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報告書

HTTR1次ヘリウム循環機フィルタの差圧上昇事象,2; フィルタ付着物の調査と再発防止対策

根本 隆弘; 藤原 佑輔; 荒川 了紀; 長山 侑矢; 長住 達; 長谷川 俊成; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; et al.

JAEA-Technology 2024-003, 17 Pages, 2024/06

JAEA-Technology-2024-003.pdf:1.91MB

RS-14サイクルに発生した1次ヘリウム循環機フィルタの差圧上昇の原因を調査するため、フィルタ付着物を調査した。調査の結果、フィルタエレメント表面にシリコンオイルに起因する付着物を確認した。この結果から、フィルタ差圧上昇の原因は、1次ヘリウム純化設備ガス循環機のチャコールフィルタの性能劣化により、1次系内にシリコンオイルが混入したためであることが明らかとなった。また、この再発防止対策として、従来の1次ヘリウム純化設備ガス循環機の運転時間による管理に加え、チャコールフィルタの交換頻度を3年毎とする定期交換計画を新たに策定した。

論文

Investigation of deposits on filter element of primary gas circulators in HTTR

長谷川 俊成; 長住 達; 根本 隆弘; 中嶋 國弘; 横山 佳祐; 藤原 佑輔; 荒川 了紀; 飯垣 和彦; 猪井 宏幸; 川本 大樹

Proceedings of 2024 International Congress on Advanced in Nuclear Power Plants (ICAPP 2024) (Internet), 10 Pages, 2024/06

2021年のHTTR(高温工学試験研究炉)の運転中に発生した1次ヘリウム循環機フィルタ差圧上昇の原因を調べるために、フィルタエレメントとその付着物に対してSEM観察とEDX解析を実施した。フィルタエレメント表面に対するSEM観察の結果、ろ過孔よりも小さい塊状の付着物及び繊維状の付着物並びにろ過孔よりも大きい棒状付着物を確認した。付着物に対するEDX解析の結果、塊状の付着物及び繊維状付着物に1次ヘリウム純化設備ガス循環機内のシリコンオイルを含むことを示唆し、棒状付着物は1次冷却設備の二重管に使用される断熱材であることを示した。1次ヘリウム純化設備ガス循環機内のシリコンオイルは同機器に用いられている活性炭フィルタから漏れ出たものと考えられる。その後、気化し炉心を通過後、1次ヘリウム循環機のフィルタエレメントにトラップされたものと考えられる。シリコンオイルを含む付着物はフィルタエレメント全体に存在していたことから、ろ過孔が小さくなり流路抵抗が増加することで当該フィルタの差圧が上昇した可能性がある。断熱材は主にフィルタエレメントの下部に現れておりフィルタの目詰まりとは無関係であった。したがって、シリコンオイルが当該フィルタの差圧上昇に寄与した可能性があり、過去のフィルタ差圧上昇の原因であった黒鉛粉末は今回の事象とは無関係であった。

報告書

HTTR1次ヘリウム循環機フィルタの差圧上昇事象,1; 差圧上昇事象の原因調査

根本 隆弘; 荒川 了紀; 川上 悟; 長住 達; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; 古澤 孝之; 猪井 宏幸; et al.

JAEA-Technology 2023-005, 33 Pages, 2023/05

JAEA-Technology-2023-005.pdf:5.25MB

HTTR (High Temperature engineering Test Reactor) RS-14サイクルの原子炉出力降下において、ヘリウムガス循環機のフィルタ差圧が上昇傾向となった。この原因を調査するため、1次ヘリウム純化設備のガス循環機の分解点検等を実施した結果、ガス循環機内のシリコンオイルミストがチャコールフィルタの性能低下で捕集できなくなり、1次系統に混入したためと推定された。今後は、フィルタ交換を実施するとともに、さらなる調査を進め、再発防止対策を策定する予定である。

報告書

大洗研究所における放射性廃棄物の放射能濃度評価手法確立に係る取り組み; 令和2年度活動報告書

朝倉 和基; 下村 祐介; 堂野前 寧; 阿部 和幸; 北村 了一; 宮越 博幸; 高松 操; 坂本 直樹; 磯崎 涼佑; 大西 貴士; et al.

JAEA-Review 2021-020, 42 Pages, 2021/10

JAEA-Review-2021-020.pdf:2.95MB

原子力の研究開発施設から発生する放射性廃棄物の処理処分は、取り扱う核燃料物質や材料が多種多様なこと等を踏まえ、放射能濃度を求める必要がある。大洗研究所は、廃棄物を処理する施設のみならず、廃棄物を発生させる施設も含め、埋設処分を見据えた検討に着手している。本報告書は、大洗研究所内で発生する放射性廃棄物の埋設処分に向けて、主要課題のひとつである放射能濃度評価手法について、令和2年度の検討結果を取りまとめたものである。

論文

High temperature gas-cooled reactors

武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.

High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02

本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950$$^{circ}$$Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。

報告書

HTTR起動用中性子源用の輸送容器の開発

島崎 洋祐; 澤畑 洋明; 柳田 佳徳; 篠原 正憲; 川本 大樹; 高田 昌二

JAEA-Technology 2016-038, 36 Pages, 2017/02

JAEA-Technology-2016-038.pdf:8.75MB

HTTR(高温工学試験研究炉)では起動用中性子源として、$$^{252}$$Cf(3.7GBq$$times$$3個)を炉内に装荷し、約7年を目途に交換している。中性子源の中性子源ホルダへの装荷及び輸送物の製作は、販売業者のホットセル内で行われ、その後、HTTRまで輸送される。中性子源ホルダの制御棒案内ブロックからの取出・装荷は、HTTRのメンテナンスピット内で行う。前回までの中性子源交換作業において、輸送容器に係る中性子源ホルダの取扱い上のリスクとして以下が確認された。(1)作業員の被ばくのリスク、(2)中性子源ホルダの誤落下リスク。そこで、そのリスクを低減し、かつ、製造から20年経過した従来の輸送容器をオーバーホールして使用し続ける場合と同程度のコストで、従来の輸送容器と同じA型輸送物の基準を満足することができる、HTTRの中性子源専用の新たな輸送容器を製作した。

論文

Improvement of neutron startup source handling work by developing new transportation container for High-Temperature engineering Test Reactor (HTTR)

島崎 洋祐; 澤畑 洋明; 篠原 正憲; 柳田 佳徳; 川本 大樹; 高田 昌二

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(2), p.260 - 266, 2017/02

 被引用回数:5 パーセンタイル:41.83(Nuclear Science & Technology)

HTTR(高温工学試験研究炉)では、起動用中性子源として小さなキャプセルに封入された$$^{252}$$Cf(3.7GBq)を3個炉内に装荷している。炉内黒鉛構造物の一つである制御棒案内ブロック内に中性子源入りの中性子源ホルダが装荷されており、約7年の頻度で交換している。中性子源入りの中性子源ホルダは輸送容器を使用して販売業者のホットセルからHTTR原子炉建家まで運搬される。中性子源ホルダの制御棒案内ブロックからの取出・装荷はHTTR原子炉建家内のメンテナンスピット内で行う。前回までの中性子源交換作業から、中性子源取扱作業の安全性向上を目的として輸送容器に係る2つの課題、作業者の被ばくリスク低減・予防及び中性子源ホルダの誤落下防止を抽出した。そして、これらの課題を解決できるHTTR起動用中性子源専用の輸送容器を従来の輸送容器のオーバーホールと同程度のコストで開発した。この結果、新たな輸送容器を使用して実施した中性子源の取扱作業は、安全に完遂された。

論文

Development of the prediction technology of cable disconnection of in-core neutron detector for the future high-temperature gas-cooled reactors

島崎 洋祐; 澤畑 洋明; 川本 大樹; 鈴木 尚; 篠原 正憲; 本多 友貴; 勝山 幸三; 高田 昌二; 沢 和弘

Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 2(4), p.041008_1 - 041008_5, 2016/10

HTTRを用いたメンテナンス技術の開発は、将来HTGRsの定期点検の期間を短縮し、稼働率90%を達成することを目標の一つとして実施されている。HTTRの広領域中性子検出器(WRM)は原子炉内に設置されていること等により、内部状態を詳細に検査することは困難であることから、断線による故障を予知し、その状態を基にした交換を計画することが重要である。HTTRでは、TDR法による特性インピーダンス波形観察及び静電容量測定法等の電気的検査法により、炉内に設置した状態で異常の有無(状態観察)及び断線箇所の特定をする方法が提案され、この方法の有効性を非破壊及び破壊検査により確認した。HTTRでは原子炉起動前などに上記電気的検査法による測定を実施してデータの蓄積をしていく。これらのデータは、WRMの断線予知などの将来HTGRsのメンテナンス技術の高度化に寄与することが期待される。

論文

高温工学試験研究炉HTTRの後備停止系用健全性評価手法の確立

濱本 真平; 川本 大樹; 近藤 誠; 澤畑 洋明; 高田 昌二; 篠崎 正幸

日本原子力学会和文論文誌, 15(2), p.66 - 69, 2016/06

高温工学試験炉(HTTR)は、反応度制御系の一つとして、後備停止系(RSS)を有している。RSSは、B$$_{4}$$C/Cペレット、案内管、電動プラグ、ブレーキと減速を内包するモータで構成されている。制御棒を挿入することができない場合、モータが電動プラグを引き抜き、B$$_{4}$$C/Cペレットは重力によって炉心に落下される。HTTRの起動前点検中に、以下に記す事象の進展によってRSSが稼働しないことが分かった。(1)モータ減速機内のグリースから分離したオイルが、オイルシールの隙間から流下した。(2)オイルはモータ下部のブレーキに浸入した。(3)ブレーキディスクの摩耗粉と油が混合した。(4)最後に、モータの駆動により粘着性の混合物が生成され、モータの回転を阻止した。このモータ固着の兆候を検出するため、新たな評価方法を提案した。またHTTRのすべてのRSS駆動機構の分解点検した結果を総合し、提案した評価方法が、RSS駆動機構の健全性を評価するのに有効であることを明らかにした。

論文

Development of transportation container for the neutron startup source of High Temperature engineering Test Reactor (HTTR)

島崎 洋祐; 小野 正人; 栃尾 大輔; 高田 昌二; 澤畑 洋明; 川本 大樹; 濱本 真平; 篠原 正憲

Proceedings of International Topical Meeting on Research Reactor Fuel Management and Meeting of the International Group on Reactor Research (RRFM/IGORR 2016) (Internet), p.1034 - 1042, 2016/03

HTTRでは起動用中性子源として、$$^{252}$$Cf(3.7GBq$$times$$3個)を炉心内に装荷し、約7年の頻度で交換している。中性子源の中性子源ホルダへの装荷、中性子源ホルダ収納ケース及び中性子源用輸送容器への収納は販売業者のホットセル内で行われ、その後、HTTRまで輸送される。中性子源ホルダの黒鉛ブロックからの取出・装荷は、HTTRのメンテナンスピット内で行う。前回の交換作業において、輸送容器に中性子源ホルダを取扱う上でのリスクが2つ確認された。従来の輸送容器は大型($$phi$$1240mm、h1855mm)で床に固定できないため、地震時の輸送容器のズレを原因とする漏えい中性子線・$$gamma$$線による被ばくのリスクがあった。また、中性子源ホルダ収納ケースが長尺($$phi$$155mm、h1285mm)で、メンテナンスピット内の適切な作業位置に引込めないため、中性子源ホルダの遠隔操作による取扱いが困難となり、ホルダが誤落下するリスクがあった。そこで、これらの問題を解決する、新たな輸送容器を低コストで開発した。まず、被ばくのリスクを排除するために、メンテナンスピット上部のフロアにボルト固定できるよう輸送容器を小型化($$phi$$820mm、h1150mm)した。また、中性子源ホルダケースをマニプレータで適せつな位置に引き込めるように小型化($$phi$$75mm、h135mm)かつ単純な構造とし、取扱性を向上させた。その結果、2015年に行った中性子源ホルダ取扱作業は安全に完遂された。同時に、製作コストの低コスト化も実現した。

論文

Development of the prediction technology of cable disconnection of in-core neutron detector for the future high-temperature gas cooled reactors

島崎 洋祐; 澤畑 洋明; 川本 大樹; 鈴木 尚; 篠原 正憲; 本多 友貴; 勝山 幸三; 高田 昌二; 沢 和弘

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05

HTTRを用いたメンテナンス技術の開発は、将来HTGRsの定期点検の期間を短縮し、稼働率90%を達成することを目標の一つとして実施されている。HTTRの広領域中性子検出器(WRM)は原子炉内に設置されていること等により、内部状態を詳細に検査することは困難であることから、断線による故障を予知し、その状態を基にした交換を計画することが重要である。HTTRでは、TDR法による特性インピーダンス波形観察及び静電容量測定法等の電気的検査法により、炉内に設置した状態で異常の有無(状態観察)及び断線箇所の特定をする方法が提案され、この方法の有効性を非破壊及び破壊検査により確認した。HTTRでは原子炉起動前などに上記電気的検査法による測定を実施してデータの蓄積をしていく。これらのデータは、WRMの断線予知などの将来HTGRsのメンテナンス技術の高度化に寄与することが期待される。

論文

Development of operation and maintenance technology for HTGRs by using HTTR (High Temperature engineering Test Reactor)

清水 厚志; 川本 大樹; 栃尾 大輔; 齋藤 賢司; 澤畑 洋明; 本間 史隆; 古澤 孝之; 七種 明雄; 高田 昌二; 篠崎 正幸

Nuclear Engineering and Design, 271, p.499 - 504, 2014/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:46.64(Nuclear Science & Technology)

高温ガス炉の技術基盤の確立するため、平成22年1月から3月にかけて、HTTRを用いた50日間の高温試験運転を実施した。高温ガス炉の運転管理では、水素製造システムへの安定した熱供給を行うために、長期運転時のプラントの安定性、機器の信頼性を実証する必要がある。このため、事前に長期運転での技術的課題を抽出し、高温連続運転によりデータを取得し、評価を行った。その結果、高温機器の伝熱性能、ヘリウム漏えい管理、ヘリウム循環機等の動的機器の信頼性、遮へい体の昇温防止性能等、高温ガス炉特有の設備・機器について、長期連続運転での安定性、信頼性を実証した。本高温連続運転により高温ガス炉の運転管理・保守技術基盤を確立した。

論文

Development of operation and maintenance technology of HTTR (High Temperature engineering Test Reactor)

清水 厚志; 川本 大樹; 栃尾 大輔; 齋藤 賢司; 澤畑 洋明; 本間 史隆; 古澤 孝之; 七種 明雄; 篠崎 正幸

Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2012/10

HTTRでは、高温ガス炉の技術基盤の確立を目指し、平成22年1月から3月にかけて高温試験運転にて50日間の連続運転を実施した。高温ガス炉の運転管理においては、水素製造システムへの安定した熱供給を行うために、長期運転時のプラントの安定性、機器の信頼性を実証する必要がある。このため、事前に長期運転での技術的課題を抽出し、高温連続運転によりデータを取得し、評価を行った。その結果、高温機器の伝熱性能、ヘリウム漏えい管理、ヘリウム循環機等の動的機器の信頼性、遮へい体の昇温防止性能等、高温ガス炉特有の設備・機器について、長期連続運転での安定性、信頼性を実証した。本高温連続運転により高温ガス炉の運転管理・保守技術の基盤を確立した。

報告書

高温工学試験研究炉(HTTR)の使用済広領域中性子検出器の動作不能調査; 原因調査及び輸送作業

篠原 正憲; 澤畑 洋明; 川本 大樹; 茂木 利広; 齋藤 賢司; 高田 昌二; 吉田 直昭; 磯崎 涼佑; 勝山 幸三

JAEA-Technology 2012-025, 31 Pages, 2012/08

JAEA-Technology-2012-025.pdf:4.69MB

2010年3月の原子炉停止中に、広領域中性子検出器(WRM)が開発時の動作実績期間より短い使用時間で動作不能となる事象が発生した。本事象の原因調査を行い、WRMの寿命を向上させることは高温ガス炉の基盤技術開発において重要である。そこで、事象発生部位の特定及び破損原因を調査するため、照射燃料集合体試験施設(FMF)にてX線CT装置を用いた照射後試験を計画した。本報告書は、WRM動作不能の原因調査、当該WRMのFMFへの輸送方法の検討及び輸送作業の結果をまとめたものである。

報告書

HTTR第2次燃料体組立,貯蔵作業における燃料取扱い

富本 浩; 加藤 康; 大和田 博之; 佐藤 直; 島崎 洋祐; 小澤 太教; 篠原 正憲; 濱本 真平; 栃尾 大輔; 野尻 直喜; et al.

JAEA-Technology 2009-025, 29 Pages, 2009/06

JAEA-Technology-2009-025.pdf:21.78MB

高温工学試験研究炉(HTTR)は、1989年に初装荷燃料を装荷し、初臨界を達成してから、10年が過ぎ、現在も初装荷燃料にて運転を継続中である。燃料体組立は12種類の濃縮度がある燃料棒4770本を黒鉛ブロックに装荷する。第2次燃料体組立では150体の燃料体を組立てた。燃料棒は設計上、燃料棒の濃縮度誤装荷防止について考慮されているが、さらに確実な取扱いができるように作業上の誤装荷対策をあらかじめ検討した。燃料棒の受入れを2008年6月から開始し、原子炉建家内で組立作業を行い、新燃料貯蔵ラックへの貯蔵を行った。組立,貯蔵作業は、3回の期間に分けて実施し、各々の期間ごとに使用前検査を受検し、2008年9月にすべての作業を完了した。その後、同年11月に使用前検査合格証を受けた。本報告は第2次燃料体の組立,貯蔵作業における燃料取扱いについてまとめたものである。

報告書

HTTR後備停止系不具合の調査報告書

濱本 真平; 飯垣 和彦; 清水 厚志; 澤畑 洋明; 近藤 誠; 小山 直; 河野 修一; 小林 正一; 川本 大樹; 鈴木 尚; et al.

JAEA-Technology 2006-030, 58 Pages, 2006/03

JAEA-Technology-2006-030.pdf:10.69MB

日本原子力研究開発機構が所有する高温工学試験研究炉(HTTR)の反応度制御設備は、制御棒系と後備停止系の、動作原理の異なる二つの独立した系統で構成されている。通常運転時、原子炉の反応度を制御するとともに、運転時の異常な過渡変化時及び事故時に安全かつ確実に原子炉を停止させるものである。後備停止系は、万一制御棒系のみで原子炉を停止できない場合に、中性子吸収材である炭化ホウ素ペレットを炉心内に重力落下させ、いかなる運転状態からも原子炉を停止する機能を有するものであり、炭化ホウ素ペレットと、ペレットを収めるホッパ,電動プラグ,後備停止系駆動機構,ガイドチューブ等で構成されている。HTTRでは、平成16年7月26日から平成17年3月4日までの計画で、施設定期検査を実施してきたところ、2月21日の後備停止系の作動試験時に、本装置の16基のうち1基が正常に動作しないことがわかった。調査の結果、後備停止系が正常に動作しなかった原因は、後備停止系を駆動するモータの上部のオイルシールが変形したことによってグリースから分離した油がブレーキに到達し、ブレーキの磨耗した粉と混合することによって粘着物となり、粘着物がブレーキの解除を阻害したことによって、モータの駆動を妨げたことがわかった。

論文

Short design descriptions of other systems of the HTTR

坂場 成昭; 古澤 孝之; 川本 大樹; 石井 喜樹; 太田 幸丸

Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.147 - 154, 2004/10

 被引用回数:12 パーセンタイル:60.98(Nuclear Science & Technology)

HTTRは、炉心構造物,原子炉圧力容器,原子炉冷却設備,計測制御設備,原子炉格納施設等により構成される。本報では、その他設備となる、ヘリウム純化設備,ヘリウムサンプリング設備及びヘリウム貯蔵供給設備のヘリウム系の補助設備、並びに燃料取扱及び貯蔵設備について、設計の概要を述べる。ヘリウム純化設備は、1次系及び2次ヘリウム系に設置され、冷却材中の化学的不純物を除去する。ヘリウムサンプリング設備は、化学的不純物の濃度を測定する。ヘリウム貯蔵供給設備は、通常運転時にヘリウム圧力を安定に保つ。燃料取扱及び貯蔵設備は、新燃料及び使用済燃料を安定かつ安全に取扱うための設備である。(本論文は、HTTRに関するシリーズ投稿の一つである。)

報告書

燃料体からのグロスガンマ線の計測によるHTTR炉心の出力分布評価

野尻 直喜; 島川 聡司; 高松 邦吉; 石井 喜樹; 河野 修一; 小林 正一; 川本 大樹; 伊与久 達夫

JAERI-Tech 2003-086, 136 Pages, 2003/11

JAERI-Tech-2003-086.pdf:8.67MB

高温工学試験研究炉(HTTR)の出力分布を定量的に確認するために、燃料体の核分裂生成物から発生するグロスガンマ線を測定する出力分布測定実験を行った。測定した燃料体は使用中の燃料であり、平均燃焼度は約4400MWD/tであった。運転停止中に炉内から燃料体を一時的に取り出した状態でGM管によりガンマ線測定を行い、3次元の出力分布の情報を得ることができた。測定実験の決定誤差は、燃料コンパクト1個当たりの軸方向については3$$sim$$6%、燃料体1体当たりの炉心径方向及び軸方向については4%であった。実験結果からHTTRの出力分布はおおむね設計の通りであることが明らかになった。また、モンテカルロコードMVPと核種生成消滅コードORIGEN2によるガンマ線分布の計算値は測定値とよい一致を示した。本報は、出力分布測定実験の測定方法,測定手順,測定データの分析,補正方法,測定結果の評価及び計算値との比較についてまとめたものである。

口頭

HTTR後備停止系装置の分解整備

清水 厚志; 濱本 真平; 小林 正一; 石井 喜樹; 飯垣 和彦; 猪井 宏幸; 川本 大樹; 水島 俊彦; 中澤 利雄

no journal, , 

HTTRでは、平成16年7月26日から平成17年3月4日までの計画で、施設定期検査を実施してきたところ、2月21日の後備停止系の作動試験時に、本装置の16基のうち1基が正常に動作しないことがわかった。調査の結果、後備停止系が正常に動作しなかった原因は、後備停止系を駆動するモータ上部のオイルシールが変形したことによってグリースから分離した油がブレーキに到達し、ブレーキの磨耗した粉と混合することによって粘着物となり、粘着物がブレーキの解除を阻害したことによって、モータ駆動を妨げたことがわかった。

口頭

新輸送容器製作による起動用中性子源取扱作業の安全性向上

島崎 洋祐; 澤畑 洋明; 柳田 佳徳; 篠原 正憲; 川本 大樹; 高田 昌二

no journal, , 

HTTR(高温工学試験研究炉)では起動用中性子源として、$$^{252}$$Cf(3.7GBq$$times$$3個)を炉内に装荷し、約7年の頻度で交換している。中性子源の中性子源ホルダへの装荷から中性子源用輸送容器への収納までは、販売業者のホットセル内で行われ、その後、HTTRまで輸送される。中性子源ホルダの制御棒案内ブロックからの取出・装荷は、HTTRのメンテナンスピット内で行う。前回までの中性子源交換作業において、輸送容器に係る中性子源ホルダの取扱い上のリスクが確認された。また、従来の輸送で使用していた輸送容器は、製造から20年経過していたこともあり、新たな輸送容器を製作することとなった。そこで、確認されたリスクを低減し、かつ、従来の輸送容器を使用し続ける場合と同程度のコストで、従来の輸送容器と同じA型輸送物の基準を満足することができる、新たな輸送容器を製作した。中性子源の受入作業及び中性子源交換作業のうち輸送容器に係る作業を実施した作業員の被ばく線量が検出下限値以下であり、前回の作業から減少したことから、新たな輸送容器により起動用中性子源取扱作業の安全性が向上したことを確認した。

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