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名内 泰志*; 佐藤 駿介*; 早川 岳人*; 木村 康彦; 須山 賢也; 鹿島 陽夫*; 二上 和広*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1050, p.168109_1 - 168109_9, 2023/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)水素の中性子捕獲反応による2.223MeVの線を高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器を用いて検出するH法によって使用済核燃料からの中性子測定を行った。この2.223MeVの線の検出は、7桁も高い核分裂生成物(FP)からの線に強い影響を受ける。FPからの強いを遮蔽するために、ポリエチレンブロックをコリメータの軸上に置くとともに、HPGe検出器をコリメーターの軸から外して設置した。この体系によって検出器はFPからの強い線から遮蔽され、ポリエチレンブロック中のH反応によって2.223MeVの線が測定できる。測定された2.223MeVの線の計数率は、燃焼崩壊計算により見積もられた核種組成、主にはCmによるものと、統計誤差の範囲内で想定される値と一貫性のある値となる。このことから、H法は、使用済核燃料集合体からの中性子漏洩数の定量化に適用可能であり、集合体の燃焼度の確認に適用可能であると考えられる。
佐藤 駿介*; 名内 泰志*; 早川 岳人*; 木村 康彦; 鹿島 陽夫*; 二上 和広*; 須山 賢也
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(6), p.615 - 623, 2022/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)使用済燃料中のCs放射能を非破壊で評価する新しい方法を提案し、燃焼度クレジット導入における物理的測定について実験的に実証した。Cs放射能は、Cs放射能がよく知られている参照燃料を用いずに、線測定と数値検出器応答シミュレーションを用いて定量された。燃料サンプルは、商業用加圧水型炉(PWR)で53GWd/tまで照射された先行使用集合体(LUA)から取得した。試料から放出された線は、ホットセルに取り付けたコリメータを通して、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)シンチレーション検出器を用いて測定された。検出器による線の検出効率は、測定ジオメトリを考慮して粒子輸送計算コードPHITSを用いて計算した。試料に対する検出器応答のより正確なシミュレーションのために、試料中のCs, Cs, Euの相対放射能を高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器で測定した。検出器の絶対効率は、別のジオメトリの標準ガンマ線源を測定することにより校正された。測定された計数率と検出効率を用いて、燃料試料中のCs放射能を定量した。定量されたCs放射能は、MVP-BURN燃焼計算コードで推定されたCs放射能とよく一致した。
木村 孝文*; 高浪 タカ子*; 坂下 哲哉; 和田 成一*; 小林 泰彦; 東谷 篤志*
Radiation Research, 178(4), p.313 - 320, 2012/10
被引用回数:9 パーセンタイル:44.07(Biology)緑膿菌が感染した際に線虫の腸内で働く自然免疫応答遺伝子が、放射線照射によっても誘導されることを発見した。また、放射線を線虫に事前に照射しておくと、緑膿菌に対する線虫の生存率が増加することがわかった。この放射線による遺伝子の誘導は、ELT-2転写因子やp38 MAPKに大きく依存していた。さらに、insulin/IGF-1シグナル伝達系がこの遺伝子のエンハンサーとして機能していることがわかった。以上のことから、本研究により、放射線応答と自然免疫応答とがクロストークしたシグナル伝達系を持つことが示唆された。
坂下 哲哉; 高浪 タカ子*; 簗瀬 澄乃*; 浜田 信行*; 鈴木 芳代; 木村 孝文*; 小林 泰彦; 石井 直明*; 東谷 篤志*
Journal of Radiation Research, 51(2), p.107 - 121, 2010/03
被引用回数:37 パーセンタイル:64.22(Biology)線虫の放射線影響に関する研究は、過去30年以上にわたって行われ、現在、分子,細胞及び個体レベルでの線虫における放射線の影響機構の理解が進みつつある。本論文では、生殖細胞,老化、及び行動に焦点を当てて、これまでに蓄積された知見を解説する。生殖細胞に関しては、アポトーシス,セルサイクルの停止,DNA損傷の修復について概説し、老化については、放射線で誘導される酸化ストレスに着目してホルミシス効果とともに述べる。最後に、最近報告された行動への興味深い影響について、他の生物種への放射線影響と比較しながらまとめる。本解説にて触れた多くの研究で得られた知見から、線虫は放射線生物学の分野でも、よいモデル生物であることが示唆される。
白数 訓子; 蔵本 賢一; 中野 佳洋; 山下 利之; 木村 康彦; 二瓶 康夫; 小川 徹
Journal of Nuclear Materials, 376(1), p.88 - 97, 2008/05
被引用回数:13 パーセンタイル:63.78(Materials Science, Multidisciplinary)Pu利用法の一つのオプションとして、現行の軽水炉中でPuをほぼ完全に燃焼させ使用済燃料を安定な廃棄物として直接処分できる岩石型燃料とその軽水炉燃焼技術の開発を進めている。この岩石型燃料の照射挙動を評価するために、照射試験を行った。試験には、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)単相燃料,YSZ粒子をスピネルもしくはコランダム中に分散させた粒子分散型燃料,YSZ-スピネル,YSZ-コランダム,YSZ-スピネル-コランダムの均質型燃料を供した。スピネルを含む燃料は化学的に不安定であり、MgOの蒸発,燃料組織の再編成が起きることが明らかになった。燃料のスエリング挙動は燃料を粒子分散型とすることにより改善されることが確認されたが、ガス放出率は均質型燃料よりも高くなった。YSZ単相燃料のガス放出挙動と温度や燃焼度との関係は、UO燃料と類似することが明らかになった。照射試験を行った岩石型燃料のうち、YSZ単相燃料がもっとも優れた照射挙動を示した。
藤里 俊哉*; 菊地 正博; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 舩本 誠一*; 木村 剛*; 岸田 晶夫*; 山岡 哲二*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 119, 2008/03
人工物であるePTFEやDacronは小動脈の再構築には適していない。それとは対照的に、組織工学的な移植片は近年注目を集めている。組織工学移植片に期待できる利用法の一つに脱細胞組織の使用がある。脱細胞スキャホールドは通常組織と同じ構造的特徴を持ち、宿主組織として置換される。この研究では、線照射による細胞のアポトーシス誘導を利用して脱細胞スキャホールドの調製を行った。
東谷 篤志*; 森 ちひろ*; 木村 孝文*; 池永 敬彦*; 高浪 タカ子*; 坂下 哲哉; 和田 成一*; 浜田 信行*; 小林 泰彦
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 112, 2008/03
炭素イオンと線照射後の線虫の遺伝子発現を遺伝子マイクロアレイを用いて調べた。100Gy照射から4時間後のサンプルについて調べた結果、上方制御されていたものが線で187遺伝子、炭素イオンで297遺伝子、共通する遺伝子が51。下方制御されていたものが線で358遺伝子、炭素イオンで388遺伝子、共通する遺伝子が54であった。上方制御に両放射線で共通していた, など、また炭素イオンに特異的な小胞体ストレス応答など、今後詳細な遺伝子ネットワークの解析を行う予定である。
大貫 敏彦; 青柳 寿夫*; 北辻 章浩; Samadfam, M.; 木村 康彦; Purvis, O. W.*
Journal of Environmental Radioactivity, 77(3), p.339 - 353, 2004/08
被引用回数:16 パーセンタイル:33.53(Environmental Sciences)地衣類によるPu(VI)及びU(VI)の濃集実験を行い、吸着したPu及びUの分布をSEMで分析し、溶液中及び吸着したPuの酸化数を吸光光度計で測定した。その結果、Puは地衣の表面に濃集したがUはずい層にも浸透していた。溶液中及び吸着したPuはV及びIVに還元された。一方、UはVIのままであった。これらの結果から、Pu(VI)が地衣類により溶解度の低いPu(IV)に還元されて、地衣表面に濃集したことがわかった。
山下 利之; 蔵本 賢一; 白数 訓子; 中野 佳洋; 秋江 拓志; 長島 久雄; 木村 康彦; 大道 敏彦*
Journal of Nuclear Materials, 320(1-2), p.126 - 132, 2003/07
被引用回数:10 パーセンタイル:55.94(Materials Science, Multidisciplinary)岩石型燃料の照射安定性を調べるために、2回の照射試験を実施した。最初の試験ではディスク型燃料を、2回目はペレット型燃料を用いた。スエリング,ガス放出率及び相変化を、パンクチャー試験,被覆管外径測定並びに金相試験により調べた。イットリア安定化ジルコニア(YSZ)単相型燃料は、低いガス放出率(3%以下)、無視しうるスエリング及び組織変化など、優れた照射挙動を示した。粒子分散型燃料は、粉末混合型燃料と比べ、スエリングは小さいが高いガス放出率を示した。本照射試験において、スピネルの分解と引き続く組織変化が初めて観察され、これは1700K以上で発生すると考えられる。スピネルマトリクス燃料のガス放出率は、燃料最高温度を1700K以下にすることで、コランダム型燃料と同等までに低減できると考えられる。スピネルマトリクスの照射損傷領域は、YSZ球表面に限定されていることがわかった。
岩井 孝; 中島 邦久; 菊地 啓修; 長島 久雄; 木村 康彦; 松井 寛樹; 荒井 康夫
JAERI-Research 2002-038, 69 Pages, 2003/01
原研-サイクル機構共同研究として、ウラン・プルトニウム混合炭・窒化物燃料ピンを原研で作成し、高速実験炉「常陽」で照射試験を実施した。照射後試験のうちサイクル機構で実施した非破壊試験及び窒化物燃料ピンの破壊試験の結果については、既に報告されている。本報告書は、原研で実施した炭化物燃料及び窒化物燃料ピンの破壊試験の結果をまとめたものである。
白数 訓子; 山下 利之; 金澤 浩之; 木村 康彦; 須藤 健次; 間柄 正明; 伊奈川 潤; 河野 信昭; 中原 嘉則
JAERI-Research 2001-018, 23 Pages, 2001/03
JRR-3Mにおいて照射された岩石型プルトニウム燃料の燃焼率を測定することを目的に、当該燃料試料の溶解並びに破壊分析を行った。模擬岩石型燃料試料を用いた溶解方法の検討を行い、ホットセル作業に適した燃料の溶解方法を確立した。本方法により照射済岩石型燃料試料の溶解を行い、試料の破壊分析に供した。分析では、同位体希釈、質量分析法でネオジムとプルトニウムの定量及び同位体組成を測定した。得られた結果よりNd法を用いて燃焼率を算出した。また、トリア系燃料については、Uを同様に定量した。
岩井 孝; 中島 邦久; 菊地 啓修; 木村 康彦; 長島 久雄; 関田 憲昭; 荒井 康夫
JAERI-Research 2000-010, p.110 - 0, 2000/03
ウラン・プルトニウム混合窒化物ペレットを充填した外径9.4mmのヘリウムボンド型燃料ピン2本を、89F-3Aキャプセルに組み込み、JMTRにおいて最高線出力73kW/mの条件で燃焼度5.5%FIMAまで照射した。約5ヶ月間冷却した後、照射キャプセルを東海研の燃料試験施設へ搬入して、計37項目の非破壊及び破壊試験を実施した。照射後の燃料ピンに有害な欠陥はなく、健全であった。FPガス放出率は約2~3%と極めて低い値であるとともに、燃料ピンの外径増加率は最大でも約0.4%に留まるという結果を得た。また、ステンレス鋼被覆管内面に有意な腐食は観察されなかった。
岩井 孝; 中島 邦久; 菊地 啓修; 木村 康彦; 金井塚 文雄; 関田 憲昭; 荒井 康夫
JAERI-Research 2000-009, p.36 - 0, 2000/03
JMTRにおいて最高燃焼度4.1%FIMAまで照射したウラン・プルトニウム混合窒化物燃料中のウラン、プルトニウム及び核分裂生成物の微視的な挙動を調べた。燃料ペレットのX線回折では、燃料マトリクスの格子定数が、照射前に比べて0.1~0.3%増加していたが、おもに自己照射損傷の蓄積によるものと考えられる。アクチノイド及び核分裂生成物のペレット内の分布は、おおむねペレット内での熱中性子束に依存していたが、Pdについては数m程度の析出が観察された。燃料と被覆管の境界に、プルトニウムとニッケルを含む介在物が観察され、若干の化学的相互作用が生じた可能性が示唆された。
大貫 敏彦; Samadfam, M.; 木村 康彦; 北辻 章浩; 青柳 寿夫; Purvis, O. W.*
Proceedings of the International Workshop on Distribution and Speciation of Radionuclides in the Environment, p.174 - 180, 2000/00
ライケンへのPu(VI)とU(VI)の吸着実験を行い、吸着に伴う化学形の変化を検討した。その結果、Pu(VI)は吸着過程でIVに環元された。一方、U(V)は価数の変化はなかった。SEM-EDSにより、吸着サイトについて検討した結果、PuはLichen表面に一様に、Uは裏面に吸着していることがわかった。
岩井 孝; 荒井 康夫; 中島 邦久; 木村 康彦; 助川 友英; 鈴木 康文
JAERI-Research 96-066, 26 Pages, 1996/12
照射中の組織の安定性とFPガス放出の抑制を目的として、気孔形成剤を用いて人工的に比較的大きな気孔を導入して製造した熱安定型炭化物燃料のX線微小分析結果をまとめた。JMTRで平均燃焼度約4.4%FIMAまで照射した熱安定型ウラン・プルトニウム混合炭化物燃料中のプルトニウムについて、三二炭化物の析出に伴う偏析が観察された。FP元素については、ネオジム、パラジウム、モリブデン及びセシウムの一部の偏析を示唆する結果を得た。
岩井 孝; 荒井 康夫; 中島 邦久; 木村 康彦; 助川 友英; 鈴木 康文
JAERI-Research 96-065, 47 Pages, 1996/12
高速炉用新型燃料であるウラン・プルトニウム混合炭化物燃料中のプルトニウム及び核分裂生成物の挙動をX線微小分析により調べた。試験には、JMTRにおいて4.5%FIMA及び3.7%FIMAまで照射した炭素含有量の異なる二種類の炭化物燃料ペレットを用いた。ほぼ化学量論組成をもつ燃料では、燃料と被覆材との化学的相互作用(FCCI)により生成したと考えられる数m厚さ程度の反応層が確認された。一方三二炭化物を含む燃料ではFCCIの兆候は見られなかった。いずれの燃料においてもクラックの回復現象が観察されたが、照射中のスエリングと再焼結によるものと推定される。
柳澤 和章; 曽山 和彦; 市川 博喜; 根本 工; 星野 修; 宇野 久男; 梅田 政幸; 鈴木 敏夫; 金澤 浩之; 木村 康彦; et al.
JAERI-M 91-114, 67 Pages, 1991/08
研究炉では、濃縮度低減のため、従来使用して来たアルミナイド板状燃料からシリサイド板状燃料に材質が変更されつつある。NSRRでは安全性の観点から、このシリサイド燃料に係るパルス照射実験を計画したが、実験開始に先立って、幾つかの克服すべき技術的課題に直面した。(1)シリサイドは金属燃料板であるため、照射実験を行っても、十分に安全が担保できる照射カプセルを設計・製作する必要性、(2)熱伝導性の良いアルミ被覆板に熱電対を抵抗溶接する技術の確立、(3)照射後試験については、NSRRでは実施経験がなく、あらたに幾つかの機器の準備、発熱量較正訓練、計量管理等を行うことの必要性、これらの技術的課題を、約4年の歳月をかけて解決したので、その成果を報告する。
柳澤 和章; 三村 英明; 木村 康彦
JAERI-M 90-164, 64 Pages, 1990/09
ナイオビア(NbO)を0.29w/o添加したUO燃料を準備し、その反応度事故時ふるまいを研究した。以下は、得られた知見である。(1)本実験で用いたナイオビア添加燃料の破損しきい値は、RIA指針値を下回らないことが、明らかになった。(2)本実験条件下での、NbO添加燃料の破損メカニズムは、被覆管の局所的なふくれによる破裂破損である事が、明らかになった。この破損メカニズムは、安全審査指針作成時にデータベースとなった、NSRR標準加圧燃料の破損メカニズムと一致した。(3)バルス照射開始後ふくれ破損に至るまでの時間は、発熱量の増加とともに短くなる事が明らかになった。(4)照射したナイオビア添加燃料の結晶形態観察から、結晶粒界で塑性流動が起こった形跡が認められた。RIA時でも、ナイオビア添加による燃料の塑性流動効果により、PCMIが低減する事が明らかになった。
鎌田 裕; 芳野 隆治; 永見 正幸; 小関 隆久; 川崎 幸三; 平塚 一; 三代 康彦; 木村 晴行; 西谷 健夫; 吉田 英俊; et al.
JAERI-M 89-050, 33 Pages, 1989/05
JT-60に於て、ペレット入射により閉じ込めが最大40%(加熱プラズマ)改善された。これは主に、中心に大きくピークした圧力と密度分布により担われている。圧力のピーキングはsawtoothの反転半径の内側であり、また、その位置での圧力勾配は、電流によって決まる。あるしきい値でリミットされている。この結果は、理想バルーニング不安定性の解析で与えられる限界とほぼ対応している。閉じ込め改善が最も顕著なのは中程度のNBIパワー(~10MW)時であり、ダイバータ配位では特にq3領域での改善が著しい。
小畑 裕希; 豊川 琢也; 冨田 健; 木村 康彦
no journal, ,
軽水炉燃料の高燃焼度化により、燃料被覆管に吸収される水素量が増加する。吸収された水素は、被覆管の脆化による破損の原因となる。そのため、被覆管母材中の水素量を正確に測定することは、被覆管の安全裕度を知るうえで非常に重要である。従来の高温抽出法による測定では、酸化膜とともに被覆管全体を高温溶融させて発生した水素を測定するため、被覆管の脆化と強い相関を持つ母材中の水素量のみを測定することができなかった。2段階加熱法は、酸化膜と被覆管母材の水素を分離測定することが可能である。分離抽出温度条件を含む測定手法について、非照射被覆管を用いた試験で得られた知見を報告する。