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論文

Nanoscopic structural investigation of physically cross-linked nanogels formed from self-associating polymers

関根 由莉奈; 遠藤 仁*; 岩瀬 裕希*; 竹田 茂生*; 向井 貞篤*; 深澤 裕; Littrell, K. C.*; 佐々木 善浩*; 秋吉 一成*

Journal of Physical Chemistry B, 120(46), p.11996 - 12002, 2016/11

 被引用回数:11 パーセンタイル:28.08(Chemistry, Physical)

コントラスト変調中性子小角散乱法を用いてコレステロール置換プルラン(CHP)が形成するナノゲルの内部微細構造の評価を行った。溶媒の重水分率の異なるCHPナノゲル水溶液の散乱強度を分離してCHPナノゲルを構成するプルラン、コレステロール、プルランーコレステロールのcross-termの部分散乱関数を求めて解析を行った。結果、プルラン鎖が形成するナノゲル骨格は半径8.1nmの大きさであった。また、CHPナノゲル内において、約3個のコレステロール分子から成る架橋点が19個形成され、フラクタル次元2.6で分布していることを明らかにした。また、架橋点と高分子鎖のcross-termを解析したところ、部分鎖の大きさは半径約1.7nmであった。以上の結果より、ナノゲルの内部微細構造を明らかにした。

論文

Mineralogical characterization of radioactive particles from Fukushima soil using $$mu$$-XRD with synchrotron radiation

甕 聡子*; 向井 広樹*; 綿貫 徹; 大和田 謙二; 福田 竜生; 町田 晃彦; 倉又 千咲*; 菊池 亮佑*; 矢板 毅; 小暮 敏博*

Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 111(5), p.305 - 312, 2016/10

 被引用回数:17 パーセンタイル:51.42(Mineralogy)

福島土壌粒子から放射能をもつ粒子を選び出し、50ミクロン程度の粒子一粒ごとに鉱物種の同定を放射光X線回折によって行った。板状の風化雲母の粒については様々な度合のバーミキュライト化されたものが見出された。ごく微粒子の塊である土壌粒子からは、長石や石英に加えてスメクタイト状の粘土鉱物が検出された。

論文

Constituent elements and their distribution in the radioactive Cs-bearing silicate glass microparticles released from Fukushima Nuclear Plant

小暮 敏博*; 山口 紀子*; 瀬川 浩代*; 向井 弘樹*; 甕 聡子*; 秋山 琴音*; 三留 正則*; 原 徹*; 矢板 毅

Microscopy, 65(5), p.451 - 459, 2016/10

 被引用回数:56 パーセンタイル:96.98(Microscopy)

Microparticles of radioactive Cs-bearing silicate glass emitted from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant were investigated mainly using state-of-the-art energy-dispersive X-ray spectroscopy in scanning transmission electron microscopes. Precise elemental maps of the particles were obtained using double silicon drift detectors with a large collection angle of X-rays, and qualitative elemental analysis was performed using high-resolution X-ray spectroscopy with a microcalorimetry detector. Beside the substantial elements as previously reported, Mn and Ba were also common, though their amounts were small. The atomic ratios of the substantial elements were not the same but varied among individual particles. Fe and Zn were relatively homogeneously distributed, whereas the concentration of alkali ions varied radially. Generally, Cs was rich and K and Rb were poor outward of the particles but the degree of such radial dependence was considerably different among the particles.

論文

Formation and geological sequestration of uranium nanoparticles in deep granitic aquifer

鈴木 庸平*; 向井 浩樹*; 石村 豊穂*; 横山 高富*; 坂田 修平*; 平田 孝文*; 岩月 輝希; 水野 崇

Scientific Reports (Internet), 6, p.22701_1 - 22701_6, 2016/03

 被引用回数:14 パーセンタイル:47.29(Multidisciplinary Sciences)

微生物による6価ウランの4価ウランへの還元固定法は、汚染水の安価な浄化方法として知られている。その反応は一般的に5ナノメーター以下のウラン粒子で起こる。本研究では、花崗岩中の割れ目を充填する炭酸塩鉱物において、4価のウランからなるコフィナイト粒子の観察を行った。その結果、普遍的な現象として微生物による炭酸塩鉱物の形成時に、炭酸塩鉱物と4価ウランナノ粒子の共沈が起こっている可能性が考えられた。このような現象は、放射性廃棄物の地層処分に関連して汚染水中の放射性核種やウランの長期隔離に寄与すると考えられる。

論文

Cesium adsorption/desorption behavior of clay minerals considering actual contamination conditions in Fukushima

向井 広樹*; 廣瀬 農*; 甕 聡子*; 菊池 亮佑*; 田野井 慶太朗*; 中西 友子*; 矢板 毅; 小暮 敏博*

Scientific Reports (Internet), 6, p.21543_1 - 21543_7, 2016/02

 被引用回数:137 パーセンタイル:96.45(Multidisciplinary Sciences)

Cesium adsorption/desorption experiments for various clay minerals, considering actual contamination conditions in Fukushima, were conducted using the $$^{137}$$Cs radioisotope and an autoradiography using imaging plates (IPs). An aliquot containing 0.185 -1.85 Bq of $$^{137}$$Cs was dropped onto a substrate where various mineral particles were arranged. It was found that partially-vermiculitized biotite, which is termed "weathered biotite" (WB) in this study, from Fukushima sorbed $$^{137}$$Cs far more than the other clay minerals (fresh biotite, illite, smectite, kaolinite, halloysite, allophane, imogolite) on the same substrate. Cs-sorption to WB continued for about one day, whereas that to ferruginous smectite was completed within one hour. The sorbed $$^{137}$$Cs in WB was hardly leached with hydrochloric acid at pH 1, particularly in samples with a longer sorption time. The presence/absence of WB sorbing radiocesium is a key factor affecting the dynamics and fate of radiocesium in Fukushima.

論文

IFMIF/EVEDA加速器制御系データ収集系の開発状況

宇佐美 潤紀; 高橋 博樹; 小向 聡*

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.760 - 763, 2015/09

IFMIF/EVEDA加速器(LIPAc)制御系の開発は、EUと原子力機構(JAEA)が共同で進めているが、全体監視などを行う中央制御システム(CCS)についてはJAEAが主体となって行っている。また、EUが開発した機器制御系とCCS間はEPICSを介してデータ授受が行われる。JAEAでは、CCSにおける開発要素の1つとしてPostgreSQLを用いたLIPAcの全EPICSデータの保管と参照を行うシステム(データ収集系)の開発を進めている。一方、欧州では機器単体試験においてBEAUTY (Best Ever Archive Toolset, yet)を用いてデータ収集を行うため、CCSのデータ収集系においては、「BEAUTYとのデータの互換性確保」、「複数のサーバ機による収集データを一括で画面参照」、「データ収集とバックアップ作業の平行化」を考慮する必要があり、現在は前者2つについて対応を進めている。そして、入射器のコミッショニングにおいて、開発したデータ収集系の実証試験を行っている。データ収集系は、入射器,放射線モニタ等のデータを収集しており、CSS(Control System Studio)を用いたGUIによるデータ参照も可能である。本件では、入射器のコミッショニングにおける実証試験の結果をもとに、データ収集系開発の現状について報告する。

論文

Speciation of radioactive soil particles in the Fukushima contaminated area by IP autoradiography and microanalyses

向井 広樹*; 八田 珠郎*; 北澤 英明*; 山田 裕久*; 矢板 毅; 小暮 敏博*

Environmental Science & Technology, 48(22), p.13053 - 13059, 2014/12

 被引用回数:116 パーセンタイル:94.36(Engineering, Environmental)

福島汚染地域から採取した土壌微粒子に対しIPオートラジオグラフィーによる分析により、放射性物質を含む微粒子を抽出し、その詳細について明らかにした。微粒子のタイプは3種類あり、有機物および無機物を含む団粒構造粒子および純粋な粘土鉱物であることが分かった。これらの微粒子のTEM/SEM-EDS分析から、福島においては放射性セシウムは、主に風化黒雲母に収着していることが明らかとなった。また、収束イオンビームによる周縁部の切断と放射能量の再分析から、放射性セシウムは、その周縁部のみならず粘土鉱物中に均一に分布していることが明らかとなった。

報告書

汎用小型試験研究炉の概念検討; 平成23年度活動報告

綿引 俊介; 花川 裕規; 今泉 友見; 永田 寛; 井手 広史; 小向 文作; 木村 伸明; 宮内 優; 伊藤 正泰; 西方 香緒里; et al.

JAEA-Technology 2013-021, 43 Pages, 2013/07

JAEA-Technology-2013-021.pdf:5.12MB

世界の試験研究炉は、老朽化に伴う廃炉により、その数は減少しているが、原子力発電の導入を計画している国では、原子力人材育成、科学技術の向上、産業利用、軽水炉の安全研究のために、試験研究炉の必要性が高まっている。日本原子力研究開発機構では、平成22年度より試験研究炉設計のための環境整備及び人材育成のため、汎用小型試験研究炉の検討を開始し、平成24年度までに概念検討を行う予定である。平成23年度は、汎用小型試験研究炉の炉心構成の検討、汎用性及び実用性の高い照射設備の検討及びMo製造のためのホットラボ設備の検討を実施した。その結果、炉心構成の検討結果として、照射物を考慮した原子炉の未臨界度及び連続運転時間について確認するとともに自動制御運転中における反応度外乱に対する原子炉の過渡応答について、定格出力運転中の汎用小型試験研究炉は、自動制御運転が十分に可能であることを確認できた。また、照射設備の検討としては、Mo-99のような短半減期ラジオアイソトープの効率的な大量生産の実現が期待できることを確認し、ホットラボ設備の検討においては、Mo製造,RI搬出等を考慮したうえで迅速に試料を配布できるセル・設備を考案した。

論文

Development status of data acquisition system for LIPAc

高橋 博樹; 小島 敏行; 成田 隆宏; 榊 泰直; 小向 聡*

Proceedings of 3rd International Particle Accelerator Conference (IPAC '12) (Internet), p.3972 - 3974, 2012/07

IFMIF/EVEDA加速器(LIPAc)の制御システムはEPICSを採用し、機器の遠隔監視制御、データ収集を行う。LIPAcは、IFMIF加速器を構成する基本的な機器で構成されており、それら機器の工学実証を目的としている。よって、LIPAcにおける各機器Commissioning、並びに、加速器Commissioning等のすべてのデータは、工学実証における各機器性能の検証、及び、IFMIF加速器開発活動において、非常に重要である。このように、LIPAcに関する重要なデータを確実に収集し、さらには、検証作業、開発活動における効率的なデータ検索を実現するために、Relational Database(RDB)をベースとしたデータ収集系の開発を開始した。LIPAc用DACの設計方針として、RDBとしてはPostgreSQLを用い、データ収集能力の確保、及び、データ増加時の対応を考慮し、データ収集用RDB複数台でデータ収集系を構築することとした。また、検索用PCを1台設置し、このPCを介してのみユーザはデータ検索可能とすることで、複数台のデータ収集用RDBがユーザからは1つのRDBとして扱うことを可能とすることとした。本件では、この方針のもと開発を進めている、LIPAc用データ収集系の開発状況を報告する。

報告書

汎用小型試験研究炉の概念検討; 平成22年度活動報告(共同研究)

今泉 友見; 宮内 優; 伊藤 正泰; 綿引 俊介; 永田 寛; 花川 裕規; 那珂 通裕; 川又 一夫; 山浦 高幸; 井手 広史; et al.

JAEA-Technology 2011-031, 123 Pages, 2012/01

JAEA-Technology-2011-031.pdf:16.08MB

世界の試験研究炉は、老朽化に伴う廃炉により減少しているが、その一方でアジア諸国においては、原子力発電の導入計画が相次いでいる。このようなアジア諸国では、原子力発電所を建設した後の運転管理ができる技術者の育成が課題となっていると同時に、自国における原子力技術を高めるため、軽水炉の長期化対策,科学技術の向上,産業利用及び原子力人材育成のための試験研究炉の必要性が高まっている。このような背景から、照射試験炉センターにおいては、今後、発電用原子炉を導入する国に向け、各種照射利用や教育訓練に用いる試験研究炉の基本概念検討を開始した。設計活動を通じた本検討は、照射試験炉センターにおける試験研究炉の設計に必要な計算コードなどの環境の整備及び人材育成に貢献するとともに、本概念検討に共同研究として参加する原子力関連会社の試験研究炉にかかわる技術力の維持,向上にも貢献することが期待される。本報告は、平成22年度に設置された「照射試験炉センター汎用小型試験研究炉WG(ワーキンググループ)」と原子力関連会社が行った平成22年7月$$sim$$平成23年6月までの試験研究炉の概念検討結果について取りまとめたものである。

口頭

中性子小角散乱法による物理架橋ナノゲルの微細構造解析

関根 由莉奈; 遠藤 仁*; 岩瀬 裕希*; 竹田 茂生*; 向井 貞篤*; 深澤 裕; 佐々木 善浩*; 秋吉 一成*

no journal, , 

多糖であるプルランに疎水基を導入した疎水化多糖は、自己組織的に水中で約20nmの物理架橋ナノゲルを形成する。このナノゲルは疎水性の低分子薬剤やタンパク質等をネットワーク中に内包する性質を持つことから体内に薬物や物質を効率良く輸送するキャリアとして広く応用されてきた。今まで、ピレンを用いた蛍光消光法等によりナノゲル内に疎水性基同士の相互作用が観察されているが、詳細な内部構造はほとんど明らかとなっていない。ナノゲル内部の微細構造はその機能に大きく関与すると考えられることから、物理的, 化学的機能を制御した新規なナノゲル材料開発のために詳細な構造を明らかとすることは重要である。本発表では、コントラスト変調中性子小角散乱法を用いてコレステロール置換プルランナノゲル(CHPナノゲル)内部の微細構造を評価した結果について述べる。

口頭

コントラスト変調中性子小角散乱法によるナノゲルの構造評価

関根 由莉奈; 深澤 裕; 遠藤 仁*; 岩瀬 裕希*; 向井 貞篤*; Littrell, K. C.*; Fernandez-Baca, J. A.*; 秋吉 一成*

no journal, , 

ナノゲルは架橋された高分子と水から構成されるナノサイズの微粒子である。多糖であるプルランやグリコーゲンにコレステロール等の疎水性の分子を修飾した疎水性多糖は、水中に分散させると自己組織的に直径約20-30nmのナノゲルを形成する。ナノゲルは自発的にタンパク質や低分子薬剤を内包することから体内に薬物や物質を効率よく輸送するキャリアとして広く応用されてきたが、詳細な内部構造は未だ明らかとなっていない。本研究では、コントラスト変調中性子小角散乱法(CV-SANS)を用いてコレステロール置換プルランナノゲルの構造を評価した。中性子小角散乱実験はJ-PARCの中性子小中角散乱装置(大観)及びORNLのGP-SANSを用いて行った。純水に対する重水の体積分率$$Phi$$$$_{D_2 rm O}$$が0, 0.7, 0.8, 0.9, 1.0となる5種類の混合水を用いてナノゲル水溶液を調整し、中性子散乱実験を行った。散乱プロファイルの解析により、ナノゲル内部全体に会合したコレステロールが分布し、架橋点を形成していることを明らかにした。

口頭

コントラスト変調中性子小角散乱法によるナノゲルの構造解析

関根 由莉奈; 遠藤 仁*; 岩瀬 裕希*; 深澤 裕; 向井 貞篤*; 秋吉 一成*

no journal, , 

多糖であるプルランやデキストリンに疎水基を導入した疎水化多糖は、自己組織的に水中で約20-30nmの物理架橋ナノゲルを形成する。このナノゲルは疎水性分子であるタンパク質等の生体分子を内包し、更に徐放制御し得ることから、有用な新規医療材料としての展開が期待されている。ナノゲルの構造として複数の疎水性基が疎水性相互作用により架橋点を形成し、微細なネットワーク構造を取るというモデルが予想されているが、現在のところ詳細な内部構造はほとんど明らかとなっていない。内部の構造がナノゲルの機能性に大きく関与することから詳細な構造を明らかとすることは重要である。本研究では、J-PARC大観及びオークリッジ国立研究所のCG2-SANSの装置を利用し、コントラスト変調中性子小角散乱法によりコレステロール置換プルランナノゲル(CHPナノゲル)内部の微細構造を評価した。散乱プロファイルを解析することにより、ナノゲル内部では4個程の疎水性基が会合し一様に架橋点が分布することを明らかとした。このような構造を取る微粒子は今までほぼ報告されておらず、微粒子材料の更なる高機能化に繋がる重要な知見を得た。

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