代、地質が花崗岩や流紋岩に分類される地点の空気カーマ率はその他の時代や岩石種に分類される地点の空気カーマ率に比べて統計学的に有意に高いことが確認できた。これは、既報の知見と整合する結果であった。
坂本 哲夫*; 森田 真人*; 金成 啓太*; 富田 英生*; Sonnenschein, V.*; 齊藤 洸介*; 大橋 雅也*; 加藤 弘太郎*; 井口 哲夫*; 河合 利秀*; et al.
Analytical Sciences, 34(11), p.1265 - 1270, 2018/11
被引用回数:10 パーセンタイル:35.62(Chemistry, Analytical)Characterization of radionuclides in Fukushima is important to determine their origins and current state in the environment. Radionuclides exist as fine particles and are mixed with other constituents. A measurement method with both micro-imaging capability and highly selective element detection is necessary to analyze these particles. We developed such an imaging technique using a time-of-flight secondary ion mass spectrometry and wavelength tunable Ti:Sapphire lasers for resonance ionization of target elements without mass interference. This is called resonant laser ionization sputtered neutral mass spectrometry. The instrument has high lateral resolution and higher ionization selectivity using two-step resonance excitation of Cs with two lasers at different wavelengths. Optimization of the wavelength for resonance ionization using a Cs compound was performed, and a real environmental particle containing radioactive Cs was analyzed. Isotope images of three kinds of Cs were successfully obtained without interfere from Ba isotopes for the first time.
土屋 朋生*; 小林 亮太*; 窪田 崇秀*; 斉藤 耕太郎*; 小野 寛太*; 大原 高志; 中尾 朗子*; 高梨 弘毅*
Journal of Physics D; Applied Physics, 51(6), p.065001_1 - 065001_7, 2018/02
被引用回数:10 パーセンタイル:42.24(Physics, Applied)MnVAl Heusler alloy films were epitaxially grown on MgO(100) single-crystal substrates by ultra-high-vacuum magnetron sputtering. A2- and L21-type Mn
VAl order was controlled by the deposition temperature. A2-type Mn
VAl films showed no spontaneous magnetization, while L21-type Mn
VAl films showed ferrimagnetic behaviour with a maximum saturation magnetization of 220 emu/cm
at room temperature (RT). An antiferromagnetic reflection was observed with neutron diffraction at RT for an A2-type Mn
VAl film deposited at 400
C. A bilayer sample of the antiferromagnetic A2-type Mn
VAl and Fe showed an exchange bias of 120 Oe at 10 K.
高橋 直樹; 芳中 一行; 原田 晃男; 山中 淳至; 上野 隆; 栗原 良一; 鈴木 惣十; 高松 操; 前田 茂貴; 井関 淳; et al.
日本原子力学会ホームページ(インターネット), 64 Pages, 2016/00
本資料は、平成28年度技術士試験(原子力・放射線部門)の受験を志す者への学習支援を目的とし、平成27年度技術士試験(原子力・放射線部門)の出題傾向分析や学習方法等についての全体解説、必須科目の解答と解説及び選択科目の模範解答や解答作成にあたってのポイント解説を行うものである。なお、本資料は技術士制度の普及と技術士育成を目的とした日本原子力学会から日本技術士会(原子力・放射線部会)への依頼に基づき、原子力機構所属の技術士及び社内外の各分野における専門家により作成を行ったものである。
郷 慎太郎*; 井手口 栄治*; 横山 輪*; 小林 幹*; 木佐森 慶一*; 高木 基伸*; 宮 裕之*; 大田 晋輔*; 道正 新一郎*; 下浦 享*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 6, p.030005_1 - 030005_4, 2015/06
The high-spin states in S were investigated at Tandem-ALTO facility in Institut de Physique Nucl
aire d'Orsay The
Mg(
O, 2
1n)
S fusion evaporation reaction was used to populate high-spin states in
S. The germanium
-ray detector array ORGAM was employed to measure
rays from high-spin states and charged particles evaporated from the compound nuclei were detected by a segmented silicon detector, Si-Ball. A level scheme for
S was deduced based on the gamma-gamma-coincidence analysis and
-ray angular correlation analysis. The half-life of the transition in the superdeformed band was estimated by measuring the residual Doppler shift. The deduced half-life shows the large collectivity of the band.
小林 理気*; 金子 耕士; 斉藤 耕太郎*; Mignot, J.-M.*; Andr, G.*; Robert, J.*; 脇本 秀一; 松田 雅昌*; Chi, S.*; 芳賀 芳範; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 83(10), p.104707_1 - 104707_5, 2014/10
被引用回数:17 パーセンタイル:68.67(Physics, Multidisciplinary)The effect of electron doping by the substitution of Rh for Ru on unconventional magnetic order in CeRuAl
was investigated via neutron powder diffraction. In Ce(Ru
Rh
)
Al
with
= 0.05, 0.12, 0.2, reorientation of the ordered moment from the
- to the
-axis takes place in all samples, while the ordering vector
= (0 1 0) remains unchanged within this concentration range. The moment reorientation is accompanied by an enhancement in its size by a factor of 2.4, from
=0.43
at
= 0 to
=1.06, 1.04, and 1.02
for
= 0.05, 0.12 and 0.2, respectively. The continuous decrease in N
el temperature
(
), despite an abrupt increase in
, underlines the strong anisotropy in the exchange interaction in CeRu
Al
, and the fact that this anisotropy is easily suppressed by electron doping.
伊藤 健一*; 宮原 英隆*; 氏家 亨*; 武島 俊達*; 横山 信吾*; 中田 弘太郎*; 永野 哲志; 佐藤 努*; 八田 珠郎*; 山田 裕久*
日本原子力学会和文論文誌, 11(4), p.255 - 271, 2012/04
放射性セシウムで汚染された土壌の減容化を検討するために、福島県飯舘村の農地土壌やグラウンド土壌に対し土壌分級洗浄実験を行った。その結果、水田,畑の土壌については分級洗浄により放射性セシウムの7, 8割を0.075mm以下の濁水として回収できること、また、グラウンドの砂質土壌については粗粒画分にも有意な量が分布しているが、分級洗浄の前に分散,振動,研磨などの処理を行うことにより、放射性セシウムをより細かい画分より回収できることを明らかにした。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:191 パーセンタイル:99.42(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また
や
スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:10 パーセンタイル:55.04(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
伊藤 考太郎*; 半谷 吉識*; 佐藤 勝也; 鳴海 一成
JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 81, 2011/01
本研究では、真空乾燥させた分生子にイオンビーム及び線を照射し、変異誘発の効果を調べた。真空乾燥分生子は、300Gy以上において、
線よりもイオンビームに対して高感受性を示した。イオンビーム照射では、20株の5-フルオロオロチン酸(5FOA)耐性かつウラシル要求性変異株が取得できたのに対し、
線照射では、変異株を取得することができなかった。5FOA耐性かつウラシル要求性の原因因子として、
及び
遺伝子変異が知られている。得られた変異株について、それぞれの遺伝子をPCR増幅させた結果、20株中、
,
遺伝子のみ、あるいは両遺伝子がともに増幅されない株が、それぞれ3, 5及び5株あった。残りの7株のうち、5株は欠失変異、1株は1塩基置換による変異、残りの1株は1塩基挿入変異であった。真空乾燥条件下で照射することにより、間接効果を低減させ、イオンビームの直接効果の影響が大きくなり、大規模な変異が起こったものと考えられた。
山本 将博*; 内山 隆司*; 宮島 司*; 本田 洋介*; 佐藤 康太郎*; 松葉 俊哉*; 斉藤 義男*; 小林 正則*; 栗巣 普揮*; 羽島 良一; et al.
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.717 - 720, 2010/08
われわれは、高エネルギー加速器研究機構,原子力機構,広島大学,名古屋大学,山口大学の共同研究で超低エミッタンス,大電流ビームを供給できる500-kV光陰極DC電子銃を開発している。そのために、この電子銃のチャンバは極高真空に保たれる必要があるので、チタン製のチャンバと新しいセラミック材料を採用している。この真空チャンバのガス放出速度計測結果について報告する。
坂中 章悟*; 明本 光生*; 青戸 智浩*; 荒川 大*; 浅岡 聖二*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; et al.
Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.2338 - 2340, 2010/05
日本においてERL型放射光源を共同研究チームで提案している。電子銃,超伝導加速空洞などの要素技術開発を進めている。また、ERL技術の実証のためのコンパクトERLの建設も進めている。これら日本におけるERL技術開発の現状について報告する。
伊藤 考太郎*; 半谷 吉識*; 佐藤 勝也; 長谷 純宏; 鳴海 一成
JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 83, 2009/12
しょうゆの香気成分の生成には、酵母代謝がかかわることが多く、古くからしょうゆの香りの改変を目指した酵母育種が行われている。しかし、しょうゆ酵母は、経験的に麹菌以上に変異株が取得しにくいと言われている。そこで、イオンビーム照射によるしょうゆ酵母変異株の取得を開始した。今期は、しょうゆ酵母 IFO1876株に炭素イオンビームを照射し、生存率及び変異率を求めるとともに、形質転換系の宿主となりえる栄養要求性変異株の取得を目指した。その結果、
は、麹菌と同様の生存曲線を示した。また、照射した菌体から栄養要求性変異株を選抜した結果、49株取得できた。線量別では150Gy照射区で最も多くの変異株を取得できた。各変異株の栄養要求性を調べた結果、49株中47株がアデニン要求性を示した。現在、変異箇所の特定を進めている。
山本 将博*; 本田 洋介*; 宮島 司*; 内山 隆司*; 小林 正則*; 武藤 俊哉*; 松葉 俊哉*; 坂中 章悟*; 佐藤 康太郎*; 斉藤 義男*; et al.
Proceedings of 6th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (CD-ROM), p.860 - 862, 2009/08
ERL実証機となるコンパクトERL(cERL)の建設準備がKEK東カウンターホールにて進められている。cERL早期運転実現のため、開発要素の多い電子銃部については実機開発の他、バックアップ及びR&D機として原子力機構及び高エネルギー加速器研究機構それぞれにおいて同時に開発を進めることとなった。現在原子力機構で先行して立上げが行われている1号機に対し、今後高エネルギー加速器研究機構にて立上げる2号機では、1号機との互換性を持たせつつも、(1)透過型光陰極の採用,(2)光陰極複数同時活性化及びその保存機能を持つ準備システムの開発,(3)電子銃の極高真空化のための真空系及び600kV絶縁セラミック管の開発・改良に力点を置き、現在設計を進めている。
伊藤 考太郎*; 武市 順也*; 半谷 吉識*; 佐藤 勝也; 長谷 純宏; 鳴海 一成
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 86, 2008/11
オロチジン5'-リン酸脱炭酸酵素をコードする遺伝子の欠損変異株は、麹菌の形質転換系の宿主として使用されている。この欠損変異株はウラシル要求性であり、ウラシルの基質アナログである5-フルオロオロト酸(5FOA)に耐性を示す。遺伝子操作を行わずに従来の変異原処理によって、麹菌RIB40株から
欠損変異株を取得することは困難である。本研究では、イオンビーム照射によって麹菌RIB40株の
欠損変異株を取得することを試みた。その結果、照射した分生子から5FOA耐性でウラシル要求性を示す株を25株分離した。これらのうち、13株が
欠損変異体であり、残りの12株はピリミジン生合成経路でオロチジン5'-リン酸脱炭酸酵素の上流で機能するオロチジン酸ホスホリボシル転移酵素をコードする
遺伝子の欠損変異体であった。イオンビーム照射は、従来の変異原処理では取得することが困難な新規変異体を作出するための強力なツールである。
坂中 章悟*; 吾郷 智紀*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; 原田 健太郎*; 平松 成範*; 本田 融*; et al.
Proceedings of 11th European Particle Accelerator Conference (EPAC '08) (CD-ROM), p.205 - 207, 2008/06
コヒーレントX線,フェムト秒X線の発生が可能な次世代放射光源としてエネルギー回収型リニアック(ERL)が提案されており、その実現に向けた要素技術の研究開発が日本国内の複数研究機関の協力のもと進められている。本稿では、ERL放射光源の研究開発の現状を報告する。
伊藤 考太郎*; 武市 順也*; 半谷 吉識*; 佐藤 勝也; 長谷 純宏; 鳴海 一成
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 94, 2008/03
麹菌は日本固有の発酵食品であるしょうゆ,味噌,日本酒などの醸造に広く使用されている産業上非常に重要な微生物である。そのため、古くから麹菌の育種改良は精力的に行われてきた。しかし、従来の変異方法ではランダムに多数の変異が生じ、目的の変異が入っても生育速度が低下するなどの付随変異により実用化できないといった問題があった。本研究では、麹菌へのイオンビーム誘発変異の照射条件を検討することを目的に、照射線量による生存率と薬剤耐性を指標とした変異率を調査した。さらに、イオンビーム照射により得られた白色分生子形成変異株について変異パターンを解析した。その結果、紫外線照射と比較して、すべてのイオン種で変異率は高かった。白色分生子形成変異株の変異パターンは、遺伝子内部の欠失,遺伝子の下流域の欠失,遺伝子全長の欠失,その他(遺伝子の転座・逆位や巨大領域の挿入など)に分かれることが明らかとなった。
伊藤 孝太郎*; 武市 順也*; 半谷 吉識*; 佐藤 勝也; 長谷 純宏; 坂下 哲哉; 小林 泰彦; 鳴海 一成
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 98, 2007/02
麹菌の育種はこれまでにも精力的に行われてきたが、従来の変異方法、すなわち、紫外線やX線・NTGなどの薬剤による変異ではランダムに多数の変異が生じ、目的の変異株が得られても生育速度が低下していて実用にならないなどの問題があった。また、株や変異個所によっては従来の方法では目的が達成できないことも判明してきた。そこで、われわれは近年植物の育種で高い効果を上げている重イオンビームによる変異に着目し、麹菌において最も変異率が高いイオンビーム照射条件を探索した。