検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 61 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Corrigendum to "Visualization of the working fluid in a flat-plate pulsating heat pipe by neutron radiography" [International Journal of Heat and Mass Transfer 185 (2022) 122336]

安田 陽介*; 松本 吉弘*; 篠原 武尚; 鍋島 史花*; 堀内 敬介*; 永井 大樹*

International Journal of Heat and Mass Transfer, 213, p.124291_1 - 124291_2, 2023/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.99(Thermodynamics)

Behaviors of the working fluid in a flat-plate pulsating heat pipe (PHP), made of aluminum alloy, in the bottom- and top-heating orientations were visualized by neutron radiography. The results indicate that the initial distribution of the working fluid does not affect the startup characteristics of oscillation of the working fluid in regard to the specifications of flat-plate PHP used in this study.

論文

Application of Bayesian machine learning for estimation of uncertainty in forecasted plume directions by atmospheric dispersion simulations

門脇 正尚; 永井 晴康; 吉田 敏哉*; 寺田 宏明; 都築 克紀; 澤 宏樹*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(10), p.1194 - 1207, 2023/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:87.3(Nuclear Science & Technology)

大気拡散シミュレーションにより原子力事故の緊急対応を支援する場合、予測結果と合わせて結果の不確実性を提供する必要がある。本研究では、予測結果のプルームの拡散方向の不確実性をベイズ機械学習に基づいて推定する手法を開発する。機械学習用のトレーニングデータおよびテストデータは、原子力施設からのセシウム137の仮想放出を考慮したシミュレーションを2015年から2020年の期間で毎日実行することで作成された。不確実性推定に対する本手法の有効性を調べたところ、36時間後の予測においても不確実性の予測可能性は50%を超えたことから、本手法の有効性が確認された。また、不確実性が大きいと判定されたプルームの拡散方向も、本手法によって極めて良好に予測された(予測期間において不確実性を妥当に判定しなかった割合は0.9%-7.9%)。一方で、本手法により不確実性が過大に予測された割合は最大で31.2%となったが、これは許容できると考えられる。これらの結果は、本研究で開発されたベイズ機械学習による不確実性推定の手法が、大気拡散シミュレーションによって予測されたプルームの方向の不確実性を効果的に推定していることを示している。

論文

Evaluation of uncertainties derived from meteorological forecast inputs in plume directions predicted by atmospheric dispersion simulations

吉田 敏哉; 永井 晴康; 寺田 宏明; 都築 克紀; 澤 宏樹*

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(1), p.55 - 66, 2022/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:44.61(Nuclear Science & Technology)

本研究では、気象予報の不確実性が及ぼす大気拡散予報計算への影響を定量的に評価した。そのために、大気拡散モデルを用いて原子力施設からの放出を想定した過去1年間(2018年)の拡散計算を行った。気象入力条件に解析値を用いた計算と予報値を用いた計算を行い、解析値計算に対する予報値計算の誤差を不確実性とした。不確実性の定量的な大きさは、両者の地表濃度分布の代表的な拡散方向のずれを角度で表すことで算出した。気象庁が配信している気象入力値を使用した場合、その角度は平均的には10$$^{circ}$$/日で増加した。一方、前後の時刻の不確実性とは関係なく、突発的に4、5倍に増加することも分かった。また、角度の時系列は日変化や季節変化を有していたため、拡散方向の不確実性は気象入力値だけでなく気象条件や地理的条件の影響を受けることが示唆された。さらに、不確実性の主な要因は、解析値と予報値との100kmスケール以上もしくは100kmスケール以下の風向のずれであることを示した。

論文

DMFT reveals the non-Hermitian topology and Fermi arcs in heavy-fermion systems

永井 佑紀; Qi, Y.*; 磯部 大樹*; Kozii, V.*; Fu, L.*

Physical Review Letters, 125(22), p.227204_1 - 227204_7, 2020/11

 被引用回数:51 パーセンタイル:94.66(Physics, Multidisciplinary)

核燃料物質として使われるウランやプルトニウムなどを含む化合物はいわゆる重い電子系と呼ばれ、非常に強い電子間相互作用が多彩な物性を生み出している。また、強い電子間相互作用を持つ物質の性質を理解することは、同じく強い電子間相互作用を持つ銅酸化物高温超伝導体の性質を明らかにするためにも重要である。本論文では、銅酸化物高温超伝導体物質群で普遍的に見られる現象である「フェルミアーク」が、重元素化合物などの重い電子系でも現れることを理論的に示した。特に、ここで現れる「バルクフェルミアーク」は、重い電子系における新しいトポロジーに関する理論である「非エルミートトポロジカル理論」を用いることによって明らかになったものである。本論文によって、重い電子系の物性の理解に、トポロジーというこれまでとは全く異なった視点を用いることができることが示された。

論文

Coexisting spin resonance and long-range magnetic order of Eu in EuRbFe$$_{4}$$As$$_{4}$$

飯田 一樹*; 永井 佑紀; 石田 茂之*; 石角 元志*; 村井 直樹; Christianson, A. D.*; 吉田 紘行*; 稲村 泰弘; 中村 博樹; 中尾 朗子*; et al.

Physical Review B, 100(1), p.014506_1 - 014506_8, 2019/07

 被引用回数:34 パーセンタイル:84.94(Materials Science, Multidisciplinary)

パルス中性子散乱実験による鉄系超伝導体EuRbFe$$_{4}$$As$$_{4}$$のスピン揺らぎ、磁気構造の測定を行い、同物質における超伝導体対称性などの議論を行った。

論文

In situ observations reveal how spectral reflectance responds to growing season phenology of an open evergreen forest in Alaska

小林 秀樹*; 永井 信*; Kim, Y.*; Yan, W.*; 池田 教子*; 伊川 浩樹*; 永野 博彦; 鈴木 力英*

Remote Sensing, 10(7), p.1071_1 - 1071_19, 2018/07

 被引用回数:13 パーセンタイル:50.87(Environmental Sciences)

春に葉が緑に色づき、秋には紅葉するといった、植物のフェノロジーは、生物学的応答と陸域炭素循環の特徴付けにおいて必須の状態情報である。そして、人工衛星によって広域的かつ長期的に観測されている地上の分光反射率が、フェノロジーの指標として広く利用されている。しかしながら、「実際のフェノロジーに対して、分光反射率がどのように変化するのか?」に対する正確な解釈を得るために必須である地上観測が、北方の針葉樹林では不足している。本研究では、アラスカ内陸部のクロトウヒ林においては初めてとなる、林冠スケールと下層植生、それぞれの分光反射率、そして植生指数(NDVI)の地上連続観測を行った。本観測により、(1)林冠スケールのNDVIは太陽の天頂角によって変化するが、下層植物のNDVIは天頂角に鈍感であること、(2)観測時間を統一するか太陽の天頂角を統一するかで、年間で最大のNDVIが観測される時期が異なること、(3)光合成の活発な期間から完全に外れているにも関わらず、NDVIが秋の1ヶ月間に高い値のままプラトーになること、が見いだされた。この結果は秋に起こるNDVIのプラトー現象によって、北方林における生育期の終わりを検出できる可能性が高いことを示唆している。このように我々が行っている分光反射率の地上連続観測は、北方高緯度地域において人工衛星ベースのフェノロジーアルゴリズムを開発・検証するためのベースライン情報を提供することができる。

論文

Multi-band Eilenberger theory of superconductivity; Systematic low-energy projection

永井 佑紀; 中村 博樹

Journal of the Physical Society of Japan, 85(7), p.074707_1 - 074707_18, 2016/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:27.6(Physics, Multidisciplinary)

銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。鉄系高温超伝導体などをデバイスとして応用するためには、第一原理計算などを駆使した物質の特徴を捉えたシミュレーション手法の開発が急務である。本論文発表では、上記課題に対し、平均場近似の範囲内で、あらゆる物質のハミルトニアンに適用可能な超伝導理論を確立したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたり、従来用いられた準古典理論を大幅に拡張し、鉄系高温超伝導体やトポロジカル超伝導体などの新奇超伝導体群を取り扱えるように定式化した。そして、具体的な物質に対してこの理論を適用した。これらの結果は、超伝導体の基礎特性を明らかにする手法であるのみならず、第一原理計算と組み合わせることで物質の特徴を取り入れることができるため、様々な異なる物質系に適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。

論文

First-principles study of antimony doping effects on the iron-based superconductor CaFe(Sb$$_{x}$$As$$_{1-x}$$)$$_{2}$$

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦; 黒木 和彦*

Journal of the Physical Society of Japan, 84(9), p.093702_1 - 093702_4, 2015/09

 被引用回数:6 パーセンタイル:45.13(Physics, Multidisciplinary)

鉄系高温超伝導体の超伝導発現機構は、未だに謎が多く未解明であるが、臨界温度や臨界磁場が高く、産業や原子力分野での応用を念頭においた場合、極めて有力な材料の一つである。CaFe(Sb$$_{x}$$As$$_{1-x}$$)$$_{2}$$は最近新規合成された物質であり、アンチモンのドープによって超伝導転移温度Tcが10K以上上昇するため、その超伝導特性について調べる必要があった。また、アンチモンがヒ素のどのサイトに置換されるかが不明であり、詳細な解析が求められていた。そこで、上記課題に対し、第一原理計算を用いることで、どのヒ素がアンチモンに置換されたときに安定な構造になるかを理論的に詳細に調べた。その結果、これまでの鉄系超伝導体にはないジグザグヒ素構造の部分にアンチモンが入りやすいことがわかった。この結果は、鉄系超伝導体の超伝導転移温度を上昇させる理論的指針となるだけでなく、広く原子力分野の材料研究開発にも資する成果である。

論文

SPECT imaging of mice with $$^{99m}$$Tc-radiopharmaceuticals obtained from $$^{99}$$Mo produced by $$^{100}$$Mo(n,2n)$$^{99}$$Mo and fission of $$^{235}$$U

橋本 和幸; 永井 泰樹; 川端 方子; 佐藤 望*; 初川 雄一; 佐伯 秀也; 本石 章司*; 太田 雅之; 今野 力; 落合 謙太郎; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 84(4), p.043202_1 - 043202_4, 2015/04

 被引用回数:8 パーセンタイル:52.77(Physics, Multidisciplinary)

The distribution of $$^{99m}$$Tc-radiopharmaceutical in mouse was obtained with SPECT for the first time using $$^{99m}$$Tc, which was separated by thermochromatography from $$^{99}$$Mo produced via the $$^{100}$$Mo(n,2n)$$^{99}$$Mo reaction with accelerator neutrons. The SPECT image was comparable with that obtained from a fission product $$^{99}$$Mo. Radionuclidic purity and radiochemical purity of the separated $$^{99m}$$Tc and its aluminum concentration met the United States Pharmacopeia regulatory requirements for $$^{99m}$$Tc from the fission product $$^{99}$$Mo. These results provide important evidence that $$^{99m}$$Tc radiopharmaceutical formulated using the $$(n,2n)$$ $$^{99}$$Mo can be a promising substitute for the fission product $$^{99}$$Mo. A current and forthcoming problem to ensure a reliable and constant supply of $$^{99}$$Mo in Japan can be partially mitigated.

論文

Surface states around a vortex in topological superconductors; Intersection of a surface and a vortex

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦

Journal of the Physical Society of Japan, 84(3), p.033703_1 - 033703_4, 2015/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:11.18(Physics, Multidisciplinary)

銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。特に、従来とは異なった熱応答や電磁応答を示すトポロジカル超伝導体と呼ばれる物質群が注目を集めている。そこで本論文発表では、トポロジカル絶縁体Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$に銅を導入して作成される超伝導体の表面への磁場の影響を調べた。なお、上記課題の解決にあたり、第一原理計算によって構築されたトポロジカル超伝導体を記述するモデルを用い、超並列版チェビシェフ多項式展開ソルバを用いる事によって、超伝導磁束と表面の両方が存在する三次元系の実空間シミュレーションを行い、表面電子状態が超伝導磁束によって抑制される一方磁束中電子状態は表面の影響を受けないことを明らかにした。これらの結果は、超伝導体界面の正確なシミュレーションによる良い物性を持つデバイス開発に資する成果であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。

論文

Inhomogeneity effects in topological superconductors

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦

JPS Conference Proceedings (Internet), 3, p.015013_1 - 015013_6, 2014/06

トポロジカル絶縁体と呼ばれる端のみで電流を運ぶ熱電変換効率の高いと予想される物質群が、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され盛んに研究されている。一方、トポロジカル絶縁体BiSeに銅を導入することによって作製された超伝導体CuxBiSeは、端のみで電流を流すという特異な物性を持ち、かつ超伝導ともなるため、従来にない新しいデバイスとして期待されており、その物性の詳細を明らかにすることが求められている。本講演では、以前構築に成功したトポロジカル超伝導体の有効理論をさらに発展させることにより、表面の効果を扱えるようになったことを報告する。具体的には、トポロジカル絶縁体の表面に生成される表面束縛状態の情報を用いて、それが超伝導となったときに物性にどのような影響を与えるかを記述する方程式を導出した。

論文

Spin-polarized majorana bound states inside a vortex core in topological superconductors

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦

Journal of the Physical Society of Japan, 83(6), p.064703_1 - 064703_7, 2014/06

 被引用回数:24 パーセンタイル:76.81(Physics, Multidisciplinary)

銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。特に、従来とは異なった熱応答や電磁応答を示すトポロジカル超伝導体と呼ばれる物質群が注目を集めている。そこで、本論文では、トポロジカル超伝導体に侵入した超伝導磁束の周りに生じる準粒子束縛状態について調べた。なお、上記課題の解決にあたり、トポロジカル超伝導体の超伝導磁束におけるゼロエネルギー束縛状態の解を対称性を利用して解析的に求め、さらに、数値計算で確認を行った。本論文では、侵入した超伝導磁束の周りにスピン局在したマヨラナフェルミオンという特異な束縛状態が現れ、その束縛状態によって電子スピンを磁束にとどめておけることを報告する。これらの結果は、超伝導体の基礎物性を明らかにするのみならず、良い特性を持つデバイス開発に資する成果であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。

論文

Quasiclassical treatment and Odd-Parity/Triplet correspondence in topological superconductors

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦

Journal of the Physical Society of Japan, 83(5), p.053705_1 - 053705_4, 2014/05

 被引用回数:13 パーセンタイル:63.97(Physics, Multidisciplinary)

トポロジカル絶縁体と呼ばれる、端のみで電流を運ぶ熱電変換効率の高いと予想される物質群が様々な産業への応用も期待され盛んに研究されている。一方、トポロジカル絶縁体BiSeに銅を導入することによって作製された超伝導体Cu$$_{x}$$BiSeは、端のみで電流を流すという特異な物性を維持したまま超伝導となるため、その特異な機能を活かした新しいデバイスとして期待されており、その物性の詳細を明らかにすることが求められている。本論文では、トポロジカル超伝導体の性質を効果的に説明する有効理論の構築に成功したことを報告する。具体的には、トポロジカル超伝導体のモデルを準古典近似を用いて別のモデルに書き換えることに成功し、その結果、超流動液体ヘリウムを記述する方程式と等価な方程式を導出することができた。

論文

Surface and vortex bound states in topological superconductors

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦

Physica C, 494, p.17 - 19, 2013/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:4.96(Physics, Applied)

トポロジカル絶縁体と呼ばれる、物質端のみで電流を運ぶ熱電変換効率の高いと予想される物質群が、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用が期待され盛んに研究されている。さらに、このトポロジカル絶縁体Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$に銅を導入することによって作製されたCu$$_{rm x}$$Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$は、端のみで電流を流すという特異な物性を持つ超伝導となるため、新しいタイプのデバイスとして期待されており、その物性の詳細を明らかにすることが求められている。本発表では、このトポロジカル超伝導体Cu$$_{rm x}$$Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$の超伝導状態形成機構を探るための実験手法を提案する。具体的には、磁場下の超伝導体において、特定の超伝導状態を仮定すると電子のスピンが局在し、J-PARC等の中性子回折によって観測可能であることを示した。

論文

Andreev bound-states of vortices and surfaces in topological superconductors

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦

Journal of Physics; Conference Series, 393, p.012017_1 - 012017_8, 2012/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:43.5(Physics, Multidisciplinary)

トポロジカル絶縁体と呼ばれる、端のみで電流を運ぶ熱電変換効率の高いと予想される物質群が、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され盛んに研究されている。一方、トポロジカル絶縁体Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$に銅を導入することによって作製された超伝導体CuxBi$$_{2}$$Se$$_{3}$$は、端のみで電流を流すという特異な物性を持ち超伝導となるため、新しいデバイスとして期待されており、その物性の詳細を明らかにすることが求められている。本発表では、このトポロジカル超伝導体CuxBi$$_{2}$$Se$$_{3}$$の超伝導状態形成機構を探るための実験手法を提案する。具体的には、超伝導化による自発的な回転対称性の破れを異方的な熱伝導率として測定できることを指摘し、さらに、仮定する超伝導状態の種類によっては、磁場中での磁束に磁化が起きる場合と起きない場合があることを示す。後者は特に、J-PARCで中性子回折等により観測可能である。

論文

Rotational isotropy breaking as proof for spin-polarized cooper pairs in the topological superconductor Cu$$_x$$Bi$$_2$$Se$$_3$$

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦

Physical Review B, 86(9), p.094507_1 - 094507_5, 2012/09

 被引用回数:34 パーセンタイル:77.82(Materials Science, Multidisciplinary)

物質端のみで電流を運ぶ熱電変換効率の高いと予想されるトポロジカル絶縁体と呼ばれる物質群が、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され盛んに研究されている。一方、トポロジカル絶縁体Bi$$_2$$Se$$_3$$に銅を導入することによって作製された超伝導体Cu$$_x$$Bi$$_2$$Se$$_3$$は、端のみで電流を運ぶという物性を持ちながら超伝導となるため、新しいデバイスとして期待されており、その物性の詳細を明らかにすることが求められている。本論文では、このトポロジカル超伝導体Cu$$_x$$Bi$$_2$$Se$$_3$$の超伝導発現機構を探るための実験手法を提案する。具体的には、異方的な熱伝導率を測定することにより、超伝導化による回転対称性の破れを検出できるため、超伝導状態の決定が可能となることを指摘した。

論文

Theoretical analysis for inelastic neutron scattering on BaFe$$_{2}$$(As$$_{1-x}$$,P$$_{x}$$)$$_{2}$$ using realistic three-dimensional 10-orbital tight-binding model

永井 佑紀; 中村 博樹; 鈴木 雄大*; 臼井 秀知*; 黒木 和彦*; 町田 昌彦

Journal of the Physical Society of Japan, 80(Suppl.B), p.SB021_1 - SB021_4, 2011/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)

近年発見された鉄系高温超伝導体は、産業への応用も期待され世界中で盛んに研究されている。機構においても、量子ビーム部門のJ-PARCによる中性子散乱実験が行われており、その結果の解析が必要とされている。本発表では、J-PARCで行われているBaFe$$_{2}$$(As$$_{1-x}$$,P$$_{x}$$)$$_{2}$$の中性子散乱実験の結果を解析するために、第一原理計算結果に基づくモデルと多軌道乱雑位相近似を組合せた手法を用いシミュレーションを行うことで、この物質の超伝導発現機構について新たな知見が得られたことを報告する。なお、課題解決にあたり、機構のスーパーコンピュータBX900を対象とした大規模並列計算コードを開発し、従来実現できなかった三次元10軌道模型によるシミュレーションを実施した。その結果、Pを含む鉄系超伝導体BaFe$$_{2}$$(As$$_{1-x}$$,P$$_{x}$$)は含まない他の超伝導体と超伝導発現機構が異なる可能性があることがわかった。以上の知見は、鉄系超伝導体の転移温度を上昇させる方針方法に指針を与えるものであると考えられる。また、開発した計算コードは、当室における原子力材料のマルチスケールシミュレーション開発に資する成果であり、当該成果の反映が期待できる。

論文

$$s_{pm}$$-like spin resonance in the iron-based nodal superconductor BaFe$$_2$$(As$$_{0.65}$$P$$_{0.35}$$)$$_2$$ observed using inelastic neutron scattering

石角 元志; 永井 佑紀; 樹神 克明; 梶本 亮一; 中村 充孝; 稲村 泰弘; 脇本 秀一; 中村 博樹; 町田 昌彦; 鈴木 雄大*; et al.

Physical Review B, 84(14), p.144517_1 - 144517_5, 2011/10

 被引用回数:27 パーセンタイル:70.58(Materials Science, Multidisciplinary)

$$T_c$$=30K、鉄系超伝導体BaFe$$_2$$(As$$_{0.65}$$P$$_{0.35}$$)$$_2$$の粉末試料を用いて非弾性中性子散乱測定を行った。この系は超伝導オーダーパラメータにラインノードを持っているが、われわれはスピン共鳴をラインノードを持たない$$s_{pm}$$鉄系超伝導体と同じ散乱ベクトルに観測した。さらに、共鳴の増大率はホールと電子面間における符号反転領域の尺度になるが、ラインノードを持たないものと同程度であった。これらのことはこの系におけるフェルミ面間の符号反転が支配的でラインノードはひとつのフェルミ面で符号反転領域を限られた領域しか作らないことを意味する。それゆえ、この系はLaFePO$$_{1-y}$$やKFe$$_2$$As$$_2$$($$T_c < $$10K)などのノードを持つ系よりも高い$$T_c$$を保持する。理論計算との比較は水平ラインノードが観測結果を再現するモデルの候補であることを示唆する。

論文

Superconducting gap function in the organic superconductor (TMTSF)$$_2$$ClO$$_4$$ with anion ordering; First-principles calculations and quasiclassical analysis for angle-resolved heat capacity

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦

Physical Review B, 83(10), p.104523_1 - 104523_8, 2011/03

 被引用回数:22 パーセンタイル:64.29(Materials Science, Multidisciplinary)

有機超伝導体(TMTSF)$$_2$$ClO$$_4$$は、擬一次元系という単純な物質でありながら、超伝導や磁性などが現れる興味深い物質であり、その超伝導機構は未だ解決されていない。本論文では、上記課題に対し、第一原理計算と現象論的手法を組合せた比熱実験解析手法を考案し、シミュレーションを行うことで磁場回転比熱測定実験結果の解析に成功したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたり、低温でアニオンClO$$_{4}$$が整列しているということを正しく考慮するため、実験で得られた格子構造のデータを用いると、正しく電子状態が推定可能となり解決への糸口となった。この成果は、有機超伝導体の超伝導機構解明へ一歩前進し、高温超伝導体等の他の多彩な超伝導体の超伝導機構解明への糸口になる一方、原子力材料一般の比熱等の熱物性予測にも貢献可能であり、広く適用可能である。

論文

Phenomenological theory for $$pm$$s-wave superconducting states of iron-based superconductors

町田 昌彦; 永井 佑紀*; 太田 幸宏; 中井 宣之; 中村 博樹; 林 伸彦*

Physica C, 470(Suppl.1), p.S372 - S374, 2010/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.09(Physics, Applied)

この発表では、鉄系超伝導体の3つの現象論による成果を報告する。一つ目は、$$pm$$s波という対称性を仮定することで、多くの異なる実験結果を自己無撞着に説明できること、二つ目は、その$$pm$$s波の対称性を確認する実験方法、三つ目は、多結晶体におけるその$$pm$$s波による臨界電流値の見積もりである。

61 件中 1件目~20件目を表示