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森平 正之
JAEA-Research 2012-021, 25 Pages, 2012/08
高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCTプロジェクト。以下、「FaCT」)では、集合体平均150GWd/t(集合体ピーク250GWd/t)の高燃焼度を目指している。このような高燃焼度域では被覆管の内面腐食が従来以上に厳しくなると予想され、照射中における燃料の酸素ポテンシャル上昇の抑制が必要になる。このため、照射中に生じる余剰酸素を吸収させる酸素ゲッターについての検討を開始し、ペレット型MOX燃料に適用する酸素ゲッターオプションの概念の構築と実現性検討を進めてきた。その結果、チタンロールペレット方式が最も有望であるとの評価結果を得たことから、平成23年度にチタンロールペレットの製作性評価、チタン材の酸化特性にかかわる追加データ取得及びチタンロールペレットの酸化特性評価を行い、製作加工性、余剰酸素吸収の有効性、燃料設計上の要求の充足性の観点から同方式の実現性を見通した。
森平 正之; 水迫 文樹*; 坪井 靖*
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 6 Pages, 2011/12
被覆管内面腐食は高速炉MOX燃料の寿命制限因子の一つであり、燃料中の酸素ポテンシャルに依存する。この酸素ポテンシャルは照射中に生じる余剰酸素の蓄積により燃焼度とともに増加することから、高燃焼度化に向けて余剰酸素の吸収除去が必要になる。このため原子力機構では、従来、低O/M比ペレットの開発を進めてきたが、量産化の問題から代替案が必要となった。酸素ゲッター法は、燃料要素内に余剰酸素の吸収材としての金属片を装荷する方法であり、それによって1.98, 1.98といった通常のO/M比のペレットを利用することが可能になる。しかし、酸素ゲッター法をペレット型燃料に応用した例は限られていることから、本研究ではペレット型燃料用の酸素ゲッター概念の検討を行い、低スミア密度のペレットを燃料要素の上部軸方向ブランケット中に装荷する方式が最も推奨されることを示した。
森平 正之
JAEA-Research 2011-018, 32 Pages, 2011/07
高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCTプロジェクト。以下、「FaCT」)では、集合体平均150GWd/t(集合体ピーク250GWd/t)の高燃焼度を目指している。このような高燃焼度域では被覆管の内面腐食が従来以上に厳しくなることが予想されることから、FaCTでは照射中の燃料要素内における酸素ポテンシャルの上昇を抑制することにより内面腐食を抑える方策として低O/M比ペレットの採用を検討してきたが、量産工程における実現には課題が多いことがわかってきた。このため、照射中に生じる余剰酸素を吸収させる酸素ゲッターの利用について検討を進めている。本研究では、実用期の燃料概念であるMOXペレット燃料に適用する酸素ゲッターオプションについて、燃料ピンへの装荷方法のほか、候補材としたチタン,ジルコニウムの酸素吸収挙動及びFMS材,UOとの共存性の評価を行い、チタンロールペレット装荷方式が最も有望であるとの見通しを得た。
森平 正之; 瀬川 智臣
JAEA-Research 2007-085, 29 Pages, 2008/02
高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCTプロジェクト)では250GWd/t(集合体ピーク)の高燃焼度を達成するためペレットの低O/M比化によるFCCI低減を目指しているが、量産規模での高精度の酸素ポテンシャル制御の実現性や、自己発熱の大きい低除染TRU燃料ペレットの再酸化を勘案すると、実用プラントにおける低O/M比ペレットの量産には多大な困難が伴う可能性がある。そこで、照射中に生じる余剰酸素の吸収を燃料ピン内に装荷した酸素ゲッターに担わせることにより、ペレットそのもののO/M比を緩和する代替案を検討した。本研究では、酸素ゲッターとしての要件を満たす候補材のサーベイと、被覆管装荷方法の検討を実施した。
冨田 豊; 森平 正之; 田巻 喜久*; 西村 一久*; 庄司 修一*; 木原 義之; 加瀬 健; 小泉 務
JAEA-Research 2006-088, 95 Pages, 2007/01
日本原子力研究開発機構では、高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究において、低除染TRU燃料の有望な候補の一つとして外部ゲル化法による燃料粒子製造技術開発を実施した。フェーズIIでは大径粒子の製造条件の最適化,アンモニア廃ガス処理の軽減を目的とした外部ゲル化法の改良方法の検討及び低除染燃料特有の核分裂生成物の影響について検討した。その結果、振動充填燃料に適した大径粒子の製造条件を把握及び改良型の外部ゲル化法の適用性の可能性を見いだした。さらに、核分裂生成物は粒子製造に悪影響を与えないことを確認するとともに原料液の耐放射線性についてのデータを取得した。これらの結果より、低除染湿式再処理対応の振動充填燃料用燃料粒子製造に外部ゲル化法が適応できる技術的な見通しを得た。
中村 雅弘; 小澤 隆之; 森平 正之; 木原 義之
JAEA-Research 2006-028, 146 Pages, 2006/03
核燃料サイクル開発機構(現、日本原子力研究開発機構)では、動力炉・核燃料開発事業団時代の1996(平成8)年より2005(平成17)年まで、スイスPSI(Paul Scherrer Institut)及びオランダのNRG(Nuclear Research and Consultancy Group)との間で「振動充填燃料開発に関する共同研究」を実施した。これは、スフェアパック燃料(球状粒子充填燃料)について、ペレット燃料,バイパック燃料(非球形粒子充填燃料)とともに、オランダのHFR(High Flux Reactor)において比較照射を行う共同研究プロジェクトである。5%Np-MOXスフェアパック燃料を含む合計16セグメント(燃料ピン8本)の照射試験の結果、燃料の破損は発生しなかった。スフェアパック燃料の組織変化は、照射初期に急速に進み、48時間の定常照射により、中心空孔の形成はほぼ完了していた。溶融限界線出力試験の結果、HFRの条件下におけるスフェアパック燃料の溶融限界線出力は60kW/m、ペレット燃料の溶融限界線出力は73kW/mと評価した。バイパック燃料及びNp含有MOXスフェアパック燃料の照射挙動は、MOXスフェアパック燃料と大きな差違は見られなかった。しかしながら、組織変化試験におけるNp含有MOXスフェアパック燃料の中心空孔径はMOXスフェアパック燃料のそれよりも大きく、Np含有MOX燃料はMOX燃料と比較して熱伝導度が小さいことが考えられる。
森平 正之; Hellwig, C.*; Bakker, J.*; 中村 雅弘; 小澤 隆之; Bart, G.*; 木原 義之
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
サイクル機構がスイスPSIおよびオランダNRGとの間で進めてきたオランダのHFRにおけるスフェアパック燃料(SPF)、ペレット燃料、バイパック燃料(VPF)の比較照射試験の結果について報告する。本照射試験は、溶融限界線出力データを含むSPFの照射初期における熱的挙動データを採取し、FSにおけるSPFの性能評価と設計コードの検証に資することを目的として実施したSPF、ペレット燃料、VPFの比較照射試験であり、うち2本のSPFは5%Npを添加したものである。
冨田 豊; 森平 正之; 木原 義之; 田巻 喜久*
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 4 Pages, 2005/10
高い経済性と環境負荷低減がFBRサイクルに求められている。スフェアパック燃料は、遠隔自動化が可能、製造工程で微粉末が発生しない、コスト低減が可能である、などの利点を持つために有望な燃料と考えられている。このため、サイクル機構では外部ゲル化法によるスフェアパック燃料製造の開発を行っている。この報告では、外部ゲル化法による粒子製造試験について報告する。
森平 正之; 中村 雅弘; 小澤 隆之; 木原 義之; Hellwig, C.*; Ingold, F.*; Bakker, K.*
JNC TY8400 2005-006, 320 Pages, 2005/08
サイクル機構では、1996年から2005年にかけて、スイスPSI (Paul Scherrer Institut)、オランダNRG (Nuclear Research and Consultancy Group)との間で、スフェアパック燃料に係る共同研究を実施した。本共同研究は、機構の先進リサイクル燃料の候補である振動充填燃料に対する関心から計画されたものであり、MOXスフェアパック燃料、バイパック燃料、ペレット燃料の3種類の燃料についてオランダのHFR (High Flux Reactor) における比較照射試験を実施した。照射した3種類、計16本の燃料セグメント(燃料ピン8本)はPSIにおいて製造したもので、これらは20%Pu-MOXの組成を持つものであるが、うち2本のスフェアパック燃料は5%Np-20%Pu-MOXの組成とした。スフェアパック燃料用の粒子燃料は内部ゲル化法を用いて製造したもので、同プロセスが5%Npの添加にも問題なく適用できることがわかった。これらの燃料は、2003年9月にHFRの所在するオランダのペッテンに輸送されたのち、サンプルホルダーとしての組立が行われた。HFRでは、3回の短期定常照射と1回の溶融限界線出力試験が実施され、各回2本の燃料ピン(4セグメント)が同時照射された。短期定常照射試験はスフェアパック燃料の照射初期における組織変化データを得ることを目的とし、溶融限界線出力試験はスフェアパック燃料のPTM線出力をペレットとの比較データとして得ることを目的として実施された。照射試験は、2004年の1月から3月と同年12月から2005年3月にかけて行われ、同年7月に照射後試験が終了した。本共同研究は、HFRにおける照射試験を主たる目的として実施したものであるが、スフェアパック燃料のモデリングや設計技術のPSIから機構への移転、ハルデン炉におけるIFA-550.11照射試験(スイスのGösgen PWRにおいて定常照射を行ったUO2スフェパック燃料の出力急昇試験)、PSIにおける各種燃料の製造試験など多くの関連する作業が行われた。本報告書は、これらのうち、照射試験の計画、燃料設計、燃料製造、照射、照射後試験およびデータ解析の結果についてまとめたものである。
森平 正之; 小澤 隆之; 冨田 豊; 鈴木 政浩; 重留 義明; 木原 義之; 河野 秀作
JNC TN8400 2004-014, 193 Pages, 2004/07
サイクル機構が、スイスPSI 及びオランダNRGとの間で進めている振動充填燃料開発に関する共同研究は、5%Np-MOXを含むスフェアパック燃料(球状粒子充填燃料)について、ペレット燃料、バイパック燃料(非球形粒子充填燃料)とともに、オランダのHFR (High Flux Reactor)において比較照射を行う共同研究プロジェクトであり、照射試験を目指す過程で、PSIが長年に渡る研究実績を有するスフェアパック燃料に係る照射挙動評価モデリング、燃料設計、粒子燃料製造及び振動充填に係る技術を機構に導入することが一方の目的としている。PSIにおける照射試験ピンの製造は2003年5月に完了した。2004年1月から3月にかけてHFRにおける前半2回の照射試験を終了し、現在照射後試験を進めている。後半2回の照射は2004年秋までに実施される予定である。本報告書は、共同研究前半の燃料設計と照射ピン製造を中心にまとめたものである。
森平 正之
JNC TY8400 2004-006, 64 Pages, 2004/06
Gsgen-PWR・HBWR照射試験は、1986年にスイスPSI、独Siemens社、スイスKKGの共同研究として開始されたもので、PSIが製造したUOスフェアパック燃料とジーメンス社が製造したペレット燃料を、スイスのゲスゲン(Gsgen)PWRで定常照射したのち、一部の燃料セグメントについてハルデン炉(HBWR)においてランプ試験を実施したものである。 本報は、Kjeller研究所が作成した照射後試験レポートとPSIが作成した解析レポートを元に、3サイクル定常照射後にランプ試験を行ったS04(スフェアパック)とN06(ペレット)セグメントのデータをまとめたものである。
上村 勝一郎; 矢野 総一郎; 河野 秀作; 加藤 正人; 森本 恭一; 森平 正之; 菊池 圭一
PNC TN8410 97-067, 452 Pages, 1997/02
ハルデン炉において、「軽水炉用」プルトニウム富化燃料(Puf富化度4.6w/o)の高燃焼度照射試験(IFA-565)を実施した。IFA-565は、IFA-514照射試験として照射した6本の燃料棒のうち、3本について同一リグにて継続照射したものである。IFA-514については既報にまとめられており、本報告では、継続照射した照射データ及び照射後試験結果について解析・評価を行った。得られた結果は、以下の5点である。(1)ペレットピーク燃焼度で61GWd/tMOXの高燃焼度まで健全に燃焼すること確認した。(2)FPガス放出挙動はBWRUO2及びATR用のMOX燃料の挙動と類似しており、FPガス放出率に差は認められない。また、中空ペレットのFPガス放出率(13.0%)は中実ペレット(17.3%)より低い。(3)金相観察結果及びペレット長の変形量からいずれの燃料棒にも大きなPCMIは生じておらず、ペレット形状(中実と中空)がPCMI挙動に与える影響に明確な差は認められない。しかし、中空ペレットの方が中実ペレットに比べて燃料棒外径変化率がやや小さく、外径変化の抑制に効果がある。(4)燃料棒の伸びはBWRUO燃料棒及びATR用MOX燃料棒に比べてやや小さく、約0.15%である。(5)製造時に存在したペレットの造粒界が照射中に消失することにより、ペレットスウェリングの緩和に効果のあったことが推察される。
中村 雅弘; 森平 正之; 木原 義之; 関根 伸行*; Hellwig, C.*; Bakker, K.*
no journal, ,
JNC-PSI-NRG共同研究(通称フジプロジェクト)の枠組みの中でスフェアパック燃料設計コードDIRAD-Sによる計算結果と照射後試験結果を比較した。DIRAD-Sには粒子充填体熱伝導度モデルSPACONと粒子間のネッキングの機構論的モデルが組み込まれている。計算結果と照射後試験結果はよく一致した。
森平 正之
no journal, ,
「持続可能なエネルギーを目指して; 高速炉サイクル技術の研究開発の現状と将来展望」を基調テーマとして実施される夏期集中講義において、FBRサイクルの実用化戦略調査研究内容について説明する。
瀬川 智臣; 加藤 正人; 森本 恭一; 鹿志村 元明; 森平 正之; 宇野 弘樹*; 田村 哲也*; 砂押 剛雄*
no journal, ,
次世代の高速炉燃料として開発が進められているマイナーアクチニド(MA)含有MOX燃料は自己発熱が大きく温度上昇によって酸化が進むことが考えられるため、その製造工程においては適切な再酸化防止対策を取る必要がある。本研究は、その前提となるMOX原料粉の酸化の許容範囲を把握することを目的として、MOX原料粉のO/M比がペレットの焼結特性に及ぼす影響を調べた。
森平 正之; 瀬川 智臣; 松山 慎一郎*; 油田 良一*; 滑川 卓志
no journal, ,
高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCTプロジェクト)では集合体ピーク250GWd/tの高燃焼度化を目指している。その実現のためには照射中に生じる余剰酸素に起因するFCCIを抑制する必要があり、これまでMOXペレットの低O/M比化による余剰酸素吸収能力の強化を目指してきたが、低O/M比ペレットの量産に向けては多くの課題があるため、これに代わる方法として酸素ゲッター法の研究に着手した。これは燃料ピン内に装荷した金属片に余剰酸素を吸収させる方法であり、それによってペレットのO/M比要求を緩和することができる。本研究では、酸素ゲッターとしての要求を満たす材料のサーベイ及び被覆管装荷方法の検討を行い、金属Zr,金属Ti等の候補材を選定し、次にそれらの候補材について想定使用条件下における酸素吸収能力並びにMOX, UO及びFMS被覆材との共存性の評価を行った。
森平 正之; 瀬川 智臣; 滑川 卓志; 松山 慎一郎*; 油田 良一*; 水迫 文樹*
no journal, ,
高速炉MOX燃料の集合体平均150GWd/tの高燃焼度化に際して、被覆管内面腐食を低減するため、燃料要素内に酸素吸収材を装荷する酸素ゲッター法の検討を進めている。酸素ゲッター材が満たすべき要求を検討し候補材としてZrとTiを選定するとともに、燃料要素内への装荷方法について検討を行った。次に、酸素ゲッター材としての有効性を評価するため、Zr, Ti両候補材のディスクをO/U比2.00のUO平衡相当の酸素分圧に制御したCO/CO混合ガス流下において1300C,最大10hの加熱試験を行い、酸素吸収量と組織変化を調べた。これらの結果から、Zr, Tiとも酸素吸収材として有効であること,形態安定性の観点からはTiが優れていることがわかった。
瀬川 智臣; 森平 正之; 滑川 卓志; 松山 慎一郎*; 油田 良一*; 水迫 文樹*
no journal, ,
酸素ゲッター候補材とするZr, TiとUO及びSUS被覆材との共存性を評価するために、Zr-FMS, Ti-FMS, Zr-UO, Ti-UOの4種類のディスク対の用いた加熱試験を行い、試料の界面の状態について調べた。試験の結果から、今回の試験条件下では、ZrとUO及びFMSとの間で反応は見られないことがわかった。TiとFMSの共存性試験の結果、700C, 100hの加熱試験後のTi側には最大厚さ14mのTi-Fe-O相が形成されたが、FMS側へのTiの拡散は見られなかった。TiとUOの共存性試験の結果、Ti側の表面に微量のUが確認され、当該位置の酸素濃度が極めて低い場合があることから、Ti-Uの合金または酸化物の反応相が生成したと考えられる。TiはUO, FMSと反応相を生成したが、いずれもTi側に生じた限定的なものであり、UO燃料及びFMS被覆管の健全性に影響するものではないと考えられる。
森平 正之; 水迫 文樹*; 坪井 靖*
no journal, ,
高速炉MOX燃料の被覆管内面腐食の低減策として、燃料要素内に酸素吸収材を装荷する酸素ゲッター法の実現性について検討を進めている。ゲッターの燃料要素装荷方法の検討及び当該領域に装荷したゲッター候補材の酸化挙動評価の結果について報告する。
森平 正之; 水迫 文樹*; 永田 章人*; 高安 輝樹*
no journal, ,
高速炉サイクルの実用期には集合体ピーク250GWd/tの高燃焼度化の実現が求められるが、燃焼度とともに被覆管の内面腐食が進むことから、照射中に生じる余剰酸素を除去することにより腐蝕の抑制を図る必要があり、酸素ゲッター法の検討を行っている。酸素ゲッターの概念は古くからあり、近年ではロシアがバイパック燃料に金属ウラン粒子ゲッターを適用することにより内面腐蝕を良好に制御しているが、ペレット燃料への酸素ゲッターの適用についての報告は少ない。このため、ペレット燃料用酸素ゲッターの概念構築とその実現性の評価を進めている。前回までに候補材として金属チタンを選定し、照射時の溶融等を回避しつつ余剰酸素の吸収に必要な適切な温度を確保し、なおかつその酸化時の体積膨張を吸収する方法として、ロール状に巻いたチタン箔を燃料要素内の上部軸方向ブランケット領域の下端に装荷するチタンロールペレット方式を提案した。今回はチタンロールペレットの製作性と酸化挙動について評価するとともに、チタンの酸化挙動にかかわる追加データの取得を行った。