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櫛田 慶幸
PLOS ONE (Internet), 10(3), p.e0122331_1 - e0122331_16, 2015/03
被引用回数:8 パーセンタイル:46.37(Multidisciplinary Sciences)本論文では前処理済み行列の条件数を推定する新しい手法を開発した。これにより、現在主流の線形連立一次方程式解法であるクリロフ部分空間法の収束性を向上させ、シミュレーションの時間を短縮することが可能となる。従来、前処理済み行列の条件数を推定するためには、(1)密行列になることを受け入れ実際に前処理行列を作用させるか、(2)ランチョスコネクションと呼ばれるランチョス法に基づき固有値を推定する方法が用いられてきた。しかしながら、(1)はメモリ使用量が膨大になるため実際のシミュレーションで使われる規模の行列では事実上不可能であり、(2)は本論文で示すように計算誤差のため実用には程遠い。このため、本論文ではある行列の逆行列の行列ノルムを推定するHagerの方法に基づき、前処理済み行列の条件数を推定するアルゴリズムを開発した。Matrix Marketから得らるサンプル行列や、ポワソン方程式をFEMで離散化した行列を用いて精度検証を行ったところ、ランチョスコネクションが意味のない推定値をだす条件であっても、新手法は安定していることが示された。また、計算量およびメモリ使用量の解析を行い、計算量は実際のシミュレーションに必要な量の4倍が必要となるが、メモリ使用量についてはほぼ同量しか必要とならないことが示された。これにより、開発した新手法が従来手法(1),(2)の問題点を克服したと言える。
櫛田 慶幸; 武宮 博
World Academy of Science, Engineering and Technology, 64, p.319 - 327, 2012/04
プラズマ定常運転を達成するために必要な安定性解析コードの高速化及び専有可能な計算機上への実装を達成するために、プラズマ安定性解析コードをCellクラスターシステム上へ実装した。プラズマの定常運転のためには、プラズマの特性閉じ込め時間の約半分の時間である23秒で安定性解析を終える必要がある。そのような計算速度を達成するためには、スーパーコンピューターが必要であるが多人数で共有されているため常時監視には向かない。これらを克服するため、安価で高性能なCellクラスターを採用し、Cellで高性能を達成するためのプログラミング技術を開発した。特に、計算時間の大部分をしめる固有値計算については、局所化完全LUと呼ぶ計算安定性と高性能計算を両立する手法を開発し、目標性能を達成した。最終的に、各ブロックが128128であり、対角ブロック数が1024であるブロック三重対角エルミート行列について、行列生成に1秒、固有値計算に1秒を達成し、常時監視に必要な計算速度を得ることができた。
櫛田 慶幸
Proceedings of 20th Euromicro International Conference on Parallel, Distributed and Network-Based Computing (PDP 2012), p.7 - 8, 2012/02
GPGPU及びマルチコアプロセッサーを用いたインフラサウンド伝搬及び放射性核種輸送計算の高速化について述べる。これらのシミュレーションプログラムは包括的核実験禁止条約準備機関のミッションである核実験の発見をサポートするもので、セキュリティの問題があることから単一のワークステーションで実行されている。したがって、GPGPUやマルチコアプロセッサーのような高性能計算機を用いて高速化することで、より信頼性の高い計算を行うことができるようになる。研究の結果、インフラサウンドシミュレーションでは偏微分方程式に基づく伝搬計算法を18.3倍高速化し、簡易化計算と同程度の時間で終了できるようにした。また、核種輸送計算では今までは事実上不可能であった北半球全域の計算を可能とすることができた。
立川 崇之; 手島 直哉*; 櫛田 慶幸; 宮村 浩子; Kim, G.; 武宮 博
High Performance Computing on Vector Systems 2011, p.107 - 117, 2012/01
原子力分野において実験装置の大規模化,計算機の性能向上に伴い、実験,シミュレーションが大規模なものになっている。これに伴い、出力される実験データ,シミュレーションデータも大規模化している。今後の原子力分野の研究において、得られた大規模データを効率よく解析し、有用な情報を得ることが必要となる。われわれは大規模データの解析に対し研究者が随時利用できるシステムを構築しており、今回2つの要素技術について取り上げる。1つは特定処理を高速化するプロセッサを用いて、データ解析を高速化する方法である。もう1つは多数の汎用PCに対し大規模データを分散記録し、解析処理を並列に行う方法である。これらの要素技術を用いたデータ解析システムの開発成果について発表する。この技術は原子力課題において、実験やシミュレーションから得られる大規模データ解析を高速化するための、計算機基盤技術である。
西田 明美; 新谷 文将; 櫛田 慶幸; 近藤 誠; 酒井 理哉*; 塩竈 裕三*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.576 - 581, 2011/10
本研究の目的は、シビアな地震イベント下における全体と局所挙動の両方の評価を可能とする数値評価システムの構築を通した原子力施設の耐震評価への貢献である。本論文では、本目的を実現するための重要な技術要素として「弾塑性接合モデル」と呼ぶ部品間の動的相互作用特性を記述する物理モデルを提案し、実プラントへの適用例を示す。従来は固定やピンなどの境界条件で設計されている機器のサポート構造と建屋の接合間に着目し、その動的相互作用を弾塑性接合モデルとして考慮することを試みる。モデルの精度は、実験で得られたデータを用いたパラメータ調整によって、最適化された。われわれは、そのモデルを原子力機構のHTTR実プラントデータに適用し、数値シミュレーションを実施した。その結果、シビアな地震イベント下における機器応答の低減や機器固有振動数の変化等、弾塑性接合モデル導入による効果が確認された。
櫛田 慶幸
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.663 - 669, 2011/10
多くの原子力アプリケーションでは現在の計算機を上回る計算能力が必要とされている。その中の幾つかは、常時計算を続ける必要がある、又は、遅延が許されないなどの理由で専有可能な計算機が求められているものがある。このような要求を満たすためにわれわれは計算機アクセラレータを採用した。計算機アクセラレータは、低価格で現在のプロセッサよりも高速な計算を行うためのものである。しかしながら、アクセラレータの有効性は原子力分野ではまだ十分に確認されていないため、ここでは二つの例について確認を行う。(1)プラズマ安定性解析では固有値計算をCellクラスターで加速し、性能要件である、対角ブロック数1024、ブロックサイズ128の三重対角ブロックエルミート行列を1秒で解き、核融合炉の定常運転への可能性を示すことができた。(2)包括的核実験禁止条約準備機関で実施されるインフラサウンドシミュレーションについて偏微分方程式に基づく解法をGPGPUで高速化し、簡易手法と同時間での解析を可能とした。
櫛田 慶幸
Proceedings of 19th Euromicro International Conference on Parallel, Distributed and Network-Based Computing (PDP 2011), p.401 - 408, 2011/02
本研究では核融合シミュレーションに代表される、原子力分野のシミュレーションに必須である有限要素法について、非均質マルチコアプロセッサー(HMP)に適した新しい実装法を開発した。また、新しい実装法が理論的な性能解析からも有効であることを示した。HMPは米Intel社を含む多くのプロセッサーベンダーが製品化しており、次世代スーパーコンピューティングに使われることが確実である。しかしながら、その理論性能を達成するためには新しいプログラミング手法が必要であることがわかっており、早い段階で手法を確立することが望まれている。特に問題となっているのは、高い計算能力を持つ一方でプロセッサーへのデータ供給能力が相対的に低い点である。そのため、データの転送量及び見かけ上の転送時間を減らすことで全体の速度向上を図っている。この実装法をポワッソン方程式を例題にして実装し、従来手法との比較を行った。結果、新実装は、従来プロセッサーにおける従来の実装に比べて10倍の性能を示した。このため、新実装法はHMPのように高い計算能力と比較的低いデータ供給能力を持つプロセッサーに対して有効であることが示された。
山田 知典; 櫛田 慶幸; 新谷 文将; 西田 明美; 中島 憲宏
Key Engineering Materials, 452-453, p.701 - 704, 2011/01
本論文では原子力プラント全体の耐震シミュレーションへの適用を前提とした、分解されたCADデータより作成した部品メッシュ群を統合し部品単位の並列計算を行う大規模有限要素構造解析コードと同コード内において部品間の接合にペナルティ法を用いた場合の計算効率について述べる。ペナルティ法利用時の反復解法の計算効率について評価するため、種々のペナルティ係数に対するメッシュ間変位誤差と反復解法の処理時間について調査するとともに、実原子力プラントモデルの耐震シミュレーションに適用した例を示した。
櫛田 慶幸; 藤林 健一; 武宮 博
Procedia Computer Science, 4, p.898 - 907, 2011/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Computer Science, Theory & Methods)核融合炉を安定的に運転するための有力な方法として、常時監視することで不安定の兆候を発見し安定化させる方法が知られている。その際、核融合プラズマのdisruption timescaleが数秒間であることから、安定性の解析を数秒で完了させる必要がある。計算の規模と必要な計算速度を考えれば、現在のPCではそのような解析は不可能である。現在主流のスーパーコンピュータを用いても、通信オーバヘッドに起因するコストがかかることから、数秒で完了する計算することは困難である。そのため本研究では、数台のプロセッサーで必要な計算能力を賄うことができるCellをクラスタリングした計算機を対象として、Cell上で効率よく実行できる新しいアルゴリズムを開発した。その結果、実際の核融合炉の安定性に必要になるBlock三重対角エルミート行列(対角Block数:1024, Blockサイズ128128)の求解を一秒以内に実現し、安定性解析に必要な計算能力を提供可能であることを示した。
櫛田 慶幸
Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2010/10
原子力分野におけるアプリケーションプログラムの幾つかは、非常に高い計算能力を専有利用可能な計算環境を必要とする。このようなアプリケーションプログラムの共通点は、ある時間以内に計算を完了させなければならない即時解析が要求されるということである。いわゆるスーパーコンピューターは、多人数で共有されているためこのような用途には向かない。しかし、今日現れてきたメニーコアプロセッサーは、非常に高い計算能力を低価格で提供しており、専有利用環境の構築に適している。本論文では、二つの例についてメニーコアプロセッサーを利用した即時解析の実現性を議論する。
西田 明美; 新谷 文将; 櫛田 慶幸; 近藤 誠; 酒井 理哉*; 塩竈 裕三*
Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2010/10
本研究の目的は、シビアな地震イベント下における全体と局所挙動の両方の評価を可能とする数値評価システムの構築を通した原子力施設の耐震設計への貢献である。本目的を実現するための技術要素の一つとして、われわれは、「弾塑性接合モデル」と呼んでいる部品間の動的相互作用特性を記述する物理モデルを開発している。従来は固定やピンなどの境界条件で設計されている機器のサポート構造と建屋の接合間に着目し、その動的相互作用を考慮することを試みた。本論文では、この弾塑性接合モデルの提案と、実プラントへの適用例を示す。モデルの精度は、実験で得られたデータを用いたパラメータ調整によって、最適化された。われわれは、そのモデルを原子力機構のHTTR実プラントデータに適用し、数値シミュレーションを実施した。結果として、シビアな地震イベント下における機器応答の低減や機器固有振動数の変化が確認されたので、ここに報告する。
鈴木 喜雄; 櫛田 慶幸; 立川 崇之; 手島 直哉; Caniou, Y.*; Guivarch, R.*; Dayde, M.*; Ramet, P.*
Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2010/10
CNRSとJSTが進める戦略的国際科学技術推進事業『仏国との「コンピュータサイエンスを含む情報通信技術」分野における研究交流』の下で実施している国際的マトリクスソルバー予測システムの研究開発(REDIMPS)プロジェクトにおいて、日仏間国際グリッドコンピューティング環境を構築し、本環境を利用できるようにマトリクスソルバー予測システムを設置して、本システムの機能を向上することを目的とした研究開発を実施した。具体的には、日本側のグリッドコンピューティング技術に仏国側のマトリクスソルバー予測技術を組合せ、日仏でそれぞれ開発したソルバーを追加し、日仏の理工学分野にかかわる計算科学研究者が、自身の有するアプリケーションプログラムに最適なマトリクスソルバーを選び出すことができる環境を実現した。これにより、両国の研究者に対し、各研究者自らアプリケーションプログラムの高速化等に有益な情報を取得できる場を提供することができた。
櫛田 慶幸; 武宮 博
日本計算工学会論文集(インターネット), 2010, 10 Pages, 2010/03
近年、一つのシリコンチップのなかに複数の処理装置を封入したマルチコアプロセッサーがハイパフォーマンスコンピューティング分野で用いられるようになってきた。なかでも、世界最高性能の計算機であるRoadrunnerに搭載される非均質マルチコアプロセッサーCellは従来のプロセッサーに比べ高い処理性能を持つものの、従来のアルゴリズムを用いた場合はデータ転送速度がボトルネックになりシングルプロセッサーと同程度の性能しか発揮できないことがわかっている。特に、原子炉構造物の解析などに使われる有限要素法はデータ転送が多く発生するためCellでの高速化は困難である。このため、本研究では、Cellの高い計算能力を生かし、従来手法に比べ計算量を増加させながらもデータ転送時間を減じるアルゴリズムを開発し、全体の経過時間を短縮することに成功した。この成果は、今後ますます計算能力とデータ転送能力が乖離してゆくことが予想されるマルチコアプロセッサーの効果的な利用に寄与するものである。
櫛田 慶幸; 武宮 博; 徳田 伸二*
Proceedings of 18th Euromicro International Conference on Parallel, Distributed and Network-Based Computing (PDP 2010), p.482 - 488, 2010/02
本研究では、高い計算能力を持ち2009年10月現在世界最高性能のスーパーコンピューターであるRoadrunnerにも搭載されているCellプロセッサーを使うことで、核融合モニタリングシステムに必要不可欠な高速固有値解析システムを開発した。核融合モニタリングシステムのための固有値解析システム構築は次の二つの理由で、現在のスーパーコンピュータでは困難であった。(1)スーパーコンピューターはユーザーが占有できる時間が限られており、モニタリングに必要な時間の間利用できない。(2)現在のスーパーコンピューターはネットワークで多数の計算ユニットを接続する形式であるが、これではネットワークによるオーバーヘッドが大きくモニタリングシステムに必要な時間解像度から考えられる計算時間に計算を終わらせることができない。そのため本研究では、価格性能比が高く、現在の計算ユニットよりも高速なCellプロセッサーを用いることで困難を克服し、モニタリングシステムに必要な計算速度を持ちながら、スーパーコンピューターよりも遥かに低価格で構築できるシステムを構築した。論文では、Cellを利用するために必要なプログラムの詳細とシステムの性能について述べる。
櫛田 慶幸; 武宮 博; 徳田 伸二
Proceedings of International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis (SC '09) (USB Flash Drive), 2 Pages, 2009/11
本研究では、国際熱核融合実験炉(ITER)のためのプラズマ安定性解析システムに必要な高速固有値解析ソルバーをCellクラスター上で開発した。核融合実験炉では、実験炉を破壊する可能性のあるプラズマディスラプションを予期し、それに応じてプラズマの制御を行う必要がある。ITERでは、破壊を防ぐために約10万次元の複素三重ブロック対角行列の固有値を一秒以内に計算する必要があるが、現行の超並列計算機ではネットワーク遅延による並列効率低下のため達成することは困難であった。このためわれわれは、高速な演算性能を持つCellプロセッサーを利用しネットワーク負荷を低く抑えることで、今までは不可能であった1024対角ブロック、及び各ブロックが128128次元である行列の固有値を一秒以内に求めることを可能とした。
西田 明美; 新谷 文将; 山田 知典; 櫛田 慶幸; 武宮 博; 中島 憲宏
安全研究フォーラム2009資料集, p.25 - 29, 2009/02
本課題は、部品レベルで実プラントを模擬して、地震応答解析が可能な計算科学的手法を用いた3次元仮想振動台を開発することを目的としている。従来の地震応答解析法の保守性や地震PSAにおける機器損傷確率評価への活用により、安全性の向上に資するための調査研究を行う。まずは質点系モデルによる解析や実測値との比較検討を可能とする仕組みを整備する。将来的にはPRA/QRA手法への適用方策に繋げられるようにする。既に数値解析機能を実証済みで、現在実際の振動データ等による応答精度の検証作業を実施中である。今後、応答精度の検証の継続により地震応答解析技術を実証する予定である。
木野 千晶; 鈴木 喜雄; 櫛田 慶幸; 西田 明美; 林 幸子; 中島 憲宏
High Performance Computing on Vector Systems 2008, p.89 - 97, 2009/00
大規模・複雑データ解析は原子力分野においては重要な課題である。そのため、大規模・複雑データ解析をサポートするため、認識能力を備えたデータ解析システム(CDAS)を開発している。本研究では、データ解析に必要な情報概念として、解析対象,評価指標,判断基準を見いだし、その概念構造の分析を行った。それらの情報をシステムが具体的に扱うための情報科学技術を提案した。また、1TBに達する大規模構造解析データに適用し、その有用性を確認した。
鈴木 喜雄; 櫛田 慶幸; 手島 直哉; 中島 康平; 西田 明美; 中島 憲宏
High Performance Computing on Vector Systems 2008, p.65 - 77, 2009/00
日本原子力研究開発機構システム計算科学センターでは、計算科学研究のための基盤構築に向け、1995年以来グリッドコンピューティングの研究開発を実施している。それらの一つがITBL基盤ソフトウェアの研究開発である。ITBLは、e-Japan戦略のもと実施されたe-Japan重点計画の一つとして実施された国家プロジェクトである。ITBL基盤ソフトウェアの技術を継承することにより、原子力研究のための知的基盤の構築を目指し、原子力グリッド基盤AEGISの研究開発を実施している。ここで、計算科学の進展とAEGIS環境の拡大を目指し、さまざまな分野にて国際協力を実施している。このため、AEGISと他のグリッドミドルウェアの相互接続環境を構築するためのシステムを構築した。
鈴木 喜雄; 西田 明美; 新谷 文将; 櫛田 慶幸; 阿久津 拓; 手島 直哉; 中島 康平; 近藤 誠; 林 幸子; 青柳 哲雄; et al.
Journal of Power and Energy Systems (Internet), 3(1), p.60 - 71, 2009/00
原子力機構システム計算科学センターでは、原子力プラントの全容解析のための大規模シミュレーション技術の研究開発を実施している。特に、原子力プラントの震動応答解析のため、スーパーコンピュータを複数台接続した環境での3次元仮想振動台の構築を進めている。原子力プラントの全容シミュレーションでは、大規模なデータを処理することが課題となる。この課題克服のため、われわれは、シミュレーションのフレームワークとコンピュータのプラットフォームを提案し、構築した。コンピュータプラットフォームでは、グリッドコンピューティング基盤ITBL-IS及びAEGISにより、大規模な原子力プラントの全容シミュレーションを可能とした。また、本プラットフォームをベースとしたシミュレーションフレームワークでは、原子力施設HTTRの圧力容器と冷却システムに対する線形弾性解析に成功した。
中島 憲宏; 新谷 文将; 西田 明美; 鈴木 喜雄; 井田 真人; 山田 知典; 櫛田 慶幸; Kim, G.; 木野 千晶; 武宮 博
Proceedings of International Symposium on Structures under Earthquake, Impact, and Blast Loading 2008, p.119 - 123, 2008/10
日本は第4のエネルギー消費国といわれているが、その消費資源である石油や天然ガスといった化石燃料資源はほとんど保有しておらず、それらの消費量の多くは輸入に依存しているために、安定したエネルギー供給が一つの問題になっている。一方、温室効果ガス制限のために、省エネルギー化の推進は、重要課題となっている。このような背景において、1966年に始まった日本の商業原子力発電は、今日ではそのエネルギー供給が日本の電気の消費量の約3割を占めるに至っている。日本の土地柄、地震対策は、社会基盤の運用上重要な課題である。その対策確保のために、計算科学的アプローチだけでなく、さまざまなアプローチにより多くの社会基盤の耐震性を検証してきている。本論では、地震対策のための計算科学的アプローチの一つとして、FIESTA(組立構造物のための有限要素解析)による大規模なシミュレーション技術を提案する。本論では、原子力分野で検討すべき衝撃荷重の事例を紹介するとともに、そのシミュレーション課題を議論する。