Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
中島 慎介*; Moro, A.*; 小松 廉*; Faragasso, A.*; 松日楽 信人*; Woo, H.*; 川端 邦明; 山下 淳*; 淺間 一*
Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima-Daiichi Decommissioning Research 2024 (FDR2024) (Internet), 4 Pages, 2024/10
Fuel debris retrieval at the bottom of the primary containment vessel (PCV) is one of the significant tasks for the decommissioning of the nuclear power plant and in particular for 1F. It is challenging for conventional manipulators to perform the retrieval process due to the presence of radiation, water leakage, and poor lighting conditions. We tackle those problems with the design and fabrication of a novel mechanical manipulator and its control and navigation algorithm. Continuous Variable Transmission (CVT)-based actuation improves the robot's shock resistance. AI-based navigation algorithm enables semiautonomous navigation and grasping in the cluttered environment inside the PCV.
鷹尾 康一朗*; 大内 和希; 小松 篤史; 北辻 章浩; 渡邉 雅之
European Journal of Inorganic Chemistry, 27(14), p.e202300787_1 - e202300787_7, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Inorganic & Nuclear)UO/UOの1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルアミド([emim]TfN)イオン液体中での電気化学的挙動を研究し、劣化ウランをレドックスフロー電池の電極活物質として利用するために、UO/UOの酸化還元可逆性を達成するために何が必要かを明らかにした。結果として、Cl存在下の[emim]TfN中において、グラッシーカーボンを作用電極として用いUO/UOの酸化還元反応の可逆性を得ることに成功した。また、溶質の拡散性を向上させるために、補助分子溶媒であるN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)で希釈した。Clを含む50:50v/vの[emim]TfN-DMF液体電解質中で[UOCl] + e = [UOCl]の可逆的酸化還元反応を示すことに成功した。
相馬 康孝; 小松 篤史; 上野 文義
Corrosion, 78(6), p.503 - 515, 2022/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)高温水中におけるステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)を理解するためにはすき間部における溶液の性質を、電位(ECP)の関数として理解することが重要である。本研究ではSUS316Lステンレス鋼すき間内の溶液導電率()の測定を288C、8MPa、主要なアニオンとして約10ppbのClを含有する水中で行った。のその場測定は、すき間幅15mおよび奥行き23mmの直方体すき間において、異なるすき間深さ位置に設置した電気化学センサーにより実施した。ECPを-0.49V (vs. standard hydrogen electrode at 288C, 8MPa)から-0.12Vに増加させたところ、は開口部から21mmの距離において12Scmから160Scmまで上昇した。の上昇は約0.15Vで最大値(約300Scm)を示したのちは電位上昇と共に減少する傾向を示した。本現象は電気化学反応を考慮した有限要素法解析により定量的に再現することができた。すなわち、比較的低電位ではClが主要なすき間内への電気泳動種となり、ECP上昇によりは単調に増加し、同時にpHも低下すると考えらる。一方、ECPが0V近傍を超えると過不働態溶解によって発生したHCrOもすき間内へ十分な量が泳動する。本化学種はClとは異なり酸化性が強いことから、金属カチオンと反応してそれを酸化沈殿させ、導電率を下げるものと推測された。
小松 篤史
JAEA-Research 2021-019, 24 Pages, 2022/05
溶融鉛ビスマス共晶合金(LBE)中における材料の腐食速度を低減するには、酸素濃度を調整することが重要とされており、過去の報告を見ると約1010wt%程度に酸素濃度を調整していることが多い。しかし、どの程度の濃度が最適と明言されているわけではなく、この濃度範囲内であっても激しく腐食したとの報告もある。本研究では9Cr-1Mo鋼を例にとり、酸化被膜中およびLBE中の拡散を考慮した腐食モデルを作成し、腐食モデルから推定される腐食抑制策について検討を行った。また、LBE中における9Cr-1Mo鋼の腐食を低減しつつ、流れのあるループ環境における低温部での流路閉塞を防止するための最適酸素濃度の算出を試みた。その結果、LBE中における9Cr-1Mo鋼の腐食形態は、酸化被膜厚さと拡散層厚さの比や、LBE中の鉄濃度、温度等により変化し、その成膜挙動から、緻密被膜生成、沈殿被膜生成、被膜溶解の三つに分類した。腐食を抑制するには、緻密被膜生成条件を維持できるように酸素濃度を調整することが重要であり、そのためにはLBEに浸漬する前に10m程度以上の予備酸化被膜をつける必要がある。従来報告でよく用いられる約1010wt%という酸素濃度は、酸化被膜がある程度成長した場合の最適酸素濃度であり、被膜が薄い場合は、より高い酸素濃度が必要になると推察された。
五十嵐 誉廣; 大谷 恭平; 小松 篤史; 加藤 千明; 坂入 正敏*
防錆管理, 66(4), p.141 - 145, 2022/04
金属腐食は原子スケールにおける電気化学反応を基とする材料劣化現象である。本報では、第一原理計算を用いた金属表面における様々な物性値取得方法を説明する。また第一原理計算を金属腐食研究に応用した例として、金属表面への水素吸着が電位変化に及ぼす影響と水溶液中カチオン原子が金属の耐食性に及ぼす影響について報告する。
五十嵐 誉廣; 小松 篤史; 加藤 千明; 坂入 正敏*
鉄と鋼, 107(12), p.998 - 1003, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Metallurgy & Metallurgical Engineering)鋼の大気腐食に対する環境要因の影響を明らかにするために、相対湿度と降雨量を考慮した新たな大気腐食減量予測モデルを開発した。開発モデルを用いて、宮古島市,銚子市およびつくば市の年間大気腐食減量の計算シミュレーションを行った。計算シミュレーションによる腐食減量は各地点における実測値と良い一致を示した。各地点での腐食重量減量は、飛来海塩量,相対湿度、および降雨の影響を大きく受けることが分かった。
佐藤 智徳; 小松 篤史; 中野 純一*; 山本 正弘*
材料と環境, 70(12), p.457 - 461, 2021/12
福島第一原子力発電所(1F)の原子炉格納容器(PCV)は、事故後、放射線照射下で海水成分を含むような腐食環境にさらされることになった。このような環境では、溶存酸素のほかに、水の放射線分解(ラジオリシス)により過酸化水素が生成される。過酸化水素の生成量はラジオリシス解析により推測可能である。ガンマ線照射環境下での炭素鋼の腐食試験が実施された。その結果より、PCVで実施されているN2パージはガンマ線照射下での炭素鋼腐食の抑制にも効果的であることが確認された。また、実験結果をラジオリシス解析をもとに整理した。その結果、ガンマ線照射下での炭素鋼の腐食は、非照射下での酸素、過酸化水素の共存環境下での炭素鋼の腐食と同様に、酸素と過酸化水素の各拡散限界電流の和で決定されることが確認された。
五十嵐 誉廣; 小松 篤史; 加藤 千明; 坂入 正敏*
防錆管理, 65(10), p.365 - 370, 2021/10
大気腐食に関連する重要な環境因子である飛来海塩量,気温,相対湿度,降雨を考慮した新たな解析モデルを開発した。大気腐食減量についてシミュレーション予測値と実測データを比較することで開発モデルの妥当性を検証した。また軒下曝露条件および屋外曝露条件における大気腐食減量についてシミュレーション予測値と実測データと比較した結果、降雨による表面洗浄効果によって大気腐食減量が強く抑制されることを確認した。
大内 和希; 小松 篤史; 鷹尾 康一朗*; 北辻 章浩; 渡邉 雅之
Chemistry Letters, 50(6), p.1169 - 1172, 2021/06
被引用回数:2 パーセンタイル:11.15(Chemistry, Multidisciplinary)ウランを電極活物質として用いるレドックスフロー電池を構築するためにイオン液体-DMF混合溶媒中での塩化ウラン(IV)の電気化学挙動を調べた。結果としてレドックスフロー電池のアノード反応として利用可能である準可逆なU/U対を見出した。
五十嵐 誉廣; 小松 篤史; 本岡 隆文*; 上野 文義; 山本 正弘
Corrosion Science and Technology, 20(3), p.105 - 111, 2021/06
セルオートマトン法を用いてステンレス鋼の粒界腐食現象を模擬する3次元計算モデルを構築した。計算モデルでは、バルク,結晶粒界(GB)、および溶液セルの3種類のセルで構成される。開発モデルを用いて、腐食時の表面粗さとGBの溶解速度の分散との関係を検証した。解析により、GBの溶解速度分布を採用したモデルによって計算された表面粗さが、GBの溶解速度一定とした場合よりも大きいことを明らかにした。解析によって得られた断面は、腐食試験によって得られた断面をよく再現していた。これらの結果は、腐食中の表面粗さが腐食速度の分布に関係していることを示している。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:49 パーセンタイル:96.63(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
小松 一樹*; 岩崎 亜美*; 村田 康輔*; 山城 秀昭*; Goh, V. S. T.*; 中山 亮*; 藤嶋 洋平*; 小野 拓実*; 木野 康志*; 清水 良央*; et al.
Reproduction in Domestic Animals, 56(3), p.484 - 497, 2021/03
被引用回数:10 パーセンタイル:83.43(Agriculture, Dairy & Animal Science)福島第一原子力発電所事故後、野生アライグマは長期的な低線量率被ばくを受けた。捕獲したオスの野生アライグマの精巣の形態的特徴と、凍結保存精子の体外受精能力を調べたところ、長期的・低線量率被ばくはアライグマの生殖特性および機能に悪影響を及ぼしていないことがわかった。
菅原 隆徳; 小松 篤史
JAEA-Research 2020-016, 44 Pages, 2021/01
液体鉛ビスマス共晶合金(LBE)を用いた原子炉システムでは、酸素濃度を制御することにより、LBEによる鋼材腐食を防ぐ必要がある。本研究では、LBE冷却型加速器駆動核変換システム(ADS)について、そのプラントで用いられる酸素消費量の評価を行った。評価は、実験に基づく酸化被膜厚さの評価式を用い、その厚さから酸素消費量を評価した。その結果、燃料集合体の発熱部については、2サイクルの炉内滞在で、最大で約35[m]の酸化被膜が作られ、ビーム窓については、1サイクルの運転で約20[m]の酸化被膜が作られることがわかった。これらの結果から求めたサイクルあたりの酸素消費量は、燃料集合体全体とビーム窓それぞれで、25[kg]と0.3[kg]となり、プラント全体としては約30[kg]となった。最終的な結果として、JAEA-ADSでは、定格運転時3-4[g/h]、ピーク時約150[g/h]の酸素を供給でき、1サイクル(=1年間)約30[kg]、40年間で約1200[kg]を供給できる酸素供給装置が必要となる。
後藤 翠; 佐々木 亮道*; 小松 哲也; 三輪 敦志*; 照沢 秀司*; 楮原 京子*; 島田 耕史
JAEA-Research 2020-013, 88 Pages, 2020/11
活断層を見出す調査技術の向上は、地層処分事業を進めるにあたって、断層のずれに伴う透水性の増加が生じる場所を避ける観点から重要である。通常、活断層の存在は、断層運動の地形学的痕跡である断層変位地形の空中写真判読と、現地の地質調査により確認する。しかし、地形学的な痕跡が不明瞭な場合の調査手法は十分整備されていない。そこで、本研究では、既往の地形学的手法を高度化する観点から、活断層を見出す指標となり得る地形学的特徴の直線状ないし弧状配列(リニアメント)を、通常の活断層研究ではほとんど無視されるような明瞭さが乏しいランクまで判読した。調査地域は、測地学的なひずみ集中帯であり、1997年鹿児島県北西部地震(Mj 6.6)の震源断層が伏在している南九州せん断帯である。本研究では、1/25,000地形図62枚の範囲の空中写真判読を実施し、得られた1,327条のリニアメントを地形図上に示し、リニアメントの分布密度,方向性,長さ,地形,地質などの項目について整理した。その結果、南九州せん断帯方向の東西系のリニアメントが西部で卓越し、鹿児島県北西部地震の余震分布域ではリニアメントが高密度で分布することが明らかとなった。これらの結果とともに、明瞭さ,方向,長さなどと地形的特徴の組み合わせによる類型化に基づく代表的な13条のリニアメントについてカタログをとりまとめた。
石丸 恒存; 尾方 伸久; 花室 孝広; 島田 顕臣; 國分 陽子; 浅森 浩一; 丹羽 正和; 島田 耕史; 渡邊 隆広; 雑賀 敦; et al.
JAEA-Research 2019-006, 66 Pages, 2019/11
本報は、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度令和3年度)における平成30年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報告では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果及び今後の課題等について述べる。
山本 正弘; 入澤 恵理子; 五十嵐 誉廣; 小松 篤史; 加藤 千明; 上野 文義
Proceedings of Annual Congress of the European Federation of Corrosion (EUROCORR 2019) (Internet), 5 Pages, 2019/09
核燃料再処理溶液中で粒界腐食現象を評価した。腐食速度は初期に徐々に増加し、その後定常値に達する。これは初期には粒界部の腐食が進み、その後粒界全体が腐食して粒の脱離が発生するためである。定常的な腐食速度は粒界部の腐食と粒子の脱離を足し合わせた値になる。腐食した試料の表面や断面の観察より、粒界腐食速度は、粒界と粒内の腐食速度の比が重要なパラメータとなり、この比率は個々の粒界ごとに分布が存在していることを明らかにした。以上の結果はセルオートマトン法を用いた粒界シミュレーションモデルに反映された。今回はこれらの結果を報告する。
石丸 恒存; 尾方 伸久; 島田 顕臣; 浅森 浩一; 國分 陽子; 丹羽 正和; 渡邊 隆広; 雑賀 敦; 末岡 茂; 小松 哲也; et al.
JAEA-Research 2018-015, 89 Pages, 2019/03
本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度平成33年度)における平成29年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報告では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果及び今後の課題等について述べる。
石丸 恒存; 尾方 伸久; 島田 顕臣; 浅森 浩一; 國分 陽子; 丹羽 正和; 渡邊 隆広; 雑賀 敦; 末岡 茂; 小松 哲也; et al.
JAEA-Review 2018-020, 46 Pages, 2019/01
本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度平成33年度)における平成30年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第3期中長期計画に基づき、第2期中期目標期間(平成22年度平成26年度)における研究開発の成果、関係研究機関の動向や大学等で行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関のニーズ等を考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進していく。
相馬 康孝; 小松 篤史; 上野 文義
材料と環境, 67(9), p.381 - 385, 2018/09
高温高圧高純度水中におけるステンレス鋼のすき間内で発生する局部腐食現象のメカニズムを解明するため、すき間内溶液の電気伝導率をIn-situ測定する手法(センサー)を開発し、すき間内環境と局部腐食との関係を分析した。センサーは、高純度アルミナで絶縁した直径約250mのステンレス鋼製電極をすき間形成材に埋め込み、電気化学インピーダンス法により、電極直下における局部的な溶液の電気伝導率、を取得するものである。SUS316Lステンレス鋼のテーパー付きすき間内に複数のセンサーを設置し、温度288C、圧力8MPa、純酸素飽和した高純度水中において、の時間変化を100h計測した。すき間幅約59.3mの位置ではは8-11S/cmであり、試験後に局部腐食は見られなかった。一方、すき間幅約4.4mの位置におけるは、実験開始直後から上昇を続け、約70hで最大値約1600S/cmを示し、試験後にこの位置近傍で粒界を起点とした局部腐食が発生したことを確認した。の最大値約1600S/cmは熱力学平衡計算によりpH約3-3.7に相当した。以上のことから、バルク水が高純度であってもすき間内においては溶液の酸性化が進行し、その結果、局部腐食が発生したと結論された。
近藤 正聡*; 大久保 成彰; 入澤 恵理子; 小松 篤史; 石川 法人; 田中 照也*
Energy Procedia, 131, p.386 - 394, 2017/12
被引用回数:8 パーセンタイル:95.87(Energy & Fuels)鉛合金冷却高速炉の空気侵入事故におけるPb合金冷却材の化学的挙動を、種々の組成のPb合金の熱力学的考察および静的酸化実験によって調べた。鉛ビスマス(Pb-Bi)合金の性的酸化試験の結果、空気中の773KではPbOが優先的に形成され合金中からPbが減少したが、Biはこの酸化挙動には関与しなかった。その後Biが濃縮するとPb-Bi酸化物の他BiOが形成された。合金の酸化速度は鋼の酸化速度よりもはるかに大きく、合金中のPb濃度が高いほど大きくなった。Pb-Bi合金とステンレス鋼との共存性は、合金中のPb濃度が低くなると悪化した。合金中のBi組成によって溶解タイプの腐食が促進されたためである。一方、Pb-Li合金は、LiPbOおよびLiCOを形成しながら酸化が進行し、合金からLiが減少した。冷却材のこれらの酸化物は、空気侵入事故時の原子炉冷却系の酸素濃度増加後に低温領域で生成すると考えられる。