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松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 横田 裕一郎; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 86, 2008/03
放射線による突然変異生成プロセスには、DNA修復機構が大きく関与すると考えられている。特に重粒子線照射の場合、相同組換えや非相同末端結合反応による二本鎖切断修復の関与が大きいと考えられる。そこで本研究では、野生株及び二本鎖切断修復機構を欠損した株()を用い、高LETの重粒子線による分子レベルでの損傷を、相同組換え,非相同末端結合反応それぞれ独立に調べることで、突然変異誘発の過程をクロマチン損傷と修復経路の観点から明らかにすることを目的とした。変異位置並びにヌクレオソームマッピングのデータと比較した結果、野性株ではリンカーDNA領域に局所的に突然変異が誘発されていた。一方、二本鎖切断修復欠損株
株及び
株では、変異はヒストンタンパクと結合した領域で特異的に生成した。このことは修復メカニズムの差異によって固定される変異が異なるということを示している。
松尾 洋一*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 鳴海 一成; 大藪 榮興*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 79, 2008/03
ユズは樹体に長いトゲが発生するため、栽培管理上障害となっている。さらに、トゲによる刺し傷はキズ果や腐敗果の発生など果実の商品性を低下させる。そこで、ユズ実生の胚軸断面からシュートを再生させる培養系に重イオンビームを照射しトゲ消失変異体の作出を試みた。今回はシュート再生率などを指標とした照射条件や変異体作出に最適な線量の検討を行うとともに、再生シュートを育成し、トゲ消失変異個体を得たので報告する。各線量区とも200個体前後に照射を実施した結果、2Gy区で完全無刺個体を獲得することができた。また、トゲの発生がほとんど見られない個体は1Gyを除き各線量とも出現した。これらの個体以外に、初期生育が緩慢で判断がつかない個体もあったため、ラフレモン等に寄せ接ぎを実施し確認を急ぎたい。
豊嶋 厚史; 羽場 宏光*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 秋山 和彦*; 後藤 真一*; 石井 康雄; 西中 一朗; 佐藤 哲也; 永目 諭一郎; et al.
Radiochimica Acta, 96(3), p.125 - 134, 2008/03
被引用回数:29 パーセンタイル:84.99(Chemistry, Inorganic & Nuclear)Cm(
O,5n)
Rf反応により104番元素ラザホージウム(Rf)を生成し、陰イオンフッ化物錯体の形成を陰イオン交換法を用いて調べた。フッ化物イオン濃度0.0005-0.013MでRfヘキサフルオロ錯体[RfF
]
が形成することを初めて明らかにした。[RfF
]
の形成は同族元素Zr, Hfのヘキサフルオロ錯体と著しく異なり、[RfF
]
の錯形成定数は同族元素Zr, Hfの錯形成定数より少なくとも一桁小さいことを明らかにした。
羽場 宏光*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 石井 康雄; 當銘 勇人; 佐藤 哲也; 西中 一朗; 市川 隆俊; 市川 進一; et al.
Radiochimica Acta, 95(1), p.1 - 6, 2007/01
被引用回数:16 パーセンタイル:71.20(Chemistry, Inorganic & Nuclear)逆相抽出クロマトグラフ法を用い、7.2-8.0M塩酸溶液中におけるラザホージウム(Rf)並びにその軽同族体Zr, Hfのトリブチルりん酸(TBP)への溶媒抽出挙動を調べた。Rf, Zr並びにHfの抽出率が塩酸濃度の増加とともに増加し、抽出されやすさの順列がZrHf
Rfであることが明らかとなった。これら三元素の塩化物錯体の形成順列を考慮すると、Rf四塩化物のTBP錯体の安定性がZr, Hfよりも低いことが示唆される。
松尾 裕一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*
Mutation Research; Fundamental and Molecular Mechanisms of Mutagenesis, 602(1-2), p.7 - 13, 2006/12
被引用回数:31 パーセンタイル:59.93(Biotechnology & Applied Microbiology)真核生物におけるイオンビーム誘発突然変異の特徴を解析する目的で、出芽酵母に対する炭素イオン照射の効果を
線照射の効果と比較した。酵母
遺伝子をマーカーとして、炭素イオンビームによって誘発された54個の
突然変異をシークエンスし、突然変異の特異性を解析した。その結果、炭素イオンビームによって誘発された突然変異の種類は、トランスバージョンが68.7%, トランジションが13.7%で、挿入/欠失は17.6%であった。トランスバージョンはおもに、G:C塩基対からT:A塩基対へ置換であったのに対し、トランジションのすべてはG:C塩基対からA:T塩基対への置換であった。突然変異が生じた塩基の周辺の配列を比較すると、ACA又はACT配列の真ん中のCが置換されているケースが多く見られた。高等植物であるシロイヌナズナに対しては、イオンビームは短い欠失や染色体の再編成を生じさせることが報告されているが、これとは対照的に酵母では大きな欠失や配列の重複はみられなかった。さらに、酵母におけるイオンビーム誘発突然変異で最も特徴的だったのは、ヌクレオソーム構造のリンカー領域の付近に変異が集中し、ホットスポットを形成している点である。一方、
線ではこのようなホットスポットは見られなかった。このことから、炭素イオンビームは、DNA配列とヌクレオソーム構造の両方に依存して突然変異を誘発させていることが示唆された。
永目 諭一郎; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 秋山 和彦; 石井 康雄; 佐藤 哲也; 平田 勝; 西中 一朗; 市川 進一; et al.
Radiochimica Acta, 93(9-10), p.519 - 526, 2005/00
被引用回数:31 パーセンタイル:87.27(Chemistry, Inorganic & Nuclear)東海研究所タンデム加速器を用いて進めてきた超重元素(104番元素)ラザホージウム(Rf)の単一原子レベルでの化学挙動研究について報告する。特に短寿命(78秒)で数分間に1原子の割合で生成するRfのイオン交換挙動を調べるために開発した自動迅速イオン交換分離装置の概要を紹介する。また最近得られたRfのフッ化物錯体のイオン交換挙動について詳しく述べる。これはRfのフッ化水素酸溶液中での陰イオン交換挙動が、周期表同族元素であるジルコニウムやハフニウムの挙動とは大きく異なっていて、Rfのフッ化物形成に相対論効果が寄与している可能性を指摘する興味深い結果である。
豊嶋 厚史; 羽場 宏光*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 秋山 和彦; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 雑賀 大輔*; 松尾 啓司*; 佐藤 渉*; et al.
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 5(2), p.45 - 48, 2004/12
フッ化水素酸溶液系での陰イオン交換クロマトグラフィーにおける104番元素ラザホージウムの溶離曲線を、単一原子レベルで初めて測定した。5.4モルフッ化水素酸中での分配係数を溶離曲線のピーク容量から286mL/gと決定した。
松尾 洋一*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 吉原 亮平; 横田 裕一郎; 鳴海 一成; 大藪 榮興*
no journal, ,
ユズは樹体に長いトゲが発生するため、栽培管理上障害となっている。さらに、トゲによる刺し傷はキズ果や腐敗果の発生など果実の商品性を低下させる。そこで、ユズ実生の胚軸断面からシュートを再生させる培養系に重イオンビームを照射しトゲ消失変異体の作出を試みた。シュート再生率などを指標とした照射条件や変異体作出に最適な線量の検討を行った。その結果を受け、2線量区で再生シュートを育成しトゲ消失変異候補個体を作出した。さらに、育成した候補個体の果実品質を確認するため、12年生温州ミカン(大津4号)に高接ぎを実施した。
塚田 和明; 豊嶋 厚史; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 秋山 和彦*; 石井 康雄; 當銘 勇人*; 西中 一朗; 佐藤 哲也; 市川 隆俊; et al.
no journal, ,
Rf及び同族元素のZr, Hfの塩酸系並びに塩酸メタノール混合系における陰イオン交換挙動を調べ、3者の吸着挙動が類似した傾向を示すことを明らかにした。また、同溶液中におけるZr及びHfの錯イオン形成及び樹脂への吸着化学種に関する情報をEXAFS法によって得た。その結果、Zr及びHfの吸着挙動変化は、塩素が6配位した陰イオン錯体の形成とよく一致し、同様の挙動を示すRfも同溶液中で[RfCl]
という構造をとることが推測できる。
豊嶋 厚史; 羽場 宏光*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 秋山 和彦*; 石井 康雄; 當銘 勇人*; 西中 一朗; 佐藤 哲也; 市川 隆俊; et al.
no journal, ,
本研究では、7.0-8.0M塩酸(HCl)溶液系においてラザホージウム(Rf)のTBP逆相抽出クロマトグラフ挙動を系統的に調べ、同族元素Zr及びHfとの抽出率の順列を明らかにした。原子力機構タンデム加速器施設において、それぞれCm(
O,5n)反応並びにGd(
O,xn)反応によって合成した
Rf,
HfをHe/KClガスジェット法により
線測定装置結合型化学分離装置まで搬送した。捕集した生成物を濃HCl溶液に溶解した後、
Rf並びに
HfをTBP逆相抽出カラム(内径1.6mm,長さ7.0mm)に吸着させた。その後、7.0-8.0M HCl溶離液を流し、溶出液をTa皿に捕集した。さらに、4.0M HCl溶離液を流してカラムに残った
Rfと
Hfを溶出させ、溶出液を別のTa皿に捕集した。二つのTa皿を強熱して溶出液を蒸発乾固させた後、
線をPIPS検出器を用いて測定し、また
線をGe検出器を用いて測定した。その結果、Rfの吸着率はHfのそれと同じかあるいは小さく、またZrの吸着率はRf及びHfのそれよりも明らかに大きいことがわかった。吸着率の順列はZr
Hf
Rfであることが明らかとなった。
塚田 和明; 豊嶋 厚史; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 秋山 和彦*; 石井 康雄; 當銘 勇人; 西中 一朗; 佐藤 哲也; 市川 進一; et al.
no journal, ,
タンデム加速器において合成される104番元素Rfと同族元素のZr, Hfを対象に、塩酸系並びに塩酸メタノール混合系における陰イオン交換挙動を調べた。その結果、3者の吸着挙動が類似した傾向を示すことを明らかにした。また、同溶液中におけるZr及びHfの錯イオン形成及び樹脂への吸着化学種に関する情報をEXAFS法によって得た。EXAFSから得られたZr及びHfの吸着挙動変化は、塩素が6配位した陰イオン錯体の形成とよく一致し、塩酸溶液中におけるイオン交換樹脂への吸着挙動がほぼ同じ挙動を示すRfも、同溶液中で[RfCl]
という構造をとることが推測できる。
松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*
no journal, ,
出芽酵母における
線及び重粒子線による突然変異誘発では、グアニンの酸化型前駆体である8-oxodGの生成が突然変異誘発に大きく寄与することを報告してきた。本研究では、出芽酵母野性株及び8-oxodGの除去修復遺伝子が不活性な
株を用い、重粒子線による突然変異誘発の過程を修復経路の観点から明らかにすることを目的とした。最も突然変異の頻度が高かった100Gy照射条件で突然変異株を選抜し、
遺伝子領域(804bp)における変異位置をシーケンス解析によって決定した。野性株及び
株ともに塩基置換の頻度が高く、特に
株では変異のすべてが置換変異であった。また
株ではG・CからT・Aのトランスバーションが70%を占め、野性株の場合と比較して有意な差を示した。これは
株では誤挿入された8-oxodGの除去がなされないためであると考えられる。これらの結果から、重粒子線照射による突然変異はヌクレオチドプールの酸化及び誤挿入のプロセスが大きく寄与することが推測された。
長谷 純宏; 横田 裕一郎; 鳴海 一成; 松尾 洋一*; 大藪 榮興*
no journal, ,
ユズは樹体に長いトゲが発生するため、栽培管理上障害となっている。さらに、トゲによる刺し傷はキズ果や腐敗果の発生など果実の商品性を低下させる。そこで、ユズ実生の胚軸断面からシュートを再生させる培養系に重イオンビームを照射しトゲ消失変異体の作出を試みた。今回はシュート再生率などを指標とした照射条件や変異体作出に最適な線量の検討を行うとともに、再生シュートを育成し、トゲ消失変異個体を得たので報告する。各線量区とも200個体前後に照射を実施した結果、2Gy区で完全無刺個体を獲得することができた。また、トゲの発生がほとんど見られない個体は1Gyを除き各線量とも出現した。これらの個体以外に、初期生育が緩慢で判断がつかない個体もあったため、ラフレモン等に寄せ接ぎを実施し確認を急ぎたい。
松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*
no journal, ,
放射線を用いた突然変異による育種技術として、イオンビームが注目されている。本研究ではイオンビーム照射による育種技術のさらなる発展に寄与するため、カーボンイオンビーム並びに線による突然変異への寄与について酵母細胞を用い、分子レベルでの解析を行った。S.cerevisiaeのS288c(RAD+),二本鎖切断修復不活性株であるrad52、及び酸化型前駆体8-oxodGTPの除去活性を失ったogg1株を用いた。最も突然変異の頻度が高かった照射条件を用いて突然変異の誘発を行い、URA3領域(804bp)についてPCR法を用い増幅させ、変異位置をシーケンス解析によって決定した。二本鎖切断修復不活性株であるrad52の感受性は高く、一方ogg1は野生型に近い生存率を示した。これはイオンビーム照射によって生成した二本鎖切断による致死効果が高いことと、照射によって発生した酸化型前駆体が致死性ではないことを示している。シーケンス解析の結果、イオンビーム照射では局所的に変異が起こる部位(ホットスポット)が見られるが、
線では確認できなかった。この野性株において重粒子線による変異が局所的に起こる部位と、リンカーDNAの領域が一致することが示された。