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松本 吉弘; 境 誠司; 高木 康多*; 中川 剛志*; 横山 利彦*; 島田 敏宏*; 三谷 誠司*; 楢本 洋*; 前田 佳均
Chemical Physics Letters, 470(4-6), p.244 - 248, 2009/03
被引用回数:17 パーセンタイル:49.90(Chemistry, Physical)X線吸収分光(XAS)、及び磁気円偏光二色性(MCD)分光により巨大トンネル磁気抵抗(TMR)効果を示すC-Co薄膜の電子・スピン状態解析を行った。結果として薄膜中のC
-Co化合物中に局在するスピン偏極状態(C
分子の
軌道とCo原子の3d軌道間の混成由来)の存在を明らかにした。また同局在スピンの温度に対する磁化方向の変化と、C
-Co薄膜で観測された温度による磁気抵抗比の大きさの変化が良い一致を示した。これはC
-Co化合物のスピン偏極状態がTMR効果発現に寄与していることを明確に示す結果である。
松本 吉弘; 境 誠司; 楢本 洋*; 平尾 法恵*; 馬場 祐治; 島田 敏宏*; 菅井 勇; 高梨 弘毅; 前田 佳均
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1081 (Internet), 6 Pages, 2008/03
近年、C-Co化合物中にCoナノ粒子が分散したC
/Co混合材料において、非常に大きな磁気抵抗効果(MR=80%)が発現することを確認した。このような巨大な磁気抵抗効果の発現は、Coナノ粒子間のトンネル伝導のみでは十分に説明することができず、C
-Co化合物やその界面が物性発現に大きく関与しているのではないかと推測される。以上の点から、本研究ではC
/Co混合分子の電子状態を得ることを目的とした。結果として、純粋なC
とは異なる吸収スペクトルがC
Co混合分子において得られた。特に、
(LUMO)
C1s励起では顕著な強度の減衰が観測された。また、光電子スペクトルからはC1sピークがわずかに低結合エネルギー側にシフトしていることも観測された。これらの結果は、Coの3d電子がC
の
軌道へ遷移することで、C
-Co化合物に新たな電子状態が形成されたことを意味する。実際に、フェルミ準位近傍に混成軌道形成に対応する状態が観測されていることも、前述の結果と矛盾しない。
前田 敏弘*; 堀田 政國*; 穂刈 利之*; 室井 達巳*
JNC TJ5410 2004-008, 202 Pages, 2004/03
本件は、HDB-4孔において地下施設建設前の地下水の水質分布を把握するために、MP システムによる地下水の採水を実施するものである。実施項目は、1)事前水圧計測、2)深度227-231m、285-289m、477-479m)からの連続採水と水質変化計測、3)当該3区間からの封圧採水、4)事後水圧計測である。
前田 敏弘*; 堀田 政國*; 室井 達巳*
JNC TJ5410 2004-006, 119 Pages, 2003/12
本業務では幌延深地層研究センターの試錐孔HDB-3孔(深度500m)およびHDB-4孔(深度500m)で地下水の水圧および水質の長期観測を実施するために、地下水水圧・水質観測装置を設置した。本装置設置後、HDB-3孔では各計測ポートにおける地下水水圧連続計測システムの設置を行った。また、HDB-4孔では対象区間においてバッチ式採水を実施し、本装置の性能確認を行った。
三次 岳志; 大戸 敏弘; 安部 智之; 礒崎 和則; 前田 宏治; 伊藤 主税
原子力eye, 49(9), 1 Pages, 2003/08
高速実験炉「常陽」のこれまでの設計、運転経験や照射試験を総括するとともに、最新のMK-IIIの臨界・性能試験の結果、今後の照射試験等の将来計画について、3回のシリーズ記事にて紹介する。 本稿はシリーズの第2回目で、高速実験炉「常陽」について、MK-I及びMK-IIの運転・保守の実績及び技術開発の成果とその反映をまとめる。また、「常陽」で実施した照射試験や照射後試験状況を示すとともに、これらの「もんじゅ」への反映、そしてMK-IIIプロジェクトの概要と性能試験、初臨界までの道程に付いて紹介する。
前田 幸基; 青山 卓史; 大戸 敏弘; 仲井 悟; 鈴木 惣十
ASME Annual Meeting, 96 Pages, 2002/00
ANS Winter meetingのナトリウム冷却高速炉の運転試験に関するセッションにおいて、初臨界以来25年間に渡り蓄積してきた常陽の運転試験や照射試験実績を報告するとともに、現在進めているMK-III計画の紹介を行う。
前田 彰雄; 大場 敏弘; 菊池 博之; 柴田 勝之
JAERI-Tech 2001-003, 48 Pages, 2001/02
アルミニウム合金は、研究炉や試験炉の構造材料として使用実績が高い。しかし、材料強度に関するデータが少なく、研究炉等における構造強度評価のために材料データ特に、溶接の強度データが必要である。そのため、母材と溶接部の諸性質を知る目的として、構造材であるA5052及びA6061について、各種の材料試験が実施された。工作課は、試験に使用する溶接継手板の製作に協力し、JIS-Z3105アルミニウム平板突合わせ溶接部の放射線透過試験の判定基準1類を満足する溶接継手板の製作を目標に、溶接施工法の検討と改良を主眼として技術検討を行った。本報告は、これらの溶接施工の問題点及び欠陥対策について、検討改良を行い、欠陥の極めて少ない溶接施工を行った技術資料としてまとめたものである。
花田 和明*; 篠原 孝司*; 長谷川 真*; 白岩 俊一*; 遠山 濶志*; 山岸 健一*; 大舘 暁*; 及川 聡洋; 戸塚 裕彦*; 石山 英二*; et al.
Fusion Energy 1996, p.885 - 890, 1997/05
H-L遷移時にプラズマ周辺で起こっている現象を静電プローブにより測定し、その因果関係について調べた結果をまとめたものである。ピンを12本つけた静電プローブにより、スクレイプオフ層から主プラズマまでの領域を測定した。最前面にある3本ピンをトリプルプローブとして使用し、電子温度(T)と密度(n
)を決定し、他のピンでは浮遊電位を測定した。浮遊電位と電子温度から求めた空間電子により径電場(E
)を決定し揺動との関係を調べた。結果は、初めにセパラトリックス内に形成された負の径電場が減少し、次に揺動レベルの増大が起こり、電子温度が減少し、その後He光の増大が起こっていることを明らかにした。ここで、H-モード中に形成されている負の径電場は、-22kV/mであり、電子温度減少の直前で-8kV/mであった。またこの変化に要した時間は約200
secである。
松本 吉弘; 境 誠司; 圓谷 志郎; 中川 剛志*; 高木 康多*; 横山 利彦*; 永松 伸一*; 島田 敏宏*; 楢本 洋*; 三谷 誠司*; et al.
no journal, ,
C-Co化合物中にCoナノ粒子が分散するC
-Co共蒸着薄膜において、巨大トンネル磁気抵抗(TMR)効果の発現が明らかとなっている。C
-Co化合物中の
-d混成軌道に由来する局在スピンの働きによりCoナノ粒子間をトンネルする伝導電子のスピン偏極率が著しく増大することが効果発現の原因であると示唆されていることから、本研究ではC
-Co化合物の電子/スピン状態の分光解析を行った。実験は組成の異なるC
-Co化合物(C
Co
)を用いて行った。結果としてC
Co
の試料では吸収スペクトル中に幾つかの構造が見て取れたが、飽和組成(C
Co
)に近づくにつれてはっきりとしなくなる。光電子分光測定などから、化合物中のCo原子の価数が組成に応じてわずかながら減少していると考えられるため、XASスペクトルで観測された変化は
-d混成軌道の変化を反映しているものと推察される。また、X線磁気円二色性分光により組成に応じた局在スピン状態の変化を精査し、TMR効果に与える影響を検討した。
松本 吉弘; 境 誠司; 圓谷 志郎; 中川 剛志*; 高木 康多*; 横山 利彦*; 永松 伸一*; 島田 敏宏*; 楢本 洋*; 三谷 誠司*; et al.
no journal, ,
C-Co化合物中にCo結晶粒が分散したグラニュラー構造を持つC
-Co共蒸着薄膜において、巨大なトンネル磁気抵抗(TMR)効果の発現が明らかとなっている。本研究では、Coの組成比が異なるC
-Co共蒸着薄膜(C
Co
)に対してX線磁気円二色性(XMCD)分光解析を行い、TMR効果発現にかかわるスピン状態情報の獲得を行った。結果としてC
-Co化合物中の吸収スペクトル中に複数の構造が検出された。またC
-Co化合物が磁気円二色性を示すことも明らかとなった。この結果は、C
-Co化合物に局在するスピン偏極状態の存在を示している。さらにTMR効果の理論モデルに、磁場に対して常磁性的に振る舞う局在スピンが、Co粒子間をトンネルする伝導電子のスピン偏極率に影響を及ぼす過程を考慮すると、伝導電子のスピン偏極率が100%に近い場合に、磁気抵抗率の理論値が実験で得られた磁気抵抗率と一致することがわかった。以上の結果から、C
-Co化合物の局在スピンの影響により伝導電子のスピン偏極率が著しく増大することが、C
-Co薄膜で生じるTMR効果の原因であることが明らかとなった。
松本 吉弘; 境 誠司; 圓谷 志郎; 中川 剛志*; 高木 康多*; 永松 伸一*; 横山 利彦*; 島田 敏宏*; 楢本 洋*; 三谷 誠司*; et al.
no journal, ,
近年、われわれのグループはC-Co化合物中Co結晶粒が分散するC
-Co薄膜において、巨大トンネル磁気抵抗効果(
R/R
)=
1000%)が生じることを発見し、効果発現にはC
-Co化合物に存在するスピン偏極状態が深くかかわっていることを明らかにした。本研究では、組成の異なるC
-Co化合物について分光解析を行い、C
-Co化合物の詳細を検討した。結果として、C
-Co化合物中の局在スピンは常磁性であることが明らかとなった。また温度-磁化率の逆数プロット(Curie-Weissプロット)から、C
-Co化合物の局在スピン間にスピン-スピン相互作用の存在が明らかとなった。これらスピン間の交換相互作用が低温(
10K)以下でのTMR効果の振る舞いを理解する鍵になると期待される。
松本 吉弘; 境 誠司; 楢本 洋*; 高木 康多*; 中川 剛志*; 島田 敏宏*; 横山 利彦*; 前田 佳均
no journal, ,
近年、われわれはフラーレン(C60)-コバルト(Co)化合物中にCoのナノ粒子が分散した構造を持つC60-Coナノ・グラニュラー薄膜において、低温で巨大なトンネル磁気抵抗効果が発現されることを確認した。その大きさは膜中に存在する粒子間のトンネル伝導のみでは十分に説明することができず、基層となる化合物の存在がトンネル伝導に深く関与しているものと推測される。本研究ではCo粒子及びC60-Co化合物の磁気特性に関する情報を得ることを目的とし、放射光を用いたX線磁気円二色性(XMCD)測定を行った。結果として、C60-Co化合物相に常磁性的な振舞いを示す混成軌道が存在を確認した。この軌道がトンネル伝導の際にスピンフィルターの役目を果たしているのではないかと推察される。
松本 吉弘; 境 誠司; 楢本 洋*; 中川 剛志*; 高木 康多*; 横山 利彦*; 島田 敏宏*; 三谷 誠司*; 高梨 弘毅; 前田 佳均
no journal, ,
フラーレン(C)-コバルト(Co)化合物中にCoナノ粒子が分散した構造を持つC
-Co共蒸着薄膜において、低温で巨大なトンネル磁気抵抗効果の発現が確認されている。その磁気抵抗率は従来の無機材料とは異なり、膜中に存在する強磁性体のCoナノ粒子のスピン分極率のみでは十分に説明することができない。本研究では組成比の異なるC
Co薄膜に対してX線吸収分光及びX線磁気円二色性測定を行った。結果として、C
-Co化合物のCo原子にC
分子とCo原子間の結合形成に起因する3d準位の多重項分裂状態が観測された。それらの状態が明瞭な磁気円二色性を示したことから、C
-Coにスピン偏極状態の存在が明らかとなった。さらにC
-Co化合物のスピン偏極状態の磁気モーメントの大きさから予想される磁気抵抗率のモデル計算値は、実測値と一致することが明らかとなった。この結果は、C
-Co化合物に存在するスピン偏極状態によって、伝導電子のスピン分極率が大きく影響を受けていること示している。
松本 吉弘; 境 誠司; 楢本 洋*; 高木 康多*; 中川 剛志*; 横山 利彦*; 島田 敏宏*; 平尾 法恵; 馬場 祐治; 前田 佳均
no journal, ,
Electronic and spin states of the codeposited C-Co films with large tunnel magnetoresistance (TMR) effect were investigated with the X-ray absorption and magnetic circular dichroism (MCD) spectroscopies. It is revealed that a C
-Co compound formed in the C
-Co granular films shows the clear MCD signal attributed to the spin-polarized Co 3d states hybridized with the C
pai orbitals. The magnetic response of these Co 3d-derived states agrees well with the temperature dependence of the observed MR ratio. This suggests the incorporation of the spinpolarized Co 3d-derived states of the C
-Co compound into the observed TMR effect.
境 誠司; 松本 吉弘; 三谷 誠司*; 高梨 弘毅; 高木 康多*; 中川 剛志*; 横山 利彦*; 島田 敏宏*; 楢本 洋*; 前田 佳均
no journal, ,
C60-Co化合物のマトリックス中にCoナノ粒子が分散したグラニュラー構造を有するC60-Co薄膜について、巨大TMR効果の発現を見いだした。同薄膜の磁気抵抗率(MR)は低温で80-90%に達し、さらにゼロ電圧付近で100%に到達する可能性が示された。巨大TMR効果の原因機構について、X線吸収及び磁気円二色性の測定による分光面からの追究を行った。その結果、C60-Co化合物中のCo 3d軌道に由来する状態に局在スピンが存在することが明らかになった。同スピンは常磁性的な温度・磁場依存性を示した。化合物中の局在dスピンの磁気的応答をTMR効果の理論モデルに考慮すると、トンネル電子のスピン偏極率が100%の場合に、MRの実験値と理論モデルによる計算値が一致することを見いだした。本結果は、グラニュラーC60-Co薄膜のスピン輸送過程へのC60-Co化合物の関与を示すものである。
境 誠司; 松本 吉弘; 圓谷 志郎; 菅井 勇*; 高梨 弘毅; 高木 康多*; 中川 剛志*; 横山 利彦*; 島田 敏宏*; 楢本 洋*; et al.
no journal, ,
本研究では、グラニュラーC-Co薄膜中のC
-Co化合物/Coナノ粒子界面におけるスピン偏極状態を調べる目的で、ナノ積層構造を有するCPP型のグラニュラーC
-Co素子を作製して、トンネル磁気抵抗特性を調べた。素子の電流-電圧特性から高次トンネル過程の次数を見積もることができ、同過程による磁気抵抗率の増長効果を考慮することで、界面のスピン偏極状態を反映したトンネル電子のスピン偏極率を求めることができた。スピン偏極率の大きさが75%以上であることが明らかになり、同結果から界面に完全スピン偏極に近い高スピン偏極状態が存在することが明らかになった。
松本 吉弘; 境 誠司; 圓谷 志郎; 高木 康多*; 中川 剛志*; 永松 伸一*; 島田 敏宏*; 楢本 洋*; 横山 利彦*; 前田 佳均
no journal, ,
近年、われわれはC-Co化合物マトリックス中にCoナノ粒子が分散するC
-Coグラニュラー薄膜において、巨大トンネル磁気抵抗(TMR)効果が生じることを発見した。最近の分光研究から、C
-Co化合物中に局在するスピン偏極状態の存在を明らかにするとともに、同局在スピンとTMR効果との間に相関関係があることを見いだした。C
-Coグラニュラー薄膜で生じる特異なTMR効果発現機構の全容を解明するためには、C
-Co化合物の電子スピン状態を理解することが重要であると考えられる。本研究では、組成の異なるC
-Co化合物(C
Co
, x
5)についてX線吸収(XAS)分光、及びX線磁気円二色性(XMCD)による電子・スピン状態解析を行った。
松本 吉弘; 境 誠司; 圓谷 志郎; 永松 伸一*; 北條 育子*; 藤川 高志*; 島田 敏宏*; 楢本 洋*; 前田 佳均; 横山 利彦*
no journal, ,
2006年以降、われわれはC-Co化合物のマトリックス中にCo結晶粒が分散するC
-Coグラニュラー薄膜で、巨大トンネル磁気抵抗(TMR)効果(
R/R
=
1000%)が生じることを明らかにしてきた。最近の分光研究から、C
-Co化合物中に存在する局在dスピンにより、C
-Co化合物/Co結晶粒界面に高偏極スピン状態が誘起されることがTMR効果発現の原因と推測されている。したがって、C
-Co薄膜で生じるスピン依存伝導機構を理解するには、C
-Co化合物の電子/スピン状態を明らかにすることが極めて重要である。本研究では、組成比の異なるC
-Co化合物(C
Co
, x
5)について放射光による分光解析を行った。結果として、C
-Co化合物中のCo原子は2価の低スピン状態(Co(II)LS, d
)で、かつ同スピン間にxの値に応じて反強磁性的なスピン間相互作用が存在していること、一方でC
-Co化合物中の局在dスピンとCo結晶粒との界面で強磁性的なスピン相互作用が生じていることが明らかとなった。
松本 吉弘; 境 誠司; 楢本 洋*; 中川 剛志*; 高木 康多*; 横山 利彦*; 高梨 弘毅; 三谷 誠司*; 島田 敏宏*; 前田 佳均
no journal, ,
C-Co混合薄膜における巨大トンネル磁気抵抗効果の発現には、薄膜中のC
-Co化合物の持つ化学状態が重要な役割を持つと考えられる。本研究ではC
-Co混合薄膜の電子状態・磁気状態に関する情報を得ることを目的とし、X線磁気円二色性(XMCD),X線光電子分光法(XPS)を実施した。結果として、Co結晶とは異なり、C
-Co化合物 には3d準位の多重項分裂状態が観測された。これらの状態はXPS実験などからCo 3d軌道とC
2p軌道との混成に由来すると考えられる。また明瞭なMCD応答を示すことから、スピン偏極した状態であることも確認された。MCD強度の磁場依存性・温度依存性と、以前に観測されたトンネル磁気抵抗との比較から、C
-Co化合物の混成軌道が薄膜中のスピン依存伝導を大きく左右することが明らかとなった。
境 誠司; 松本 吉弘; 圓谷 志郎; 菅井 勇*; 高梨 弘毅; 高木 康多*; 中川 剛志*; 横山 利彦*; 島田 敏宏*; 楢本 洋*; et al.
no journal, ,
本研究ではC60-Co薄膜の巨大トンネル磁気抵抗(TMR)効果の発現機構の追究を目的として、薄膜面直方向への伝導を検知するCPP(current perpendicular to plane)型の素子試料を作成し、電圧依存性など磁気伝導特性の詳細な評価を行った。CPP素子の電流-電圧特性から、グラニュラー薄膜においてTMR効果を増長し得る高次トンネル過程の次数(低温で3-7次)が見積られた。同次数から高次トンネル過程による磁気抵抗率(MR)増大の程度を見積りTMR効果の理論式と照らし合わせることで、トンネル電子のスピン偏極率の大きさを計算した。その結果、組成やデバイス構造が異なるすべての試料について、同様なスピン偏極率(ゼロ温度で75%)が得られた。本結果からC60-Co化合物/Co結晶界面に固有な状態として著しい界面スピン偏極状態が存在することが明らかになった。