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論文

Ten years of Fukushima Dai-ichi post-accident research on the degradation phenomenology of the BWR core components

Pshenichnikov, A.; 柴田 裕樹; 山下 拓哉; 永江 勇二; 倉田 正輝

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(3), p.267 - 291, 2022/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:31.78(Nuclear Science & Technology)

The paper reviews the results of the JAEA and some International activities over the last ten years of research on the understanding of the core components melting and debris formation in boiling water reactors.

論文

Control blade degradation test under temperature gradient in steam atmosphere

柴田 裕樹; 徳島 二之; 坂本 寛*; 倉田 正輝

Proceedings of Annual Topical Meeting on LWR Fuels with Enhanced Safety and Performance (TopFuel 2016) (USB Flash Drive), p.1033 - 1042, 2016/09

制御棒ブレード崩落過程の理解のため、模擬制御棒ブレード試験体を用いて、温度勾配、温度上昇条件におけるアルゴンまたは水蒸気雰囲気下での制御棒ブレード崩落試験を実施した。水蒸気流量が燃料棒1本あたり0.0125g/sの場合、制御棒ブレードとチャンネルボックス、燃料棒被覆管は共に破損、溶融し、特にそれは試験体上部で顕著であり、この結果はアルゴン雰囲気での試験結果とほぼ同じであった。一方、水蒸気流量が燃料棒1本あたり0.0417g/sの場合は、上記の場合と異なっており、制御棒ブレードのみが先に破損、溶融していき、試験体下部の方でステンレス/炭化ホウ素-溶融物とジルカロイの共晶反応が起きていた。これらの結果から、ジルカロイに形成される酸化膜の厚さが大きく影響すると考えられる制御棒ブレードの崩落に関して、燃料棒1本あたりの水蒸気流量0.0125と0.0417g/sの間に制御棒ブレードの崩落挙動のしきい値が存在する可能性が示唆された。

論文

Chlorination of UO$$_{2}$$ and (U,Zr)O$$_{2}$$ solid solution using MoCl$$_{5}$$

佐藤 匠; 柴田 裕樹; 林 博和; 高野 公秀; 倉田 正輝

Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1253 - 1258, 2015/10

 被引用回数:6 パーセンタイル:45.92(Nuclear Science & Technology)

東京電力福島第一原子力発電所事故で発生した燃料デブリの処理に乾式処理技術を適応させるための前処理技術の候補として、塩素化力の強いMoCl$$_{5}$$を用いてUO$$_{2}$$及び(U,Zr)O$$_{2}$$模擬デブリを塩化物に転換するための試験条件及び反応副生成物を蒸留分離する条件を調べた。粉末状のUO$$_{2}$$及び(U,Zr)O$$_{2}$$は300$$^{circ}$$Cでほぼ全量が塩化物に転換された。(U,Zr)O$$_{2}$$高密度焼結体については、300$$^{circ}$$Cと400$$^{circ}$$Cでは試料表面のみが塩化物に転換され内部まで反応が進行しなかったが、500$$^{circ}$$Cでは生成したUCl$$_{4}$$が蒸発して試料表面から分離されたためにほぼ全量が塩化物に転換された。反応副生成物であるMo-O-Clは、温度勾配下での加熱によりUCl$$_{4}$$から蒸留分離された。

論文

Chemical interaction between granular B$$_{4}$$C and 304L-type stainless steel materials used in BWRs in Japan

柴田 裕樹; 坂本 寛*; 大内 敦*; 倉田 正輝

Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1313 - 1317, 2015/10

 被引用回数:16 パーセンタイル:79.46(Nuclear Science & Technology)

炭化ホウ素/ステンレス鋼の系は熱力学的に不安定なことはよく知られており、これらの材料間においておよそ1273Kを超えた温度で化学的相互作用が起こるであろうということを示している。この化学的相互作用は、シビアアクシデントの初期段階において中性子吸収棒の融解そしてそれに続くこれら材料の再配置へと繋がっていく。そしてその際に生成した溶解生成物は制御棒ブレードやジルカロイチャンネルボックスや燃料棒といった周辺の原子力材料と相互作用していき、燃料集合体の崩落へと繋がっていくことが予期される。B$$_{4}$$Cとステンレス鋼との化学的相互作用に関する既往の研究では、粉末またはペレット状のB$$_{4}$$Cが使用されている。しかし日本のBWRの中性子吸収棒には粒状のB$$_{4}$$Cが採用されている。そこで本研究では、日本のBWRで採用されている材料、すなわち粒状のB$$_{4}$$Cとステンレス鋼を用いた試験を実施し、粒状B$$_{4}$$Cとステンレス鋼間の化学的相互作用の反応速度はペレットまたは粉末状B$$_{4}$$Cとステンレス鋼間とは明らかに異なっていることが判明した。

論文

Recent progress and future R&D plan of nitride fuel cycle technology for transmutation of minor actinides

林 博和; 西 剛史; 高野 公秀; 佐藤 匠; 柴田 裕樹; 倉田 正輝

NEA/NSC/R(2015)2 (Internet), p.360 - 367, 2015/06

加速器駆動システム(ADS)を用いたマイナーアクチノイド(MA)核変換用燃料について、原子力機構ではウランを含まない窒化物燃料を第一候補としている。窒化物燃料は熱特性がよくアクチノイド同士の固溶度が大きいという長所がある。また、窒化物燃料の再処理法としては、MA含有量の多い燃料で影響の大きい放射線損傷に対する耐性の大きい乾式再処理法を、第一候補としている。本論文では、原子力機構における窒化物燃料サイクル技術研究開発の状況及び今後の予定を紹介する。

論文

Liquefaction interaction between oxidized Zircaloy and other fuel assembly components of BWR in the early stage of fuel assembly degradation

徳島 二之; 柴田 裕樹; 倉田 正輝; 澤田 明彦*; 坂本 寛*

Annual Topical Meeting on Reactor Fuel Performance (TopFuel 2015), Conference Proceedings, Poster (Internet), p.478 - 485, 2015/00

ジルカロイとその他の燃料構成部材との間の液相化反応への酸化膜の抑制効果を調査するために、2種類の試験を実施した。試験の結果、典型的な事故条件下で形成すると推測される酸化膜よりも薄い厚さであるわずか30マイクロメートルの酸化膜においても、ステンレスの融点以下の温度においては、顕著な液相化反応への抑制効果を持つことが確認された。また、酸化膜はガスの流れが制限される部材間の狭い領域においても形成することが確認され、上部端栓の上部タイプレートの内側の隙間においても液相化反応は抑制効果は十分に確認された。一方、軸方向の酸化膜において厚さの違いが確認された。酸化膜厚さの成長速度を詳細に評価する際には、水蒸気量を正しく見積もる必要があると考えられる。

論文

Pyrochemical treatment of spent nitride fuels for MA transmutation

林 博和; 佐藤 匠; 柴田 裕樹; 倉田 正輝; 岩井 孝; 荒井 康夫

Science China; Chemistry, 57(11), p.1427 - 1431, 2014/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:5.84(Chemistry, Multidisciplinary)

窒化物燃料は金属燃料のような高い熱伝導率や金属密度、酸化物燃料のような高融点や等方的構造という特長を持つ。1990年代から高レベル廃棄物の放射性毒性低減や処分場の負荷を軽減するためにマイナーアクチノイドの分離変換研究が行われている中、原子力機構では加速器駆動システムを利用した核変換サイクルにMA含有窒化物を用いることを提案している。これまでに、窒化物燃料サイクルにおける乾式処理技術に関して、窒化物の溶融塩電解及び電解によって回収したアクチノイドからの窒化物の再製造に重点をおいて開発を進めてきた。本報告では、これまでの窒化物乾式再処理技術開発の成果及び今後の課題をまとめて報告する。

論文

Experimental study on control blade degradation and its modeling

倉田 正輝; 柴田 裕樹; 坂本 寛*; 藤 健彦*

Proceedings of 2014 Water Reactor Fuel Performance Meeting/ Top Fuel / LWR Fuel Performance Meeting (WRFPM 2014) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2014/09

沸騰水型軽水炉の過酷事故においては、事故初期に制御棒ブレードの破損溶融が発生すると予想されている。模擬試験と解析モデル開発が、原子力機構,日立GEニュークリア・エナジー,日本核燃料開発,新日鐵住金の協力により進められている。不活性雰囲気での予備試験により、制御棒ブレードとジルカロイチャンネルボックスの間で複雑な化学反応が発生し、結果として、形成物は2種類に分離することが示された。一つめの形成物は低融解温度でZrリッチであり、ろうそくが滴下するように高温部分から低温部分に急速に移行した。もうひとつはステンレス材やホウ素などがリッチであり、1673K以上の温度で、融解することなく、機械的に崩落した。この反応の際に大きな発熱を観測した。VOF-FLUENTにより、予備的な制御棒ブレード崩落解析モデルを開発した。

論文

Hydrogen absorption/desorption behavior through oxide layer of fuel claddings under accidental conditions

坂本 寛*; 柴田 裕樹; 宇根 勝巳*; 大内 敦*; 青見 雅樹*; 倉田 正輝

Proceedings of 2014 Water Reactor Fuel Performance Meeting/ Top Fuel / LWR Fuel Performance Meeting (WRFPM 2014) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2014/09

水素吸収・放出に対する燃料被覆管に形成されている酸化膜の影響を調べるために、1073-1473Kの温度範囲の高温水蒸気で腐食させた被覆管外周表面の水素濃度の深さ分布を調べた。その結果、被覆管表面に形成された酸化膜は酸化に対しては保護膜となるのに対し、水素に対してはもはや保護膜にはならないことが示唆された。

論文

Evaluation of Gibbs free energies of formation of Ce-Cd intermetallic compounds using electrochemical techniques

柴田 裕樹; 林 博和; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 倉田 正輝

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 75(8), p.972 - 976, 2014/08

 被引用回数:18 パーセンタイル:59.26(Chemistry, Multidisciplinary)

塩化物溶融塩を媒体とする金属燃料や窒化物燃料の乾式再処理では、電解精製により大部分のウランを固体陰極に、残りのウランと超ウラン元素を液体Cd陰極に回収することが提案されている。回収した液体Cd陰極は973$$sim$$1173K程度で加熱され、陰極中のCdが蒸発により除去される。その過程で陰極中に生成しているアクチノイドとCdとの金属間化合物は次第にアクチノイド分率の大きい金属間化合物へと変化していくと考えられるため、金属間化合物の生成自由エネルギーの変化に伴いCd蒸発速度にも影響する。そのため、金属間化合物の熱力学性質を把握することは、プロセスの理解や最適化のために重要である。そこで本発表では、Cd中で超ウラン元素と類似の挙動をとるランタノイドの一つであるCeとCdの金属間化合物の生成自由エネルギーを電気化学的手法で測定し、その温度依存性を評価した。

論文

Progress review of research and development on accelerator driven system in JAEA

大井川 宏之; 辻本 和文; 佐々 敏信; 倉田 有司; 武井 早憲; 斎藤 滋; 西原 健司; 大林 寛生; 菅原 隆徳; 岩元 大樹

KURRI-KR(CD)-40 (CD-ROM), p.16 - 30, 2013/00

原子力機構では、高レベル放射性廃棄物に含まれるマイナーアクチノイド(MA)の核変換を目的とした加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発を進めている。熱出力800MWのADSが1基で、電気出力1GWの軽水炉10基で生じるMAを核変換できる。原子力機構では、超伝導陽子加速器、核破砕ターゲットとビーム窓、未臨界炉心の核設計と安全性評価等に関するさまざまな研究開発を進めている。さらに、核変換技術に関する基礎的な実験を行うため、J-PARCの第2期計画として核変換実験施設の建設を検討している。

論文

Formation of atomically flat $$beta$$-FeSi$$_{2}$$/Si(100) interface using ion irradiated substrate

笹瀬 雅人*; 山本 博之; 倉田 博基*

Thin Solid Films, 520(9), p.3490 - 3492, 2012/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Materials Science, Multidisciplinary)

イオン照射した表面は欠陥を多く含むことから、高配向な薄膜を成長させるための基板として用いることは適当でないと考えられてきた。しかしながらわれわれは、1keV程度のごく低エネルギーのイオンを照射したSi基板を用い、Feのスパッタ蒸着により界面の急峻で高配向な$$beta$$-FeSi$$_{2}$$/Si(100)薄膜が得られることを見いだした。本研究では透過型電子顕微鏡を用いて得られた薄膜/基板界面を断面観察し、その構造を原子分解能で解析した。さらにより高いエネルギーで照射したSi基板を用いて成膜した試料との比較を行い、界面近傍における構造とその変化について議論した。

論文

Present status for research and development on accelerator driven system in JAEA

辻本 和文; 大井川 宏之; 倉田 有司; 西原 健司; 菅原 隆徳; 武井 早憲; 斎藤 滋; 大林 寛生; 岩元 大樹

Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/12

原子力エネルギーを持続的に利用していくための最も重要な課題の一つは高レベル放射性廃棄物(HLW)の取り扱いである。分離変換技術は、HLWの潜在的有害度やHLWの地層処分に関する管理負担を低減有効であると考えられ、原子力機構ではHLW中の長寿命核種の核変換システムの一つとして加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発を行ってきている。原子力機構が提案しているADSは、熱出力800MWの液体鉛ビスマス冷却システムである。ADSの実現には解決すべき課題が幾つかあるが、大きく以下の3つの分野に分けることができる;(1)ADS用超伝導加速器の開発,(2)液体鉛ビスマス関連技術開発,(3)未臨界炉の炉心設計。これらの技術開発課題に関して、原子力機構ではさまざまな研究開発を実施しており、本発表では現在の研究開発の状況及び将来計画について報告する。

論文

A Phase-field simulation of uranium dendrite growth on the cathode in the electrorefining process

澁田 靖*; 鵜浦 誠司*; 佐藤 匠; 柴田 裕樹; 倉田 正輝*; 鈴木 俊夫*

Journal of Nuclear Materials, 414(2), p.114 - 119, 2011/07

 被引用回数:16 パーセンタイル:73.97(Materials Science, Multidisciplinary)

乾式再処理プロセスの電解精製における溶融塩中からの陰極へのウランの電析について、フェイズフィールド法を用いたシミュレーション計算を行った。金属ウランはデンドライト状に析出するが、ジルコニウムが共存する環境下では樹状部があまり成長しないことが知られている。そこで、ウランの析出形態が変化するジルコニウム濃度のしきい値を電流密度の関数として評価し、そのしきい値は電流密度が低くなるほど大きくなることを明らかにした。

論文

Structure of beam tracks induced by swift heavy ions in Bi$$_{2}$$Sr$$_{2}$$CaCu$$_{2}$$O$$_{8}$$ superconductors

笹瀬 雅人*; 岡安 悟; 山本 博之; 倉田 博基*; 北條 喜一

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 46(2), p.783 - 786, 2007/02

数MeV程度以上の高エネルギー重イオンが絶縁体,半導体等の固体に照射された場合、その飛程に沿って円柱状の欠陥が生成する。高温超伝導体における円柱状欠陥は、磁束のピン止め点として臨界電流密度の向上に寄与することから、イオン照射条件と生成する円柱状欠陥の形状との関係を把握し、欠陥生成における支配的な要因を見いだすことが特性向上の鍵となり得る。本研究では、60$$sim$$600MeVの重イオン(Au$$^{+}$$, I$$^{+}$$, Br$$^{+}$$, Ni$$^{+}$$)をBi$$_{2}$$Sr$$_{2}$$CaCu$$_{2}$$O$$_{8}$$超伝導薄膜に照射し、各照射条件下で得られた円柱状欠陥の径について高分解能透過型電子顕微鏡を用いて評価した。この結果、イオン速度の増加に伴い円柱状欠陥の径が減少すること、及び径の分布の標準偏差が小さくなることを見いだした。本実験条件下におけるイオンの平均自由行程の計算値との比較から、核衝突により生成したカスケードが径の分布に影響を与えていることが示唆された。これらの結果はイオン速度が欠陥生成に影響を与えていることを示しており、数MeV以上の重イオン照射においても核衝突の効果が無視できないことが明らかとなった。

論文

Structure of beam tracks induced by swift heavy ions in Bi$$_2$$Sr$$_2$$CaCu$$_2$$O$$_8$$ superconductors

笹瀬 雅人*; 岡安 悟; 山本 博之; 倉田 博基*; 北條 喜一

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 46(2), p.783 - 786, 2007/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:5.42(Physics, Applied)

重イオン照射によって半導体や絶縁体に円柱状欠陥が導入される。この形成には照射イオンの電子的素子能が重要な要素であると考えられている。しかしながら、われわれの最近の成果からイオンの速度もまた重要な要素であることがわかってきた。この論文では超伝導体Bi$$_2$$Sr$$_2$$CaCu$$_2$$O$$_8$$ (Bi-2212)に重イオン(Au$$^{8+,12+}$$, I$$^{8+,29+}$$, Br$$^{12+}$$, and Ni$$^{11+}$$、60-600MeV)を照射し、生成される円柱状欠陥を透過電子顕微鏡で調べた。イオンの速度大きくなると円柱状欠陥の平均の直径が小さくなり、またその分布も狭くなる。このことは照射イオンの平均自由行程の計算から核衝突の効果であることが説明できる。つまり、高速重イオン照射でも円柱状欠陥の生成には核衝突も少なからず影響を与えていることを示している。

論文

Defect structure of high-T$$_{c}$$ superconductor by high-energy heavy ion irradiation

笹瀬 雅人; 岡安 悟; 倉田 博基; 北條 喜一

Journal of Electron Microscopy, 51(Supple), p.S235 - S238, 2002/00

照射イオンの電子励起によるエネルギー損失(-dE/dx)と円柱状欠陥の大きさとの関係を調べ、Time Dependence Line Source モデルにより円柱状欠陥生成に必要なエネルギー付与量を計算した。その結果、照射エネルギーの増加とともに電子励起によるエネルギー損失量が増加して、生成した円柱状欠陥の直径が8.4nmから16nmに増加することが明らかとなった。また、TEM観察の結果と電子励起によるエネルギー損失量をもとに、Time Dependence Line Sourceモデルにより円柱状欠陥生成に必要なエネルギー付与量(=電子励起によるエネルギー損失量)を計算した。その結果、イオン照射により付与されたエネルギーの1/3が円柱状欠陥生成に寄与していることが明らかとなった。

論文

Irradiated damage in high-Tc superconductor

笹瀬 雅人; 岡安 悟; 倉田 博基; 北條 喜一

Physica C, 357-360(Part.1), p.497 - 500, 2001/09

酸化物高温超伝導体に導入された円柱状欠陥は、磁束のピン止め点として有効に作用し、実用化にあたり重要な特性である臨界電流密度の向上を促すことが報告されている。われわれは、最適サイズの円柱状欠陥を導入できる照射条件を求めるために、円柱状欠陥の形状及び微細構造を電顕観察し、イオンの照射条件(エネルギー損失量Se,速度$$upsilon$$)と円柱状欠陥形状との関係を検討した。その結果、Seを求めることでイオン照射欠陥の形状を実験的にほぼ制御可能であることを証明した。しかし照射イオンの速度依存性を調べた結果、$$upsilon$$=2.0$$times$$10$$^{9}$$cm/sec以上では、速度の増加とともに円柱状欠陥の大きさが増大するが、$$upsilon$$=2.0$$times$$10$$^{9}$$cm/sec以上では、速度に限らす円柱状欠陥の大きさはほぼ一定であることが示された。すなわち円柱状欠陥の形成には、従来から言われているSeだけでは十分に説明できない、いくつかの複雑な要因が関与している。

論文

High-resolution elemental mapping of titanium oxide/aluminum oxide multilayer by spectrum-imaging

倉田 博基; 熊谷 宏*; 尾笹 一成*

Journal of Electron Microscopy, 50(3), p.141 - 146, 2001/07

走査型透過電子顕微鏡を用いたスペクトラムイメージング法を用いて、高分解能元素分布像の観察を行った。試料はシリコン基板上に作成された酸化チタンと酸化アルミニウムの多層膜で、各層の厚みは1nm,周期2nmの構造を有する。この断面試料について、チタンのL$$_{2,3}$$殻,アルミのK殻電子励起スペクトルを測定し、各元素の分布を可視化した。その結果、1nmの空間分解能で元素分布が観察され、特にレンズの色収差による像の劣化がないことを実験的に明らかにした。さらに、基板と多層膜の界面の観察を行い、界面近傍での組成の揺らぎを明らかにすると同時に、シリコン基板直上に厚さ1nm以下の酸化シリコン膜が形成されていることも、スペクトルの微細構造の変化から同定することができた。以上の結果をエネルギーフィルターTEM法による元素マッピングと比較検討し、スペクトラムイメーシング法の特性を議論した。

論文

Formation and migration of helium bubbles in Fe-16Cr-17Ni austenitic alloy at high temperature

小野 興太郎*; 荒河 一渡*; 大橋 正宏*; 倉田 博基; 北條 喜一; 吉田 直亮*

Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.1), p.210 - 214, 2000/12

 被引用回数:26 パーセンタイル:81.83(Materials Science, Multidisciplinary)

電顕付設イオン照射装置を用いて、オーステナイト鋼中のヘリウムバブルの形成過程をその場観察した。その結果、1~2nmのバブルは900$$^{circ}C$$以上で動き始め、ランダム運動をしながら合体・成長を行った。そのバブルの動きを測定し、この動きがブラウン運動であることを明らかにした。また、バブルの移動度に1100$$^{circ}C$$で1$$times$$10$$^{-19}$$~2$$times$$10$$^{-18}$$m$$^{2}$$/sであることがわかった。さらに、バブル近傍をEELS測定した結果、バブル表面にオーステナイトの構成元素の内、Niが偏析していることをつきとめた。

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