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論文

Measurement of H$$^{0}$$ particles generated by residual gas stripping in the Japan Proton Accelerator Research Complex linac

田村 潤; 二ツ川 健太*; 近藤 恭弘; Liu, Y.*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 岡部 晃大; 吉本 政弘

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1049, p.168033_1 - 168033_7, 2023/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:72.91(Instruments & Instrumentation)

J-PARCリニアックは、ビーム損失が重要な課題となる大強度加速器である。J-PARCリニアックでは、H$$^{-}$$ビームが機能分離型ドリフトチューブリニアック(SDTL)で191MeVまで加速され、その後、環結合構造型加速管(ACS)で400MeVまで加速される。H$$^{-}$$リニアックでは陽子リニアックよりもビーム損失の要因事象が多いため、ビーム損失低減のためにはビーム損失の原因を詳しく調べることが必須である。制御不能なH$$^{0}$$粒子を生成する電子ストリッピング現象は、H$$^{-}$$リニアックに特有なビーム損失要因である。J-PARCリニアックにおけるビーム損失の原因を明らかにするため、SDTLとACSの間のビーム輸送部に新しいビーム診断系を設置した。ここでは、H$$^{0}$$粒子をH$$^{-}$$ビームから分離し、H$$^{0}$$粒子が分布する範囲にグラファイト板を挿入してH$$^{0}$$粒子の強度プロファイルを測定することに成功した。ビームライン真空圧力の違いによるH$$^{0}$$粒子の強度変化を調べることで、SDTLセクションのH$$^{0}$$粒子の半分は、J-PARCリニアックの残留ガスストリッピングによって生成されていることを明らかにした。

論文

Measurement of the longitudinal bunch-shape distribution for a high-intensity negative hydrogen ion beam in the low-energy region

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 小栗 英知

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(3), p.032802_1 - 032802_12, 2023/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)

バンチシェイプモニター(BSM)はビーム輸送中にある地点での縦方向位相分布を測定して、縦方向ビームチューニングを行う際に有用な装置である。低エネルギー負水素(H$$^{-}$$)イオンビームの縦方向位相分布を測定するために、大強度ビーム負荷による熱負荷を軽減できるよう2次電子を放出する標的に高配向性グラファイト(HOPG)が採用した。このHOPGターゲットにより、50mA程度の高いピーク電流を持つ3MeV H$$^{-}$$イオンビームの中心部で縦方向位相分布の測定が可能となった。テストスタンドでHOPG-BSMを用いて縦方向のバンチ幅を測定したところ、ビームシミュレーションと一致した。HOPG-BSMを用いて、ビーム横方向と縦方向の相関測定を実証した。HOPG-BSMを用いて、縦方向Qスキャン法により縦方向Twissとエミッタンスを測定した。

論文

Bunch-size measurement of the high-intensity H$$^{-}$$ beam with 3 MeV by the bunch-shape monitor

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011012_1 - 011012_6, 2021/03

J-PARCリニアックフロントエンドの大強度3MeV H$$^{-}$$のバンチ幅を測定するためには、新たなバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。カーボンナノチューブワイヤーとグラフェンスティックは大強度ビームを測定するために十分な強度を持つ素材であるため、BSMの標的ワイヤーの良い候補である。しかしながらBSMではワイヤーに数kV以上の負極性高電圧を印加するために放電抑制が課題であった。ワイヤーからの放電による影響を調査するための高電圧試験の後、グラフェンスティックを用いてピーク電流55mAでビーム中心部における信号検出に初めて成功した。本講演ではバンチ幅測定のプレリミナリーな結果を報告する。

論文

大強度陽子ビーム用縦方向分布モニター応答特性評価

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.251 - 253, 2020/09

大強度・低エミッタンスな陽子ビーム加速を実現するため、空間電荷効果の影響が大きい低エネルギー領域での縦方向分布モニター(バンチシェイプモニター: BSM)の運用試験を進めている。BSM内部でビームを受ける二次電子生成標的に熱負荷耐性の良い高配向性グラファイト(HOPG)を導入したことで、既存のタングステン製標的で問題となっていた標的破損による計測中断が無くなり、安定した計測が可能となった。しかしHOPGを導入したBSMで初めて測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションによる予想より広がっており、改善の余地がある。J-PARCリニアック棟テストスタンドのビームを利用して、BSMの応答特性を調査した。この試験ではBSMを構成する電子増倍管,偏向電磁石及びRFデフレクタの各パラメータの応答特性を調査・調整した。調整後に測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションの予想分布と一致した。

論文

Production of $$^{266}$$Bh in the $$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5$$n$$)$$^{266}$$Bh reaction and its decay properties

羽場 宏光*; Fan, F.*; 加治 大哉*; 笠松 良崇*; 菊永 英寿*; 小森 有希子*; 近藤 成美*; 工藤 久昭*; 森本 幸司*; 森田 浩介*; et al.

Physical Review C, 102(2), p.024625_1 - 024625_12, 2020/08

 被引用回数:6 パーセンタイル:59.56(Physics, Nuclear)

The nuclide $$^{266}$$Bh was produced in the $$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5n)$$^{266}$$Bh reaction at beam energies of 125.9, 130.6, and 135.3 MeV. Decay properties of $$^{266}$$Bh were investigated with a rotating wheel apparatus for $$alpha$$ and spontaneous fission (SF) spectrometry under low background conditions attained by a gas-jet transport system coupled to the RIKEN gas-filled recoil ion separator. The half-life of $$^{266}$$Bh was measured to be $$T_{rm 1/2}$$ = 10.0$$^{+2.6}_{-1.7}$$ s. The $$alpha$$-particle energies of $$^{266}$$Bh disperse widely in the range of 8.62 - 9.40 MeV. The maximum production cross section for the $$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5n)$$^{266}$$Bh reaction was determined to be $$sigma$$ = 57 $$pm$$ 14 pb at 130.6 MeV.

論文

Upgrade of the 3-MeV linac for testing of accelerator components at J-PARC

近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:52.28(Physics, Particles & Fields)

J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV H$$^{-}$$リニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。

論文

The First replacement of the RF window of the ACS cavity

田村 潤; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 内藤 富士雄*; 大谷 将士*; 根本 康雄*

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012079_1 - 012079_6, 2019/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.06(Physics, Particles & Fields)

2013年に環結合型(ACS)空洞がJ-PARCリニアックに設置されて以降、これらACS空洞は順調に運転を継続している。これまでのところ、ACS空洞用高周波窓に起因する深刻な問題は発生していないが、25台あるACS空洞のうち1台についてその高周波窓を新規製作品と交換することにした。その大きな目的は、(1)5年近くビーム運転に使用されてきたACS用高周波窓の表面状態の確認、(2)新規に予備として製作した高周波窓が大電力運転に使用できるかどうかの確認、(3)未使用高周波窓の大電力コンディショニングにどれだけの時間を要するかの確認である。2018年の夏期メンテナンス期間を利用してACS用高周波窓の交換作業を行ったが、リニアックトンネルにて本交換作業を行うのは我々にとって初めての経験であった。取り外した高周波窓を確認したところ、目視ではまったく異常は見当たらなかった。このメンテナンス期間終了後の加速器立ち上げ時、新しく空洞に設置した高周波窓の大電力コンディショニングを行い、安定に必要な大電力を入力するのに約50時間を要することが分かった。新規製作のRF窓を設置した本ACS加速空洞は、現在でも安定に運転中である。

論文

VSWR adjustment for ACS cavity in J-PARC linac

田村 潤; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 内藤 富士雄*; 大谷 将士*; 根本 康雄*

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012080_1 - 012080_6, 2019/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.06(Physics, Particles & Fields)

J-PARCリニアックでは、環結合型(ACS)空洞によって負水素イオンビームを190MeVから400MeVまで加速している。そのACS空洞の中で最後段の加速空洞であるACS21空洞は、他の空洞に比べて大きなVSWR(空洞反射率)を持っている。この空洞反射率を目標値まで下げるために、専用の容量性アイリスを備えた矩形導波管を設計・製作した。2018年の夏期メンテナンス期間を利用し、製作した専用の矩形導波管をACS21空洞に設置した。これにより、ACS21加速空洞の反射率を目標値まで低減し、設計加速ビーム電流値である50mA加速時に極めて反射率の小さい運転を実現できるようになった。

論文

Development of the bunch shape monitor using the carbon-nano tube wire

北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 守屋 克洋; 小栗 英知; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*; 大谷 将士*; 小坂 知史*; et al.

Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.2543 - 2546, 2019/06

バンチシェイプモニター(BSM)は縦方向位相空間分布を測定するための重要な装置の一つである。例えば、J-PARCリニアックではタングステンワイヤーを用いたBSMが加速空洞間のバンチ形状を測定するためACSセクションに3台導入されている。しかしながら、このBSMではRFQとDTLセクション間のビーム輸送系における3MeVのH$$^{-}$$ビームのバンチ形状を測定することは、ビーム中心部でワイヤーが断線してしまうために困難である。そこで3MeVのH$$^{-}$$ビームのバンチ形状を測定できるよう、カーボンナノチューブワイヤー(CNT)を用いた新たなBSMを開発している。CNTワイヤーに-10kVの高圧を印加するには細心の注意を要する。ワイヤーからの放電を抑制しつつBSMを運転するためにいくつかの対策を実施した。この講演ではCNT-BSMの最新の開発状況と将来の展望を報告する。

論文

Low-reflection RF window for ACS cavity in J-PARC linac

田村 潤; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 青 寛幸*; 内藤 富士雄*; 大谷 将士*; 根本 康雄*

Journal of Physics; Conference Series, 1067(5), p.052009_1 - 052009_6, 2018/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.11(Physics, Particles & Fields)

J-PARCリニアックの環結合型(Annular-ring Coupled Structure: ACS)空洞は、これまで安定に運転してきている。この高稼働率運転を継続するため、2015年度と2017年度に、このACS空洞用のピルボックス型高周波(RF)窓を製作した。次の二つの理由から、このRF窓における電磁波の反射を最小化する必要がある。一つ目は、このRF窓とACS空洞の間で励振する定在波の発生を防ぐためであり、二つ目は、ACS空洞と導波管の間の調整済結合度を大きく変化させないためである。このRF反射最小化を実現するため、RF窓用セラミックディスクを含んだピルボックス空洞の共振周波数を測定することにより、このセラミックディスクの比誘電率を見積もった。このようにして見積もったセラミックディスクの比誘電率を用いて、RF窓のピルボックス部寸法を決定した。この方法により製作したACS空洞用RF窓の電圧定在波比を測定したところ、3台とも1.08であり、実際の大電力運転に適用可能な低反射RF窓の開発に成功した。

論文

J-PARC3MeVリニアックを用いたビームスクレーパの開発

平野 耕一郎; 浅野 博之; 石山 達也; 伊藤 崇; 大越 清紀; 小栗 英知; 近藤 恭弘; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 佐藤 福克; et al.

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.310 - 313, 2016/11

単位面積当たりの熱負荷を減らすため、67$$^{circ}$$のビーム入射角を有するビームスクレーパをJ-PARCリニアックのRFQとDTLの間のMEBTで使用している。67$$^{circ}$$ビームスクレーパは粒子数1.47E22個のH$$^{-}$$ビームによって照射された。レーザ顕微鏡を用いてスクレーパのビーム照射による損傷部を観察すると、高さ数百$$mu$$mの突起物が無数にあった。ビームスクレーパの耐電力を調べるため、3MeVリニアックを新たに構築した。2016年末にスクレーパ照射試験を実施する予定である。今回は、J-PARCリニアックのビームスクレーパの現状、及び、ビームスクレーパの照射試験に用いる3MeVリニアックについて報告する。

論文

Baseline design of a proton linac for BNCT at OIST

近藤 恭弘; 長谷川 和男; 東 保男*; 菅原 寛孝*; 吉岡 正和*; 熊田 博明*; 松本 浩*; 内藤 富士雄*; 黒川 真一*

Proceedings of 7th International Particle Accelerator Conference (IPAC '16) (Internet), p.906 - 909, 2016/06

沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて、加速器を用いたホウ素中性子捕獲療法(BNCT)装置の開発が計画されている。本研究においては、いばらき中性子医療研究センターにおけるBNCT用リニアックからの知見をもとに、医療用機器としての量産型のパイロットモデルの開発を目標とする。加速器の性能は、中性子生成ターゲットでのビーム電力60kWを想定している。ビームエネルギーは、10MeV程度であり、必要な熱外中性子と、それ以外の、高速および熱中性子、$$gamma$$線との収量比を最適化するように最終的には決定される。エネルギー10MeVとすると、ビーム電流30mA、デューティー20%で40kWが実現可能である。リニアックの構成は、ECRイオン源、2ソレノイド型LEBT、4-ヴェーンRFQ、アルバレ型DTLと、これまでの開発実績のある技術を用いる。RFQおよびDTLの共振周波数は、352MHZ程度を予定している。医療用機器においては、十分な信頼性と、加速器の非専門家による容易な運転が要求され、加速器機器の中でも複雑な構成となる大強度陽子リニアックにおいて、これらを達成することも、重要な開発目標となる。本論文では、この、BNCT用陽子リニアックの基礎設計について述べる。

論文

OISTホウ素中性子捕獲療法(BNCT)用陽子リニアックの開発

近藤 恭弘; 長谷川 和男; 東 保男*; 熊田 博明*; 黒川 真一*; 松本 浩*; 内藤 富士雄*; 吉岡 正和*

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.948 - 950, 2015/09

沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて、加速器を用いたホウ素中性子捕獲療法(BNCT)装置の開発が計画されている。本研究においては、いばらき中性子医療研究センターにおけるBNCT用リニアックからの知見をもとに、医療用機器としての量産型のパイロットモデルの開発を目標とする。加速器の性能は、中性子生成ターゲットでのビーム電力60kWを想定している。ビームエネルギーは、10MeV程度であり、必要な熱外中性子と、それ以外の、高速および熱中性子、$$gamma$$線との収量比を最適化するように最終的には決定される。エネルギー10MeVとすると、ビーム電流30mA、デューティー20%で40kWが実現可能である。リニアックの構成は、ECRイオン源、2ソレノイド型LEBT、4-ヴェーンRFQ、アルバレ型DTLと、これまでの開発実績のある技術を用いる。RFQおよびDTLの共振周波数は、352MHZ程度を予定している。医療用機器においては、十分な信頼性と、加速器の非専門家による容易な運転が要求され、加速器機器の中でも複雑な構成となる大強度陽子リニアックにおいて、これらを達成することも、重要な開発目標となる。本論文では、この、BNCT用陽子リニアックの開発状況について述べる。

論文

J-PARCリニアックにおけるACS空洞の運転状況

根本 康雄; 田村 潤; 伊藤 崇; 森下 卓俊; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小栗 英知; 杉村 高志*; 南茂 今朝雄*; 青 寛幸*

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1101 - 1104, 2015/09

J-PARCリニアックでは、環結合型空洞を用いたビーム運転を開始して約1.5年が経過した。長期運転によるコンディショニング効果によって、空洞内の真空圧力はビーム運転で要求されるより十分低い1$$times$$10$$^{-7}$$Pa程度まで下がり、RFトリップ回数についても順調に減少している。現在この環結合型空洞は、J-PARC加速器の稼働率に大きな影響を与えることなく安定に運転している。運転を開始してからこれまでの間に、このビームラインで使用しているアルミ製チェーンクランプの破損によって、突発的な真空リークが5回発生した。そこで同様のトラブルを未然に防ぐため、全てのアルミ製クランプをステンレス製のものに交換した。また、この環結合型空洞部では空洞間に設置しているビームモニタのボア径が周辺のビームダクトと比べて小さいため、この場所の残留放射線量が非常に高く問題となっている。今後のリニアックビーム電流増強に備え、ビーム調整に使用していないモニタについてはチタン製のダクトと交換し、特に高線量部についてはこのチタン製ダクトのボア径を拡大する等の検討を行っている。

論文

J-PARCリニアックの現状

小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.

Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10

J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。

論文

Orbital excitations in LaMnO$$_3$$ studied by resonant inelastic X-ray scattering

稲見 俊哉; 福田 竜生; 水木 純一郎; 石原 純夫*; 近藤 浩*; 中尾 裕則*; 松村 武*; 廣田 和馬*; 村上 洋一*; 前川 禎通*; et al.

Physical Review B, 67(4), p.045108_1 - 045108_6, 2003/01

 被引用回数:56 パーセンタイル:87.96(Materials Science, Multidisciplinary)

軌道整列したマンガン酸化物LaMnO$$_3$$を共鳴非弾性X線散乱で研究した。入射X線のエネルギーをMnのK吸収端近傍に持って行くと、スペクトルに3つのピークが現われ、その励起エネルギーは2.5eVと8eV,11eVであった。8eVと11eVのピークは、それぞれ、酸素の2pバンドからマンガンの3dと4s/4pバンドへの遷移と考えられる。一方、2.5eVのピークはモットギャップ間の軌道励起と考えられ、これは、$$d_{3x^2-r^2}$$$$d_{3y^2-r^2}$$の軌道対称性を持つ下部ハバードバンドから$$d_{y^2-z^2}$$$$d_{z^2-x^2}$$ の軌道対称性を持つ上部ハバードバンドへの電子励起である。この2.5eVの励起の弱い分散関係と特徴的な方位角依存性は軌道縮重と電子相関を考慮した理論でよく再現された。

口頭

Source development of plasma-based soft X-ray laser and the applications for probing nano-scale dynamics of laser ablation

河内 哲哉; 錦野 将元; 長谷川 登; 南 康夫*; 馬場 基芳*; 山極 満; 近藤 公伯; Inogamov, N. A.*; Zakhovsky, V.*; Faenov, A. Y.*; et al.

no journal, , 

Short pulse X-ray sources become indispensable diagnostic tools in modern science and technology and are widely used in probing substances for new material development, protein crystallography in innovative drug development, and non-destructive X-ray imaging etc. The improvement of the sources is also important subject, and in particular coherent X-rays in both the laser-based and accelerator-based are intensively studied, which enable us to achieve quite high spatial-resolution as the probe and quite intense X-ray as the pump. Besides the laser-driven sources have potentials to downsizing and table-top systems, therefore we carry out the development of fully spatially coherent soft X-ray laser (SXRL) at the wavelength of 13.9 nm and its applications. The advantages of SXRLs are the large number of photons in coherent volume enough for shingle shot probe, which enable us to observe non-repetitive and irreversible phenomena, and this wavelength for which highly reflective optics are available.

口頭

Accelerator based BNCT using solid Li target at OIST

松本 浩*; 鈴木 富美子*; 菅原 寛孝*; 吉岡 正和*; 東 保男*; 松本 教之*; 長谷川 和男; 近藤 恭弘; 内田 和秀*; 黒川 真一*

no journal, , 

BNCT (Boron Neutron Capture Therapy) is a kind of radiation therapy for cancer. Boron is accumulated inside the tumor before the injection of the neutron beam to the target tumor. For long time BNCT researchers have been utilizing the neutron beam provided by nuclear reactors. The problem here is that appropriate nuclear reactors are scarce in the whole world. Recently, however, another source of neutron beam has been studied using high intensity, low energy proton accelerator. The intensity of the proton beam is 10 to 50 mA, which is rather high but the energy is always less than 10 MeV. The cost of the accelerator is about 1/7 of the heavy ion machine and it has a potential to become a standard machine as a tool for cancer radiotherapy in medium-sized to large hospitals. OIST BNCT will design a new and commercially affordable Linac (3 MeV beam energy) and solid Li target system. As a first step, we will concentrate to develop ECR ion source (60 mA of peak output current at 50 - 60 kV, 1 ms pulse width and 200 Hz of repetition rate) and LEBT (Low Energy Beam Transport).

口頭

地震性地殻変動と大規模ラハールによって規制された開析谷埋積シークエンス; 南海トラフ沿岸,宿毛臨海低地において採取されたSKMコアの解析例

七山 太*; 山口 龍彦*; 中西 利典; 辻 智大*; 池田 倫治*; 近藤 康生*; 三輪 美智子*; 杉山 真二*; 木村 一成*

no journal, , 

南海トラフ巨大地震によって沈降が予測されている宿毛臨海低地において沖積コアを採取し、LGMの開析谷を埋積する沖積層の特徴と堆積シークエンスの検討を実施した。松田川開析谷はLGMに形成され、その後の後氷期海進により、9.8kaに標高-30mに海水が到達し、エスチュアリー環境へと変化した。その後も海水準は上昇し続けて内湾泥底環境となり、7.5kaに最高水深時となった。7.3kaに起こった南九州の鬼界カルデラ噴火により、給源に近い宿毛湾周辺においてもK-Ah火山灰が厚く降灰し、その直後に大規模なラハールが発生した。その直後から水中二次堆積物が急激に堆積した。7.0ka以降にデルタの成長が他の地域に先行して活発化したが、これは大規模なK-Ah火山灰の影響と考えられる。SKMコアから得られた過去1万年間の海面変動情報に基づくならば、宿毛湾地域は南海トラフ巨大地震によって一時的に地盤沈下するものの、長期的に見るとそれらの沈降量は相殺されると理解される。

口頭

Middle Holocene changes in relative sea-level on western Shikoku Island, Japan

山口 龍彦*; 辻 智大*; 七山 太*; 中西 利典; 池田 倫治*; 近藤 康生*; 三輪 美智子*; 濱田 洋平*

no journal, , 

四国は、フィリピン海プレートの沈み込みに伴う南海トラフの北西150kmに位置している。この構造運動によって、島の変形, 巨大地震, 津波などが発生してきたが、完新世中期のテクトニクスはまだよく理解されていない。沿岸堆積物に記録されている相対的な海水準(RSL)の変化は、地震の隆起と沈降を示唆する。8-4cal kBPの間のRSLの変化を推測するために、四国南西部宿毛のSKMコア(Tsuji et al., 2018、JpGU、MIS11-P19)および四島北部の6本のコア(Yasuhara et al., 2005、Palaeo3; Yasuhara and Seto、2006、Paleontol. Res.)を用いた。これらから古水深とRSLを推定するために、貝形虫群集組成とモダンアナログ法を用いた。SKMコアは、主に砂礫, 火山灰, 泥で構成されおり、放射性炭素年代測定法を使用して、その堆積年代が詳細に調べられている(Nakanishi et al., 2019、Radiocarbon)。これらの結果を総合して、8-4cal kBPにおいて四国周辺のRSLの標高差を検知することに成功した。これらはフィリピン海プレートの収束による島の傾斜を示唆すると考えられる。

口頭

J-PARCリニアック中エネルギービーム輸送系におけるグラフェンを用いたバンチシェイプモニターの開発

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知

no journal, , 

J-PARCリニアックでは、バンチシェイプモニター(BSM)を用いた中エネルギービーム輸送系での縦方向マッチング最適化によるビーム品質向上に取り組んでいる。BSMでは負水素イオンビームから生成した二次電子ビームを用いて間接的にバンチ位相分布を測定する。しかし大強度かつ3MeVのビーム中心部を測定する場合、バンチ位相分布測定は二次電子標的の熱負荷制限により未達成であった。そのため熱負荷耐性の高いグラフェンを標的に採用して、ビームによる性能評価試験を実施した。ビーム中心部に設置したグラフェン標的で生成した二次電子信号の検出に成功し、グラフェンが大強度・低速ビーム用BSMの二次電子標的として有用であることが明らかとなった。

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