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井上 準也; 増本 清*
土木学会論文集,A2(応用力学)(インターネット), 74(2), p.I_55 - I_64, 2019/01
本研究では、適切化手法を組み込んだ飽和・不飽和浸透流逆解析により多層地盤の不均質な浸透特性および境界条件を同時に推定するために飽和・不飽和浸透流逆解析プログラムを作成した。これを用いて、透水性の異なる3層からなる傾斜した多層地盤を想定した鉛直2次元数値実験を行った。数値実験では境界流量および飽和透水係数を未知パラメータとした。さらに、ノルム最小法の基準値による未知パラメータへの制約の強弱を調べるためにノルム最小項の重みを変えて逆解析を行った。その結果、ノルム最小法を使用することで、多層地盤の不均質な浸透特性および境界流量の一意解を逆解析により同時に推定可能であることを示した。
尾上 博則; 山本 真哉*; 小橋 昭夫; 尾崎 裕介; 櫻井 英行*; 増本 清*
JAEA-Research 2018-003, 84 Pages, 2018/06
本研究では瑞浪超深地層研究所周辺における透水不均質性の高い岩盤を対象とした数値実験を実施し、推定対象とする水理地質構造を絞り込むことや評価対象領域の水理地質構造を考慮した観測点の配置が重要であることを確認した。さらに、原位置で実施した揚水試験データを用いた逆解析を実施し、水圧応答データを用いた逆解析が、重要な水理地質構造の特定や水理地質構造の概念および解析モデルの信頼性の確認・向上といった地下水流動特性評価に有効であることが示された。
小橋 昭夫; 尾上 博則; 山本 真哉*; 本多 眞*; 櫻井 英行*; 増本 清*
JAEA-Research 2015-022, 89 Pages, 2016/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分事業においては、地表より300m以深の地下深部に数km四方の地下施設が建設される。地層処分の安全性の評価にあたっては、放射性核種の主要な移行媒体となる地下水の流動特性やその不均質性を把握することが重要である。岩盤中には周辺岩盤と比較して数桁に渡り透水性の異なる断層や亀裂といった不連続構造が分布している。それらは空間的な透水不均質性の要因であり、地下水の流動方向や流速に大きな影響を与えている。このような透水不均質を効率的に推定するにあたっては、揚水試験などによる地下水圧変化データを用いた地下水流動の逆解析が有効な手法の1つとして挙げられる。一方で、原位置調査には調査数量や工期といった様々な制約があり、取得される調査データは限られたものとなる。また、調査の量や質に応じて最適な逆解析手法を選定する必要があると考えられる。そこで、本研究では地下水流動評価における逆解析手法の適用方法の検討に資することを目的として、複数の解析手法を用いた数値実験を実施した。さらに、得られた結果に基づき、解析手法の違いが解析結果に及ぼす影響の分析、およびそれぞれの手法の適用性を整理した。比較検討には、変分法による随伴方程式を用いたデータ同化手法であるアジョイント法、および逐次データ同化手法の一種であるアンサンブルカルマンフィルタによる逆解析手法を適用した。
末光 明信*; 増本 清*; 尾上 博則; 竹内 竜史
no journal, ,
揚水試験などによって得られる非定常の地下水圧の変化に関わるデータを表現することが可能な水理パラメータを未知数として取り扱い、それを逆解析的に推定することによって、より信頼性の高い水理地質構造モデルが構築できると考えられる。そこで、本研究では逆解析手法の高度化として未知パラメータ設定法に着目し、未知パラメータの変動域に限界値を加える方法、および適切化手法の1つであるノルム最小法を既存の逆解析コードに導入し、それらの有効性について検討した。逆解析には、日本原子力研究開発機構が、岐阜県瑞浪市において進めている超深地層研究所計画で実施した揚水試験に伴う非定常の地下水圧の変化に関わるデータを用いた。
山本 真哉*; 本多 眞*; 櫻井 英行*; 尾上 博則; 増本 清*
no journal, ,
断層などの不連続構造によって生じる透水特性の空間的な不均質性は、周辺の地下水流動場に大きな影響を与えるため、その把握が重要となるが、原位置調査だけでこれを評価するのは容易ではない。しかし、透水特性に顕著な不均質性が存在した場合、原位置調査で取得された地下水観測データにもその影響が反映されると考えられるため、観測データと地下水流動モデルを用いて逆解析を行うことにより不均質性を評価できる可能性がある。透水係数の3次元分布を求めるためには多数の未知パラメータの同定が必要であり、さらに、地下水流動モデルは非線形であることから、これを一般的な逆解析手法で解くことは困難である。そこで、本研究では多次元かつ非線形の逆問題にも適用可能なアンサンブルカルマンフィルタによる逆解析を実施し、透水特性の空間的な不均質性の評価手法としての適用性を確認した。本手法の適用性確認にあたっては、揚水試験を模擬した数値実験を実施し、アンサンブルカルマンフィルタの性能や特性について考察した。
尾崎 裕介; 小橋 昭夫; 尾上 博則; 山本 真哉*; 増本 清*
no journal, ,
本研究では数値モデルを用いた逆解析テストにより、水圧データの逆解析による透水係数の推定可能性を検討した。特に地下水流動に大きな影響を及ぼす可能性のある断層の透水係数を推定対象とする数値テストを行った。断層部以外の透水係数および断層の位置に関する情報を先験的に与えた逆解析を実施し、断層部の透水係数の推定の可否を検討した。透水係数を推定する断層の枚数と断層内部の透水係数の自由度を変えた逆解析テストの結果から、推定する断層の枚数および断層内部の自由度に制約を与えることで透水係数の推定精度が向上することを確認した。ただし、推定する全断層の透水係数の確からしさを確保するためには、断層内部の自由度に制約を与えるだけでは不十分であり、推定する断層の枚数が絞り込まれていることが必要であることを確認した。
末光 明信*; 増本 清*; 尾上 博則
no journal, ,
本検討においては、浸透率および初期・境界条件の同時逆解析を、瑞浪超深地層研究所の周辺地域を対象として構築された三次元水理モデルに適用した。そして、得られた推定結果について、瑞浪超深地層研究所の周辺地域に関する既往の推察、および初期・境界条件を既知とし、浸透率のみを逆解析した場合の推定結果との比較を行った。その結果、原位置における不均質な水理地質構造を反映した三次元水理モデルに対しても、ノルム最小法を適用することにより、浸透率および初期・境界条件を逆解析で同時に推定できることを確認した。さらに、初期条件および境界条件を未知とした逆解析を実施することで、浸透率の推定結果に対してモデル誤差の発生を抑制する効果があるとともに、より信頼性の高い推定ができる可能性を示すことができた。
山本 真哉*; 櫻井 英行*; 尾上 博則; 増本 清*
no journal, ,
地下水流動を対象とした数値シミュレーションでは、調査により得られる水理特性に関する情報が限られるため、透水係数や境界条件などについて大きな認識論的不確かさが存在する。地下水流動シミュレーションの不確かさを低減する手段の一つとして地下水モニタリングデータのデータ同化手法がある。このうち、多数のサンプルを用いてシミュレーションを実行するアンサンブルデータ同化では、サンプル集合のばらつきから不確かさを確認できるため、物性パラメータなどの不確かさが解析結果に与える影響を容易に評価できる。本発表ではデータ同化の解析結果から得られる不確かさに関する情報に基づき、不確かさの低減に効果的な地下水のモニタリング位置について評価した結果を報告する。
井上 準也; 増本 清*
no journal, ,
地下水流動モデル構築にあたり、直接計測困難な不均質な物性値を推定するために、多点非定常間隙水圧データを用いた逆解析を行うことによりモデリング精度の向上を図る試みがある。こうした逆解析では計算量や不適切性の問題に対処する必要があり、既にノルム最小法を適用することにより浸透特性を適切に推定できる可能性は示されている。しかし、浸透特性だけでなく、境界条件や初期条件について必ずしもわかっていないことがあり、これらを未知量として推定することが望まれる。そこで本研究では、傾斜した多層地盤を対象として、不飽和条件を考慮に入れた逆解析により、不均質な浸透特性および境界条件を同時に推定することを目的に、2次元鉛直モデルの数値実験を行った。数値実験の結果、ノルム最小法を利用しない場合、初期推定値からの変化がほとんどない一方で、ノルム最小法を使用した場合は、ある程度の地盤の不均質性を推定できた。これにより、観測情報不足により逆解析による推定が難しい場合においても、ノルム最小法を使用することによりある程度の推定が可能であることが示された。また、異なる初期推定値に対しても正解値が得られる場合があることが示された。
江崎 太一*; 石橋 正祐紀*; 田川 陽一*; 並川 正*; 羽根 幸司*; 升元 一彦*; 尾上 博則*; 三枝 博光*; 石田 圭輔*; 藤崎 淳*; et al.
no journal, ,
割れ目分布の不均質性を統計的に表現可能な割れ目ネットワーク(DFN)モデルは、割れ目が主な地下水移行経路となる岩盤の地下水流動特性の評価に適用される。本報では、瑞浪超深地層研究所で取得された割れ目の観測情報に基づいて、DFNモデルのコンディショニングを実施した結果を報告する。
並川 正*; 石橋 正祐紀*; 江崎 太一*; 田川 陽一*; 羽根 幸司*; 升元 一彦*; 尾上 博則*; 三枝 博光*; 石田 圭輔*; 藤崎 淳*; et al.
no journal, ,
割れ目分布の不均質性を統計的に表現可能な割れ目ネットワーク(DFN)モデルは、割れ目が主な地下水移行経路となる岩盤の地下水流動特性の評価に適用される。前報(その1)では、瑞浪超深地層研究所で取得されたデータを用いてDFNモデルを構築するとともに、坑道及びボーリング孔の割れ目の実測情報に基づいてこれをコンディショニングすることにより、割れ目の幾何学的な分布が実測データに整合的となることを確認した。本報では、前報で構築したDFNモデルのコンディショニング前後のモデルを用いた地下水流動解析を実施し、これらの解析結果と観測値を比較することで、コンディショニングが地下水流動解析結果に及ぼす効果について考察した。
井上 準也; 増本 清*
no journal, ,
地下水流動モデル構築にあたり、直接計測困難な不均質な物性値を推定するために、多点非定常間隙水圧データを用いた逆解析を行うことによりモデリング精度の向上を図る試みがある。こうした逆解析では未知パラメータ数が増加すると,計算時間が膨大となるため複雑な地質構造の浸透特性を推定することが困難となる。しかし、準ニュートン法の勾配計算にadjoint法を組み込むことで逆解析の計算時間を高速化することが可能である。そこで、本研究では、飽和・不飽和浸透流に準ニュートン法とadjoint法を組み合わせた逆解析プログラムを作成し、数値実験によりプログラムの妥当性および効率的な飽和・不飽和浸透流逆解析の可能性を検討した。その結果、プログラムが正常に作動し、多数の未知パラメータに対して効率的に逆解析が可能であることが示された。
増本 清*; 井上 準也
no journal, ,
地下水シミュレーションでは、地下地盤における地質区分や物性値(透水性など)を反映させたモデル構築が課題となるため、キャリブレーションの一環として非定常水圧データを用いた逆解析による推定が試みられている。一般的に逆解析では、未知パラメータ数が観測データに比べて多い場合、不適切な逆問題となる。そこで、変数変換や感度調節、制約条件等による未知パラメータの設定が有効となるが、問題によって最適な組み合わせが変化するため様々な組み合わせ設定について検討する必要がある。本研究では、複数の未知パラメータ設定による逆解析を行い、制約条件(ノルム最小法およびスムージング法)の重みと未知パラメータの感度(スケーリングファクター)による影響を主として検討した。その結果、適切な未知パラメータ設定を行うことで水みち等の水理構造を逆解析により精度よく推定可能であることが示された。
井上 準也; 河野 亮太; 小原 義之; 富山 眞吾*; 増本 清*
no journal, ,
鳥取県と岡山県の県境付近に位置する人形峠環境技術センターでは、ウラン鉱山の坑水処理を行っている。本研究の対象となる夜次2号坑道では、地元自治体との協定で定めたられた排出基準値を超えた濃度のラジウムを含む坑水が発生しており、坑水量低減のための発生源対策が必要となっている。これまでの研究では、水文調査から降雨涵養量や周辺流域における地下水流動系を明らかにした上で、降雨浸透解析により降雨と坑水量の応答を再現した。引き続き本研究では、異なる2種類の解析コードを用いた比較検討を行い、解析コードによる差異の程度が明らかになったので報告する。
井上 準也; 増本 清*
no journal, ,
地下地盤の不均質な水理特性を推定する手法として観測データを用いた地下水流動逆解析が提案されている。こうした逆解析ではボーリング孔により観測された水圧データをマッチング対象とするケースが多い。しかし、鉱山を含む地域が対象となる場合、坑廃水処理の関係から水圧データだけでなく坑水流量データも充実していることが多い。そこで本研究では、坑水流量を浸出面流量として表現した場合における流量と圧力の同時マッチングによる逆解析手法を考案した。また、本手法を使用した数値実験により、(1)水圧のみのマッチング、(2)浸出面流量のみのマッチング、(3)水圧および浸出面流量の同時マッチングの3ケースについて比較検討を行った。実験の結果、同時マッチングにより推定精度が向上することが示された。
井上 準也; 増本 清*
no journal, ,
岡山県と鳥取県の県境付近に位置する人形峠環境技術センター(以後、センター)では人形峠鉱山の閉山措置に取り組んでおり、その一環として坑水の発生源対策を計画している。発生源対策を実施するにあたり、その評価や実施後の予測解析のために地下水理構造のモデル化およびキャリブレーションが必要となるが、情報量の少ない地下水モデルの構築は困難である。そこで実測データから水理構造を自動推定する逆解析(パラメータの最適化)が有用である。本研究ではセンターにおける実データを対象に実施した逆解析結果およびその結果を使用した現況再現解析結果について示す。
飯尾 彰規; Wang, F.*; 増本 清*
no journal, ,
日本の国土の多くは山地を有する上に、地震や火山活動が活発である。また、湿潤な気候帯に属しており、台風や豪雨,豪雪に見舞われやすい。そのため、毎年のように大小様々な斜面崩壊,土石流,地すべり,崖崩れ等の土砂災害に見舞われている。特に、地震による斜面災害の多くは降下火砕堆積物斜面で起こることが知られており、これらは高速かつ長距離運動をすることで甚大な被害に繋がりやすいことから、その特性を知ることは、防災,減災対策を進めるにあたって重要であると考えられる。本研究では、火山性降下火砕物斜面における地すべりの発生機構の解明と降下火砕物の特性を把握するために、平成28年熊本地震および北海道胆振東部地震によって発生した地すべりにおいて、現地調査を実施した。また、現地で採取した試料を用いて土質試験及びXRD試験を実施した。調査及び室内試験の結果より、すべり面は崩壊前より軟弱かつ高含水の状態であり、粘土鉱物であるハロイサイトが含まれていたことが分かった。
増本 清*; 尾上 博則; 小橋 昭夫; 山本 真哉*
no journal, ,
地下水流動の状態を把握するにあたっては、揚水試験などによって得られる非定常の地下水圧の変化に関わるデータを表現することが可能な水理パラメータを未知数として取り扱い、それを逆解析的に推定することが有効な手法の一つとして考えられる。逆解析の実施にあたっては、推定する未知パラメータの数に対して十分な観測データを取得できないため、解の一意性の問題や地下水圧の観測値と解析値のマッチングが困難といった問題が存在する。このことから、未知パラメータ数を削減するための水理地質構造の分布や水理特性に関する情報を事前に取得することが重要と考えられる。本研究では、アジョイント法による逆解析手法を用いて揚水試験を模擬した数値実験を実施し、水理地質構造に関する事前情報の必要性の観点から逆解析結果の考察を行った。
山本 真哉*; 本多 眞*; 櫻井 英行*; 尾上 博則; 増本 清*
no journal, ,
観測結果から一意にモデルを同定できない不適切問題を解く手段として、データ同化技術が近年注目されており、筆者らは地下水流動解析を対象として、逐次データ同化技術の一種であるアンサンブルカルマンフィルタを用いた逆解析手法を開発してきた。本研究では、アンサンブルカルマンフィルタを用いて、不均質な透水係数分布を同定するための手法について検討し、その適用性を数値実験により検証した。本数値実験の結果、不均質な透水係数分布を概ね同定できたことから、揚水試験結果から水理地質構造の透水不均質性を評価する際にアンサンブルカルマンフィルタが有用な逆解析手法になりうることが示された。
尾上 博則; 山本 真哉*; 増本 清*; 小橋 昭夫; 三枝 博光
no journal, ,
本研究では、地下水流動評価における逆解析手法の適用方法の検討に資することを目的として、複数の解析手法を用いた数値実験を実施した。さらに、得られた結果に基づき、解析手法の違いが解析結果に及ぼす影響の分析、およびそれぞれの手法の適用性を整理した。比較検討には、変分法による随伴方程式を用いたデータ同化手法であるアジョイント法、および逐次データ同化技術の一種であるアンサンブルカルマンフィルタによる逆解析手法を適用した。