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柴田 大受; 水田 直紀; 角田 淳弥; 坂場 成昭; 大崎 貴士*; 加藤 秀樹*; 井澤 祥一*; 武藤 剛範*; Gizatulin, S.*; Shaimerdenov, A.*; et al.
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2018/10
高温ガス炉(HTGR)の炉内構造物には黒鉛が用いられている。空気侵入事故による黒鉛構造物の酸化は、安全性の観点から重要な課題である。黒鉛表面へのSiC被覆は、黒鉛の耐酸性を向上させる有望な技術である。しかし、炉内構造物への適用については、この材料の高温、中性子照射に対する健全性を確認することが重要である。原子力機構と日本の黒鉛メーカは耐酸化黒鉛の研究開発を進めてきた。原子力機構とカザフスタンINPとは、ISTCパートナープロジェクトの枠組みを利用して耐酸化黒鉛に対する中性子照射効果について調べた。本報は、SiC被覆を施した耐酸化黒鉛への中性子照射後試験の結果について述べるものである。耐酸化黒鉛のうち、ある一つの銘柄については照射後の酸化試験において優れた特性を示した。
水田 直紀; 角田 淳弥; 柴田 大受; 大崎 貴士*; 加藤 秀樹*; 井澤 祥一*; 武藤 剛範*; Gizatulin, S.*; 坂場 成昭
炭素材料科学の進展; 日本学術振興会第117委員会七十周年記念誌, p.161 - 166, 2018/10
原子力機構及び日本の黒鉛メーカ4社(東洋炭素,イビデン,東海カーボン,新日本テクノカーボン)は、高温ガス炉の炉内構造材料に用いる黒鉛の耐酸化性を向上させることを目的に、CVD法によりSiCコーティングを施した耐酸化黒鉛の研究を進めている。本報では、国際科学技術センター(ISTC)のパートナープロジェクトとして実施した、カザフスタン共和国の核物理研究所(INP)のWWR-K炉による耐酸化黒鉛の中性子照射試験について紹介する。照射試験に先立ち、各試験片に対して未照射条件での酸化試験を行った結果、耐酸化試験片全てにおいて、CVD法により施されたSiCコーティングが十分な耐酸化性を示すことがわかった。中性子照射試験は終了しており、今後はWWR-Kホットラボでの炉外酸化試験を行う計画である。
佐藤 淳也; 菊地 博*; 加藤 潤; 榊原 哲朗; 松島 怜達; 佐藤 史紀; 小島 順二; 中澤 修
QST-M-8; QST Takasaki Annual Report 2016, P. 62, 2018/03
福島第一原子力発電所における多核種除去設備から発生している廃吸着材は、多量の放射性核種を含有しており、処分のために発生した固化体への放射線影響が懸念されている。本件は、廃吸着材の模擬物をセメント固化した試料において放射線分解によって発生する水素ガス量の調査を目的として実施した。チタン酸塩, 酸化チタン, フェロシアン化物, キレート樹脂及び樹脂系吸着材を対象として、セメント固化材(普通ポルトランドセメント及び高炉スラグセメント)を用いて固化試料を作製した。量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所のコバルト照射施設を利用して線の照射試験を行い、セメント固化試料からの水素ガス発生を調査した。試験の結果、セメント固化試料から発生した水素ガス量を求め、水素ガス発生のG値を算出することができた。
川崎 将亜; 中嶌 純也; 吉田 圭佑; 加藤 小織; 西野 翔; 野崎 天生; 中川 雅博; 角田 潤一; 菅谷 雄基; 長谷川 里絵; et al.
JAEA-Data/Code 2017-004, 57 Pages, 2017/03
原子力施設の事故発生時においては、事故による影響及びその範囲を迅速に把握するために、放出された放射性物質による一般公衆への影響や事故による作業者の個人被ばく線量を早期に評価し報告することが求められる。そのため、原子力科学研究所放射線管理部においては、事故発生時の迅速な対応に資するために、一般公衆及び作業者の被ばく線量評価について、評価方法及び必要となる各種パラメータ等を想定される事故事例ごとにまとめ、事例集を整備した。本事例集では、原子力科学研究所で想定される各種事故に加え、過去の原子力事故で放出された放射性物質による被ばく評価について扱っており、これらは緊急時における被ばく評価についての知見・技術の継承にも用いることができる。
佐藤 淳也; 鈴木 眞司*; 加藤 潤; 榊原 哲朗; 目黒 義弘; 中澤 修
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 88, 2017/03
福島第一原子力発電所における多核種除去設備(以下、ALPS)から発生している廃吸着材は、多量の放射性核種を含有しており、処分のために発生した固化体への放射線影響が懸念されている。本件では、ケイチタン酸塩及びSb吸着材の模擬物を対象に、無機固型化材(普通ポルトランドセメント(OPC),高炉スラグセメント(BB)及びジオポリマー(GP))を用いて固化試料を作製し、線の照射試験を行い、水素ガス発生のG値及び固化試料の含水率を調査した。結果、固化した模擬廃棄物の違いによるG値への影響が観察された。このことから、廃棄物に含まれる構成成分が固化試料の水素ガスの発生に寄与していることが示された。
佐藤 淳也; 鈴木 眞司*; 加藤 潤; 榊原 哲朗; 目黒 義弘; 中澤 修
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 87, 2017/03
福島第一原子力発電所における汚染水処理に伴い、多核種除去設備(以下、ALPS)から発生する廃吸着材は線放出核種を含む多量の放射性核種を含有しており、処分のため作製する固化体への放射線影響が懸念されている。したがって、処分時の安全性の観点から、固化体中の水の放射線分解による水素ガスの発生を評価しておくことが重要である。本件では、ケイチタン酸塩とSb吸着材の模擬物を対象に、無機固型化材(普通ポルトランドセメント(OPC),高炉スラグセメント(BB)及びジオポリマー(GP))を用いて固化試料を作製し、線を模擬した電子線照射を行い、水素ガスの発生量を調査した。結果、模擬廃棄物の種類が電子線照射時の水素ガス発生量に影響を与えていることが示唆された。
柴田 大受; 角田 淳弥; 坂場 成昭; 大崎 貴士*; 加藤 秀樹*; 井澤 祥一*; 武藤 剛範*; Gizatulin, S.*; Shaimerdenov, A.*; Dyussambayev, D.*; et al.
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.567 - 571, 2016/11
高温ガス炉(HTGR)に用いられている黒鉛について、さらなる安全裕度を確保するため、耐酸化性を向上させることが望ましい。黒鉛表面へのSiC被覆は、そのための候補技術である。原子力機構と日本の黒鉛メーカ4社:東洋炭素,イビデン,東海カーボン,新日本テクノカーボンとで、耐酸化黒鉛を炉内黒鉛構造物に適用する研究を進めている。国際科学技術センター(ISTC)のパートナープロジェクトとして、カザフスタン共和国の核物理研究所(INP)のWWR-K炉により、照射キャプセル2体により耐酸化黒鉛に対する中性子照射試験を実施した。WWR-K炉で、照射温度1473Kにおける10サイクル200日間の照射試験を完了した。最大の高速中性子(E0.18MeV)照射量は、中央の照射孔に装荷したキャプセルで1.210/m、炉側部の照射孔に装荷したキャプセルで4.210/mであった。照射後の試験片について、寸法、重量測定、光学顕微鏡による外観観察を実施した。今後、炉外での酸化試験を行う計画である。
目黒 義弘; 中川 明憲; 加藤 潤; 佐藤 淳也; 中澤 修; 芦田 敬
Proceedings of International Conference on the Safety of Radioactive Waste Management (Internet), p.139_1 - 139_4, 2016/11
福島第一原子力発電所の廃止措置に向けた取り組みにおいては、これまでの日本の商用原子力発電所から発生してきた放射性廃棄物とは、種類, 量, インベントリが異なる様々な放射性廃棄物(事故廃棄物)が発生している。これらの処分に向け、すでに国内外で適用実績を有する廃棄体化技術の、事故廃棄物への適用性を評価する必要がある。われわれは、既存の技術の調査結果、事故廃棄物の分類、模擬廃棄物の既存固化技術による基礎固化試験の結果から、実際に適用可能な廃棄体化技術を選択する手法を検討した。まず技術の適用性を評価するフローの提案、フローにおける各ステップでの評価項目及びその基準を設定した。並行して、13種類の性状の異なる廃棄物の固化試験を実施し、硬化性や得られた固化体の強度、浸出性などの特性を調べた。次いで、基礎試験で得られた基礎試験結果を参考に、廃棄物ごとに評価フローによる固化技術の評価を進めている。本発表では、いくつかの廃棄物に対して試みた評価の結果を示す。
角田 淳弥; 柴田 大受; 坂場 成昭; 大崎 弘貴*; 加藤 秀樹*; 藤塚 公仁弘*; 武藤 剛範*; Gizatulin, S.*; Shaimerdenov, A.*; Dyussambayev, D.*; et al.
Proceedings of 7th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2014) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2014/10
黒鉛は、黒鉛減速・ヘリウム冷却炉である高温ガス炉(HTGR)の炉内構造物として使用される。HTGRの空気侵入事故時には、TRISO被覆燃料粒子の表面にSiOが形成され、SiCの酸化は進行せず、核分裂生成物は燃料粒子内に保持される。近年提案された安全性の新しい概念を導入した本質的安全高温ガス炉の安全性を究極に高めるため、耐酸化燃料を炉内黒鉛構造物使用に使用することで、TRISO被覆燃料粒子及び燃料コンパクトの破損を防ぐことが期待される。黒鉛の表面にSiCを被覆した黒鉛は、耐酸化黒鉛の候補材の一つであり、原子力機構と黒鉛製造メーカ4社は、耐酸化黒鉛開発の共同研究を立ち上げた。また、国際科学技術センターパートナープロジェクトの下、原子力機構とカザフスタン核物理研究所は、耐酸化黒鉛に及ぼす照射の影響の研究を開始した。照射試験に使用する黒鉛を選定するため、耐酸化黒鉛の予備酸化試験を実施した。本報告は、耐酸化黒鉛の予備酸化試験の結果、照射目試験計画、照射試験及び照射後試験計画について述べる。
中山 卓也; 鈴木 眞司; 花田 圭司; 富岡 修; 佐藤 淳也; 入澤 啓太; 加藤 潤; 川戸 喜実; 目黒 義弘
Proceedings of 2nd International Symposium on Cement-based Materials for Nuclear Wastes (NUWCEM 2014) (CD-ROM), 12 Pages, 2014/06
A method, in which incinerated ash is solidified with a cement material, has been developed to dispose of radioactive incinerated ash waste. A small amount of metallic Al, which was not oxidized in the incineration, existed in the ash. When such ash was kneaded with a cement material and water, H generation began immediately just after the kneading, H bubbles pushed up the kneaded muddy material and an expanded solidified form was obtained. In this study, we tried to control H generation by means of following two methods, one was a method to let metallic Al react prior to the cementation and the other was a method to add an expansion inhibitor that made an oxide film on the surface of metallic Al. The solidified forms prepared using the pre-treated ash and lithium nitrite were not expanded.
瀧澤 健太郎*; 掛橋 和幸*; 福田 敏昭*; Kida, Toru*; 沢 和弘; 角田 淳弥; 加藤 雄大*; Snead, L. L.*
Ceramic Materials for Energy Applications; Ceramic Engineering and Science Proceedings, Vol.32, No.9, p.13 - 19, 2011/11
高強度を有する微粒等方性黒鉛は、HTGR及びVHTR黒鉛構造物の有力な材料である。黒鉛構造物の寿命は、おもに照射後の残留応力で決まる。そのため、より高強度な原子炉級黒鉛の開発し設計に裕度を与えることで、黒鉛構造物の寿命延長が可能になるばかりではなく、経済性も大きく向上する。東海カーボンでは、30MPa以上の引張強度を有するG347S及びG458S黒鉛を対象にして、VHTR黒鉛構造物のため新たな原子炉級黒鉛の開発を始めた。照射は、オークリッジ国立研究所の高中性子束アイソトープ原子炉を用い、照射量は30dpa、照射温度は300-900Cであり、照射後試験として寸法変化、弾性率、熱膨張率等の測定を予定している。また、日本原子力研究開発機構と共同で未照射材及び照射材の特性評価を行う予定である。ここでは、G347SとG458SのR&D計画を紹介するとともに、特性評価の結果及び照射試験計画を示す。
岡田 尚; 植松 真一; 飛田 典幸; 加藤 淳也
9th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM '03), 0 Pages, 2003/00
泡沫浮遊法は、核燃料設備機器の表面からMOX粉末を泡沫に浮遊させMOX粉末を除去し、設備機器の除染法として検討している方法である。本報告はMOX粉末の模擬粉末としてジルコニア粉末による泡沫浮遊試験の結果であり、粒径が数十mのジルコニア粉末が泡沫で浮遊・除去でき、MOX燃料製造施設の除染技術の一つとして適用可能性を検討したものである。
沢 和弘; 角田 淳弥; 植田 祥平; 高橋 昌史; 飛田 勉*; 林 君夫; 斎藤 隆; 鈴木 修一*; 吉牟田 秀治*; 加藤 茂*
JAERI-Research 2002-012, 39 Pages, 2002/06
本報告書は、平成7年度から開始した原研と原燃工との共同研究「連続被覆法により製造した高温工学試験研究炉用燃料の照射健全性実証試験」の結果を示すものである。HTTR初装荷燃料は日本で初めて大量生産を行った高温ガス炉燃料であり、製造過程における品質管理に加え、照射健全性を確認するための照射試験を行った。照射はJMTRの94F-9Aスィープガスキャプセルで実施した。照射試料は初装荷燃料の製造ラインから抜取った。照射開始時の核分裂生成物ガスの放出率から、照射試料には製造時の貫通破損粒子が含まれていないことがわかった。また、HTTRの最高燃焼度3.6%FIMA,最高高速中性子照射量1.510m,(E0.18MeV)まで燃料は破損することなく、健全であった。さらに、これらの値の約2倍である燃焼度7.0%FIMA,高速中性子照射量3.110mまで照射を継続したが、著しい追加破損は見られなかった。
中崎 和寿; 高谷 暁和; 加藤 淳也; 小林 正宏; 松村 忠幸; 新妻 孝一; 藤原 孝治
no journal, ,
ガラス固化技術開発施設(TVF)では、ガラス溶融炉の炉内構造物の形状及び侵食量を遠隔操作で計測する炉内計測技術の開発を行っている。本報告では、開発した形状計測装置を用いて取得したデータを3次元的に可視化するデータ処理方法について述べるとともに、高線量のホット環境下にあるTVFガラス溶融炉に適用し、電極表面の侵食量分布を評価した結果について報告する。
國本 英治; 小西 隆志; 衛藤 基邦*; 角田 淳弥; 柴田 大受; 沢 和弘; 黒田 雅俊*; 加藤 雄大*
no journal, ,
黒鉛の強度は、かさ密度や電気抵抗率等の特性と比較して試験片間のばらつきが大きいため、より多くの試験片を用いて評価する必要がある。現在IG-110黒鉛とIG-430黒鉛の高温・重照射試験を実施する計画であるが、照射キャプセルの容積には限りがあるため、装荷する試験片をできるだけ小さくする必要がある。本研究では、微粒等方性黒鉛であるIG-110黒鉛とIG-430黒鉛の照射試験を実施するにあたり、圧縮試験片を小型化することによる妥当性を評価した。その結果、ASTMで推奨されている圧縮試験片の寸法よりも小さい試験片を用いた場合でも、同等な圧縮強さを得ることができることが明らかとなった。微粒等方性黒鉛は、一般的に物理特性のばらつきが小さいが、本研究においても微粒等方性黒鉛の圧縮強さは、予想通りばらつきが小さいことを確認した。これは、高温ガス炉の材料として、設計上の安全裕度を高くできることを示している。
加藤 淳也; 中崎 和寿; 高谷 暁和; 松村 忠幸; 新妻 孝一; 小高 亮; 藤原 孝治
no journal, ,
ガラス固化技術開発施設(TVF)における現行のガラス溶融炉(2号炉)は、1号炉の経験を踏まえて定期的に炉内点検を行い、炉内構造物(主電極及び耐火物)の侵食状況を確認しながら運転を行う計画である。このため、炉内構造物の侵食状況を定量的に把握することを目的に、炉内構造物の表面形状をレーザ光を用いて計測する形状計測装置の開発し、さらに計測データから侵食量を評価するプログラムの開発を行った。開発した計測システムを用いてガラス固化技術開発施設(TVF)のガラス溶融炉へ適用し、炉内構造物の侵食量及び侵食量分布を把握することができた。
柴田 大受; 角田 淳弥; 永田 寛; 斎藤 隆; 土谷 邦彦; 坂場 成昭; 大崎 弘貴*; 加藤 秀樹*; 藤塚 公仁弘*; 武藤 剛範*; et al.
no journal, ,
高温ガス炉(HTGR)における空気侵入事故では、被覆粒子燃料の機械的な損傷を避けるため、酸化に対して炉内の黒鉛構造物の形状を維持することが重要である。高温ガス炉のさらなる安全性向上のためには、SiCで表面を被覆した耐酸化黒鉛の開発が重要であり、日本の主要な黒鉛メーカ4社と共同で、耐酸化黒鉛の開発を進めている。日本の技術である耐酸化黒鉛について早期に高温・中性子照射環境下での成立性を明らかにするため、HTGR開発に大きな興味を持っているカザフスタンと協力し、高温での照射試験が可能な核物理研究所(INP)のWWR-K炉を用いた照射試験計画を進めている。照射温度は1200Cを目標とし、照射試験は2014年4月から開始する予定である。カザフスタンでは、将来にHTGRを建設する場合に、本研究で得られた知見を設計に反映することが可能となる。
佐藤 淳也; 鈴木 眞司; 中川 明憲; 加藤 潤; 榊原 哲朗; 中澤 修; 山下 昌昭; 佐藤 史紀; 助川 博文; 目黒 義弘
no journal, ,
本件では無機固型化材(普通ポルトランドセメント(OPC), 高炉スラグセメントB種(BB), ジオポリマー(GP))を用いて、多核種除去設備ALPSより発生する鉄共沈スラリー及び炭酸塩スラリーの模擬物の固化体を作製し、固化試料の圧縮強度や水浸漬による元素の浸出性への模擬廃棄物や固型化材の影響を調べた。圧縮強度試験では、GP試料と比較してOPC試料及びBB試料で高い強度が得られ、過剰な水分がGPの形成に悪影響を及ぼしたものと推察される。さらに、GP試料ではセメント試料と比較してスラリーによる硬化への影響が小さいことが示唆された。浸出試験では、OPC試料及びBB試料では模擬核種のCsやSrが溶出したのに対し、GP試料ではほとんど検出されなかった。CsやSrがGPの構造中に保持され不溶化したことにより浸出量が低くなったものと考えられる。今回の結果から、ALPSから発生したスラリーは、含有する成分による固化体の強度への影響が示唆されるものの、セメントやジオポリマーにより固化可能であることが示された。また、安定化処理方法によっては、スラリー中の水分が固化性状に悪影響を与えることが考えられるため、適切な処理方法を選択する必要がある。
目黒 義弘; 佐藤 淳也; 加藤 潤; 中川 明憲; 駒 義和; 芦田 敬
no journal, ,
福島第一原子力発電所では大量の汚染された水が原子炉建屋内にたまっている。この水:滞留水は、放射性物質及び溶解している塩類(海水由来)を取り除いた後に、燃料の冷却に利用されている。滞留水中の様々な放射性核種が溶解しているため、その除染には、沈殿や吸着などに基づく種々の汚染水処理装置が用いられている。したがって、複数のスラッジや使用済みの吸着材が廃棄物として発生している。これらの多くはこれまでに原子力発電所の操業によって発生してきた廃棄物とは性状が異なり、処理処分の実績がない。福島第一原子力発電所ではこれら廃棄物のほかにも、大量の解体廃棄物などが発生するため、廃棄物の処理処分の方策は、これらを含めたトータルで考える必要はある。しかし、汚染水処理から発生する廃棄物は先に述べたように特殊であるため、その廃棄体化方法の選定のために、既存の廃棄体化技術の技術的な適用性を確認しておく必要がある。そこで我々は、技術検討の第一段階として、3種類のスラッジ及び3種類の吸着材へのセメント材による混練固化試験を実施し、固化状態や固化物の特性を調べ、適用性を評価した。
佐藤 淳也; 鈴木 眞司; 中川 明憲; 加藤 潤; 榊原 哲朗; 目黒 義弘; 中澤 修
no journal, ,
福島第一原子力発電所における汚染水処理に伴い、多核種除去設備(以下、ALPS)から発生する凝集沈殿スラリーは線放出核種を含む多量の放射性核種を含有しており、処分のため作製する固化体への放射線影響が懸念されている。したがって、処分時の安全性の観点から、固化体中の水の放射線分解による水素ガスの発生を評価しておくことが重要である。本件では、凝集沈殿スラリー(鉄共沈スラリー及び炭酸塩スラリー)の模擬物を対象に、無機固型化材(普通ポルトランドセメント(OPC), 高炉スラグセメント(BB)及びジオポリマー(GP))を用いて固化試料を作製し、線を模擬した電子線照射を行い、水素ガスの発生量を調査した。結果、鉄共沈スラリー固化試料では炭酸塩スラリー固化試料と比較して水素の発生量が少なく、廃棄物に含まれる構成成分が電子線照射時の水素ガス発生量に影響を与えていることが示唆された。