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松田 晶平; 中島 信昭*; 横山 啓一; 谷口 誠治*; Chosrowjan, H.*; 染川 智弘*; 八ッ橋 知幸*
Chemical Physics Letters, 802, p.139759_1 - 139759_6, 2022/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)ブロック元素の
-
遷移波長での共鳴多光子励起によって標的元素の酸化数のみを選択的に制御する技術は、希少金属の高純度な精製方法への応用が期待できる。この共鳴多光子過程を経る酸化還元の効率については、一光子目と二光子目それぞれの量子収率と吸収断面積が重要な因子である。そこで本研究では三価ユウロピウム(Eu
)から二価ユウロピウム(Eu
)への還元効率のレーザーフルエンス依存性を精密に調べることでそれらを評価した。その結果、励起波長394nmでのEu
の二光子吸収過程における一光子目の量子収率の値、二光子目の量子収率と吸収断面積の積の値を見積もることができた。また、従来よりも広いフルエンス領域を調べたことで飽和が観測され、必要なレーザー出力の上限が推定できた。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 下条 晃司郎; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
iScience (Internet), 25(8), p.104763_1 - 104763_12, 2022/08
被引用回数:3 パーセンタイル:51.47(Multidisciplinary Sciences)ラジウム(Ra)は環境汚染やがん治療の観点から注目を集めている元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、物理化学的に重要な水和構造さえも原子レベルでの観測が行われていない。本研究では、世界で初めて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いたRa水和構造の解明を行った。また、第一原理計算による水和構造解明も実施し、実験ではわからない水分子のダイナミクスの解明を行った。両者の比較も行ったところ、実験と計算の結果はよく一致し、Raの第一水和圏における配位数や酸素との距離を解明した他、アナログ元素であるバリウムに比べて水分子の配位が弱いことがわかった。これらはRaの環境挙動解明やがん治療開発等に資する結果である。
松田 晶平; 横山 啓一; 矢板 毅; 小林 徹; 金田 結依; Simonnet, M.; 関口 哲弘; 本田 充紀; 下条 晃司郎; 土井 玲祐; et al.
Science Advances (Internet), 8(20), p.eabn1991_1 - eabn1991_11, 2022/05
被引用回数:3 パーセンタイル:51.47(Multidisciplinary Sciences)fブロック元素は化学的性質が類似している。一方、それらの電子スペクトルではf電子準位間の光学遷移が明瞭に異なる。このf-f遷移波長での共鳴励起によって元素の酸化状態を制御することができれば、化学的な分離が難しいfブロック元素の精密分離技術が生まれる可能性がある。これまでに3つのランタノイド元素で共鳴多光子還元が観測されているが、アクチノイドでの共鳴多光子反応は報告例はなかった。本研究では硝酸水溶液においてアクチノイドの一つである三価アメリシウムの共鳴多光子電荷移動による光酸化を観測した。また、硝酸錯体が一次過程に寄与することが示唆された。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
放射化学, (45), p.28 - 30, 2022/03
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を分子レベルで解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。本稿では特に水和構造の結果について詳細に述べる。
中島 信昭*; 八ッ橋 知幸*; 迫田 憲治*; 岩倉 いずみ*; 橋本 征奈*; 横山 啓一; 松田 晶平
Chemical Physics Letters, 752, p.137570_1 - 137570_5, 2020/08
被引用回数:1 パーセンタイル:5.9(Chemistry, Physical)溶液中のユウロピウムイオンにレーザー光を照射することによりEuとEu
との間の光酸化還元反応を調べた。3種類のレーザーを用いてその反応効率、波長依存性、レーザーパワー依存性などを観察した。波長308nmのナノ秒レーザーでは1光子過程が起こり酸化・還元とも量子収率0.5前後の高い値が得られた。394nm、5mJのナノ秒レーザーパルスでは2光子過程が起こり還元の量子収率は0.015程度になった。308nmの結果よりも1桁以上低い値ではあるが、容易に光還元を起こすことができることを明らかにした。パルスエネルギーを増やすことにより効率をもっと上げることができると考えられる。
渡辺 耕助*; 松田 晶平; Cuevas, C. A.*; Saiz-Lopez, A.*; 薮下 彰啓*; 中野 幸夫*
ACS Earth and Space Chemistry (Internet), 3(4), p.669 - 679, 2019/04
被引用回数:7 パーセンタイル:42.3(Chemistry, Multidisciplinary)ヨウ素の物質循環において、海洋から大気への輸送が起こる要因の一つに、海面付近での太陽光による光酸化過程がある。これまでに液相のヨウ化物イオン(I)の光酸化によって気相へヨウ素分子(I
)が放出されることが報告されている。この過程の全球的な影響を評価するため、溶液中のI
の光酸化を実験的に詳細に調べ、290-500nmの波長域におけるI
のモル吸光係数と光酸化の量子収率を決定した。さらに、I
光酸化量子収率のpHおよび溶存酸素依存性を調べた。これらから海洋条件でのI
の光酸化によるI
放出速度を推定した。全球化学気候モデルを用いてシミュレーションを行った結果、低緯度域では1年あたり約8%の寄与があることが明らかになった。本研究は、シビアアクシデント時において環境中へ飛散される放射性ヨウ素の挙動を予測するために必要な基礎的知見を与える。
松田 晶平; 中島 信昭*; 横山 啓一; 八ッ橋 知幸*; Chosrowjan, H.*; 谷口 誠治*; 染川 智弘*
no journal, ,
1970年代に提唱されたランタニドイオンの光酸化還元反応を利用する精製は、有用金属の分離回収や放射性廃棄物の減容に貢献する可能性がある。そこで、ユウロピウムを対象に検証した。ここでは、メタノールおよびエタノール溶媒、またパルス幅ナノ秒レーザーを励起光源に用いた。いずれの溶媒でも、励起波長依存性から、f-f遷移を介した吸収によりEuEu
の還元が起こることがわかった。また、励起光強度依存性から2光子過程であることが確認された。メタノール溶媒に比べエタノール溶媒では、高い光還元効率が得られたことから、溶媒効果が示唆された。
横山 啓一; 松田 晶平
no journal, ,
テラヘルツ波を用いたセシウム同位体分離の原理実証実験では回折による伝播損失を避けるために発生直後のTHz波を利用することが考えられる。これに必要な技術開発の一つとして、発生直後のスペクトルをTHz波時間領域分光により測定するための基礎実験を行った。THz発生用有機結晶のOH1はEO効果も大きいため発生と同時に波形計測も精度よく実施できる可能性がある。OH1をTHz発生と共にEOサンプリングに用いた波形測定試験を行ったのでこの結果について報告する。実験の結果、OH1結晶内でのTHz波の内部反射を利用することで励起光パルスの影響を受けずに波形計測が可能なことを明らかにした。
松田 晶平; 中島 信昭*; 横山 啓一; 八ッ橋 知幸*; Chosrowjan, H.*; 谷口 誠治*; 染川 智弘*
no journal, ,
f電子系元素の分離回収の高効率化のために、光酸化還元反応を応用することが考えられる。元素固有のf-f遷移を介した多光子励起、つまり、光による選択性を利用することで、化学的な分離が難しい系においても特定元素の分離回収が可能となる。本研究では、4f電子の多光子励起を介するEu(III)からEu(II)への光還元のフルエンス依存性を調べた。縮小光学系で制御したガウシアンビームを励起光として用い、ビームプロファイルを計測することで、反応領域を正確に見積った。これにより、Eu(III)の光還元のフルエンス依存性を従来よりも精密に評価した。結果から、既報と同様に2光子過程であることが示唆された。また、これまで多光子過程の効率の評価方法が統一されていなかったが、その候補を提案した。
松田 晶平; 横山 啓一; 矢板 毅; 小林 徹; 中島 信昭*
no journal, ,
ランタノイドとアクチノイドの分光学的な特徴の一つは、f電子準位間の光学遷移であるf-f遷移を可視域にもつことである。f-f遷移は溶液中でも線幅が狭く、元素固有の波長に現れる。この波長で多光子励起すると、条件によっては酸化還元反応が誘起されることが3種のランタノイド(Sm, Eu, Yb)で報告されている。この光化学過程は元素分離に応用できる可能性があるため、本研究ではAmの酸化状態の制御を試みた。結果として、Amの
L
F
遷移に相当する503nmのナノ秒OPOレーザーをAm硝酸溶液に集光照射することで、AmO
への酸化を引き起こすことに初めて成功した。反応物と生成物の同定と定量は吸収分光法により行った。励起光の波長依存性とフルエンス依存性の結果から、この酸化が共鳴多光子過程によって誘起されたことを確認した。
松田 晶平; 横山 啓一; 矢板 毅; 小林 徹; 中島 信昭*
no journal, ,
最近我々は硝酸水溶液においてf-f遷移を介する共鳴多光子励起により引き起こる三価アメリシウム(Am)の酸化反応を見出した。本研究では硝酸イオン(NO
)がこの光酸化過程に与える影響を調べた。NO
活量依存性及び密度汎関数理論計算からAm
とNO
の錯体が始原系であり、中でも1:1錯体の寄与が大きいことが示唆された。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 奥村 雅彦; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; et al.
no journal, ,
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 奥村 雅彦; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; et al.
no journal, ,
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たず希ガスのラドンを生成するといった取り扱いの難しさから分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていなかった。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合的であり、さらに第一原理計算ではアナログ元素であるバリウムについても計算を実施し、両者の比較も行った。これらの結果を比較したところ、Raは粘土鉱物に対して内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。