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金村 祥平*; 高橋 優也*; 大森 孝*; 野平 俊之*; 坂村 義治*; 松村 達郎
電気化学, 88(3), p.289 - 290, 2020/09
原子力発電所で発生する使用済燃料を再処理すると、高レベル廃液,ガラス固化体等の高レベル放射性廃棄物が発生する。高レベル廃棄物には、白金族元素,レアアース等のレアメタルが含まれる。これらレアメタルの一部は、Pd-107, Cs-135, Se-79, Zr-93といった半減期が数十万年以上の長寿命核分裂生成物(LLFP)であるため、現在は化学的,物理的に地層処分環境では長期間安定なガラス固化体として処分することとなっている。しかし、高レベル廃棄物からのレアメタル回収や、核変換処理による安定核種または短寿命核種への変換が実現すれば、原子力発電の長年の課題であった高レベル廃棄物の大幅な低減と、廃棄物の再資源化が実現できる。ImPACTプログラムにおいて、少量の試薬添加で元素の分離操作が実現でき、二次廃棄物量を低減可能な電気化学プロセスに着目し、電気化学的手法を用いた高レベル廃棄物からのLLFP分離回収プロセスを開発した。この成果が認められ、電気化学会技術賞(棚橋賞)を受賞した。電気化学会の依頼により、学会誌への解説記事を掲載する。本稿では、開発した手法について簡潔に解説した。
吉岡 聰*; 鶴田 幸之介*; 山本 知一*; 安田 和弘*; 松村 晶*; 杉山 武晴*; 大場 洋次郎; 石川 法人; 小林 英一*; 奥平 幸司*
Journal of the American Ceramic Society, 103(8), p.4654 - 4663, 2020/08
被引用回数:2 パーセンタイル:12(Materials Science, Ceramics)高速重イオン照射によりMgAlO
スピネルに形成された損傷組織をX線吸収端近傍構造解析(XANES)とX線小角散乱法(SAXS)を用いて調べた。照射量が増加するとSAXSとXANESの両方で変化が見られた。SAXSでは、照射部に直径5nmの円柱状のイオントラックが観測された。XANESの結果は、四面体位置と八面体位置の間でカチオンの無秩序化が生じていることを示すものであった。さらに、XANESスペクトルの定量的な解析により、高照射量ではカチオンが八面体位置を優先的に占有することがわかった。
米田 安宏; 吉越 章隆; 竹田 幸治; 塩飽 秀啓; 松村 大樹; 菖蒲 敬久; 田村 和久
まてりあ, 58(12), p.763 - 769, 2019/12
文部科学省ナノプラットフォーム委託事業において、微細構造解析プラットフォームに属する各実施機関の提供している装置紹介である。
小林 大志*; 中嶋 翔梧*; 元川 竜平; 松村 大樹; 斉藤 拓巳*; 佐々木 隆之*
Langmuir, 35(24), p.7995 - 8006, 2019/06
被引用回数:3 パーセンタイル:19.11(Chemistry, Multidisciplinary)We report the hierarchical structure of zirconium hydroxide after aging at different temperatures to elucidate the factors governing zirconium solubility in aqueous solutions. Zirconium hydroxide solid phases after aging at 25, 40, 60, and 90C under acidic to alkaline conditions were investigated using extended X-ray absorption fine structure (EXAFS) and wide- and small-angle X-ray scattering (WAXS and SAXS) techniques to reveal the bulk and surface structures of the solid phases from the nanoscale to submicroscale. After aging at 25
C, the fundamental building unit of the solid phase was a zirconium hydroxide tetramer. The tetramers formed primary particles approximately 3 nm in size, which in turn formed aggregates hundreds of nanometers in size. This hierarchical structure was found to be stable up to 60
C under acidic and neutral conditions and up to 40
C under alkaline conditions. After aging at 90
C under acidic conditions and at 60 and 90
C under alkaline conditions, the WAXS and EXAFS measurements suggested the crystallization of the solid phase. The transformation of the solid-phase structure by temperature was discussed in relation to the solubility product to understand the solubility-limiting solid phase. The solubility of zirconium hydroxide after aging at different temperatures was governed not only by the size of the primary particles, but also by their surface configuration.
草野 翔吾*; 松村 大樹; 石井 賢司*; 田中 裕久*; 水木 純一郎*
Nanomaterials (Internet), 9(4), p.642_1 - 642_14, 2019/04
被引用回数:6 パーセンタイル:34.89(Chemistry, Multidisciplinary)The oxygen reduction reaction (ORR) on Pt/C in alkaline solution was studied by in situ high energy resolution X-ray absorption spectroscopy. To discuss the X-ray absorption near-edge structure (XANES), this paper introduced the rate of change of the (RCD), which is an analysis method that is sensitive to surface adsorption. The surface adsorptions as hydrogen (below 0.34 V), superoxide anion (from 0.34 V to 0.74 V), hydroxyl species (from 0.44 V to 0.74 V), atomic oxygen (above 0.74 V), and
-PtO
(above 0.94 V) were distinguished. It is clarified that the catalytic activity in an alkaline solution is enhanced by the stability of atomic oxygen and the low stability of superoxide anion/peroxide adsorption on the platinum surface.
吉岡 聰*; 鶴田 幸之介*; 山本 知一*; 安田 和弘*; 松村 晶*; 石川 法人; 小林 英一*
Physical Chemistry Chemical Physics, 20(7), p.4962 - 4969, 2018/02
被引用回数:5 パーセンタイル:24.6(Chemistry, Physical)MgAlO
中のカチオン(Mg, Al)は、通常は秩序だったサイトに配置されている。Mgは四面体位置、Alは八面体位置にある。しかし、スピネルに高速重イオンを照射すると、スピネル中のカチオンの配置が無秩序になることが予想される。カチオン配置の秩序度の変化を、放射光を利用したエックス線吸収端近傍構造の測定により評価した。その結果得られた実験データを、第一原理計算の結果と比較することによって、以下のことが分かった。照射に伴うMgの配置の変化とAlの配置の変化が整合しており、MgがAlサイトに、AlがMgサイトに乗り移る無秩序化が進んでいることが分かった。高照射量(1
10
ions/cm
)では、完全な配置の無秩序化が達成されることがわかった。
中村 詔司; 木村 敦; Hales, B. P.; 岩本 修; 津幡 靖宏; 松村 達郎; 芝原 雄司*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*
JAEA-Conf 2017-001, p.15 - 22, 2018/01
高レベル放射性廃棄物にかかわる環境負荷低減技術の基礎データとして、長寿命放射性核種の中性子核データが求められている。革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)が平成26年10月より開始された。その事業の中の「核反応データ取得(Project 2)」で、原子力機構のプロジェクト研究として"J-PARC/MLF/ANNRIにおける中性子捕獲反応断面積測定研究"を開始した。本プロジェクト研究では、高レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命核分裂生成核種(LLFP)のうち、Cs(半減期230万年)を選定し、中性子捕獲反応断面積を測定する。
Csを測定する際には、試料中に化学的に分離できない
Csが不純物として混在する可能性があり、
Csのデータを精度よく測定するためには、不純物である
Csの寄与を分ける必要がある。このために、併せて
Cs等の同位体核種の中性子捕獲断面積データも測定する。また、試料の入手が困難なLLFP核種のうち
Seについて、試料整備の可能性検討を行う。本発表では、ImPACT事業における本プロジェクト研究の開発計画の概要について、研究の目的、過去の報告データの現状、全体スケジュールと進捗などと併せて、現時点で得られている成果について発表する。
筒井 菜緒; 伴 康俊; 佐川 浩; 石井 翔; 松村 達郎
Solvent Extraction and Ion Exchange, 35(6), p.439 - 449, 2017/08
被引用回数:4 パーセンタイル:16.85(Chemistry, Multidisciplinary),
-ジ(2-エチルヘキシル)オクタンアミド(DEHOA)による硝酸溶液中のウランに対する単段のバッチ抽出試験を行い、U(VI)の分配比計算式として
= 1.1
を導出した。硝酸の分配についても評価を行い、分配比計算式として
= 0.12
を得た。さらに、DEHOAのU(VI)抽出の時間依存性及びU(VI)負荷容量評価のためのバッチ試験も行った。DEHOAによるU(VI)抽出は数分以内に抽出平衡に達し、DEHOAと硝酸の濃度がそれぞれ1.5及び3Mのときの負荷容量は0.71Mであった。
草野 翔吾*; 松村 大樹; 朝澤 浩一郎*; 岸 浩史*; 坂本 友和*; 山口 進*; 田中 裕久*; 水木 純一郎*
Journal of Electronic Materials, 46(6), p.3634 - 3638, 2017/06
被引用回数:3 パーセンタイル:20.35(Engineering, Electrical & Electronic)A method combining cyclic voltammetry (CV) with X-ray absorption fine structure (XAFS) spectroscopy, viz. CV-XAFS, has been developed to enable in situ real-time investigation of atomic and electronic structures related to electrochemical reactions. We use this method to study the reaction of a Pt/C cathode catalyst in the oxygen reduction reaction (ORR) in an alkaline electrolyte. It was found that the current induced by the ORR was first observed at approximately 0.08 V versus Hg/HgO, although the Pt valence remained almost unchanged. The electronic structure of the catalytic surface in the ORR was observed to be different in the negative and positive scan directions of CV measurements. Hydrogen adsorption is also discussed on the basis of the observation of this spectral change. We have demonstrated that CV-XAFS provides dynamical structural and electronic information related to electrochemical reactions and can be used for in situ real-time measurements of a catalyst.
飯本 武志*; 木下 哲一*; 坂口 綾*; 杉原 真司*; 高宮 幸一*; 田上 恵子*; 長尾 誠也*; 別所 光太郎*; 松村 宏*; 三浦 太一*; et al.
KEK Report 2016-3, 134 Pages, 2017/03
本報告書は、東電福島第一原子力発電所事故の後、高エネルギー加速器研究開発機構で開催された第13回(2012年)第17回(2016年)「環境放射能」研究会で報告された同事故に関連する取り組みを中心に、事故後5年間の関連する環境放射能研究をとりまとめたものである。
筒井 菜緒; 伴 康俊; 佐川 浩; 石井 翔; 松村 達郎
Proceedings of 5th International Conference on Asian Nuclear Prospects 2016 (ANUP 2016) (CD-ROM), 2 Pages, 2016/10
単段バッチ法により,
-ジ(2-エチルヘキシル)オクタンアミド(DEHOA)の硝酸中のウランに対する抽出特性を調べた。硝酸イオン濃度が2.0-3.0mol/dm
のとき、DEHOAがウランを効率的に抽出するという実験結果を得た。
鈴木 智也; 嶋崎 翔馬*; 森田 圭介; 佐々木 祐二; 小澤 正基*; 松村 達郎
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.1539 - 1543, 2015/09
-trimethylglycineを官能基とするイオン交換樹脂(AMP03)の硝酸水溶液中のRu, Rh, Pdに関する吸着挙動を明らかにするために、吸着試験を行った。その結果、AMP03はPd(II)に関して高い吸着能を有することが明らかになった。一方、RuやRhに関しても低硝酸濃度での吸着が見られた。さらに、Ru(III), Rh(III), Pd(II)に関するAMP03の吸着能の制御が可能か、水相にtriethylamine, thiourea、またはbetaine anhydrousを加えることで検討した。結果として、本研究におけるtriethylamineの添加条件では、Ru(III)及びRh(III)に関するAMP03の吸着能の大幅な向上が確認された。Pd(II)に関しては、ほとんど変化がなかった。一方、thiourea及びbetaine anhydrousについては、Pd(II)に関する吸着能の大きな低下が確認された。Ru(III)及びRh(III)の吸着能についての変化も確認されたが比較的に、わずかなものであった。これらの結果は、AMP03及び各配位子の利用によって、AMP03へのRu, Rh, Pdの効率的な吸脱着が可能であると示唆している。
高木 聖也*; 安田 和弘*; 山本 知一*; 松村 晶*; 石川 法人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 326, p.140 - 144, 2014/05
被引用回数:38 パーセンタイル:94.94(Instruments & Instrumentation)透過型電子顕微鏡を利用した観察技術を駆使して、高エネルギー重イオン(200MeV Xe)を照射したCeOに形成された柱状欠陥集合体(イオントラック)の原子配列構造を詳細に調べた。高分解能Z(原子番号)コントラスト像(HAADF像)の観察結果によると、イオントラック内部のCe副格子の結晶構造は照射後も保持されていること、ただし、Ce副格子に起因する信号強度が減少している4-5nm径の領域が形成されていることが分かった。さらに、環状明視野(ABF)法による観察結果によると、O副格子の方がCe副格子よりも顕著に乱れていること、O副格子が乱れている4nm径領域が形成されていることが分かった。
安田 和弘*; 江藤 基稀*; 澤田 憲一*; 山本 知一*; 安永 和史*; 松村 晶*; 石川 法人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 314, p.185 - 190, 2013/11
被引用回数:33 パーセンタイル:92.56(Instruments & Instrumentation)核燃料模擬物質CeOにおいて、高エネルギー核分裂片による照射損傷形態を詳細に調べるために、210MeV Xeイオンの照射量を系統的に変えた試料をそれぞれ透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、イオンの軌跡から動径方向に半径8.4nmの範囲で、既に形成されていたイオントラックが消滅すること(照射アニーリング)が分かった。したがって、CeO
中の高エネルギーイオンの通過によって、イオントラックの形成および転位ループの形成が引き起こされるだけでなく、照射アニーリングの効果も存在することが初めて示された。イオンの影響領域が、繰り返し重畳する1
10
ions/m
の高照射量領域では、転位ループ(ドットコントラスト)や転位線も観察されることが分かった。この高照射量領域になると、高密度の転位蓄積が転位壁を形成したことに起因すると考えられる微小結晶粒の形成も観察された。
安田 和弘*; 山本 知一*; 江藤 基稀*; 川副 慎治*; 松村 晶*; 石川 法人
International Journal of Materials Research, 102(9), p.1082 - 1088, 2011/09
被引用回数:9 パーセンタイル:47.53(Metallurgy & Metallurgical Engineering)原子炉照射環境において優れた耐照射損傷性を示すスピネル結晶について、高い耐照射損傷性のメカニズムを原子レベルで解明することを目的として、高速重イオン照射に伴うMgAlO
スピネルの照射損傷を、高分解能透過型電子顕微鏡法及び高角度分解電子チャネリングX線分光法を駆使して精密に調べた。その結果、イオンの通過する軌跡に沿って形成される損傷領域は、中心部分にNaCl型結晶構造に相転移した領域(直径約1nm)、その周辺部にMgとAlの原子サイト間移動が起きている乱れ領域(直径約10-12nm)の多重構造で構成されることが明らかになった。
松村 哲夫*; 松浦 祥次郎*; 森 貴正
日本原子力学会誌ATOMO, 51(4), p.250 - 253, 2009/04
日本原子力学会は2009年2月に創立50周年を迎え、50周年記念号(学会誌2009年4月号)を発刊した。本稿は、記念号のために、炉物理部会(旧炉物理連絡会)にかかわる研究活動を黎明期を中心に取りまとめたものであり、臨界実験が果たした役割、及び国際的交流の場としてのOECD/NEAと炉物理研究特別専門委員会の活動を振り返るとともに、今後の取組みと課題を提示している。
安達 基泰; 大原 高志; 栗原 和男; 玉田 太郎; 本庄 栄二郎; 岡崎 伸生; 新井 栄揮; 正山 祥生; 木村 要*; 松村 浩由*; et al.
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 106(12), p.4641 - 4646, 2009/03
被引用回数:111 パーセンタイル:91.05(Multidisciplinary Sciences)本研究では、プロテアーゼとその医薬品候補分子との分子間相互作用を原子レベルで解明することを目的として、阻害剤との複合体の中性子結晶構造解析を実施した。タンパク質の中性子結晶構造解析を行うには、高品質な大型結晶作成のために大量のタンパク質試料が必要となる。本研究では、コドン配列を最適化した人工遺伝子を合成することで効率的な大腸菌発現系を構築し、プロテアーゼの大量調製系を確立した。そして逆相クロマトグラフィーを用いることで自己分解物を完全に除去した純度の高い試料を調製して結晶化を行った。得られた結晶を用いてJRR-3に設置しているBIX-4にて中性子回折データを収集した結果、1.9の回折データを得ることができた。プログラムPHENIXにより中性子とX線の同時精密化を実施し、世界で初めてHIV-1プロテアーゼの中性子結晶構造解析に成功した。重水素原子の存在と位置を確認するためにオミットマップを作成したところ、顕著な2つのピークを得た。プロトン化された触媒残基及び阻害剤のヒドロキシル基の構造を水素原子を含めて実験で初めて明らかにすることができた。
松村 浩由*; 安達 基泰; 杉山 成*; 岡田 詩乃*; 山上 恵*; 玉田 太郎; 日高 興士*; 林 良雄*; 木村 徹*; 木曽 良明*; et al.
Acta Crystallographica Section F, 64(11), p.1003 - 1006, 2008/11
被引用回数:17 パーセンタイル:78.09(Biochemical Research Methods)本論文では、HIV-1プロテアーゼと薬剤候補分子であるKNI-272との複合体の結晶化と予備的中性子結晶構造解析について報告する。この中性子回折研究の目的は、水素原子の構造情報を得ることと活性中心の2つのアミノ酸残基の解離状態を決定することである。結晶化は、2液法を除冷法を組合せて、さらにマクロシーディングを繰り返し、1.4mmのサイズの結晶を得た。中性子回折データは、原子力機構のJRR-3に設置してあるBIX-4を用いて室温にて行った。回折データの分解能2.3
、空間群はP2(1)2(1)2、格子定数は、a=59.5, b=87.4, c=46.8
であった。
木下 幹康*; Geng, H. Y.*; Chen, Y.*; 金田 保則*; 岩沢 美佐子*; 大沼 敏治*; 園田 健*; 安永 和史*; 松村 晶*; 安田 和弘*; et al.
Proceedings of 2006 International Meeting on LWR Fuel Performance (TopFuel 2006) (CD-ROM), p.248 - 254, 2006/10
ニュー・クロスオーバー・プロジェクト(NXO)は、核燃料物質に対する核分裂放射線照射の影響を大学,国立・私立の研究所に渡る横断的な協力研究により検討している。加速器照射実験及び計算科学的手法を使用して、高燃焼度軽水炉燃料ペレットでリム構造を構成する機構を解明するためのシミュレーション研究が実施されている。加速器照射,高エネルギー電子線照射,核分裂エネルギー粒子線及び希ガス原子のイオン注入等が実施されている。照射試料としては、CeOを核燃料の模擬物質として使用した。最初の成果として、高エネルギー電子照射による平面構造形成、及び、高線量の高エネルギー粒子放射による結晶粒微細化に似た表面改質が観察された。第一原理及び分子動力学(MD)計算を用いた解析を実施し、UO
とCeO
の点欠陥形成エネルギー及び点欠陥を伴ったXe原子の相互作用についての情報が得られた。
山本 知一*; 島田 幹夫*; 安田 和弘*; 松村 晶*; 知見 康弘; 石川 法人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 245(1), p.235 - 238, 2006/04
被引用回数:11 パーセンタイル:60.62(Instruments & Instrumentation)高速重イオン(200MeV Xe及び350MeV Au
)を照射したマグネシア-アルミナ系スピネル(MgO
Al
O
(
=1.1及び2.4))の微細構造変化と原子配列の不規則化過程について調べた。透過型電子顕微鏡による明視野像と高分解能像、及び高角度分解能電子チャンネリングX線分光法(HARECXS)を用いて照射誘起構造変化の定量分析を行った。イオン入射面の明視野像では、直径4
7nmの円柱状の黒いコントラストが観測された。複数のイオントラックが隣接して生成された場合には強い歪コントラストが見られた。また高分解能像では、イオントラック内においても鮮明な格子像が観測された。このことは、スピネル結晶はイオントラックに沿って部分的に不規則化しており、アモルファス化していないことを示している。HARECXS法による定量分析では、陽イオンの不規則化がイオン照射量に伴って進行しており、不規則化領域はイオントラックに沿った直径12
2nmの範囲に広がっていることがわかった。これは明視野像や高分解能像で観測されたイオントラックの大きさより広範囲である。