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村田 勲*; 太田 雅之*; 宮丸 広幸*; 近藤 恵太郎; 吉田 茂生*; 飯田 敏行*; 落合 謙太郎; 今野 力
Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.1127 - 1130, 2011/10
被引用回数:2 パーセンタイル:17.74(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉候補材料の開発のために核データは不可欠であるが、MeVエネルギー領域の核データのベンチマークは現在でも十分ではない。本研究では、14MeV中性子源を使用した実験におけるMeVエネルギー領域の核データベンチマーク性能を計算で調べた。解析は軽核から重核までの元素を対象として系統的に実施した。その結果、従来のベンチマーク実験は、中性子スペクトルについては十分MeVエネルギー領域の核データベンチマークに有効であったことが確認された。一方、線については、従来のベンチマーク実験は十分ではなく、スペクトルシフターの使用が有効であることがわかった。シフターの材質としてはベリリウムが最も効果的であった。これまで、モンテカルロ計算における最後の衝突の直前のスペクトルのみを考慮して性能評価を行ってきたが、今回はこれが適切かどうかを調べた。その結果、最後の衝突だけではなく、それ以前の衝突も等しく考慮に入れられるべきであることがわかった。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 久保田 直義*; 宮丸 広幸*; 今野 力; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(8), p.1146 - 1157, 2011/08
被引用回数:4 パーセンタイル:31.43(Nuclear Science & Technology)14.2MeV中性子入射によるフッ素の陽子,重陽子,三重陽子,粒子放出二重微分断面積の詳細な測定を行った。日本原子力研究開発機構のFNS施設に備えられたペンシルDT中性子ビームを利用した荷電粒子スペクトロメータによって、幅広いエネルギーの放出粒子に対し、高いエネルギー分解能で、15
から150
に渡る角度において精密な測定を行うことができた。測定したデータは評価済核データライブラリJENDL-3.3及びENDF/B-VII.0に格納されたデータと比較した。その結果、エネルギー・角度分布と、荷電粒子生成断面積の双方で、実験値と評価値の間に大きな差が存在することがわかった。残留核の幾つかの励起状態に対応する離散ピークを分離し、角度微分断面積を導出して荷電粒子放出反応の機構を議論した。本研究はフッ素に対して上記4種類の荷電粒子放出二重微分断面積を同時に測定した初めての測定であり、フッ素の核反応モデルを確立するためにも有効である。
村田 勲*; 近藤 恵太郎; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎
プラズマ・核融合学会誌, 85(11), p.762 - 773, 2009/11
核融合炉の核設計に不可欠な、14MeV中性子と核融合炉構成材料核種との核反応断面積の高精度測定を目指し、過去約10年間にわたって、大阪大学が日本原子力研究開発機構との共同研究を通じて2つの新しい二重微分断面積測定手法の開発を進めてきた。日本原子力研究開発機構FNS施設において利用可能な世界で唯一のDT中性子ペンシルビームを用いる本測定手法により、放出中性子スペクトル測定に基づく(n,2n)反応断面積の直接測定、及び極めて高精度な荷電粒子放出二重微分断面積測定が可能となった。本記事では測定手法の概要と、これまでに得られた世界初となるベリリウム,ジルコニウム,フッ素の最新の詳細断面積測定結果についてわかりやすく解説した。
太田 雅之*; 近藤 恵太郎; 松中 允亨*; 宮丸 広幸*; 村田 勲*; 飯田 敏行*; 落合 謙太郎; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 84(7-11), p.1446 - 1449, 2009/06
被引用回数:3 パーセンタイル:23.88(Nuclear Science & Technology)原子力機構のFNS施設では、核融合炉の核設計に必要な評価済み核データライブラリの精度検証のため、核融合炉の構造材や先進ブランケット材に対してこれまで多くのDT中性子による積分ベンチマーク実験が実施されてきた。本研究では、数MeV領域の中性子誘起の核データのベンチマークを効率よく行うため、ベンチマーク実験の試料と中性子源との間に「スペクトルシフター」となる散乱体を挿入して、試料に入射するDT中性子を減速させることを検討した。スペクトルシフターの効果を見積もるため、FNSでの実験条件において漏洩中性子と線に占める14MeV中性子の寄与の割合を、改造したMCNP-4Cコードを用いて計算した。計算ではLi
TiO
を試料とし、スペクトルシフターにBe, LiD, D
Oを用いた。計算の結果、スペクトルシフターとしてはBeが優れており、14MeV中性子の寄与は試料やスペクトルシフターの大きさや種類に依存することがわかった。特に、Beのスペクトルシフターは漏洩2次
線ベンチマーク実験に効果的であることがわかった。
村田 勲*; 四間 公章*; 近藤 恵太郎; 松中 允亨*; 太田 雅之*; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎; 今野 力; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 84(7-11), p.1376 - 1379, 2009/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ジルコニウムは核融合炉ブランケットのトリチウム増殖材の候補の一つであるリチウムジルコネートLiZrO
の構成元素である。過去に日本原子力研究所,京都大学,大阪大学において個々に行われたジルコニウムの核データベンチマーク実験の結果は、いずれも中性子スペクトルの計算値が大きな過大評価を示すことを指摘していた。本研究では、核データの問題点を明らかにするために、天然ジルコニウムの(n,2n)反応によって放出される2個の中性子を直接測定して断面積を導出した。測定によって放出中性子のエネルギーが1MeV以上の断面積が得られたが、得られた値はJENDL-3.3の評価値より少し大きく、これはベンチマーク実験の結果と逆の傾向であった。しかし、測定されていない放出中性子のエネルギー1MeV以下のスペクトル部分を核温度1MeVの蒸発スペクトルで外挿すると、得られた(n,2n)反応断面積はJENDL-3.3よりもやや小さく、ENDF/B-VIの評価値とほぼ一致した。この結果は過去に京都大学のグループによって指摘された、JENDLの(n,2n)反応断面積が10%程度過大評価、(n,2n)反応による1MeV以下のスペクトル成分が20%程度過大評価という指摘とも整合性のある結果であった。これらの結果は過去に報告されたベンチマーク実験における不一致の原因が、核データ評価の際の不適切な核温度の採用によるものであることを示唆している。
村田 勲*; 高木 智史*; 近藤 恵太郎; 四間 公章*; 宮丸 広幸*; 満田 幹之; 前川 藤夫; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 595(2), p.439 - 446, 2008/10
被引用回数:4 パーセンタイル:33.38(Instruments & Instrumentation)日本原子力研究開発機構の核融合中性子源施設(FNS)のDT中性子ビームを利用した、同時計数法に基づく(n,2n)反応からの放出中性子の角度相関エネルギースペクトルの測定手法を開発した。本手法による(n,2n)反応断面積測定の妥当性を検証するため、放射化法による(n,2n)反応断面積の測定例が多数存在するMn(n,2n)反応について、三重微分断面積を測定した。この三重微分断面積を角度とエネルギーで積分することによって導出した(n,2n)反応断面積は、JENDL-3.3の評価値とよく一致し、このことから本手法の妥当性を確認した。Mnのような中重核や重核の(n,2n)反応では、通常は放出中性子間の角度相関が弱いので、数回の測定で(n,2n)反応断面積を得ることができる。本手法はまた、ベリリウムのような軽元素の複雑な核反応機構を解明するための角度相関中性子スペクトルの測定手段にも使える。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 宮丸 広幸*; 久保田 直義*; 今野 力; 西谷 健夫
Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (ND 2007), Vol.1, p.407 - 410, 2008/05
ベリリウムと炭素は核融合炉の重要な材料であり、4体ブレークアップ反応であるBe(n,2n+2
)反応と
C(n,n'+3
)反応についての詳細な知見が工学的な見地から求められている。これらの反応からの放出粒子の二重微分断面積を正確に評価するためには、核反応の機構を正確に把握する必要がある。これは核物理学的観点からも興味ある課題である。そこで、われわれが開発した原子力機構のビーム状DT中性子源を利用した新しい荷電粒子計測システムを用いて、ベリリウムと炭素からのアルファ粒子放出二重微分断面積の詳細な測定を行った。さらに核反応機構の推定のため、アルファ粒子を放出する反応経路ごとの放出スペクトルを運動学に基づくモンテカルロ法により計算し、得られた実験値や過去の中性子放出二重微分断面積の測定値と比較を行った。
Be(n,2n+2
)反応に関しては、
Be(n,
)
He*(Ex
1.8MeV)反応の寄与がかなり大きいことが明らかになった。
C(n,n'+3
)反応については、
C(n,
)
Be*(Ex
2.43MeV)反応の寄与が確認され、この反応が中性子放出二重微分断面積の低エネルギー部分の構造を説明するのに重要であることが明らかになった。
村田 勲*; 高木 智史*; 四間 公章*; 近藤 恵太郎; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎; 西谷 健夫; 今野 力
Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (ND 2007), Vol.2, p.999 - 1002, 2008/05
(n,2n)反応は核融合炉設計において非常に重要な反応である。本研究では、核融合炉で最も重要な元素の1つであるベリリウムについて、(n,2n)反応により放出される2個の中性子を直接同時計数法によって測定し、角度相関スペクトルから(n,2n)反応断面積を導出した。実験では原子力機構FNS施設のビーム状DT中性子源を利用した。2台のNE213検出器を用い、放出される2個の中性子を高効率で測定するため、測定試料の非常に近くに検出器を配置した。得られた波高スペクトルはFORISTコードでアンフォールディングを行ってエネルギースペクトルに変換した。検出器の応答関数はSCINFULコードによって評価した。導出された(n,2n)反応の角度分布は、測定エネルギー範囲である800keV以上の比較では、JENDL-3.3がENDF/B-VIより良い一致を示した。800keV以上の(n,2n)反応断面積は双方のライブラリとも10%以内で実験値とよく一致した。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 久保田 直義*; 宮丸 広幸*; 今野 力; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 45(2), p.103 - 115, 2008/02
被引用回数:11 パーセンタイル:57.82(Nuclear Science & Technology)炭素は核融合炉の候補材の構成元素として重要であるが、核発熱や材料損傷の計算に必要な粒子放出二重微分断面積の測定値が過去1例しか存在していなかった。本研究では核融合中性子工学用中性子源施設FNSにおいて、14.2MeV中性子入射による炭素からの
粒子放出二重微分断面積の詳細な測定を行った。DT中性子ビームとカウンターテレスコープ法の利用によって優れたS/N比,高い角度・エネルギー分解能,幅広い測定エネルギー範囲を実現した。得られた
C(n,
)
Be
反応断面積は過去の測定値及び評価済み核データと良い一致を示した。
C(n,n'+3
)反応の
粒子放出角度微分断面積は強い前方性を示し、直接過程の寄与が大きいことを示唆する結果を得た。
C(n,n'+3
)反応に寄与する多くの反応チャンネルへの分岐比を推定するため、放出粒子のスペクトルを運動学に基づいたモンテカルロ法によって計算することを試みた。解析の結果、
C(n,
)
Be*反応チャンネルが放出粒子の二重微分断面積を再現するうえで重要であることを明らかにした。本研究では
C(n,n'+3
)反応における
C(n,
)
Be*チャンネルへの分岐比をおよそ40%程度と推定したが、これは過去の研究で示唆されたものよりかなり大きい値である。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 宮丸 広幸*; 高木 智史*; 志度 彰一*; 今野 力; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2786 - 2793, 2007/10
被引用回数:2 パーセンタイル:18.33(Nuclear Science & Technology)中性子入射による荷電粒子放出反応は発電炉を見据えた核融合炉開発において極めて重要である。核反応で放出された荷電粒子は材料中で直ちに停止するため局所的な核発熱を引き起こす。また材料の損傷や多量のガス放出の原因となる。これらの物理量を正確に評価するためには全反応断面積だけではなく、放出エネルギーと角度に対する微分情報、すなわち二重微分断面積が必要である。しかし、二次中性子に関する二重微分断面積に比べて二次荷電粒子に関する二重微分断面積は測定の困難さのために実験データの蓄積が進んでいない。筆者らは、特に核融合炉で多く用いられる軽元素について高精度で二重微分断面積を測定することを目指し、ビーム状中性子源を利用した荷電粒子測定手法を開発した。われわれはこれまでに十分な測定がなされていない軽元素に対する系統的な測定を進めている。特に提案されているブランケット及び第一壁の構成材料であるリチウム,ベリリウム,カーボン,酸素,フッ素,シリコンは重要度が高いと考えられる。われわれはこれまでにベリリウム,カーボン,フッ素についての測定を完了し、引き続きリチウム7のDDXc測定を計画中である。本会議では、われわれの測定データと3つの主要な評価済み核データ(JEF-3.1, ENDF-B/VI, JENDL-3.3)の現状と比較結果を示す。また、今後測定が必要と思われる元素についても評価済み核データの現状について簡単なレビューを述べる。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 宮丸 広幸*; 久保田 直義; 高木 智史*; 志度 彰一*; 高橋 亮人*; 西谷 健夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 568(2), p.723 - 733, 2006/12
被引用回数:15 パーセンタイル:69.45(Instruments & Instrumentation)重水素-三重水素核融合反応(DT反応)による中性子誘起荷電粒子放出二重微分断面積(DDXc)は、核融合炉における核発熱や照射損傷を評価するために必要である。特に軽元素のDDXc精密測定のため、ペンシルビーム状中性源とシリコン表面障壁型検出器によるカウンターテレスコープを利用した新しい測定手法を提案した。この手法により、これまでに報告されている測定手法に比べ高いS/N比,良好なエネルギー・角度分解能,幅広い測定エネルギー,良好な粒子弁別能が実現された。測定手法の妥当性評価のため、Al(
)反応からの
粒子測定と
H(
)反応による弾性反跳陽子の測定を行った。この結果に基づき、本測定手法の妥当性と優位性を結論した。
近藤 恵太郎; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 西谷 健夫; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 高橋 亮人*
JAEA-Research 2006-016, 50 Pages, 2006/03
核融合炉における核発熱,照射損傷の評価に必要となる荷電粒子放出二重微分断面積の精密測定のため、従来の測定手法の欠点を克服する測定手法を開発した。日本原子力研究開発機構核融合中性子工学用中性子源施設FNSのペンシルビーム状中性子源とシリコン半導体検出器によるカウンターテレスコープ法を用いることで、良好なS/N比,エネルギー分解能,角度分解能,粒子弁別能,幅広い測定エネルギー範囲を現実的な測定時間のもとで達成できる。この手法を用いて、Alからの放出
粒子測定と水素の弾性散乱による反跳陽子測定を行った。これらの測定結果に基づいて、本測定手法の妥当性と優位性を結論した。
近藤 恵太郎; 高木 智史*; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 高橋 亮人*; 久保田 直義; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1527 - 1533, 2006/02
被引用回数:14 パーセンタイル:67.32(Nuclear Science & Technology)核融合炉開発においてDT中性子入射による荷電粒子放出二重微分断面積は、中性子の相互作用による核発熱や材料損傷の評価のため必要である。特にベリリウム,リチウム,カーボンのような軽核の核反応は複雑で、理論計算のみによる断面積評価は難しい。高精度の測定データが望まれており、新しい測定手法の開発が重要である。われわれは原研FNSのビーム状中性子源とシリコン半導体検出器を用いたE-Eカウンターテレスコープを利用した荷電粒子スペクトロメータを開発した。この測定手法を用いて
Be,
C,
F,
Alの放出荷電粒子測定を行った。
Alの測定データからこの測定手法の妥当性を確認した。
Beの
粒子放出二重微分断面積については、後方の放出角と低エネルギー部分において評価済み核データとの相違が見られた。
落合 謙太郎; 近藤 恵太郎; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 久保田 直義; 高橋 亮人*; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.859 - 863, 2005/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)原研FNSではコリメーター14MeV中性子で照射された核融合炉候補材料から放出する核反応荷電粒子の測定を継続的に行っている。第1に候補材であるベリリウムの測定を行った、厚さ100mのベリリウムサンプルから
Be(n,
)
He,
Be(n,2n)2
and
Be(n,t)
Li核反応によるアルファー粒子,トリトンのエネルギースペクトルを高精度に測定することに成功し、その値から各核反応の2重微分断面積を求めた。評価済み核データの比較から、
Be(n,2n)2
and
Be(n,t)
Li反応の2重微分断面積は実験値と良い一致を示した。
四間 公章*; 高木 智史*; 近藤 恵太郎; 松中 允亨*; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
no journal, ,
核融合炉のブランケット材の1つとしてLiZrO
を用いることが考えられている。しかし、筆者らのグループによる積分実験から、Zrの評価済み核データに問題のあることが指摘されている。天然ジルコニウムは4つの同位体から構成されているが、
Zr(n,2n)反応断面積の測定データはたくさんあるのに対し、構成比の大きい
Zr,
Zrの二つの核種は(n,2n)反応によって不安定核を生成しないため、従来用いられてきた放射化法では断面積を測定できない。このことが断面積評価の不確定性を大きくしていると考えられる。そこで、われわれが確立した(n,2n)反応により放出される2つの中性子を直接同時計数する手法による、天然ジルコニウムの実効的な(n,2n)反応断面積の測定を開始した。今回は、軸方向周りの分布と一方の検出器の放出角を55度に固定したときの周方向周りの分布を測定し、放出角55度における角度微分断面積を得た。
近藤 恵太郎; 高木 智史*; 四間 公章*; 志度 彰一*; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 西谷 健夫
no journal, ,
14MeV中性子入射による放出粒子の二重微分断面積は中性子輸送計算に不可欠であり、核発熱やトリチウム生成量,材料損傷の評価を行うために正確なデータが必要である。しかし現状では、依然として整備が不十分で精度に問題のあるデータが存在し、その主な原因は測定が困難なことに由来する実験データの不足にあった。われわれは従来の等方中性子源を用いた測定の困難性を打開するため、ペンシルビーム状にコリメートした中性子を利用した2つの新しい測定手法を開発した。1つは(n,2n)反応によって放出される2つの中性子を直接2台のNE213検出器で同時測定し、そのエネルギースペクトルと二粒子の角度相関を得る手法である。これまでに核融合炉において極めて重要であるベリリウムの測定を完了し、後方の放出角度において評価済核データの過小評価を示唆する結果が得られた。現在は評価済み断面積に問題があることがわかっているジルコニウムの測定を進行中である。もう1つは(n,p), (n,)反応等によって放出される荷電粒子を半導体検出器を用いて測定し、そのエネルギースペクトルと放出角度分布を得る手法である。これまでに核融合炉において第一壁やブランケットの候補材料であるベリリウム,炭素,フッ素についてのデータを取得した。これらの測定結果から、いずれの元素についても評価済み核データとの不一致が大きい,データが格納されていないなど、問題点が多いことが明らかになった。
太田 雅之*; 近藤 恵太郎*; 松中 允亨*; 宮丸 広幸*; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 今野 力
no journal, ,
中間エネルギー積分ベンチマーク実験用中性子スペクトルシフター設計・製作のための中性子スペクトル解析計算を行った。FNSの80度ビームラインのパルスDT中性子源を用いた実験を想定し、評価済核データファイルJENDL-3.2を用いた輸送計算コードMCNP-4Cにより計算を行った。中性子発生源であるトリチウムターゲットから200mmの位置にサンプルを設置し、サンプルから距離約7mにある検出器に、直径50mmのコリメータを含む巨大なゴニオメータを用い、検出器が見る領域をサンプルの一部分に限定した。サンプルとしてチタン酸リチウム,タングステンなどを選択した。スペクトルシフターは、トリチウムターゲットとサンプルの間で、トリチウムターゲットから20mmの位置に設置した。スペクトルシフターの材料はベリリウムや重水を対象とした。これら体系によるサンプルから漏洩してくる中性子スペクトルと2次線スペクトルをMCNP-4Cにより求めた。解析の結果、スペクトルシフターの材料としてベリリウムが優れていることが明らかとなった。