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論文

Electronic structure in heavy fermion compound UPd$$_2$$Al$$_3$$ through directional Compton profile measurement

小泉 昭久*; 久保 康則*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 櫻井 吉晴*

Journal of the Physical Society of Japan, 88(3), p.034714_1 - 034714_6, 2019/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:19.46(Physics, Multidisciplinary)

Directional Compton profiles of a heavy fermion compound UPd$$_2$$Al$$_3$$ are measured in the basal plane of the hexagonal lattice. A remarkable change of the two-dimensional electron occupation number densities has been observed between 20 K and 100 K. Obtained results are attributed to the modification of the 5$$f$$ electronic states.

論文

Hydrophobic platinum honeycomb catalyst to be used for tritium oxidation reactors

岩井 保則; 久保 仁志*; 大嶋 優輔*; 野口 宏史*; 枝尾 祐希; 谷内 淳一*

Fusion Science and Technology, 68(3), p.596 - 600, 2015/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:16.69(Nuclear Science & Technology)

トリチウム酸化反応器に適用可能な疎水性白金ハニカム触媒を開発した。ハニカム形状の触媒は圧力損失を減少させることができる。試作した疎水性触媒はメタルハニカム担体と炭化ケイ素ハニカム担体の二種類である。白金微粒子を数ナノメートルに微細化することで微量トリチウムの触媒酸化活性を大幅に向上させることができた。水素濃度は総括反応速度にほとんど影響を与えない。白金表面上への水蒸気と水素の競合吸着の影響から反応速度定数は底値を持つ。底値を示す水素濃度は、乾燥ガス下では100ppmであった。これらのハニカム触媒の活性はペレット状の疎水性触媒と同等であり、疎水性ハニカム触媒のトリチウム酸化反応器への適用可能性を示すことができた。

論文

田中貴金属工業の触媒技術

久保 仁志*; 大嶋 優輔*; 岩井 保則

JETI, 63(10), p.33 - 36, 2015/09

田中貴金属工業は純金積み立てのイメージが強いが、主に工業用の材料製造を行っている貴金属メーカーである。化学製品も例外ではなく、貴金属薬液から触媒も手がけており、中でも燃料電池用触媒は世界トップシェアを誇る。本稿では田中貴金属工業の最近の成果である日本原子力研究開発機構と共同開発した核融合施設向けのトリチウム処理に関する疎水性貴金属触媒について概説する。

論文

核融合炉におけるトリチウムの効率回収に向けた疎水性白金触媒の開発

岩井 保則; 久保 仁志*; 大嶋 優輔*

Isotope News, (736), p.12 - 17, 2015/08

原子力機構は田中貴金属工業と共同で核融合炉の実現に向けてトリチウムを回収するための新たな疎水性白金触媒の開発に成功した。核融合向けに必要であった触媒の耐放射線性、耐熱性について、無機物質を基材に疎水化処理を施す新たな触媒製法の開発により耐放射線性の目安となる530kGyの放射線照射に対して性能劣化がないこと、また通常使用される温度の70$$^{circ}$$Cを大きく上回る600$$^{circ}$$C超の耐熱性確保にも成功し、これまでの技術的課題を解決した。さらに、この方法で作製した触媒は、従来の約1.3倍に相当する高い交換効率を達成することも確認した。本報告は疎水性触媒による核融合炉安全性の向上につき概説する。

論文

トリチウムを安全に扱うための触媒開発; 核融合の実用化に近づく大きな一歩

岩井 保則; 久保 仁志*; 大嶋 優輔*

化学, 70(5), p.35 - 40, 2015/05

核融合の実現に向けた研究開発として、トリチウム水と軽水素ガスを接触させ、水蒸気-水素間の水素同位体の交換を可能にする疎水性触媒作成技術の開発に成功した。本触媒は、核融合炉で発生しうるトリチウム水の減容・濃縮に適用できる。一般の触媒は水蒸気雰囲気では触媒性能を失うため、本触媒は高濃度の水蒸気雰囲気でも触媒の活性を維持するために本触媒は特殊な疎水性処理を施している。水素の同位体であり放射性のトリチウムを燃料として大量に使用する核融合プラントでは、環境中へのトリチウム放出を抑制するために、トリチウムを酸化処理し、水形にしたのちに吸着剤等で除去を行う。貴重な資源であるトリチウムを燃料として再循環させるために、核融合プラントではトリチウム水を濃縮し、ガス形に変換するトリチウム水処理システムを設ける。トリチウム水処理システムはその技術的難易度ゆえに核融合トリチウム関連技術で唯一国内にてシステム実証されておらず、本触媒の開発によりその大きな技術的ハードルを越える見通しを得た。本成果の研究過程と期待される波及効果を含め解説する。

論文

Magnification of a polarization angle with a Littrow layout brazed grating

笹尾 一; 荒川 弘之*; 久保 博孝; 河野 康則; 伊丹 潔

Review of Scientific Instruments, 85(8), p.086106_1 - 086106_3, 2014/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:10.84(Instruments & Instrumentation)

A new method to magnify a small polarization angle with brazed gratings has been developed. In the method, difference in diffraction efficiency for S and P polarization components is used. The magnification dependence on the incident angle can be small by arranging the grating in Littrow layout. A magnification with a factor $$sim$$2.7 has been demonstrated for a 10.6 $$mu$$m CO$$_{2}$$ laser beam as expected from a calculation. The method is applicable in many polarimetry fields.

論文

Hydrophobic Pt catalyst for combustion of hydrogen isotopes at low temperatures

岩井 保則; 久保 仁志*; 佐藤 克美; 大嶋 優輔*; 野口 宏史*; 谷内 淳一*

Proceedings of 7th Tokyo Conference on Advanced Catalytic Science and Technology (TOCAT-7) (USB Flash Drive), 2 Pages, 2014/06

原子力施設で発生する水素やその同位体の燃焼処理を目的とした疎水性白金触媒を開発した。TKK-KNOITSという商品名を与えられた新型の疎水性水素燃焼触媒は水素燃焼において空気中の水蒸気や水ミスト、また燃焼反応により生成する水蒸気の影響を受けにくい。よって室温近傍の低温においても高い活性を維持し、水素を燃焼させることが可能である。TKK-KNOITS触媒は他の疎水性触媒と比較して極低濃度から高濃度までの幅広い水素濃度に適用可能であることを明らかとした。従来の高分子を担体とする疎水性白金触媒は高分子に特有の耐熱性の低さから水素燃焼用途に不向きであったが、TKK-KNOITS触媒は無機物質を担体としており、873Kまでの高い耐熱性を有していることを確認した。

論文

Characteristic heavy fermion properties in YbCu$$_2$$Si$$_2$$ and YbT$$_2$$Zn$$_{20}$$ (T: Co, Rh, Ir)

大貫 惇睦; 安井 慎一*; 松下 昌輝*; 吉内 伸吾*; 大家 政洋*; 広瀬 雄介*; Dung, N. D.*; 本多 史憲*; 竹内 徹也*; 摂待 力生*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 80(Suppl.A), p.SA003_1 - SA003_6, 2011/12

We studied the Fermi surface properties of YbCu$$_2$$Si$$_2$$ and YbCu$$_2$$Ge$$_2$$ with the tetragonal structure by measuring the de Haas-van Alphen (dHvA) oscillations, together with the energy band calculations. It was clarified that 4f electrons contribute to the Fermi surface of a valence fluctuating compound YbCu$$_2$$Si$$_2$$, but not to that of a divalent compound YbCu$$_2$$Ge$$_2$$. We also studied the heavy fermion properties of YbT$$_2$$Zn$$_{20}$$ (T: Co, Rh, Ir) with the cubic caged structure. The metamagnetic behavior or an abrupt nonlinear increase of magnetization was observed. By measuring the electrical resistivity under pressure and magnetic field, we clarified that the electronic state close to the quantum critical point is realized in YbIr$$_2$$Zn$$_{20}$$ at 5.2 GPa and also YbCo$$_2$$Zn$$_{20}$$ at ambient pressure.

論文

Room-temperature reactor packed with hydrophobic catalysts for the oxidation of hydrogen isotopes released in a nuclear facility

岩井 保則; 佐藤 克美; 谷内 淳一*; 野口 宏史*; 久保 仁志*; 原田 伸夫*; 大嶋 優輔*; 山西 敏彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 48(8), p.1184 - 1192, 2011/08

 被引用回数:35 パーセンタイル:91.73(Nuclear Science & Technology)

微量トリチウムを室温・飽和水蒸気雰囲気下においても効率的に酸化するための無機ベース疎水性白金触媒H1Pを開発した。流通式反応器を用いてトリチウムガスを使用して測定したH1Pの室温における総括反応速度係数は汎用アルミナ白金触媒と比較して高い値を示した。また飽和水蒸気雰囲気下で使用した場合のH1Pの総括反応速度係は、H1Pの優れた疎水性能により乾燥条件下と比較して微小な低下に留まった。反応の律速段階は室温近傍温度では表面反応律速であるが、40$$^{circ}$$C以上ではH1Pの微小細孔の影響で細孔拡散抵抗の寄与が見られた。室温における総括反応速度係数の空間速度依存性及び水素濃度依存性もあわせて定量的に評価した。

論文

Metamagnetic behavior in heavy-fermion compound YbIr$$_2$$Zn$$_{20}$$

竹内 徹也*; 安井 慎一*; 戸田 雅敏*; 松下 昌輝*; 吉内 伸吾*; 大家 政洋*; 片山 敬亮*; 広瀬 雄介*; 吉谷 尚久*; 本多 史憲*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 79(6), p.064609_1 - 064609_15, 2010/06

 被引用回数:43 パーセンタイル:83.61(Physics, Multidisciplinary)

Metamagnetic behavior of the heavy-fermion compound YbIr$$_2$$Zn$$_{20}$$ was studied by magnetization, de Haas-van Alphen effect, magnetoresistance, specific heat, thermal expansion and magnetostriction. Metamagnetic behavior was observed for all the physical properties at low temperatures. It is remarkable that the Fermi surfaces observed in the dHvA effect unchanges across the metamagnetic transition.

論文

Heavy fermion state in YbIr$$_2$$Zn$$_{20}$$

吉内 伸吾*; 戸田 雅敏*; 松下 昌輝*; 安井 慎一*; 広瀬 雄介*; 大家 政洋*; 片山 敬亮*; 本多 史憲*; 杉山 清寛*; 萩原 政幸*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 78(12), p.123711_1 - 123711_4, 2009/12

 被引用回数:41 パーセンタイル:83.20(Physics, Multidisciplinary)

High-field magnetization and de Haas-van Alphen effect were measured on a heavy fermion compound YbIr$$_2$$Zn$$_{20}$$. Large cyclotron masses ranging from 4 to 27 $$m_0$$ were detected in the dHvA experiment, and are found to be reduced at magnetic fields higher than 120 kOe. From the present experimental results together with the 4f-itinerant band calculations, the 4f electrons are considered to form heavy fermion state.

論文

Characteristics of post-disruption runaway electrons with impurity pellet injection

河野 康則; 仲野 友英; 諫山 明彦; 朝倉 伸幸; 玉井 広史; 久保 博孝; 竹永 秀信; Bakhtiari, M.; 井手 俊介; 近藤 貴; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 81(8), p.593 - 601, 2005/08

ディスラプション時に発生する高エネルギー逃走電子に対する不純物ペレット入射の緩和効果を調べるための実験をJT-60Uにおいて実施した。まず、逃走電子プラズマ中に不純物ネオンペレットがデポジションすることをプラズマ電子密度の増加を通して観測した。また、ペレット入射時の逃走電子電流減衰時間は、約1/2に短くなった。さらに、逃走電子電流減衰率の変化量とプラズマ外への逃走電子損失を示す光中性子信号の変化量は、ほぼ比例する関係にあった。以上より、不純物ネオンペレット入射による逃走電子の損失増大,緩和効果を見いだした。

論文

Characteristics of runaway plasmas in JT-60U

河野 康則; 仲野 友英; 諫山 明彦; 波多江 仰紀; 木島 滋; 大山 直幸; 近藤 貴; 玉井 広史; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; et al.

Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00

トカマクのディスラプション時に発生する逃走電子の緩和を目的として、不純物ペレット入射などの外部アクチュエータを用いた実験を実施した。その結果、不純物ペレット入射による逃走電子排出効果及び逃走電子電流減衰効果を見いだした。また、逃走電子電流の基本的な振る舞いが、逃走電子のアバランシェ過程による発生とシンクロトロン放射の効果を取り入れたAndersson-Helanderモデルに基づく減衰とのバランスで説明できる可能性を示した。他方、電流消滅時間が逃走電子により伸張されることに着目し、逃走電子を用いた電流消滅回避実験を実施した。実験では、発生した逃走電子により、電子温度が数10eV以下まで低下し、また不純物ペレットが入射された状態でも放電を維持できることが示された。このとき、プラズマ電流は指令値通りに継続及び停止を行うことが可能であった。逃走電子のダイナミクスを詳細に調べることを目的として、レーザ逆コンプトン散乱に基づく能動的,直接な診断法を新たに提案した。

論文

Fusion plasma performance and confinement studies on JT-60 and JT-60U

鎌田 裕; 藤田 隆明; 石田 真一; 菊池 満; 井手 俊介; 滝塚 知典; 白井 浩; 小出 芳彦; 福田 武司; 細金 延幸; et al.

Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.185 - 254, 2002/09

 被引用回数:34 パーセンタイル:45.45(Nuclear Science & Technology)

JT-60及びJT-60Uは、ITER及び定常トカマク炉実現へ向けた物理基盤を構築することを目的として、炉心級プラズマにおける高総合性能の実証とその維持を目指した運転概念の最適化を行って来た。等価核融合エネルギー増倍率(=1.25)や核融合積(=1.5E21 m-3skeV)の達成に加えて、高い総合性能(高閉じ込め&高ベータ&高自発電流割合&完全非誘導電流駆動)を実証した。これらは、内部及び周辺部に輸送障壁を持つ高ポロイダルベータHモード及び負磁気シアモードで得られた。最適化の鍵は分布及び形状制御である。多様な内部輸送障壁の発見に代表されるように、JT-60/JT-60U研究はプラズマ諸量の空間分布の自由度と制限を強調して来た。各閉じ込めモードの閉じ込め研究に加えて、輸送及び安定性等によって支配されるコア部及び周辺ペデスタル部のパラメータ相関を明らかにした。これらの研究により、高閉じ込めモードのITERへの適合性を実証するとともに残された研究課題を明らかにした。

論文

Diagnostics system of JT-60U

杉江 達夫; 波多江 仰紀; 小出 芳彦; 藤田 隆明; 草間 義紀; 西谷 健夫; 諫山 明彦; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; 朝倉 伸幸; et al.

Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.482 - 511, 2002/09

 被引用回数:6 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

JT-60Uの計測診断システムは、約50の計測装置から構成されている。近年、プラズマパラメータの半径方向の分布計測が精度よく行なわれるようになった結果、プラズマの内部構造が明らかになった。また、ミリ波反射計/電子サイクロトロン放射計測により、電子密度/電子温度揺動の測定が行なわれ、プラズマ閉じ込めに関する理解が進展した。さらに、電子温度,中性子発生率,放射パワー,電子温度勾配等の実時間制御実験が、関係する計測装置のデータを利用して行なわれた。これらの計測,及び実時間制御を駆使することにより、高性能プラズマを実現することができた。次期核融合実験炉用計測装置としては、炭酸ガスレーザ干渉計/偏光計,及び協同トムソン散乱計測装置を開発している。

論文

Tritium decontamination of TFTR D-T plasma facing components using ultra violet laser

洲 亘; 川久保 幸雄*; 大平 茂; 大矢 恭久; 林 巧; 中村 博文; 岩井 保則; 西 正孝; Gentile, C. A.*; Skinner, C. H.*; et al.

Fusion Science and Technology, 41(3), p.690 - 694, 2002/05

核融合炉内で高濃度トリチウム汚染した機器の効率的な表面トリチウム除去方法を開発することを目的として、紫外線レーザー照射法の有効性を検証する実験を行った。試料として、TFTR D-Tプラズマ燃焼実験で実際にトリチウム汚染したプラズマ対向機器を用いた。紫外線レーザー(ArF,193nm,200mJ,25ns/pulse,1~20Hz)による照射試験を実施し、照射前後の表面トリチウム濃度及び照射中のトリチウム除去速度を測定した。照射開始約30秒後にトリチウム除去速度は最大となった。また、照射後の表面と濃度は照射前のそれと比較して顕著に減少した。今回の試験により紫外線レーザー照射が表面トリチウムの迅速な除去に有効であるとの結論を得た。

論文

Steady state high performance in JT-60U

鎌田 裕; 牛草 健吉; 閨谷 譲; 内藤 磨; 小関 隆久; 河野 康則; 芳野 隆治; 久保 博孝; 藤田 隆明; 石田 真一; et al.

IAEA-CN-60/A5-5, 0, p.651 - 661, 1995/00

電流分布と圧力分布の最適化によって、ELMのあるHモード(ELMy Hモード)におけるプラズマの総合性能が大きく進歩した。n$$_{D}$$$$tau$$$$_{E}$$Ti(0)=4-5$$times$$10$$^{20}$$m$$^{-3}$$skeVの高核融合積状態を最長で1.5秒維持することに成功した。また、ブートストラップ電流とNB駆動電流の和により、I$$_{P}$$=0.5MA~1MAでの完全電流駆動を達成すると同時に、規格化ベータ値~2.8-3.2、ポロイダルベータ値2.6~3及び閉じ込め改善度=2~2.5を維持することに成功した。これらの成果は、MHD安定性の向上によるものである。

論文

Impurity and particle recycling reduction by boronization in JT-60U

東島 智*; 杉江 達夫; 久保 博孝; 辻 俊二; 嶋田 道也; 朝倉 伸幸; 細金 延幸; 河野 康則; 中村 博雄; 伊丹 潔; et al.

Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.375 - 379, 1995/00

 被引用回数:32 パーセンタイル:92.65(Materials Science, Multidisciplinary)

不純物を減少させることは核融合炉実現には不可欠である。この観点からJT-60Uではデカボランを用いたボロナイゼーションを実施している。ボロナイゼーションを、導入することで、大気開放後直ちに不純物密度(特に酸素密度)を低下させることができた。しかし、他のコンディショニング法を用いて最終的に得られたプラズマの各不純物密度と比較すると、大幅に改善されたとは言い難い。一方粒子リサイクリングはボロナイゼーションにより明確に減少し、結果的にこれがプラズマの閉じ込め改善に寄与していると考えている。次回ボロナイゼーションを計画しており、本講演では不純物及び粒子リサイクリングに着目した解析を行い、今までのボロナイゼーションについてまとめる。

論文

Performance of the JT-60 ICRF antenna with an open type Faraday shield

藤井 常幸; 三枝 幹雄; 木村 晴行; 森山 伸一; 安納 勝人; 河野 康則; 小林 則幸*; 久保 博孝; 西谷 健夫; 小川 芳郎*; et al.

Fusion Engineering and Design, 19, p.213 - 223, 1992/00

 被引用回数:6 パーセンタイル:52.99(Nuclear Science & Technology)

JT-60での約4年間にわたるイオンサイクロトロン(ICRF)高周波加熱実験におけるアンテナのパワー入射性能についてまとめたものである。この位置制御型アンテナには、高周波損失を低減するために世界で初めてオープン型ファラデーシールドを用いたため、そのパワー入射性能に特に興味が持たれた。実験では、広範囲のプラズマパラメータ(ne=1~7$$times$$10$$^{19}$$m$$^{-3}$$,I$$_{p}$$=1~2.8MA,B$$_{T}$$=2.2~4.8T)に対して、極めて良好な結果が得られた。すなわち、最大入射パワー3.1MW、入射パワー密度16MW/m$$^{2}$$を達成した。この入射パワー密度は世界最高の値である。一方、極めて稀な実験条件(同相アンテナ電流モードでアンテナ-プラズマ間距離30mm以下)で放射損失が急激に増大した。この現象は、近年提唱されているRFシースに基づくイオンスパッタリングによるものと考えられる。

論文

Impurity profiles and transport characteristics in JT-60U

逆井 章; 小出 芳彦; 久保 博孝; 杉江 達夫; 嶋田 道也; 平山 俊雄; 朝倉 伸幸; 河野 康則; 細金 延幸; 中村 博雄

Journal of Nuclear Materials, 196-198, p.472 - 475, 1992/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:35.17(Materials Science, Multidisciplinary)

JT-60Uにおいて、主な不純物である炭素及び酸素の密度分布を荷電交換再結合分光法(CXRS)により測定した。接線方向に視野をもつCXRS計測により、炭素、酸素の完全電離イオンの径方向分布が測定できる。CXRSでは、絶対感度較正の結果及び中性粒子ビームの密度分布、CVI529.0nm(n=8-7)、OVIII606.8nm(n=10-9)に対する衝突過程による励起速度係数から不純物密度分布が得られる。プラズマ電流I$$_{p}$$=2MA、B$$_{T}$$=4T、NB加熱パワーP$$_{NBI}$$=20MWの典型的な重水素プラズマでは、C$$^{6+}$$の密度分布は中心ピークの分布で、時間的にゆっくりとピーキングしているのが観測された。この結果は、輸送係数のピーキングパラメータCvが0.5から1.0に変化していることを示す。拡散係数D$$_{A}$$は、荷電交換再結合放射光の時間変化を解析して得られている。鋸歯状振動、ELMが発生している時のD$$_{A}$$を解析して議論する。

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