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田中 泰貴*; 成清 義博*; 森田 浩介*; 藤田 訓裕*; 加治 大哉*; 森本 幸司*; 山木 さやか*; 若林 泰生*; 田中 謙伍*; 武山 美麗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 87(1), p.014201_1 - 014201_9, 2018/01
被引用回数:20 パーセンタイル:74.66(Physics, Multidisciplinary)ガス充填型反跳生成核分離装置GARISを用いてCa + Pb, Ti + Pb, Ca + Cm反応系における準弾性散乱断面積の励起関数を測定した。これらのデータから融合障壁分布を導出し、チャンネル結合計算と比較した。Ca + Pb及びTi + Pb反応の障壁分布のピークエネルギーはそれらの反応系における2中性子蒸発断面積のピークエネルギーと良く一致し、一方Ca + Cm反応の障壁分布のピークエネルギーは4中性子蒸発断面積のピークエネルギーより少し下に現れることが判った。この結果は超重核合成の際の最適ビームエネルギーの予測に役立つ情報を与える。
大江 一弘*; Attallah, M. F.*; 浅井 雅人; 後藤 尚哉*; Gupta, N. S.*; 羽場 宏光*; Huang, M.*; 金谷 淳平*; 金谷 佑亮*; 笠松 良崇*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1317 - 1320, 2015/02
被引用回数:10 パーセンタイル:62.42(Chemistry, Analytical)超重元素化学にむけ、ガスジェット法によって搬送された核反応生成物を連続溶解する新規方法を開発した。本方法では、疎水性メンブレンフィルターを用い、気相と水相を分離する。本手法を用いて短寿命放射性核種MoならびにWの溶解効率を測定した結果、水溶液流速0.1-0.4mL/minで80%以上の収率が得られた。一方、1.0-2.0L/minの範囲内では、ガス流速への依存性は観測されなかった。以上の結果から、本手法が超重元素の溶液化学研究に適用可能であることが示された。
石原 正博; 木村 伸明; 竹本 紀之; 大岡 誠; 神永 雅紀; 楠 剛; 小森 芳廣; 鈴木 雅秀
Proceedings of 5th International Symposium on Material Testing Reactors (ISMTR-5) (Internet), 7 Pages, 2012/10
JMTRは軽水減速冷却タンク型の原子炉で、これまで軽水炉,高温ガス炉,核融合炉の燃材料の照射試験、放射性同位元素の生産に利用されてきたが、2006年8月に一旦運転を停止し、2007年度から改修を開始した。改修工事は、予定通り4年間をかけて2011年3月に完了したが、2011年3月11日に東日本大震災が発生し、再稼働のための性能試験の実施が遅れることとなった。さらに、地震後の詳細点検において、原子炉建家周辺等の一部被災が見つかったため、JMTR再稼働を延期し、地震後の補修及び施設の安全評価を実施することとなった。これらを完了させ、JMTRは2012年度中に再稼働し、その後2030年頃まで運転する予定である。
高松 邦吉; 沢 和弘; 國富 一彦; 日野 竜太郎; 小川 益郎; 小森 芳廣; 中澤 利雄*; 伊与久 達夫; 藤本 望; 西原 哲夫; et al.
日本原子力学会和文論文誌, 10(4), p.290 - 300, 2011/12
高温工学試験研究炉(HTTR)において平成22年1月から3月にかけて50日間の高温(950C)連続運転を実施し、水素製造に必要な高温の熱を長期にわたり安定供給できることを世界で初めて示した。本運転の成功により、高温ガス炉の技術基盤を確立するとともに、低炭素社会に向けて温室効果ガスを排出しない革新的な熱化学水素製造等の熱源として原子力エネルギーを利用できることを世界で初めて実証した。
高田 昌二; 西原 哲夫; 伊与久 達夫; 中澤 利雄; 小森 芳廣
日本原子力学会誌ATOMO, 52(7), P. 387, 2010/07
原子力機構の高温工学試験研究炉(HTTR:定格出力約30MW、原子炉冷却材温度最高950C)において、世界で初めて50日間高温連続運転に成功した。高温連続運転は、2010年1月22日から開始され、3月13日に目標とする連続50日間に到達した。本運転の達成により、高温ガス炉の技術基盤の確立に資する原子炉の核・熱特性,冷却材(ヘリウム)管理,高温機器の性能,炉内構造物の健全性等に関する多くのデータを取得した。また、高温ガス炉は、温室効果ガスを排出しない革新的な熱化学水素製造等の熱源として期待されるが、本運転の達成により長期間安定して高温のガスを供給できることを世界で初めて実証した。今後、原子力機構では、原子力による水素製造の実現に向けて、HTTRを用いた高温ガス炉の利用性、安全上の限界性能等を確認するための試験を行う予定である。
飯垣 和彦; 後藤 実; 橘 幸男; 伊与久 達夫; 小森 芳廣
高温学会誌, 32(1), p.3 - 10, 2006/01
日本原子力研究開発機構(旧日本原子力研究所)は、高温ガス炉技術の確立と高度化を図るため試験研究を進めるともに高温工学に関する先端的基礎研究を行うことを目的として、大洗研究開発センターに高温工学試験研究炉(HTTR)を建設した。HTTRは、黒鉛減速、ヘリウム冷却の熱出力30MW、原子炉出口冷却材温度950C(高温試験運転時)/850C(定格運転時)の高温ガス炉であり、平成10年11月に初臨界を向かえた後、出力上昇試験等を進めるとともに、運転実績を積み、平成16年4月に原子炉出口冷却材温度950Cを達成した。本報告では、HTTRの研究開発及び建設の経緯、HTTRの概要、HTTRの試験・評価及び今後の開発計画について述べる。
坂場 成昭; 橘 幸男; 小貫 薫; 小森 芳廣; 小川 益郎
Nuclear Engineering International, 50(612), p.20 - 22, 2005/07
日本原子力研究所大洗研究所における高温ガス炉HTTRでは、2004年4月に原子炉出口冷却材温度950Cを達成し、核熱利用への道を拓いた。また、同研究所における熱化学IS法による水素製造では、2004年6月に30NL/hの閉サイクル連続水素製造に成功した。本報では、原研における、高温ガス炉及び水素製造開発の概要を述べる。
塩沢 周策; 小森 芳廣; 小川 益郎
日本原子力学会誌, 47(5), p.342 - 349, 2005/05
原研では、高温の熱利用による原子力エネルギーの利用拡大を目的として、高温工学試験研究炉を建設し、高効率発電,水素製造等の熱利用を目指した高温ガス炉システムに関する研究開発を進めている。本記事では、HTTRプロジェクトの研究開発を中心に、その経緯,これまでの主要な成果,現状,国際的な動向及び高温ガス炉水素製造システムに関する将来計画等を紹介する。なお、本解説記事は、文部科学省の革新的原子力システム技術開発公募事業「高温ガス炉固有の安全性の定量的実証」に関する技術開発の一環として実施された成果、並びに、文部科学省から原研が受託して実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」により得られた成果の一部である。
林 秀行; 沢 和弘; 小森 芳廣
Proceedings of International Symposium on Research Reactor and Neutron Science; In Commemoration of the 10th Anniversary of HANARO (HANARO 2005), p.215 - 220, 2005/04
高温工学試験研究炉用燃料の開発は、おもに材料試験炉のOGL-1及びキャプセルを用いて行ってきた。高温工学試験研究炉燃料の健全性を確認するために、種々の研究が実施されてきた。高温工学試験研究炉プロジェクトの現状と今後の計画について述べる。
井手 広史; 松井 義典; 長尾 美春; 小森 芳廣; 板橋 行夫; 辻 宏和; 塚田 隆; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*; 瀧口 英樹*
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 7 Pages, 2003/04
日本原子力研究所では、軽水炉の高経年化にかかわる照射誘起応力腐食割れ(IASCC: Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)研究のための照射試験ニーズに応えるため、BWRの水質、温度を模擬した条件下で照射試験が行える高度材料環境照射装置の開発を行った。高度材料環境照射装置は、照射試験片を収納し炉内に装荷される飽和温度キャプセルと炉外に設置されキャプセルへ高温高圧水を供給する水環境制御装置から構成される。このうち、飽和温度キャプセルについて、試験片温度を精度よく制御すること及び給水の水化学の制御性を改善するために試験片表面での給水流速をより高めることを目的とした熱水力的検討を行った。種々のキャプセルの構造を検討し、導水管及び矩形孔を設けた熱媒体を採用した飽和温度キャプセルを用いた照射試験の結果、各試験片温度と給水の水化学を制御できることがわかった。
井手 広史; 松井 義典; 板橋 行夫; 小森 芳廣; 長尾 美春; 小向 文作; 辻 宏和; 秋本 肇; 大貫 晃; 新谷 文将
JAERI-Tech 2002-079, 58 Pages, 2002/10
材料試験炉部では、軽水炉の高経年化にかかわる照射誘起応力腐食割れ(IASCC:Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)研究のための照射試験ニーズに応えるため、BWRの水質,温度を模擬した条件下で照射試験が行える高度材料環境照射装置の開発を進めている。高度材料環境照射装置は、飽和温度キャプセル及び水環境制御装置から構成される。本報告では、飽和温度キャプセルについて、試験片温度をBWRの炉内構造材温度で照射すること,試験片表面での給水流速をよりBWR環境に近づけること、及び、異常時のキャプセルの安全性の向上を目的とした熱水力的検討した結果を示す。その結果の概要は、導水管及び矩形孔をあけた熱媒体を用いるキャプセル構造を採用することにより、試験片表面での給水流速を従来の10倍程度(約0.2m/s)まで高めることが可能であり、また、給水全喪失等の万一の異常時にも安全上問題なく熱除去が可能であることがわかった。
長尾 美春; 板橋 行夫; 小森 芳廣; 新見 素二; 藤木 和男
KAERI/GP-195/2002, p.49 - 55, 2002/00
モンテカルロコードMCNPを用いたJMTRにおける照射場評価手法の検討を行ってきた。これまでに行われた検証の結果、高速中性子束,熱中性子束のMCNP計算値は、フルエンスモニタによる測定値に対して各々10%,30%の精度であった。加熱率については、試料部の温度で比較した結果、解析値は、測定値に対して-3~+14%で評価できた。以上の結果から、JMTR照射試験においては、中性子束,料部温度において高精度な評価が可能である。
小森 芳廣; 松井 義典; 板橋 行夫; 山浦 高幸; 長尾 美春
KAERI/GP-195/2002, p.59 - 69, 2002/00
材料試験炉部では、JMTRの照射能力を向上させ原子炉燃料,材料の照射研究の進展に対応すべく、照射技術,照射設備の開発を継続的に行っている。本報告は最近の照射技術開発の概要をまとめたものである。国内の軽水炉の長寿命化に対応して照射誘起応力腐食割れ(IASCC)に関する二つの大きな研究プロジェクトによる照射試験が2002年から計画され、このための照射試験設備の設計,製作,設置が、JMTR照射技術における過去5年間の主要かつ緊急の開発項目であった。1998年から同照射試験設備の設計検討を開始し、2002年3月に設置を終了し照射試験を開始した。この間、照射基礎研究等に対しては、照射温度測定のための新型モニタ,照射済み燃料棒への二重再計装技術,均一照射キャプセル等の開発を進め、照射利用に供した。
小森 芳廣; 雨澤 博男; 小向 文作; 鳴井 実*; 小無 健司*
KAERI/GP-195/2002, p.3 - 10, 2002/00
アクチニド水素化物燃料は高レベル廃棄物に含まれる長寿命アクチニドの核変換への応用を目的に研究されており、初めての照射試験がJMTRにて実施された。本報告ではこの照射試験のためのキャプセルの設計,製作及び照射結果についてまとめた。U/Th/Zr/Hの複合組成を有する燃料ペレットは合金化,水素化の過程を経て製作されたが、寸法誤差は予想範囲内であった。燃料ペレットからの水素の解離を防ぐため、照射温度は燃料ペレット表面で873K以下になるよう設計した。燃料ペレットはJMTRにて2サイクル照射され、測定された照射温度は設計値と良く一致した。また、燃料ペレットの燃焼度は0.2%FIMAに達した。
塚田 隆; 小森 芳廣; 辻 宏和; 中島 甫; 伊藤 治彦
Proceedings of International Conference on Water Chemistry in Nuclear Reactor Systems 2002 (CD-ROM), 5 Pages, 2002/00
照射誘起応力腐食割れ(以下、IASCC)研究における試験データは、従来ほとんどすべてが照射後試験により得られて来た。その結果、IASCCに関して多くの知見が得られたことは事実である。しかし、IASCCは本来炉内で使用される構造材で問題となり、そこでは照射,化学環境(高温水)そして応力は同時に材料に作用している。これらの作用には照射後試験では再現不可能な現象があり、照射は高温水の放射線分解をもたらし、応力付加状態での照射損傷組織は無負荷状態のそれと異なることも知られている。近年、IASCC研究では炉内の照射下高温水中で材料試験を行い、上記の炉内複合環境におけるIASCC挙動を調べようとする機運が高まっている。既にハルデン炉では、照射下IASCC試験を開始しているが、チェコLVR-15炉,ベルギーBR-2炉においても照射下IASCC試験のための高温水ループを炉内に設置して試験の実施を目指している。本発表では、平成13年度にJMTRに設置されたIASCC研究用高温水ループについて、その設計の考え方と装置の仕様と特徴などを報告する。
菅野 勝; 鍋谷 栄昭; 森 雄一郎*; 松井 義典; 飛田 正浩*; 井手 広史; 板橋 行夫; 小森 芳廣; 塚田 隆; 辻 宏和
JAERI-Tech 2001-080, 57 Pages, 2001/12
高経年軽水炉の信頼性,安全性を確保するうえで、炉内構造物に発生するおそれのある照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、重要かつ緊急な検討課題とされており、このための材料照射研究が計画されている。このために、軽水炉(BWR)の炉内環境を模擬した照射試験を行うことができる高度材料環境照射装置をJMTRに設置するための設計検討を進めている。高度材料環境照射装置は、照射試験片を収納し炉内に装荷される飽和温度キャプセル,飽和温度キャプセルに高温高圧水を供給する水環境制御装置から構成される。本報告は、このうち、水質制御機能を備えた水環境制御装置に関し、各構成機器の仕様・性能等,主に、1999年に行った設計検討の結果をまとめたものである。
小森 芳廣
最新核燃料工学; 高度化の現状と展望, p.241 - 250, 2001/06
原研では、JMTRの利用に関し多様な利用ニーズに応えるべく、照射技術の開発が行われ、その結果多くの種類のキャプセルが開発され照射試験に利用されている。このうち、原子炉燃料に関しては、軽水炉燃料、高温ガス炉燃料、高速炉燃料等の照射試験が実施されており、定常的な中性子照射のほか、出力急昇試験,FPガス放出率測定試験,温度急昇試験等が行われている。本報告では、これらの照射試験に用いられる照射キャプセル,関連する計測制御技術等について概説する。
森 浩一*; 小森 英之*; 北見 勝信*; 佐藤 淳也; 中澤 修; 目黒 義弘; 上田 浩嗣*; 黒崎 文雄*; 松倉 実*; 三村 均*
no journal, ,
本件では東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所における汚染水処理二次廃棄物の模擬廃棄物の焼結固化体に関する浸出性評価を行った。焼結固化体に関して、一定時間毎に浸出液(脱イオン水)を交換するANS標準浸出試験を行い、浸出性を評価した。試験の結果、炭酸塩スラリーのSrは高い浸出性を示したが、鉄共沈スラリーのCo, Euは極めて低い浸出性を示した。また、ゼオライト, ケイチタン酸のCs、鉄共沈スラリーのNiはガラス固化体からのCs浸出と同等レベルの浸出性を示した。
出雲 寛互; 堀 直彦; 神永 雅紀; 楠 剛; 石原 正博; 小森 芳廣; 鈴木 雅秀; 河村 弘
no journal, ,
JMTR原子炉施設の改修は、原子炉機器等の一部更新と照射設備の整備からなり、計画通りに遂行された。原子炉機器等の一部更新に関しては、経年変化に関する調査を行ったうえで、今後更新が必要になるかどうか、安全上重要な機器かどうか、整備に長期間を要するかどうか、保守を行う際に交換部品の入手が困難とならないかなどの安全確保及び稼働率向上を観点に選定した。照射設備に関しては、新たなニーズに対応するため、軽水炉材料、燃料等の照射設備を行った。また、新たなプロジェクトにより、医療用RIの製造設備の整備などを行っている。再稼働後は、原子力研究開発の基盤として国際的に貢献していく。
神永 雅紀; 楠 剛; 石原 正博; 小森 芳廣; 鈴木 雅秀; 堀 直彦
no journal, ,
原子力機構の材料試験炉(JMTR)は軽水減速冷却タンク型の原子炉で初臨界は1968年3月である。ホットラボとカナルによって接続することにより迅速な照射試料の輸送と再照射を可能にしている。改修後のJMTRは2012年度の再稼働を予定しており、その後約20年間(2030年頃まで)運転を行う予定である。より高い稼働率、早く照射結果が得られるようにターンアラウンドタイムの短縮,魅力的な照射費用,企業秘密の堅持などJMTRの利用性の向上を目指した検討を行っている。