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Nugraha, E. D.*; 細田 正洋*; Kusdiana*; Untara*; Mellawati, J.*; Nurokhim*; 玉熊 佑紀*; Ikram, A.*; Syaifudin, M.*; 山田 椋平; et al.
Scientific Reports (Internet), 11(1), p.14578_1 - 14578_16, 2021/07
被引用回数:24 パーセンタイル:80.26(Multidisciplinary Sciences)マムジュは、インドネシアの中でも自然を保っている地域の一つであるが、自然放射線の被ばく量が比較的高い。本研究の目的は、高自然放射線地域としてのマムジュ地域全体の放射線量の特徴を明らかにし、一般市民や環境の放射線防護のための手段として、現存被ばくを評価することである。外部および内部の放射線被ばくに寄与するすべてのパラメータを測定し、クラスター・サンプリング・エリアによる横断的な調査方法を用いた。その結果、マムジュは年間の実効線量が17115mSv、平均32mSvの特異的な高自然放射線地域であることがわかった。生涯における累積の実効線量を計算すると、マムジュの住民は平均して2.2Svを受けていることになり、これは、がんや非がん性疾患のリスクが実証されている原爆被ばく者の平均線量をはるかに上回るものである。今回の研究結果は、慢性的な低線量率放射線被ばくに関連した健康影響の理解を深めるための新しい科学的データであり、今後の疫学研究の主要な情報として用いることができる。
小倉 巧也*; 細田 正洋*; 玉熊 佑紀*; 鈴木 崇仁*; 山田 椋平; 根上 颯珠*; 辻口 貴清*; 山口 平*; 城間 吉貴*; 岩岡 和輝*; et al.
International Journal of Environmental Research and Public Health, 18(3), p.978_1 - 978_16, 2021/02
被引用回数:8 パーセンタイル:61.29(Environmental Sciences)Ten years have elapsed since the accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant in 2011, and the relative contribution of natural radiation is increasing in Fukushima Prefecture due to the reduced dose of artificial radiation. In order to accurately determine the effective dose of exposure to artificial radiation, it is necessary to evaluate the effective dose of natural as well as artificial components. In this study, we measured the gamma-ray pulse-height distribution over the accessible area of Namie Town, Fukushima Prefecture, and evaluated the annual effective dose of external exposure by distinguishing between natural and artificial radionuclides. The estimated median (range) of absorbed dose rates in air from artificial radionuclides as of April 1, 2020, is 133 (67511) nGy h
in the evacuation order cancellation zone, and 1306 (892
2081) nGy h
in the difficult-to-return zone. The median annual effective doses of external exposures from natural and artificial radionuclides were found to be 0.19 and 0.40 mSv in the evacuation order cancellation zone, and 0.25 and 3.9 mSv in the difficult-to-return zone. The latest annual effective dose of external exposure discriminated into natural and artificial radionuclides is expected to be utilized for radiation risk communication.
細田 正洋*; Nugraha, E. D.*; 赤田 尚史*; 山田 椋平; 玉熊 佑紀*; 佐々木 道也*; Kelleher, K.*; 吉永 信治*; 鈴木 崇仁*; Rattanapongs, C. P.*; et al.
Science of the Total Environment, 750, p.142346_1 - 142346_11, 2021/01
被引用回数:30 パーセンタイル:82.40(Environmental Sciences)低線量率の放射線被ばくが人体に及ぼす生物学的影響については、未だに不明な点が多い。実際、日本では福島第一原子力発電所事故後もこの問題に悩まされている。最近、高自然放射線であり慢性的に低線量率の放射線を浴びている特殊な地域をインドネシアにて発見した。そこで本研究では、特に自然放射線量が高い地域での内部被ばくと外部被ばくによる包括的な線量を推定し、ラドンの増強メカニズムを議論することを目的とした。大地からの放射線による外部被ばく線量を推定するために、自動車走行サーベイを実施した。屋内ラドン測定は、47戸の住宅を対象に、典型的な2つの季節をカバーする35ヶ月間で実施し、内部被ばく線量を推定した。また、大気中のラドンガスを複数の高さで同時に採取し、鉛直分布を評価した。調査地域の空気吸収線量率は、50nGy h
から1109nGy h
の間で大きく異なっていた。屋内ラドン濃度は124Bq m
から1015Bq m
であった。すなわち、測定された屋内ラドン濃度は、世界保健機関(WHO)が推奨する基準値100Bq m
を超えている。さらに、測定された屋外ラドン濃度は、高い屋内ラドン濃度に匹敵するものであった。調査地域の外部及び内部被ばくによる年間実効線量は、中央値を用いて27mSvと推定された。その結果、多くの住民が放射線業務従事者(職業被ばく)の線量限度を超える天然放射性核種による放射線被ばくを受けていることが判明した。このように屋外ラドン濃度が高くなっている原因は、例外的に低い高度で発生する安定した大気条件の結果である可能性がある。このことから、この地域は、慢性的な低線量率放射線被ばくによる健康影響に関する疫学調査を実施するためのユニークな機会を提供していることが示唆される。
Hegeds, M.*; 城間 吉貴*; 岩岡 和輝*; 細田 正洋*; 鈴木 崇仁*; 玉熊 佑紀*; 山田 椋平; 辻口 貴清*; 山口 平*; 小倉 巧也*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 323(1), p.197 - 204, 2020/01
被引用回数:4 パーセンタイル:27.62(Chemistry, Analytical)福島県浪江町において、2017年の部分的な避難指示区域の解除後、2つの主要河川の水中及び堆積物中の放射性セシウム濃度を大気中放射性物質濃度とともに測定した。観測された濃度は、ろ過していない河川水中のCsで最大384
11mBq/L、大気中の
Csで最大1.28
0.09mBq/m
であり、堆積物中の
Csでは最大で44900
23.4Bq/kgであった。
Cs/
Cs比は、これまでの研究報告とよく一致し、浪江町における堆積物中の放射性セシウムの主な起源が1号機である可能性が高いと考えられる。
若井田 育夫; 大場 弘則; 赤岡 克昭; 狩野 貴宏; 坂本 寛*; 中西 隆造*; 柏倉 俊介*; 平等 拓範*; 池田 裕二*; 出口 祥啓*
no journal, ,
福島第一原子力発電所廃炉における燃料デブリ等の簡易その場スクリーニング分析を目指し、レーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)を活用した遠隔その場分析技術開発を実施している。様々な適用場面を想定し、長遠隔分析を実現するためのマイクロチップレーザーLIBS、信号増倍を図るマイクロ重畳LIBS、含水試料に対応するロング・ショートレーザー二重照射LIBS等の光ファイバーLIBS化を図っている。信頼性を図るため、核燃料物質や使用済燃料での評価を進めるとともに、Co照射による耐放射線性の確認も実施する。また、AI機械学習を導入し、得られたスペクトルから組成比を自動的評価する挑戦も開始した。
若井田 育夫; 大場 弘則; 赤岡 克昭; 狩野 貴宏; 坂本 寛*; 中西 隆造*; 柏倉 俊介*; 平等 拓範*; 池田 裕二*; 出口 祥啓*
no journal, ,
レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)は、非接触・その場・迅速分析が可能な手法の一つである。我々は、光ファイバー技術と組み合わせることで耐放射線性を有する遠隔その場分析技術として基礎的な性能実証を重ね、実機適用に向けた技術開発に発展させてきた。本報告では、これまでのLIBSによるレーザーモニタリング分析技術開発の成果と、福島第一原子力発電所廃炉への適用を目指した技術開発の現状について紹介する。