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田端 千紘*; 松村 武*; 中尾 裕則*; 道村 真司*; 垣花 将司*; 稲見 俊哉*; 金子 耕士; 辺土 正人*; 仲間 隆男*; 大貫 惇睦*
Journal of the Physical Society of Japan, 88(9), p.093704_1 - 093704_5, 2019/09
被引用回数:37 パーセンタイル:88.10(Physics, Multidisciplinary)The magnetic order in the magnetic-fild-induced so-called A phase of cubic chiral antiferromagnet EuPtSi was investigated by resonant X-ray scattering (RXS) near the Eu edge. The high flux RXS signal under the magnetic field applied along [111] revealed the first and second order satellite magnetic reflections, indicating that the A phase is a triple- magnetic ordered state that is described by three propagation vectors lying in the plane normal to the magnetic field direction; , , and . With the high resolution in the reciprocal space achieved in the RXS measurement, it is suggested that the triple- order strongly couples with the underlying crystal lattice. The triple- magnetic order is discussed in the context of a magnetic skyrmion lattice on which the geometrical frustration may play a crucial role.
稲見 俊哉; 道村 真司*; 林 佑弥*; 松村 武*; 世良 正文*; 伊賀 文俊*
Physical Review B, 90(4), p.041108_1 - 041108_5, 2014/07
被引用回数:9 パーセンタイル:37.68(Materials Science, Multidisciplinary)高分解能X線回折実験をCeLaBに対して行った。この化合物は=1.4K以下で反強八極子秩序(AFO)を示し、このAFO相では強四極子とそれに伴う菱面体歪みが誘起されることが理論的に示唆されている。我々は、以下でのBragg反射の分裂を観測し、ユニットセルは[111]に伸びた菱面体であることを見出した。我々はさらに誘起四極子の大きさを得られた剪断歪みから評価し、AFO相で四極子は縮んでいないことを見出した。
松田 康弘*; Her, J.-L.*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 海老原 孝雄*; 網塚 浩*
JPS Conference Proceedings (Internet), 3, p.011044_1 - 011044_6, 2014/06
CeRhSiの放射光X線吸収実験を32Tまでのパルス強磁場下で行った。Ceの価数は5Kで3+よりわずかに大きく、20T以上の磁場印加に伴い減少する。磁場誘起の価数変化は磁化過程のメタ磁性転移に対応している。この現象は我々の以前に行ったCeRuSiの結果に似ており、Ce系重い電子系化合物に共通の現象と思われる。
松村 武*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 大坪 亨*; 谷田 博司*; 伊賀 文俊*; 世良 正文*
JPS Conference Proceedings (Internet), 3, p.014008_1 - 014008_6, 2014/06
CeLaBの1.5K以下の型反強八極子秩序相(AFO)を磁場中共鳴X線回折法で研究し、AFO相の磁場誘起の多極子を同定した。 4重項結晶場基底状態における型AFO相に対する平均場近似では、とが最も誘起される反強四極子と予想される。しかし、この予想に反して、主な誘起モーメントは型反強四極子と分かった。
松村 武*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 林 佑弥*; 伏屋 健吾*; 松田 達磨*; 東中 隆二*; 青木 勇二*; 菅原 仁*
Physical Review B, 89(16), p.161116_1 - 161116_5, 2014/04
被引用回数:15 パーセンタイル:53.13(Materials Science, Multidisciplinary)SmRuPのK以下の反強磁性相とと(=14K)間の中間相を共鳴と非共鳴のX線回折法で研究した。中間相では非共鳴の=(1,0,0)のThomson散乱が磁場によって誘起される。この現象は理論的に予言されているバンドの電荷秩序を反映した原子変位によって引き起こされている。同時にSmの磁場方向の反強磁性モーメントが強調され、これは結晶場状態の交互配列を反映していると考えられる。この結果は、軌道に依存した-混成とpバンドのネスティング不安定性がPrRuPやPrFePと同様な非従来型電荷秩序を引き起こしていることを示している。
松村 武*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 大坪 亨*; 谷田 博司*; 伊賀 文俊*; 世良 正文*
Physical Review B, 89(1), p.014422_1 - 014422_13, 2014/01
被引用回数:14 パーセンタイル:50.95(Materials Science, Multidisciplinary)CeLaBの多極子秩序相(IV相)を磁場中共鳴X線回折法で研究した。入射X線の直線偏光を回転するダイアモンド移相子と結晶アナライザを用いることにより全偏光解析を行い、磁場中の秩序変数を同定した。解析結果は、四極子がより磁場によってより誘起されることを示しており、これはが主要な誘起秩序変数であるとする平均場計算の結果と一致しない。したがって、我々は、四極子の大きな揺らぎが八極子秩序の背後に隠れていると考えている。
田端 千紘*; 稲見 俊哉; 道村 真司*; 横山 淳*; 日高 宏之*; 柳澤 達也*; 網塚 浩*
Philosophical Magazine, 94(32-33), p.3691 - 3701, 2014/00
被引用回数:16 パーセンタイル:58.29(Materials Science, Multidisciplinary)We performed synchrotron X-ray diffraction measurements on a small single crystal of URuSi. A backscattering diffraction setup (2) in combination with a Si(6 6 0) monochromator ensures a high instrumental resolution of , where denotes a lattice-plane spacing and is its spread expressed as the full width at half maximum (FWHM). We carefully measured the (5 5 0) Bragg peak in the temperature range between 5 and 25 K, and found it to show no signature of broadening and splitting when "Hidden Order (HO)" sets in below 17.5 K. Temperature variation of the peak position closely follows the behaviour of the known linear thermal expansion coefficient. Detailed analysis of the peak width reveals that the tetragonal fourfold rotational symmetry of URuSi is conserved in HO within the experimental accuracy of the orthorhombicity of .
中井 裕人*; 海老原 孝雄*; 筒井 智嗣*; 水牧 仁一朗*; 河村 直己*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 中村 俊幸*; 近藤 晃弘*; 金道 浩一*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 82(12), p.124712_1 - 124712_5, 2013/12
被引用回数:9 パーセンタイル:52.91(Physics, Multidisciplinary)重い電子化合物であるYbRhSiのYb価数の温度磁場依存性をX線吸収分光で観測した。測定からは、何れも突然の変化なしに、Yb価数が2Kから200Kの範囲で温度の下降に伴い減少することと、0Tから33Tの範囲で磁場の増加に伴い増加することが明かになった。Ybの価数は、磁場と温度に依存して、2.92から2.96の範囲であった。価数が2Kでは0Tで2.92で33Tで2.93である点で、YbRhSiは価数揺動状態にあることがわかり、高磁場でも整数価数に届かない。これらの結果はYbの価数が整数価数の3+に非常に近く、降温に伴い減少し、磁場の印加に伴い3+に近づくというこれまでの知識を支持するものである。
松田 康弘*; 中村 俊幸*; 久我 健太郎*; 中辻 知*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 河村 直己*; 水牧 仁一朗*
Journal of the Korean Physical Society, 62(12), p.1778 - 1781, 2013/06
被引用回数:10 パーセンタイル:55.16(Physics, Multidisciplinary)-および-YbAlB中のYbイオンの価数をX線吸収および発光分光で2Kから280Kの温度範囲で測定した。価数は温度とともに3価に向かってゆっくり増加し、価数揺動の特性温度は約290Kと分かった。40Kで32Tまでの磁場を印可しYbの価数のわずかな増加(0.002)も観測した。
稲見 俊哉; 道村 真司*; 松村 武*
Journal of Physics; Conference Series, 425(13), p.132011_1 - 132011_5, 2013/03
被引用回数:6 パーセンタイル:90.08(Instruments & Instrumentation)共鳴X線回折は軌道,磁気,電荷秩序を検出する有力な手法である。秩序変数の対称性は入射偏光と秩序パラメータの相対角依存性から決定される。極限環境下での測定に適した新しい方法では、これは、ダイヤモンド移相子を使って入射偏光回転させることによって達成される。この手法の問題点は低エネルギーX線の強度が減少することである。高い偏光度とX線強度を両立させるためわれわれは2つのダイヤモンド移相子を用い色収差補正をした光学系を構築した。SPring-8 BL22XUでのテスト実験では、300ミクロン2枚の移相子で96%の直線偏光度を6.15keVで達成した。これは、500ミクロン1枚での90%の偏光度にくらべ格段の進歩である。
前田 裕貴*; 石黒 友貴*; 本田 孝志*; Jung, J.-S.*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 木村 剛*; 若林 裕助*
Journal of the Ceramic Society of Japan, 121(3), p.265 - 267, 2013/03
被引用回数:6 パーセンタイル:33.84(Materials Science, Ceramics)磁気容量性物質SmMnOの構造変化を磁場中X線回折実験から研究した。この反強磁性体は数テスラの磁場が印加されたときのみ誘電率に9Kで跳びを示す。磁場中X線回折実験からはc面内(Pbnm)の原子変移を伴う構造変化はないことが明らかになったが、60Kでの反強磁性転移によりMnO八面体の大きな回転が生じることがわかった。この回転は交換相互作用を通したエネルギーの獲得を最大にするように起こっている。
中村 俊幸*; 松田 康弘*; Her, J.-L.*; 金道 浩一*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 水牧 仁一朗*; 河村 直己*; 鈴木 基寛*; Chen, B.*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(11), p.114702_1 - 114702_11, 2012/11
被引用回数:11 パーセンタイル:56.91(Physics, Multidisciplinary)価数揺動系であるYbAgCuのX線吸収分光と円二色性の測定を35Tまで行い、得られた価数のH-T相図と磁化を比較することから、メタ磁性転移の起源が価数転移であることを明らかにした。円二色性はYbでのみ観測され、Ybでは観測されなかった、一方で、四重極遷移に伴う円二色性スペクトルを観測し、理論計算からこれを明らかにした。
松田 康弘*; 中村 俊幸*; Her, J. L.*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 金道 浩一*; 海老原 孝雄*
Physical Review B, 86(4), p.041109_1 - 041109_4, 2012/07
被引用回数:9 パーセンタイル:37.28(Materials Science, Multidisciplinary)典型的な重い電子系物質であるCeRuSiにおけるCeの価数状態を1.8Kで40Tまでの強磁場下で放射光X線吸収分光法から研究した。価数は重い電子状態から予想されるように3価よりわずかに大きく、磁場の印加に伴い3価へ向かって減少した。磁場誘起の価数減少はCeRuSi中の4電子の遍歴性が強磁場によって抑制されたことを示している。抑制は緩やかでかつ8T近傍のメタ磁性転移を反映して特徴的な磁場依存性を示した。
道村 真司*; 稲見 俊哉; 松岡 英一*; 綿引 正倫*; 谷垣 勝己*; 小野寺 秀也*
Journal of the Physical Society of Japan, 81(4), p.044711_1 - 044711_5, 2012/04
被引用回数:5 パーセンタイル:37.70(Physics, Multidisciplinary)CePdSの共鳴X線回折実験を強磁性転移温度6.3K以下の四極子秩序構造を調べる目的でCeの吸収端で行った。CePdSの磁気構造はキャント角51度でキャントした強磁性と報告されており、したがって、この複雑な磁気構造の原因として四極子の同時秩序が考えられている。われわれは、禁制反射003と104の回折強度を方位角の関数として-'と-'の両方のプロセスに対し観測し、型の反強四極子秩序が磁気秩序と共存していることを明らかにした。この結果からCePdSの磁気構造はキャント構造ではなくフェリ磁性になっていると推論し、また、四極子もまた一次の秩序変数であると結論した。
松田 康弘*; 中村 俊幸*; Her, J.-L.*; 金道 浩一*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 水牧 仁一朗*; 河村 直己*; 鈴木 基寛*; Chen, B.*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(1), p.015002_1 - 015002_2, 2012/01
被引用回数:11 パーセンタイル:56.91(Physics, Multidisciplinary)YbAgCuの磁場誘起価数変化を35Tまでのパルス高磁場下で放射光X線吸収分光法から観測した。4.8KでのYbAgCuのYbの価数はメタ磁性転移で大きく増加することがわかった。55Tでの飽和価数は2.97と予想される。この値は、35Tでのから評価した。また、この値は同様な化合物であるYbInCuの高温や高磁場でのYbの値とも一致する。この実験からは、理論から予測された通り、YbAgCuのメタ磁性転移は価数転移に由来するものであると結論する。
松田 康弘*; Her, J.-L.*; 道村 真司*; 稲見 俊哉; 鈴木 基寛*; 河村 直己*; 水牧 仁一朗*; 金道 浩一*; 山浦 淳一*; 廣井 善二*
Physical Review B, 84(17), p.174431_1 - 174431_5, 2011/11
被引用回数:25 パーセンタイル:68.81(Materials Science, Multidisciplinary)Osの吸収端でのX線磁気円二色性(XMCD)を227Kで金属絶縁体転移を示すCdOsOの反強磁性相で調べた。総和則に従えば、10Tと37TでのXMCDは、軌道磁気モーメントとスピン磁気モーメントの比としてを与え、また、とは平行であることを示した()。これらの現象は異常であり、まず、予測されるOs(5)の立方結晶場中の基底状態は軌道一重項であり、次にHundの第三ルールからはとは反平行であるべきである。スピン軌道相互作用が観測された軌道磁性を説明するためには重要であると考えるのが最もらしい。
稲見 俊哉; 道村 真司; 光田 暁弘*; 和田 裕文*
Physical Review B, 82(19), p.195133_1 - 195133_5, 2010/11
被引用回数:11 パーセンタイル:45.17(Materials Science, Multidisciplinary)価数揺動物質EuPtPの=246Kと=200Kの二つの一次転移を、Euの吸収端での共鳴X線回折法で研究した。以前のメスバウアー分光実験とX線回折実験から価数秩序が示唆されていたが、今回の実験における111反射と11反射の特徴的なエネルギースペクトルから、疑いなく2倍周期と3倍周期のEu価数の超構造が以下ととの間で存在することが示された。われわれは、さらに、EuPtPにおける価数秩序を説明する機構として、クーロン反発に代わる価数-格子結合を提案した。
道村 真司; 稲見 俊哉; 松岡 英一*; 綿引 正倫*; 小野寺 秀也*
no journal, ,
Rare-earth palladium bronzes RPdS (R = La-Yb) crystallize in a cubic structure with the space group m-3n. Except for R = Tm, the degeneracy of the orbital degree of freedom is expected to remain in the crystalline electric field (CEF) ground states of R in RPdS. Accordingly, the physical properties will be different from the properties of simple magnetic ordering compounds, since mulitpole order becomes possible too. CePdS orders ferromagnetically below T = 6.3 K. It was found that the magnetic structure of CePdS is canted with a canting angle of 51 by neutron powder diffraction experiments. Such structure occurs in HoBC too, where is caused by the simultaneous occurrence of antiferroquadrupolar (AFQ) and ferromagnetic (FM) orders. This calls for investigating on the quadrupolar ordering in RPdS. We performed resonant X-ray diffraction at the Ce- absorption edge on CePdS to study the states of quadrupolar ordering in the FM state. We observed two reflections forbidden for crystal structure, 300 and 410 reflections. Both reflections grow below T and be unambiguously related to the order parameter. In the azimuthal angle dependence of 410 reflection for both -' and -' scattering processes, the periodicals are about 180 . The intensity of the -' scattering process is about 20 of the intensity of the -' scattering process. This result suggests that an type - AFQ ordering coexists with FM ordering.
道村 真司; 稲見 俊哉; 松岡 英一*; 綿引 正倫*; 谷垣 勝己*; 小野寺 秀也*
no journal, ,
立方晶PdSは、充填スクッテルダイトと同様の点群T対称性をもち、その基底状態は系統的に多極子自由度を持つ。実際、CePdSはPdS系で唯一強磁性転移を示し、その転移温度(=6.3K)はde Gennes則から見積もられる0.06Kに比べて非常に大きい。また、松岡らによる粉末中性子回折実験から、その磁気構造は約51のキャント角を持つことが明らかになっている。高い転移温度とキャントの原因は、磁気相互作用と多極子相互作用の協力的作用と考えられているが、多極子の秩序状態について詳細な研究報告はない。今回、強磁性秩序に伴う多極子の秩序状態を調べるため、SPring-8/BL22XUで単結晶CePdSの共鳴X線回折実験を行った。その実験結果から多極子の秩序について議論する。
道村 真司; 稲見 俊哉; 大坪 亨*; 松村 武*; 谷田 博司*; 世良 正文*; 伊賀 文俊*
no journal, ,
希土類ホウ化物CeLaBのIV相では型反強八極子秩序が提案されているが、説明できない物性も示されている。そのため、IV相の理解には、実験的な多極子秩序変数の決定が期待されている。今回われわれは、共鳴X線回折実験(RXS)としては、国内初の最低温0.5Kでの磁場中実験を行い、IV相の秩序変数と思われる信号の観測に成功した。講演ではIV相の秩序変数とその磁場依存性について議論した。