検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 15 件中 1件目~15件目を表示
  • 1

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

発表言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

「地球環境に対する人類活動の影響」、「地球温暖化と造礁サンゴの北上」

三ツ口 丈裕; 山野 博哉*

全地球史; 世界で集めた地球史のかけら, p.59 - 60, 2025/03

18世紀の産業革命以降、人類活動が地球環境に及ぼす影響が顕著化したのは1950年代以降であり、例えば、(1)化石燃料の大量消費に伴う二酸化炭素・熱の大量排出、(2)工業化に伴う人工化学物質の放出、(3)核エネルギー開発(大気圏核実験や核燃料再処理)に伴う特定の放射性核種(ヨウ素129や炭素14)の放出である。また、近年の地球温暖化により日本列島周辺域の海水温が上昇し続けており、これに伴って、従来は温暖な南方海域にのみ生息していた造礁サンゴ種が黒潮にのって北上している。

論文

地球表層環境のヨウ素129研究の現状と考察; 地質環境長期安定性評価に向けて

三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 國分 陽子; 松崎 浩之*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 31(2), p.96 - 110, 2024/12

高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、その処分システムが持つべき隔離機能が数万年間は自然現象で損なわれる恐れのないサイト選定をすることが前提であるとともに、サイト固有の地質環境やその長期的変化を見込んだ上で合理的な処分システムを構築する必要がある。近年、日本国の地質環境の長期安定性を評価する目的で、本邦の地下流体(深部地下水、温泉水、油田や天然ガス田に付随する鹹水など)の元素・同位体組成の研究が進められており、ヨウ素およびその放射性同位体であるヨウ素129($$^{129}$$I: 半減期1,570万年)もその研究対象に含まれている。本総説では、地球表層の様々な天然物質のヨウ素含有量およびヨウ素129/127同位体比($$^{129}$$I/$$^{127}$$I比)に関する知見、試料の前処理・測定法、日本国内の地下流体の$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比データについて概説し、さらに、そのデータの解釈・問題点および不確実性、そして地質環境長期安定性評価に向けた示唆について述べる。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和6年度)

丹羽 正和; 島田 顕臣; 浅森 浩一; 末岡 茂; 小松 哲也; 中嶋 徹; 小形 学; 内田 真緒; 西山 成哲; 田中 桐葉; et al.

JAEA-Review 2024-035, 29 Pages, 2024/09

JAEA-Review-2024-035.pdf:1.24MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和6年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

論文

Mineral phase analysis of various marine-species shells and skeletons collected in Japan; Implications for marine biominerals

三ツ口 丈裕; 南方 啓司*; 杉原 薫*; 平岡 雅規*; 吉田 真明*; 國分 陽子

bioRxiv (Internet), 55 Pages, 2022/11

Mineral phase analysis was performed, using X-ray diffractometry (XRD), for marine-organism shell/skeleton samples of 146-148 extant species of the following 10 phyla (18 classes) collected in Japan: Rhodophyta (Florideophyceae), Foraminifera (Globothalamea and Tubothalamea), Porifera (Hexactinellida), Cnidaria (Anthozoa and Hydrozoa), Bryozoa (Gymnolaemata), Brachiopoda (Lingulata and Rhynchonellata), Mollusca (Bivalvia, Cephalopoda, Gastropoda and Polyplacophora),Annelida (Polychaeta), Arthropoda (Cirripedia), and Echinodermata (Asteroidea, Crinoidea and Echinoidea). Some of the species were analyzed for each specific part of their shells/skeletons. Almost all the samples exhibited any of calcite, aragonite or their mixed phase, predominantly depending on their taxonomy and shell/skeletal structures. For samples containing significant amounts of calcite, the MgCO$$_{3}$$ wt % of calcite has been determined from their XRD data, which ranges from $$sim$$0 to $$sim$$15 wt % and indicates clear inter-taxonomic differences. Low MgCO$$_{3}$$ values ($$sim$$0-4 wt %) are observed for Rhynchonellata, Bivalvia, Gastropoda and Cirripedia; intermediate values ($$sim$$4-8 wt %) for Cephalopoda; high values ($$sim$$8-15 wt %) for Florideophyceae, Globothalamea, Tubothalamea, Polychaeta, Asteroidea and Crinoidea; low-to-high values for Gymnolaemata; intermediate-to-high values for Anthozoa and Echinoidea.

論文

$$^{129}$$I/$$^{127}$$I and $$Delta$$$$^{14}$$C records in a modern coral from Rowley Shoals off northwestern Australia reflect the 20th-century human nuclear activities and ocean/atmosphere circulations

三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 横山 祐典*; 米田 穣*; 柴田 康行*; 藤田 奈津子; 渡邊 隆広; 國分 陽子

Journal of Environmental Radioactivity, 235-236, p.106593_1 - 106593_10, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:22.31(Environmental Sciences)

深部流体の識別指標に資するためのヨウ素129($$^{129}$$I)測定技術開発を目的として、北西オーストラリア産の現生サンゴ骨格年輪(西暦1931年-1991年)のヨウ素129濃度($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)及び炭素14濃度($$Delta$$$$^{14}$$C)を測定した。$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは東濃地科学センター加速器質量分析装置(JAEA-AMS-TONO-5MV)を用い、$$Delta$$$$^{14}$$Cは東京大学の加速器質量分析装置を用いて測定した。その結果、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iと$$Delta$$$$^{14}$$Cの両方で1950年代から明瞭な上昇が見られた。$$Delta$$$$^{14}$$Cの上昇は大気圏核実験によるものであり、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iの上昇は大気圏核実験及び核燃料再処理によるものである。以上の結果は先行研究と良く一致していることから、JAEA-AMS-TONO-5MVによる$$^{129}$$I/$$^{127}$$I測定が更に拡張されたといえる。

論文

Preliminary test of the EA-AGE3 system for $$^{14}$$C measurement of CaCO$$_{3}$$ samples and coral-based estimation of marine reservoir correction in the Ogasawara Islands, Northwestern Subtropical Pacific

國分 陽子; 三ツ口 丈裕*; 渡邊 隆広; 山田 努*; 浅海 竜司*; 井龍 康文*

Radiocarbon, 61(5), p.1593 - 1601, 2019/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:9.34(Geochemistry & Geophysics)

日本原子力研究開発機構・東濃地科学センターに設置された自動グラファイト化装置AGE3及びペレトロン年代測定装置(JAEA-AMS-TONO)を用いて造礁サンゴ試料の$$^{14}$$C測定を実施した。本研究では、まず、沖縄本島南岸で採取した2つの完新世中期化石サンゴについて、AGE3で調製したグラファイトと従来法(リン酸分解)で調製したグラファイトの$$^{14}$$C測定値を比較した。その結果、AGE3で調製したグラファイトの方がわずかに$$^{14}$$C濃度が高くなる傾向が見られた。この傾向は、AGE3を用いることによって古い試料(例えば10,000 BP)の$$^{14}$$C年代が過小評価される可能性を示唆するが、現代/近代試料への影響は無視できる。そこで、小笠原諸島・父島で採取した現生サンゴに刻まれている1900年代$$sim$$1950年代の年輪から2$$sim$$3年毎に試料を削り出し、これらの年輪試料にAGE3を適用して$$^{14}$$C濃度を測定し、この海域におけるリザーバー年代補正の評価を行った。

論文

U-Pb dating of calcite using LA-ICP-MS; Instrumental setup for non-matrix-matched age dating and determination of analytical areas using elemental imaging

横山 立憲; 木村 純一*; 三ツ口 丈裕; 檀原 徹*; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; 宮崎 隆*; et al.

Geochemical Journal, 52(6), p.531 - 540, 2018/12

 被引用回数:17 パーセンタイル:58.86(Geochemistry & Geophysics)

We developed a non-matrix matched U-Pb dating method for calcite by using LA-ICP-MS. The excimer LA was set to generate a low-aspect-ratio crater to minimize downhole U-Pb fractionation. We used He sample ablation gas mixed with Ar carrier gas and additional trace N$$_{2}$$ gas to create a robust plasma setup. The use of N$$_{2}$$ additional gas allowed for low oxide molecular yield for high-sensitivity interface cones with the ICP shield electrode disconnected. Moreover, this resulted in robust ICP plasma against different matrixes in LA aerosols owing to efficient dissociation-ionization of the aerosols by increased plasma temperature. The above setup helped accomplish accurate U-Pb dating of calcite samples by using SRM 612 glass as the standard. We applied this method to the following calcite samples: (1) recently-proposed reference material named WC-1 with a determined U-Pb age of 254.6$$pm$$3.2 Ma and (2) a well-preserved fossil specimen of blastoid $$Pentremites$$ sp. with an estimated age of $$sim$$339-318 Ma. The resultant U-Pb ages of the WC-1 and $$Pentremites$$ samples were 260.0$$pm$$6.7 Ma and 332$$pm$$12 Ma, respectively, which indicate accurate U-Pb dating by this method. Before this U-Pb dating, quantitative distribution maps of the U, Th, and Pb isotopes of each sample were obtained using the LA-ICP-MS imaging technique to select suitable areas for dating.

口頭

LA-ICP質量分析法による炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定のための標準試料の探求

横山 立憲; 國分 陽子; 三ツ口 丈裕; 村上 裕晃; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; et al.

no journal, , 

炭酸塩鉱物は岩盤中に普遍的に産出し、その年代学的情報は地質環境変遷を解読する上で有用な制約因子となる。このような鉱物試料の局所分析手法として、LA-ICP質量分析がある。この手法においては、質量分析装置の経時的なドリフトや、試料のマトリクスの違いに起因する元素分別効果を補正する必要があり、一般的には未知試料と標準試料を交互に測定する。一方、炭酸塩鉱物のLA-ICP質量分析で用いる標準試料の選定・開発は十分に進んでおらず、この手法を用いた年代測定において大きな障害となっている。本研究では、LA-ICP質量分析法による炭酸塩鉱物の局所領域年代測定に有用な標準試料を探求した。Becker et al. (2002)において、湿式法によりU-Pb年代測定が実施された蒸発岩Castile Formation中の方解石(CFC試料)について、LA-ICP質量分析法によるU-Pb同位体分析を実施した結果、CFC試料はU-Pb年代測定を行う上で適度なU及びPb濃度を有しており、さらにU/Pb比の均一性が比較的高いことが判明した。また、Pb同位体比の測定については、標準ガラスを標準試料として用いた場合でも、安定した測定ができることがわかった。CFC試料の評価と並行して、U及びPbの濃度・同位体組成が均質な炭酸塩標準試料の人工作製を試みた。UとPbを含む標準溶液を添加した水溶液から人工的に方解石粉末を沈殿させる作製法では、U/Pb比の異なる3種の試料を作製することに成功した。

口頭

造礁サンゴ年輪のヨウ素129に記録された人類核活動

三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 國分 陽子; 松崎 浩之*

no journal, , 

造礁サンゴは熱帯/亜熱帯の浅海に生息し、炭酸カルシウムの骨格を分泌しつつ成長するが、塊状種の骨格には年輪が刻まれていることが多い。本講演では、豪州北西沖で採取された造礁サンゴ骨格試料(1884年$$sim$$1994年の年輪を持つ)のヨウ素129濃度($$^{129}$$I/$$^{127}$$I比)の測定結果を発表する。本試料の$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比は1955年$$sim$$1990年代前半まで明確な増加傾向を示すが(1960年代には2度の減増を伴う)、これは人類核活動(1945年以降の大気圏核爆発や核燃料再処理)で環境に放出された$$^{129}$$Iの影響である。なお、1884年$$sim$$1950年の$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比はほぼ一定であり、人類核活動前の天然状態を示している。

口頭

U-Pb dating of calcium carbonate using LA-MC-ICPMS

横山 立憲; 國分 陽子; 三ツ口 丈裕; 村上 裕晃; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; 宮崎 隆*; et al.

no journal, , 

炭酸塩鉱物の地球化学的研究及び年代学的研究は地質環境の長期的な変遷を読み解くうえで重要である。炭酸塩鉱物は硬岩中に割れ目充填鉱物として普遍的に確認されるため、炭酸塩鉱物の化学組成や形成年代を知ることで過去の地質環境を復元できると考えられる。一方、レーザーアブレーション試料導入を備えた誘導結合プラズマ質量分析(LA-ICP質量分析)で用いる炭酸塩鉱物の標準試料の選定・開発は十分に進んでおらず、この手法を用いた年代測定において大きな障害となっている。本研究では、LA-ICP質量分析法による炭酸塩鉱物の局所領域年代測定に有用な標準試料を探求し、U-Pb同位体分析を実施してその均質性を評価した。さらに、U及びPbの濃度・同位体組成が均質な炭酸塩標準試料の人工作製を試みた。

口頭

LA-ICP質量分析法による炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定技術の開発

横山 立憲; 國分 陽子; 三ツ口 丈裕*; 村上 裕晃; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; et al.

no journal, , 

炭酸塩鉱物は岩盤中に普遍的に産出し、その地球化学的情報、年代学的情報は、地質環境変遷を解読する上で有用な制約因子となる。炭酸塩鉱物は累帯構造を持つことがあり、LA-ICP-MS法などの局所領域分析手法を用いて、累帯ごとの元素・同位体組成を分析することにより、その炭酸塩鉱物を沈殿させた水の起源やその組成及び生成年代の範囲を明らかにできる。一方で、炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定は、U-Pb系への適応性の低さと標準試料が未選定という二つの未解決課題があった。本研究では、炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定技術の確立のため、同位体イメージング分析手法を適用し、事前にU及びPbの元素・同位体分布を把握することで、U-Pb系への適応性の低さを補完した。また、標準試料の選定と開発を進めるとともに、現段階で最も有効と判断されるWC-1(254.4$$pm$$6.4Ma; Roberts et al., 2017)を標準試料として採用した。手法の有効性を確認するためウミツボミ(示準化石)試料の$$^{238}$$U濃度が高く、$$^{206}$$Pbの蓄積が顕著な領域についてU-Pb年代測定を実施した結果、得られた年代値はこの試料の棲息年代と整合的であった。したがって、本手法を用いた方解石質試料の年代測定は、少なくとも約250$$sim$$350Maの年代において有効と結論できる。さらに、誘導結合プラズマ部での酸化物生成率を低減させた条件下では、試料のマトリックスの違いに起因した元素分別の補正を施すことなく、精確な年代値が得られることが判明した。

口頭

地質環境長期安定性に関する研究とLA-ICP質量分析法による年代測定

横山 立憲; 三ツ口 丈裕; 末岡 茂

no journal, , 

近年、SIMSやLA-ICPMSなどの発展により、数十$$mu$$m以下の分解能で高精度な年代測定が可能になった。例えば、LA-ICPMSによるU-Pb年代測定法は、ジルコン, アパタイト, モナザイトといったU濃度が高い重鉱物から比較的U濃度の低いカルサイトまで、適用できる鉱物種が拡がりつつある。このような微小領域年代測定法により、岩体を構成している微小鉱物及びその内部に見られる累帯構造の年代測定が可能になり、その結果、鉱物を形成した起源物質の経時的な組成変化が解明され、更に熱履歴を復元できる可能性がある。日本原子力研究開発機構東濃地科学センター 土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する技術開発の一環として、地質環境の長期安定性評価に係る編年技術の整備を進めている。地質環境の長期的な変遷の解明には、複合的な年代学的アプローチが重要となる。本発表では、特に地質環境の長期安定性評価に係る研究開発として、カルサイトや若いジルコンのU-Pb年代測定及びテフラ同定のための元素分析について、その整備・開発の現状と今後の展望について紹介する。

口頭

An Analytical technique for simultaneously estimating crystallization age and temperature of zircon using LA-ICP-MS

横山 立憲; 湯口 貴史*; 坂田 周平*; 石橋 梢*; 小北 康弘*; 伊藤 大智*; 大野 剛*; 鏡味 沙耶; 三ツ口 丈裕; 末岡 茂

no journal, , 

ジルコンの年代測定や微量元素の定量分析から、火成活動や結晶化作用に関するタイミングや温度など生成過程の情報を得ることができる。花崗岩質な岩石においては、ジルコンのU-Pb系の閉鎖温度がその結晶化温度よりも高いため、得られるU-Pb年代はジルコンの結晶化のタイミングを示す。Yuguchi et al (2016)では、ジルコンのカソードルミネッセンスによる内部構造の観察とともに、チタン温度計を用いた結晶化温度の推定とU-Pb年代測定から結晶化年代を求めた。こうしたアプローチから、岩体の定置に関して議論することは、火成岩体の隆起・侵食史を解明する上で重要である。本研究では、ジルコンの結晶化年代と結晶化温度を同時に見積もるため、LA-ICP-MSを用いて、ジルコン中の同一領域からU-Pb年代の取得とチタン濃度の定量を行った。予察的な実験として、大崩, 遠野, 土岐, 黒部川の花崗岩体から抽出したジルコンを対象とし、それらの熱史を推定した。その結果、大崩(556-946$$^{circ}$$C, 11.1-16.1Ma)、遠野(613-901$$^{circ}$$C, 110.2-127.4Ma)、土岐(575-734$$^{circ}$$C, 69.4-79.9Ma)、黒部川(636-779$$^{circ}$$C, 0.46-1.85Ma)のそれぞれの花崗岩体のジルコンの結晶化年代と、結晶化温度を推定できた。

口頭

地質環境の長期安定性に関する研究; 炭酸塩鉱物のU-Th-Pb年代測定技術の開発

横山 立憲; 國分 陽子; 村上 裕晃; 渡邊 隆広; 三ツ口 丈裕

no journal, , 

将来の地質環境の安定性を評価する上では、着目する地質環境の過去の変遷を解読し、変遷の傾向から将来を予測する必要がある。過去の地質環境の変遷を解読するためには、隆起・侵食や断層活動及び火成活動等の自然事象に時間軸を与える、放射性年代測定技術の整備が不可欠である。また、地層処分事業に関して現時点では特定の地質やサイトが選定されていないことから、多様な地質環境を想定して普遍的に存在する試料に対応でき、かつ広範な年代範囲を測定可能な技術の整備が求められる。炭酸塩鉱物は地質環境中に普遍的に存在していることから、汎用的な古環境指標として有効と考えられる。一方で、レーザーアブレーション装置を用いた炭酸塩鉱物の局所領域の年代測定においては、国際的に認定された標準資料が選定されていない等の分析上の課題が多く、未だその技術は確立されていない。東濃地科学センターでは、平成26年度よりレーザーアブレーション付き誘導結合プラズマ質量分析装置を導入し、炭酸塩鉱物のU-Th-Pb年代測定技術の開発を進めている。本発表では、技術開発の流れを示すとともに、東濃地科学センターに整備した装置や元素及び同位体分布を可視化するイメージング技術の整備状況及び分析に必要な標準資料の選定等、これまでの研究開発の成果について述べる。

口頭

Preliminary test for $$^{129}$$I measurement of CaCO$$_{3}$$ samples in JAEA-AMS-TONO

三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 三宅 正恭*; 松原 章浩; 藤田 奈津子; 渡邊 隆広; 國分 陽子

no journal, , 

東濃地科学センター・加速器質量分析施設(JAEA-AMS-TONO)において、炭酸カルシウム試料のヨウ素129($$^{129}$$I)分析のための予備試験を実施した。用いた試料はベトナム・コンダオ島産のサンゴ年輪(西暦1946-1947年)である。試料の前処理・分析概要は以下の通りである:(1)1%塩酸による洗浄、(2)17%リン酸による溶解、(3)ICP-MSによるヨウ素濃度分析、(4)ヨウ素標準試料の添加、(5)ヨウ素の溶媒抽出、(6)ヨウ化銀沈澱物の生成、(7)沈澱物とニオブ粉末を混合してプレス後、JAEA-AMS-TONOにて$$^{129}$$Iを分析。なお、前処理過程における$$^{129}$$Iバックグラウンドを評価するために操作ブランク試験も行った。その結果、$$^{129}$$Iバックグラウンドは$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比で[4.3$$pm$$0.1]$$times$$10$$^{-14}$$であり、バックグラウンド補正後のサンゴ試料の$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比は[1.53$$pm$$0.76]$$times$$10$$^{-12}$$であった。この結果は先行研究の結果と整合的であることから、JAEA-AMS-TONOにおいて炭酸カルシウム試料の$$^{129}$$I分析が確立されたと言える。なお、本件は経済産業省・資源エネルギー庁から委託した「地質環境長期安定性評価技術高度化開発」で得られた成果の一部である。

15 件中 1件目~15件目を表示
  • 1